大きさ、国境、地史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 16:09 UTC 版)
「フィンランドの地理」の記事における「大きさ、国境、地史」の解説
フィンランドの国土総面積は338,144km2である。フィンランドはロシア、ウクライナ、フランス、スペイン、スウェーデン、ドイツに次いでヨーロッパで7番目に大きい国である。土地のうち、10%が水域面積であり、69%が森林、8%が耕作地、13%がその他となっている。 フィンランドの地理においてもっとも顕著な傾向は大陸的氷河の痕跡である。氷河は国土の表面に溝をつくり、磨きあげた。氷河は1万年前に後退したと考えられ、このとき氷堆石、氷堆丘、エスカーなどを残した。他にも氷河の存在の兆候として、南部地帯の多数の湖がある。分厚い氷の膜の動く力は、氷床をえぐり、氷が解けるとその穴に水がたまった。この湖や河川が氷河による形成の痕跡と考えられている。氷河の後退は地学的規模からみればそう遠くない過去のことであり、現代も流域の状況は未完成で、確立したものではない。氷河の進行と後退の方向はフィンランドの河川や湖の向きを広範囲で北東から南西の向きへ調整した。サルパウセルッカ分水嶺と呼ばれる二本の峰が25kmの間隔で平行に伸びており、これが氷堆石の終点である。フィンランド南部にある分水嶺の最高点は標高200mにおよぶ。 氷河大陸に覆われその重さに押し下げられていた時代が去り、氷河という重石が失われたことによって地殻均衡を保とうとする地球の動きから、フィンランドの土地は現在も隆起を続けており、氷河後退後100世紀は隆起を続けると考えられる。南部、南西部ではこの作用は1世紀あたり25cmから30cm程度のゆっくりとした早さで続くと考えられる。北方のポフヤンマー(ボスニア湾沿岸)地区では隆起はより早く、1世紀あたり80cmから90cmの早さで起こっている。このことから、フィンランドは毎年7km2の土地が海面から顔を出していることとなる。 フィンランドの形は片腕の人間に似ているとされる。フィンランドでは、この姿を擬人化したものである「フィンランドの乙女 (Suomi-neito) 」がフィンランドとして描かれる。また、フィンランド語では彼女の名前によってこの国を言及する。いくつかの公式な文脈では、スウェーデンとノルウェーにはさまれたエノンテキオ周辺を腕 (käsivarsi) とし、また、フィンランド南部をスカート部分と見ている。継続戦争後、モスクワ休戦協定でフィンランドはペツァモと東カレリアを失った。このとき、彼女は腕を一本失い、スカートのふちが失われた。 フィンランドでもっとも長く、印象的な川は北部に位置するケミ川である。ケミ川はもっとも大きな支流網を持っている。南のオウル川流域が北国の始まりになっている。
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