大江戸捜査網 番組の概要

大江戸捜査網

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/19 18:08 UTC 版)

番組の概要

江戸時代の町奉行所所属[2]の秘密潜入諜報捜査員の隠密廻り同心をモデルとして御庭番のエッセンスを加えて考え出された秘密潜入捜査員隠密同心」たちが、変装、潜入、囮など様々な手段を駆使しながら探索、事件の裏にはびこる江戸の悪を斬り捨てていく痛快時代劇。この中の隠密同心とは老中松平定信が極秘に作った組織で、彼の命を受けた幕臣旗本寄合席大番頭御側御用等)が隠密支配となって統括している。第1話(第1シリーズ#1)では、本来の隠密廻り同心のように、犯人である娘お菊(演:町田祥子)を北町奉行所の定町廻り同心島田又五郎(演:深江章喜)へ引き渡し、市中引き回しが描かれた。ただし、共犯の大目付・生田内蔵丞(演:須賀不二男[3])は斬罪をしている。話中では隠密同心であるが、放映話数によっては本来の名称であった隠密廻り同心[4] と、台詞で言われている回も存在している。本来の隠密廻り同心は、奉行所から貸与されている十手を所持しているが、この物語で描かれた隠密同心のメンバーは、普段は町人、浪人等として生活しているが、隠密支配[注釈 2] から賜った証である松平家(時により徳川家と言われる)の家紋である梅鉢紋、または三葉葵紋入りの懐剣を所持してもおり、ここぞというときに、犯罪者や下手人に見せつける場合もある[5]

テレビシリーズ本編で松平定信が直接隠密同心を統率したのは、橋爪編(平成版)の第1シリーズだけである。それ以前、松平定信が登場した時は、日活製作編では堀雄二三船プロダクション編では黒川弥太郎、ヴァンフィル編では永井秀明がそれぞれが松平定信役を、劇場版では三船敏郎が演じている。

隠密同心の活動拠点(アジト)は、日活制作の第1,第2シリーズでは主に銭湯「桜湯」の2階、三船プロ(末期はヴァンフィル製作)製作の第3シリーズ杉編では浅草の小料理店で「矢場兼飲み屋桔梗屋」の地下である。その後里見編以降では「御料理桔梗屋」の奥座敷が使われていた。松方編は当初当店の雇われ板前であった清次郎が、店主に変わっている。話数によっては、少ないが空き屋敷等に集められ指示を受ける時があった。


注釈

  1. ^ 番組販売による遅れネットで放送した社では、日産自動車と競合する自動車メーカー(トヨタ自動車系の地元ディーラー・マツダ三菱自動車工業など)がスポンサーだった例もある。
  2. ^ この物語での支配は旗本寄合席、大番頭、御側御用衆。本来の隠密廻り同心の支配は町奉行である
  3. ^ 身分である「“隠密同心」とは言わない時と、「如何にも、内藤勘解由配下、隠密同心 十文字小弥太」等の様に、身分を言う時とがあった
  4. ^ (※女性隠密同心の場合もあり)
  5. ^ 中村竹弥の後期には「そして、隠密支配、内藤勘解由だ」
  6. ^ 「隠密支配、藤堂対馬」と名乗ることもあり。
  7. ^ 昔の、SPレコードの機械吹き込みと云われるアコースティック録音の時代では、弦楽器のピッツィカートの音が、録音出来ないので、代わりに太鼓を叩いた音に変更をして、機械式の吹き込みで、録音を行っていた
  8. ^ 但し、日活ロマンポルノ開始迄に契約を打ち切り東映に移籍する。
  9. ^ 3日間の沖縄ロケが行われた。ロケ地は那覇市内の名所、玉城村玉泉洞奥武島など。沖縄本土復帰に合わせる予定が出演者のスケジュールが合わなかったという。(瑳川は第2シリーズ放送当時、『ウルトラマンA』で竜隊長役でレギュラー出演していて本作と掛け持ちで収録をしていた)前年12月までは第1シリーズが沖縄テレビで放送されていた事もあり、見物にファンが押し寄せた。ロケを伝える新聞記事では「美しき哉、琉球」というタイトルだった[43]
  10. ^ 表記は異なる可能性がある。
  11. ^ 隠密同心になった第20話以降もオープニングクレジットには登場しない。
  12. ^ この改編によって、これまで金曜19:00で放送されていた『日米対抗ローラーゲーム』は、土曜17:00に移り、同時間でそれまで放送されていた日本テレビ系列の『金曜10時!うわさのチャンネル!!』は『ウィークエンダー』が放送されていた土曜23:45に移動した。
  13. ^ 『金曜スペシャル』は成人向けの内容が多く、昼間の放送に適さないためと考えられる。1982年4月以降は金曜深夜に移動
  14. ^ なお昭和編終了後のTXN日産枠番組『テレビあっとランダム』も、遅れネットで放送された福岡放送(FBS)で、日産がメインスポンサーとなっていた。
  15. ^ なお、『そこが知りたい』が同枠に移動してからの放送枠の扱いについては不明
  16. ^ 2時間スペシャル版が3話存在し、それぞれ1時間枠で分割放映しているため、全体の話数713話より多くなる
  17. ^ 2023年1月30日から2月3日の放送は豊川悦司版藤枝梅安公開記念の特別編成で休止
  18. ^ 作中では短筒(たんづつ)、連発銃と呼ばれる。
  19. ^ 第3シリーズ第1話では隠密同心心得の条のシーンで使用。

出典

  1. ^ 『大江戸捜査網第3シリーズDVDマガジン』③、⑦特典映像『里見浩太朗特別インタビュー』で「この作品は、僕が一人の単独の主役ではなくて、全員が主役ですから」「チャンバラの2分間を、いかに4人が綺麗に演じ分けるか、編集が鋏を入れやすく出来るかを常に考えましたね」と言っている。
  2. ^ 江戸では、南北両町奉行所に2人づつ配置され、与力を通さず奉行と面会し報告。捕縛は与力配下の定町廻り同心、臨時廻り同心、小者、同心配下の御用聞き、下引きが出向く。隠密廻り同心は周囲の悪者に身分がばれるのを防ぐ為に、捕縛には出向く事は無い。
  3. ^ 里見浩太朗の出演初回第131話(第3シリーズ#27)の悪人の元締め兵法学者駒根木順慶も同氏が演じて居た
  4. ^ ※第27話(第1シリーズ#27)
  5. ^ 第166話(第3シリーズ#62)他
  6. ^ 第27話(第1シリーズ#27)
  7. ^ 心得之条の死して屍拾う者無しと云うのは、骨を拾いお墓に納める事はしないと云う意味であり、存在は抹消するの意味である。
  8. ^ 読む声は中村竹彌(内藤)である。読んで居る小弥太()の声では無い。此れも『スパイ大作戦』に通じる。指令する方の声である。
  9. ^ 第1シリーズ第44話「狂った狼の群れ」下手人に狙われている行列に着いていた十蔵は、「隠密同心井坂十蔵」と名乗った等
  10. ^ 第1シリーズ第2話「裏街道に命を賭けて」等
  11. ^ 第15話、「花吹雪暴れ獅子」では、相手(不破伝八郎;演;睦五郎)に「こやつは十文字小弥太に相違無い」と云われ「居かにも十文字小弥太は此の俺だ」と町人姿の侭で云い、戦いも素手で行ない素手で絞首して斬罪した。
  12. ^ 本来は行われ無かった全国行脚に於いて、悪事を行った代官等へ屋敷に乗り込み、手下の従身に刃を交えさせた後に、徳川光國が従身に自分の家紋入りの印籠を渡し、相手に紋所を見せて身分を明かす事を、TBSのテレビ時代劇水戸黄門で行い人気が出て、其が行われ無い時には苦情が来たり、行われる時間帯だけ視聴率が上がる等した為、各番組でも人気の出た行いを毎回行う様に成ったので、それらを❬水戸黄門の印籠❭と呼ばれる事になって行った。
  13. ^ いわゆる水戸黄門の印籠が取り入れられ始めたのである
  14. ^ 第1シリーズの様な忍装服や、探索時の継ぎ接ぎの、野良着等での立ち回りチャンバラでは無くなった事で、此の結果リアリティーは減った。
  15. ^ オープニングやエンディングでの時には、筆頭同心を演じる俳優が中心の事が多い。しかし、話の最中である被疑者の下へ出向く時には、上司に当たる支配が中心でないと、話がおかしくなる為、支配を演じる俳優が中心に立つ
  16. ^ 「“週間新潮”ペリー荻野が出会った時代劇の100人#12,降りる切っ掛けを失って演じ続けた『大江戸捜査網』の井坂十蔵」
  17. ^ 夕霧は第1話にのみ参加。順序が十蔵,お吉,小弥太の場合もあり,他に出演者の人数によっては、2人で「天知る,地知る」(江崎)、「人ぞ知る」(杉)と言い分ける回も存在する
  18. ^ 第1シリーズ第4話「火を吐く幻の罠」等、第3シリーズ通算第107話「天狗の館が燃えた」、通算第108話「裁くのは俺だ!」、通算第113話「裏切り者の子守唄」、通算第121話「無礼討ち返上」等
  19. ^ ※芸名改称
  20. ^ アランフエス協奏曲やミュージカルウエスト・サイド物語のアメリカが有名。
  21. ^ 『大江戸捜査網アンタッチャブル』「オリジナルサウンドトラック」CD解説書
  22. ^ 各リズムで1~2秒程度早い。全体で1分15~8秒で、オープニングが終了するように調整されて居る。テンポが違うのはチャンバラ時のBGMで前奏を繋げた時に、よく聴いて居なければ判らない程である。併し聞き分けられる為、テンポは明らかに異なる。
  23. ^ 里見編ではドラムスが叩かれる旋律が、杉編の場合には、弦楽器のコントラバスのピッツィカートと、木琴の音色で聞こえるので、よく聴いて居れば、聞き分ける事が可能である。
  24. ^ 第3シリーズのDVDブックの里見浩太朗の話に拠ると、「番組を卒業しだ降板する時に、女性のメンバーが皆泣くんですよ。もう、ワンワンと、化粧が取れちまうってのに」の様に、女性俳優は、1~3年置きに交代があった。
  25. ^ レコードについては第3シリーズの主題歌の項目で詳細に解説している。
  26. ^ 出演俳優のオフィシャルサイトに依る。
  27. ^ 後の項目の第3シリーズの主題歌を参照の事。
  28. ^ 朝日新聞出版社
  29. ^ ※「映像が乱れている」との断り付き
  30. ^ 視聴者が期待している所謂、「水戸黄門の印籠」の「“隠密同心心得之条”がなくなった」ことと、“被疑者の前で、「何物だ?名を名乗れ!」、「隠密同心、十文字小弥太」、「同じく、井坂十蔵」が無くなった事”で、『水戸黄門での「此の紋処が目に入らぬか!物共控えぃ!御老公の御前で在る!頭が高い!」此の時間にのみ、視聴率が極端に上がっていたと云う。』之と同じ事が『大江戸捜査網』でも起きていたのである。
  31. ^ トゥギャッター インヴィクタ序曲は @tamakihiroki 「大江戸捜査網のテーマ」のパクリか?玉木宏樹の2010年11月15日のツイート 2014年1月27日閲覧
  32. ^ 「注釈2」を参照の事。
  33. ^ 当作品の撮影年の、1970年10月迄には1966年燃えよ剣;沖田総司役(東京12チャンネル),1967年,文五捕物絵図;文五役(NHK総合),1969年,水戸黄門第1シリーズ;助さん(佐々木助三郎)役(TBS / C.A.L),1970年,大岡越前;定町廻り同心中山新八郎役(TBS / C.A.L),1970年,水戸黄門第2シリーズ;助さん(佐々木助三郎)役(TBS / C.A.L.)※後の里見浩太朗と同じく、水戸黄門の助さんと大江戸捜査網の筆頭同心とを京都と東京の撮影所で、同時期で撮影が重なっていた。)等が「大江戸捜査網アンタッチャブル」以前でのレギュラーとして出演をしている。
  34. ^ 第3シリーズでゲストとして、第3シリーズ初期の杉編への出演があり、娘瓦版屋のお花であったが、珊次郎を「珊次郎兄貴」と呼んだり、髪形の髪結いの形等、これまでの山猫お七とほぼ同じような姿での金太との絡み方等、山猫お七が復活したような演じかたであった。
  35. ^ ポルノ製作に変わる日活から金剛プロダクションへ転属
  36. ^ 『デイリー新潮』《ペリー荻野が出会った時代劇の俳優100人》「#12,{瑳川哲朗}.降りる切っ掛けを失って,演じ続けた『大江戸捜査網』の井坂十蔵」(※井坂十蔵役の瑳川哲朗も,杉良太郎、古城都と一緒に降板を願い出たが,一度にそんなに降板されると,此の番組らしさが無くなるので,其れは認められない。と断られ,次の里見浩太朗が降板する事が決まった時にも(続け過ぎると、他の役が出来なくなると思って),一緒に降板する事を願い出たが,此の時も一度に降板されると,此の番組らしさが無くなると,断られた事で,逆に好きな役では有ったので,最後まで演じ切ろうと思った。と云う。)
  37. ^ おおばんがしらと読みおおばんとうとは読まないが、幕府での大番頭=おおばんとうとしての役回りである。
  38. ^ “燕岳”で,“つばくろ”と読む。
  39. ^ 姿は見せる事が在るが、顔は見せる事や、斬罪に立ち会う事も一切無かった。
  40. ^ 「ちょんまげ天国 in DEEP 大江戸サラウンド仕様」(2003年ソニーミュージック、MHCL-289)など
  41. ^ 探索などのために刺青が邪魔になる時には、他人に判らないように、刺青がある腕に化粧を施しており,見えない場合がある。逆にある方が探索の相手に都合が良い場合には、わざと見えるような動きをしている。
  42. ^ 表向きには道楽で、御役御免となったことになってはいるのだが、以前に勘定奉行に任命されたおりに、妻子皆殺しに遭ってから、全ての表向きの公儀の御役回りは、一切引き受けることを辞している。第3シリーズでの音次郎達に、御役回りに着いてほしいと言われた時にも断っていた。その理由は定信から音次郎達に伝えられた。
  43. ^ 読売新聞1972年6月18日朝刊21面『隠密同心、沖縄に参上 東京12「大江戸捜査網」ロケ 一行、暑さに悲鳴』
  44. ^ ただし「制作協力」として、三船プロダクションのクレジットは終盤近くまで続けられた。
  45. ^ 第1話では、筆頭老中松平越中守定信と表記。
  46. ^ a b c 再放送の際は、前後編に編集されたもので放送することがある。
  47. ^ 朝日新聞 縮刷版朝日新聞社、1981年1月3日付ラジオ・テレビ欄。 
  48. ^ 出典:東奥日報1972年3月21日から4月10日のHBCテレビ欄から
  49. ^ 決定版 懐かしのせんだいCM大百科(せんだいCM特捜隊、株式会社mori) オジサマ人気『大江戸捜査網』と『ボンボン会館』のCM(当時宮城県での単独スポンサー、現在は閉館)より。
  50. ^ 信濃毎日新聞』1974年1月6日付朝刊、テレビ欄。
  51. ^ 富山新聞 1974年9月1日付朝刊テレビ欄より
  52. ^ a b 北國新聞 1980年10月5日付朝刊テレビ欄より
  53. ^ 東映ビデオ発売のDVDSetには入れられている為、視聴は不可能では無い。
  54. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」(金子明雄著、三一書房)p.140
  55. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.139
  56. ^ 立命館大学ARCシナリオ検索システム 大江戸捜査網(アンタッチャブル) 初姿、花の喧嘩状(2015年2月11日閲覧)
  57. ^ 『大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック』(キングレコード)解説書
  58. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.140-141
  59. ^ 読売新聞1970年9月10日朝刊23面『大江戸捜査網 東京12の型破り捕り物帳 アクションは現代風に』
  60. ^ カスタマーレビュー: 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック/Amazon.co.jp 2014年1月23日閲覧
  61. ^ 大江戸捜査網 オリジナル・サウンド・トラック - Amazon.co.jp
  62. ^ 「東京12チャンネルの挑戦」p.141






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