玉泉洞とは? わかりやすく解説

ぎょくせん‐どう【玉泉洞】

読み方:ぎょくせんどう

沖縄県沖縄島南東部にある鍾乳洞南城市玉城(たまぐすく)の雄(ゆうひ)川下流に位置する30万年前に形成されたとされ、主洞と洞とを合わせた総延長は約5000メートル昭和42年1967)から愛媛大学学術探検部による探検・調査が行われ、現在は890メートル観光洞として公開されている。

玉泉洞の画像

玉泉洞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/11 14:57 UTC 版)

玉泉洞
玉泉洞の位置(南城市)

玉泉洞(ぎょくせんどう)は、沖縄県南城市玉城字前川にある鍾乳洞。広義には沖縄島南部の雄樋川の流域に発達した全長5,000メートルを超える洞窟群をいい[1]、狭義にはこの洞窟群(洞穴群、ケイブシステム)内に位置する前川第6洞をいう[2]

概要

沖縄島中南部には基盤岩となる第三紀泥岩(島尻層群)の上位に第四紀礁性石灰岩(琉球層群)が堆積する地層が分布し、この地域には多くの洞穴が形成されている[1][2]。周辺の洞穴群(ケイブシステム)は「玉泉洞ケイブシステム」と呼ばれていたが、1971年鹿島愛彦と山内平三郎の調査報告により「ユヒ川地下川洞穴」と呼ばれるようになった[2]

この洞窟群(洞穴群)の一部はおきなわワールドの一部として公開されている[1]。洞窟群(洞穴群)全体は31個余の洞穴で構成されており、このうち「おきなわワールド」内には観光洞の玉泉洞を含めて15余の洞穴が存在する[2]

観光洞としての玉泉洞(狭義)は長さ約800メートルで、観光用に設けられた歩道の最高所は海抜14.4メートル(観光洞入口付近)最低所は海抜4.7メートル(観光洞出口付近)である[1]1972年4月28日に観光鍾乳洞「玉泉洞」としてオープンし、1987年9月には世界初となる洞内エスカレーターが設置された[3]。港川へ流れ出る雄樋川(ゆうひがわ)の河谷の東側、地下30メートルに水流があり、これが洞窟内を流れている。上流では雄樋川から流れ込み、下流では再びこの川に流れ入る[4]

洞内には、オキナワコキクガシラコウモリオオウナギ、ミズギワゴミムシ、オヒキコシビロザトウムシ、オビヤスデ、クロイワトカゲモドキなどが生息する[5]

旧入道口のトンネル状階段は、洞内の一定した温度条件を利用した古酒(クース)の甕の貯蔵場所として利用されている。

ギャラリー

周辺の主な洞窟

  • 前川第2洞(マジムン洞)[2]
  • 前川第3洞(珍々洞、イキガ洞) - 洞内の天井には層理に沿って落盤したと推測できる跡がある[2]
  • 前川第6洞(玉泉洞)[2]
  • 前川第8洞(武芸洞) - 全長40メートル[2]。近隣住民が武芸や踊りの稽古をしていたことに由来する[2]。武芸洞遺跡がある[2]
  • 前川第11洞(天然橋B) - 前川第12洞の西にある[2]
  • 前川第12洞(天然橋C) - 武芸洞の西90メートルにある[2]
  • 前川第13洞(風葬穴)[2]

脚注

  1. ^ a b c d 池田 未来、尾方 隆幸「[研究ノート 観光利用による鍾乳洞の大気環境変化 :沖縄島「玉泉洞」における移動観測]」『沖縄地理』第11号、沖縄地理学会、2011年、33-41頁。 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m 沖縄県立博物館・美術館「武芸洞遺跡発掘調査概要報告書」、沖縄県立博物館・美術館、2010年。 
  3. ^ 沿革(受賞歴・CSR活動)”. 南都. 2024年4月11日閲覧。
  4. ^ 木崎他編集(1975)p.100
  5. ^ 自然の神秘・玉泉洞”. 南都. 2024年4月11日閲覧。

参考文献

  • 下謝名松栄『カラー百科シリーズ4 沖縄の自然 島の自然と鍾乳洞』新星図書、1976年。 
  • 木崎甲子郎編集代表『沖縄の自然 その生い立ちを訪ねて』平凡社、1975年。 

関連項目

外部リンク

座標: 北緯26度8分14.41秒 東経127度45分6.51秒 / 北緯26.1373361度 東経127.7518083度 / 26.1373361; 127.7518083




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