虚無僧とは? わかりやすく解説

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こむ‐そう【虚無僧】

読み方:こむそう

普化(ふけ)宗の有髪の僧。宗祖普化禅師遺風称して天蓋(てんがい)とよぶ深編み笠をかぶり、首から袈裟(けさ)と餉箱(げばこ)を掛け尺八吹いて米銭乞い諸国行脚し修行した(こも)を携えて野宿したころからとも、また、虚無」は空の意とも人名ともいう。普化僧薦僧(こもそう)。


虚無僧

読み方:コムソウ(komusou), コモソウ(komosou)

普化宗属す有髪托鉢僧


虚無僧

読み方:コムソウ(komusou)

尺八を吹くことを修禅とする普化宗禅僧


虚無僧

作者竹西寛子

収載図書湖―竹西寛子自選短篇集
出版社学芸書林
刊行年月1989.5

収載図書兵隊宿
出版社講談社
刊行年月1991.7
シリーズ名講談社文芸文庫

収載図書竹西寛子自選短篇集
出版社集英社
刊行年月2005.5
シリーズ名集英社文庫


虚無僧

作者結城伸夫

収載図書逢魔が時物語
出版社小学館
刊行年月2004.8
シリーズ名小学館文庫


虚無僧

作者久道陽吾

収載図書蜃気楼
出版社新風舎
刊行年月2004.9


虚無僧

読み方:コムソウ(komusou)

初演 明和7.3(江戸市村座)

音曲 長唄


虚無僧

読み方:コムソウ(komusou)

作者 竹西寛子

初出 昭和57年

ジャンル 小説


虚無僧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/15 07:37 UTC 版)

尺八を吹く虚無僧。

虚無僧(こむそう)とは、禅宗の一派である普化宗のこと。

解説

普化宗は普化を祖とし、日本には臨済宗の僧心地覚心南宋に渡り、普化の法系の張参に竹管吹簫の奥義を受け、張参の弟子「宝伏」ら4人の居士を伴い、建長6年(1254年)に帰国し紀伊由良の興国寺に普化庵を設けて住まわせたことに始まる。古くは、「こもそう(薦僧)」ということが多く、もと坐臥用のこもを腰に巻いていたところからという[1]

虚無僧は「僧」と称していながら剃髪しない半僧半俗の存在である。尺八を吹き喜捨を請いながら諸国を行脚修行した有髪の僧[1]とされており、多く小袖に袈裟を掛け、深編笠をかぶり刀を帯した[1]。はじめは普通の編笠をかぶり、白衣を着ていたが、江戸時代になると徳川幕府によって以下のように規定された。

托鉢の際には藍色または鼠色の無紋の服に、男帯を前に結び、腰に袋にいれた予備の尺八をつける。首には袋を、背中には袈裟を掛け、頭には「天蓋」と呼ばれる深編笠をかぶる。足には5枚重ねの草履を履き、手に尺八を持つ。

旅行時には藍色の綿服、脚袢、甲掛、わらじ履きとされた。なお、よく時代劇で用いられる「明暗」と書かれた偈箱(げばこ)は、明治末頃から見受けられるようになったもので、虚無僧の姿を真似た門付芸人が用いたものである(因みに「明暗」に宗教的な意味合いはなく、「私は明暗寺(みょうあんじ)の所属である」という程度の意味である)。江戸時代には、皇室の裏紋である円に五三の桐の紋が入っており、「明暗」などと書かれてはいなかった。江戸期においても偽の虚無僧が横行していたが、偽虚無僧も皇室の裏紋を用いていたようである。

慶長19年(1614年)に成立したという『慶長掟書』(けいちょうじょうしょ)には「武者修行の宗門と心得て全国を自由に往来することが徳川家康により許された」との記述があるが、原本は徳川幕府や普化宗本山である一月寺、鈴法寺にも存在しないため、偽書ではないかと疑問視されている。罪を犯した武士が普化宗の僧となれば、刑をまぬがれ保護されたことから、江戸時代中期以降には、遊蕩無頼の徒が虚無僧姿になって横行するようになり、幕府は虚無僧を規制するようになった。

明治4年(1871年)、明治政府は幕府との関係が深い普化宗を廃止する太政官布告を出し、虚無僧は僧侶の資格を失い、民籍に編入されたが、明治21年(1888年)に京都東福寺塔頭の一つ善慧院を明暗寺として明暗教会が設立されて虚無僧行脚が復活した。

自宅に訪れた虚無僧への喜捨を断るときには「手の内ご無用」と言って断る[2]

尺八根本道場の明暗寺。
現在の虚無僧の一団(大国寺)。

時代劇における虚無僧

江戸時代らしさを演出する市中・街道の通行人のほか、深編笠で素顔が見えない点を生かして、暗殺者や隠密、武士が本当の身分を隠して行動する時の姿として登場する。尺八を鳴らしながら近づいてきた虚無僧の一団が、すれ違った瞬間に襲い掛かるといった場面が典型的である。[要出典]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c 『国語大辞典』(新装版)小学館、1988年
  2. ^ 川原進蔵 著「トップ > 広報連載企画 > 糸魚川昔物語 42 > 寺町の“いとびん”さん」、糸魚川市史編さん室 編 『糸魚川市史 - 昭和編〈デジタル版〉』糸魚川市、2004年10月1日 発行http://www.city.itoigawa.niigata.jp/sisetu/rekimin/hanbai01.htm より。

参考文献

  • 武田鏡村著『虚無僧「聖と俗の異形者たち」』三一書房、1997年12月

関連項目


虚無僧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/18 14:32 UTC 版)

わたしと男子と思春期妄想の彼女たち」の記事における「虚無僧」の解説

謎の僧侶。あすみに悪霊取りついている警告し妄想少女見えコンタクトレンズ渡したその後もあすみに危機が迫ると警告現れお助けアイテムを渡す。詳細話していないのに悪霊少年だと知っていた妙蓮寺住職正体ではないかとあすみは思っている。

※この「虚無僧」の解説は、「わたしと男子と思春期妄想の彼女たち」の解説の一部です。
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