天蓋とは? わかりやすく解説

てん‐がい【天蓋】

読み方:てんがい

仏具の一。仏像などの上にかざす笠状の装飾物。周囲瓔珞(ようらく)などの飾り垂らす

虚無僧(こむそう)がかぶる、藺草(いぐさ)などで作った深編み笠

貴人寝台玉座祭壇司祭座などの上方に設け織物のおおい。


天蓋

読み方:テンガイ(tengai)

(1)仏具の一。仏像の上荘厳する傘一種宝蓋;傘;懸;革
(2)の寺詞。


天蓋

作者中井英夫

収載図書中井英夫作品集 5 迷宮
出版社三一書房
刊行年月1986.8

収載図書異形ミュージアム妖魔ヶ刻 1 時間怪談傑作選
出版社徳間書店
刊行年月2000.8
シリーズ名徳間文庫


天蓋

読み方:てんがい

  1. 〔的〕笠、傘のこと。天空のことにも云ふ。空とか、天気とか云ふ義にも用ふ。「テンガイヤバイ」とは天気危いと云ふこと。
  2. 天、空、傘、笠。
  3. 帽子。傘。笠の如く凡て頭上より被さるるもの。蚊帳太陽或は。(僧侶)とも云ふ。「てんがいし」に同じ。
  4. ①笠、傘、帽子等。天蓋は虚無僧冠る網笠だが転じての上にのせるものをいう。〔香〕 ②香具師天涯(空のはて)の下で商売をしているところから。〔香〕 ③俗には頭だけというところから。〔俗〕
  5. 帽子。午。笠の如くすべて頭上より称されるもの。僧侶間では蚊帳太陽のことをいう。「てんがいし」ともいう。

分類 僧侶、的、露店商、香/俗/一般


天蓋

読み方:てんがい

  1. 傘ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品部・長野県〕
  2. 傘ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・富山県
  3. 傘ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・高知県
  4. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・福島県
  5. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・岩手県
  6. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・石川県
  7. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・鳥取県
  8. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・岡山県
  9. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・徳島県
  10. 笠又ハ帽等ノ総称ナリ。〔第二類 金銭器具物品之部・大分県
  11. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・茨城県
  12. 笠ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・北海道
  13. 傘笠頭巾ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・島根県
  14. 高帽ノコトヲ云フ。〔第二類 金銭器具物品之部・島根県
  15. 笠、傘。
  16. 傘。
  17. 帽子又は傘を云ふ。
  18. 雨傘名古屋前橋高松
  19. 傘。〔一般犯罪
  20. 傘。〔香具師不良

分類 ルンペン大阪北海道大分県富山県岡山県岩手県島根県徳島県犯罪犯罪者露天商人、石川県福島県茨城県長野県香具師香具師不良高知県鳥取県


天蓋

読み方:てんがい

  1. 章魚ノコトヲ云フ。〔第三類 飲食物之部・三重県
  2. 章魚ノコトヲ云フ。〔第三類 飲食物之部・静岡県
  3. のこと。其形似たれば之に喩へていふ。僧家隠語
  4. たこ()をいふ。僧侶用ふ隠語蓋し仏像などの上にかざす天蓋の形に似たればなり。
  5. 仏家にてのことをいふ。〔僧侶語〕
  6. 〔僧〕仏家にてのことを指して云ふ。其形状から来たれるものか。
  7. 僧侶間にてのことをいふ。
  8. 〔隠〕僧侶間での事。
  9. のことをいふ。
  10. を云ふ。又千手観音とも云ふ。
  11. 僧侶間でのことをいう。その形が似ているころから出た語。
  12. 仏家にてのこと。〔僧侶

分類 三重県、僧、僧侶僧侶語、東京僧侶静岡県


天蓋

読み方:てんがい

  1. 小芋ノコトヲ云フ。〔第三類 飲食物之部・富山県

分類 富山県


天蓋

読み方:てんがい

  1. 蚊帳ノコトヲ云フ。〔第四類 衣服之部・佐賀県
  2. 蚊帳。〔第七類 雑纂

分類 佐賀県


天蓋

読み方:てんがい

  1. 本類「てん」(※「てん」)同意。〔第三類 犯罪行為
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天蓋

読み方:テンガイ(tengai)

作者 中井英夫

初出 昭和57年

ジャンル 小説


天蓋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/25 20:34 UTC 版)

天蓋(てんがい)は、主に以下の意味を持つ。 「白海(びゃっかい)」「玉蓋(たまがい)」とも呼ばれる[1]

  1. 仏像住職が座っている上に翳される笠状の仏具
  2. 虚無僧がかぶる、藺草(いぐさ)等で編んだ深編み笠。
  3. 貴人(聖人)の寝台、玉座、祭壇、司祭座などの上方に設ける覆い。
  4. 古代の宇宙観天文学において「」を指す語。

建築物の(ひさし)など、天蓋と呼ばれることのあるものについてはキャノピーを、キリスト教バルダッキーノ英語版ユダヤ教フッパーについては当該項目を参照。

概要

仏具

元々はインドで、強い日差しを避けるために用いられた日傘だった。貴族が用いる日傘は特に豪華に作られ、常に従者がこれを差し掛けて従ったものであり、また天蓋は権威の象徴の一種でもあった。これが仏教に導入され、帝釈天が常に天蓋を差し掛けて釈迦に従ったという伝説が形作られた。「観仏三昧海経」には、の三十二相の一つである白豪相が放った光明が天蓋と化したと説かれている。後には釈迦の姿から作られた仏像に用いる、天井から吊るす装飾具となった。

尊い者を守るであると同時に、「仏の徳が自ずから外に現れ出た徳そのものである」とも言われる[2]。よって天蓋は尊く素晴らしい徳を意味し、貴人、貴尊の象徴であるため、天蓋が豪華で美しい程その下に居る仏は徳が深く、偉大であることを表す。そしてこの蓋は、蓋を見た者自身が徳を積み、自然と天蓋を差し掛けてもらえるような人物になって欲しいという願いも込められている。

これらの蓋の形状は、長方形・六角形・八角形・円形等である。材質は金属、木が主に使われるようになり、彫刻や装飾が施されるようになった。尚、儀式等において僧侶に差しかけられる番傘も天蓋である。

虚無僧も江戸の初期までは普通の編み笠をかぶり、白衣を着ていたが、普化宗の「出家した以上は親兄弟に行き会っても挨拶せず、世俗の時の名を言わず」という掟を守るため深い筒型の天蓋をかぶるようになり、さらに「だれの前でも天蓋を取らず」と定められた。現在は虚無僧笠を編む職人も極僅かとなったため、貴重な芸術品になっている。時間が経つに連れ、い草の青色から色に変わる。

(ふた)のように世界地上)を覆っている」とするのが天蓋説である。世界の法則秩序と密接に繋がっている。卵殻形の天が地球卵黄に相当)を覆っているとする渾天(こんてん)説も存在するが、両者に厳密な区分は無く、文献によっては混同が見られる。蓋天説も参照のこと。

尚、古代メソポタミア地方のカルデア人には、世界に釣鐘形の蓋が被せられているという思想もあった。

出典

  1. ^ 苅屋形神楽団のホームページ「神々の宴」の「天蓋引き」。
  2. ^ 株式会社「先島」の「仏具のはてな?」。

関連項目

外部リンク


天蓋(グレンツェン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/01 09:00 UTC 版)

スマガ」の記事における「天蓋(グレンツェン)」の解説

伊都夏市外界から隔絶する壁。目に見えるわけではなく通り抜けることも可能であるため物資輸送などは可能であるが、人間がそこを通り抜ける一切記憶失ってしまうといわれている。半径50キロメートルで、中心にあるのは天象儀である。

※この「天蓋(グレンツェン)」の解説は、「スマガ」の解説の一部です。
「天蓋(グレンツェン)」を含む「スマガ」の記事については、「スマガ」の概要を参照ください。

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天蓋

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 13:47 UTC 版)

名詞

てんがい

  1. 仏像などのにかざすではったかさ。
  2. 虚無僧かぶる深い編み笠
  3. 玉座祭壇貴人寝台の上おかれる覆い

翻訳


「天蓋」の例文・使い方・用例・文例

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