アランフエス協奏曲とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 音楽作品 > 楽曲 > ロドリーゴの楽曲 > アランフエス協奏曲の意味・解説 

アランフエス協奏曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/17 23:40 UTC 版)

アランフエスにある記念碑

アランフエス協奏曲西: Concierto de Aranjuez)は、ホアキン・ロドリーゴ1939年に作曲したギター協奏曲[1]1940年11月9日レヒーノ・サインス・デ・ラ・マーサのギター、セサール・メンドーサ・ラサーリェの指揮、バルセロナ・フィルハーモニー管弦楽団によりバルセロナにて初演された[2]

概要

この曲の第2楽章はその哀愁をたたえた美しい旋律から広く知られている。古典派以来の一般的な協奏曲は第1楽章が最も長いものであるが、この作品は緩徐楽章である第2楽章が最も長い。

ロドリーゴはスペインの古都アランフエスマドリード県南部にある都市で、宮殿が有名)が作曲当時のスペイン内戦で被害を受けたことから、スペインとアランフエスの平和への想いを込めて作曲したと言われている。第2楽章については、病によって重体となった妻や失った初めての子供に対する神への祈りが込められているとも言われている。

第1楽章の主題は、1978年作のギター曲『トリプティコ』の第3曲「スケルツィーノ」(scherzino)に転用されている。

第2楽章はポピュラー・クラシックとして編曲されるなど広く知られており、ギル・エヴァンスの編曲を得て1959年に演奏されたトランペット奏者マイルス・デイヴィスのアルバム『スケッチ・オブ・スペイン』のバージョンは有名である。ジャズ界では他に、モダン・ジャズ・カルテットジム・ホールマンハッタン・ジャズ・クインテットも取り上げた。また、チック・コリアは自身の楽曲『スペイン』のイントロに第2楽章のフレーズを用いている。ギイ・ボンタンペリがフランス語の歌詞を付け「恋のアランフエス」「我が心のアランフエス」と名付けた。

第3楽章は、スペインの平和を願って作られたものである。

ギター協奏曲全般についていえることであるが、クラシック・ギターの音量が小さいことからオーケストラが音のバランスに苦労することでも知られる。このため、オーケストラの音量を下げたり、ギターにマイクロフォンを置くこともある。

なお、本作には独奏楽器をハープ[3]に置き換えた別稿もあるが、取り上げられる機会はギター稿に比較して非常に少ない。

編成

独奏ギターフルート2(ピッコロ持ち替え1)、オーボエ2(イングリッシュ・ホルン持ち替え1)、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、 トランペット2、弦五部

構成

全体として簡素な書法で書かれており、フランシス・プーランクはこの作品を「一音の無駄もない」と評している。

エピソード

関連項目

脚注

  1. ^ Concierto de Aranjuez (1939)”. www.joaquin-rodrigo.com. www.joaquin-rodrigo.com. 2020年7月24日閲覧。
  2. ^ a b 平林直哉著『クラシック名曲 初演&初録音事典』(2008年大和書房)313頁。
  3. ^ Concierto de Aranjuez”. www.eamdc.com. www.eamdc.com. 2020年7月24日閲覧。




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アランフエス協奏曲」の関連用語

アランフエス協奏曲のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アランフエス協奏曲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアランフエス協奏曲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS