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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 16:50 UTC 版)

火の鳥 (漫画)」の記事における「執筆された作品」の解説

上述してある通り火の鳥という作品は読む順番入れ替えることも可能であり、多く出版社から単行本発売されているが収録順は出版社によってさまざまである。現在までに手塚治虫描いたとおりの順番収録され単行本は一冊も無い。下記では手塚治虫描いた順番紹介する黎明編漫画少年版) 初出:『漫画少年』(1954年7月号 - 1955年5月号)未完 主人公ナギ父親重病罹患していた。もし上空にある「血の星」という星が沈むまでに父の病が完治しなければしきたりにより父親村人たち食べられてしまう。悩みぬいたナギ長老相談すると、父親病気治すには「火の鳥」という生き血が必要と教えられるナギ火の鳥訪問し、運良く生き血を貰う。しかし、ナギ帰る頃には「血の星」はすでに沈み父親村人食べられしまっていた。行き場失った火の鳥生き血仕方がないのでナギと妹のナミが飲むことになった。やがてはさらに豊かな土地へと引越しするために船を出すが、嵐のためナギナミ難破し知らない島国流れ着く。その知らない土地原住民住んでおり、火の鳥生き血飲んでいて死なない体の二人は彼らに神様崇められる主人公イザ・ナギと妹のイザ・ナミ原住民から天照大御神あまてらすおおみかみ)の名前を貰う。その後二人原住民の長である卑弥呼出会うが、卑弥呼岩戸中に入るところで連載中断されその後掲載誌自体廃刊となったため未完終わったエジプト編 初出:『少女クラブ』(1956年5月号 - 10月号) 紀元前1000年頃。主人公エジプト王子クラブは、父親命令により、飲めば3000年の命が貰えるという火の鳥の血を求めて旅に立つ。しかし、その間王家乗っ取ろう考えていた王女クラブ継母)は王と王子殺そう計画する。旅に出たクラブは、もう一人主人公である奴隷ダイア出会うダイアの国はクラブのいるエジプト軍滅ぼされ奴隷として育てられていた。やがてクラブダイアは恋に落ち火の鳥探す旅を続ける。そして二人火の鳥の卵を洪水から救い代わりに火の鳥生き血を貰う。しかしクラブ王女部下殺されショック受けたダイアも後を追って自殺するギリシャ初出:『少女クラブ』(1956年11月号 - 1957年7月号) エジプト編続き殺されクラブダイア死体300年経ちナイル川流されギリシャの海を彷徨っていた。そしてダイア死体トロヤ軍の船に引き上げられクラブ死体スパルタの海岸に打ち上げられた。火の鳥の血を飲んでいた二人はそこでそれぞれ目覚めるクラブダイアスパルタ宮殿で偶然出会うが、二人記憶なくしていた。しかし、二人の心は何故か惹かれ合い「きっと前世では兄妹だったのだろう」と決め兄妹として愛すようになった。やがて二人トロヤスパルタという敵同士の国に運命引き裂かれトロイア戦争巻き込まれる。そして悲劇起きトロイの木馬によってダイア潰され死亡するクラブ悲しみのあまりダイア死体抱え海に飛び込み死亡するローマ初出:『少女クラブ』(1957年8月号 - 12月号) ギリシャ編の続き。 海に飛び込み溺死したクラブダイアユリシーズによって死体回収され長い間ギリシャ宝物庫保管されていた。しかし、300年経ちローマシーザーギリシャ制圧すると、シーザー部下・アンドロクレスによって2人死体引き取られた。ローマへ渡った死体火の鳥生き血おかげで生き返り、アンドロクレスに兄妹として育てられた。2人暮らしは平和そのものであったが、そんな暮らし長く続かずダイアローマ暴君ネボケタスによって無理矢理妻にされそうになる2人抵抗するが、代わりに死刑宣告され闘技場追い込まれライオン餌食なりかける。 黎明編COM版) 初出:『COM』(1967年1月号 - 11月号) 3世紀の倭(日本)、ところは熊襲主人公ナギの姉ヒナクは破傷風にかかり、生死の境さまよう。ヒナクの夫であるウラジは妻を助けるため火の鳥生き血求めて火の山に入るが、火の鳥の炎に包まれ死んでしまう。そんな折、海岸漂着した異国医師グズリが現れ最新医学知識でヒナクを救う。やがてグズリとヒナクは恋に落ちる。ところが婚礼の夜、グズリの手引によって、多数軍船から猿田彦率い防人軍団上陸。グズリはヤマタイ国スパイであった村人虐殺され、ひとり生き残ったナギ猿田彦襲撃するも捕えられる猿田彦ナギ勇気称え奴隷としてヤマタイ国に連れ帰り狩り部(猟師)に鍛え上げるヤマタイ国クマソ侵略した裏には、老いた卑弥呼火の鳥の血を欲していたという事情があった。のちにヤマタイ国も、ニニギ率い高天原族に滅ぼされナギ猿田彦戦死する本作未完終わった漫画少年」版の黎明編を基に大幅に内容変え連載したもの。大和朝廷成立については、定説ではなく本作執筆時に話題になった江上波夫騎馬民族征服王朝説採用している。その後何度描き直されており、後年の版では主人公たちを襲う様々なスタイル中に、「ファミコン型」や「赤塚不二夫型」等も登場する。また日食場面で太陽欠け方が間違っており、手塚本人によって単行本では正し日食欠け方へと修正されている。現在では、黎明編といえば普通は漫画少年ではなくてCOM版のことをさす。 TVアニメ版では幼少期猿田彦シーン追加され卑弥呼忠誠誓った経緯分かるようになっている未来編 初出:『COM』(1967年12月号 - 1968年9月号) 西暦3404年。時間軸考えた場合火の鳥結末にあたる作品人類25世紀頂点として衰退期入り文明芸術進歩少しずつ停止人々は昔の生活や服装にばかり憧れを抱くようになり、すでに30世紀には文明21世紀頃のレベルまで逆戻りしていた。地球人類は滅亡の淵にあり、他惑星建設した植民地放棄し地上人間はおろか生物が殆ど住めない世界となっていた。人類世界の5箇所作った地下都市永遠の都”ことメガロポリス「レングード」(ユーラシア中央部)「ピンキング」(満州北部)「ユーオーク」(ニューヨーク付近)「ルマルエーズ」(マルセイユ付近)「ヤマト」(東京付近)に移り住み、超巨大コンピュータに自らの支配委ねていた。しかし、そのコンピュータ完璧な存在ではなくコンピュータ同士争い起き全体主義体制を採る「ヤマト」と自由主義体制の「レングード」の対立から核戦争勃発したその結果対立関係とは無縁だった残りの3都市までもがなぜか超水爆爆発し地球上5つあった全ての地下都市消滅人類滅亡してしまう。生き残ったのはシェルター居た主人公山之辺マサト、そして猿田ロックタマミのみであったその後山之辺マサト意識体外離脱し、火の鳥により、宇宙構造と、人類滅亡生命歴史リセット目的として実行されたことを告げられ生命復活させ正しい道に導くために永遠の命授かる。他の者が次々と放射能作用寿命尽きて死んでいく中で、山之辺マサトだけは永久に死ねない体のまま苦しみ悶えながら生き続ける。途方も無い時間たった一人で過ごす中で、マサト地球の生命復活追究し続け、やがて一つ答えにたどり着く。 本作結末黎明編へ繋がるような展開となっており、読む順番最初にしても、最後にしても問題が無いような作りになっている。また雑誌版では第一話最後マサトムーピー火の鳥に会うというシーンがあったが、単行本ではカットされている。 なお、NHKアニメ版では本作最終エピソードとされたが、尺の都合及び倫理的理由のため内容大幅に削除変更されている。 ヤマト初出:『COM』(1968年9月号 - 1969年2月号) 4世紀頃の倭(日本)。古墳時代主人公ヤマト国の王子ヤマトオグナは、父である大王からクマソ国の酋長川上タケルを殺すことを命じられる。その理由川上タケル真実書いた歴史書作ろうとしているからであった大王は、自分たちは神の末裔であるとする嘘の歴史書作ろうとしていたため、川上タケルがやろうとしていたことは不都合であったオグナ川上タケルの妹であるカジカ出会い恋に落ちるが、迷いながらも父の言いつけ通り川上タケルを殺す。タケル死に際に「わしの名前をやろう。これからヤマトタケル名乗るがいい」と名前を譲る。愛したカジカに、仇として命を狙われる事となったタケル二人の愛はやがて悲劇へと向かって行く。 本作『古事記』『日本書紀』日本武尊伝説と、日本書紀垂仁紀にある埋められ殉死者のうめき声数日わたって聞こえたという殉死風習埴輪まつわるエピソード下敷きにしている。殉死者が死ななかったのは火の鳥の血の効果であるとし、期間も1年わたって事とした。石舞台古墳造営まつわるエピソードがあるが、史実ではもっと後代古墳であり、殉死者が埋められているという事も無い。オグナ日本神話ヤマトタケルモデル(「倭男具那命」-「やまとをぐな」はヤマトタケルの別名)で、川上タケル川上梟帥モデル本作登場するクマソの国の長老黎明編最後で崖を登り切った青年であり、彼の子孫が繁栄しクマソ国へと発展している。 雑誌掲載版と単行本版では、手塚により細かな修正が行われている。ヤマト編は時事ネタ多かったため、単行本ではセリフの手直しが多い。作中川上タケルは、"長島"なる部下「王」呼ばれている。これは初出時には川上タケル川上哲治として、クマソ巨人軍見立て、その部下長島長嶋茂雄という洒落であったが、川上監督引退したので、川上タケル王貞治見立てる内容改稿したためである。雑誌版では川上タケルオグナ出迎えた場面で手塚学生時代体験談である「日本アメリカ都合いい様相手国を中傷していた」という2ページ渡った内容があったが、単行本時に省かれている。 OVA版はほぼ原作準じているが、原作時代設定無視したギャグ歴史書に関するくだりは削除されている。 宇宙編 初出:『COM』(1969年3月号 - 7月号) 2577年。主人公達5人は、ベテルギウス第3惑星から地球へ向かうために宇宙船人工冬眠行いながら宇宙航海していた。しかし宇宙船操縦者である牧村五郎自殺によって事故遭うその事故により船は大破乗員はすぐに宇宙船から離れない危険な状態であった乗員人工冬眠から目覚め宇宙救命艇脱出する救命艇一人乗り小さな急用の物で、4人はバラバラ宇宙投げ出されるような形になった救命艇にはそれぞれ無線通信機付いており、彼らは宇宙漂いながら会話始める。その内容過去起きた牧村五郎に関するものであった。やがて彼らの乗る4つ救命艇に謎の救命艇が近づいていく。果たしてその救命艇には誰が乗っているのか。 本作では、火の鳥我欲為に罪を犯した猿田直接処罰する明確な描写がある、数少ない作品となっている。 また本作OVA化され時には牧村ナナと奇崎が出会うシーン追加され隊長死亡理由変更牧村ラダを殺す動機変更牧村不老不死になる過程変更など、全体的にストーリー変えないまでも細かな演出がより現実的になっている。また、オリジナルラストシーン追加されている。 鳳凰初出:『COM』(1969年8月号 - 1970年9月号) 奈良時代主人公一人我王誕生直後片目片腕失っており、心に影を持ちながら殺戮強奪繰り返しながら生活していた。もう一人主人公である仏師茜丸は、旅先我王利き腕を傷つけられ仏師としての生命危機追い込まれるその後我王は速という女性出会って愛を知るが、彼女を信じ切れず些細な誤解から殺してしまう。しかし彼女の正体知った時、激し後悔襲われることとなる。後悔の中、彷徨い続け我王良弁僧正出会い怒りを糧としながら仏師としての才能開花させる一方茜丸もまた負傷して以来、彼を慕う少女ブチとの出会い仏師としての栄達などを経て少しずつその心と運命変化していく。そして、それぞれに変わった二人は、国を挙げて建立されていた東大寺鬼瓦製作という大勝負の場で再会する本作は、生まれながら苦しみ続けるがその中で次第悟り得ていく我王権力庇護得て慢心し堕落していく茜丸対比東大寺大仏建立真相輪廻転生といった深い題材取り上げている。火の鳥茜丸鳳凰の像の制作命じられることで物語に関わってくる。しかし、史実では橘諸兄によって重用されている吉備真備政敵として対立する良弁僧正即身仏となるなど、史実改変された点も多々見られる良弁については作中ギャグ的にではあるが、朝廷がその死を隠す様に指示しているというフォローなされた)。一方で作中我王茜丸作った鬼瓦は、同じ意匠のものが東大寺実在する雑誌掲載版では、我王が泥を壁に投げてヒョウタンツギの絵を作るというお遊びシーンがあったが、ストーリー無関係なため、単行本では手塚本人により省略されている。 劇場アニメ化された時は60分という尺の短さから大幅に内容短縮され我王は速殺した後は最後対決までほとんど登場しない。また原作では比重大きかった良弁僧正一切登場せず、二人心理変化もあまり描かれず、主人公一人もう一人主人公の墓を彫る(弔う)というラストシーンカットされている。 復活初出:『COM』(1970年10月号 - 1971年9月号) 2482年。主人公少年レオナエアカーから墜落したレオナ最新科学治療生き返るが、人工細胞で脳を補うという方法だったため認識障害起こす具体的には、有機物生命体)が無機物人工物)に見え無機物人工物)が有機物生命体)に見えるようになるというもので、レオナには人間奇妙な無機物の塊にしか見えなくなってしまった。そんなある日レオナは街で美し少女見かける彼にとって唯一普通の人間見えるその少女に心ひかれ追いかけるが、彼女の正体人間とは似ても似つかぬ旧式ロボットであった。やがて過去記憶を辿る内に、墜落死原因がかつてアメリカにおいてレオナフェニックス火の鳥)の血を入手したという過去からんでいる事も判明した。だが、認識障害改善されても、ロボットチヒロ人間女性認識し愛する事に変わり無く、ついにレオナチヒロ駆け落ちしてしまう。そして再び瀕死の重傷負ったレオナは、ある決断をする。 一方西暦3030年、旧式ながら通常のロボットとは異な奇妙な人間味を持つロボット・ロビタが、溶鉱炉飛び込んで集団自殺」するという異常事態発生した。それはなぜなのか、そして月面貨物施設酷使され最後ロビタ運命は。二つ物語は、やがて意外な形で収束する本作では「未来編」に登場するロビタ誕生描かれラストシーンにおいて繋がるようになっている。また雑誌掲載版と単行本版では2484年から3009年、さらに3030年へと行き戻りする物語順番手塚により一部修正されている。 NHKテレビアニメ版では大幅に内容変更し主人公の設定変え新キャラや新ヒロイン登場させ、さらにロビタ登場するパートを全カットして、ほぼ別物語に仕立てている。 羽衣初出:『COM』(1971年10月号) 10世紀三保の松原主人公漁師ズクは家の前にある松の木に、薄い衣が引っかかっているのを見つける。すぐさまそれを手に入れ売ろうとするが、衣の持ち主である女性・おときが現れズクは彼女を天女だと思い込む。ズク衣を返すことを引き換えに、3年間だけ妻として一緒に暮らすことを約束させる。 本作天の羽衣伝説元になっており、舞台で演じられる芝居客席から見たような視点描かれている。また羽衣伝説を基に描いているが、おときの正体天女ではなく未来人であり、羽衣正体未来の技術作られ謎の物体である。最後はひとり残されズクが、この物体数千年後の未来へ託すために地面埋めるところで終わっている。短い作品であるが、「放射能影響奇形生まれた赤ちゃん嘆いて殺そうとする」という表現について問題作者意向があり、1980年まで描き直されるまで単行本化されなかった。本来は「望郷編(COM版)」と関連する話であるが、1980年単行本化される際、全ての文章手塚書き直し独立したになっている。そのため、本来ならば最後に埋めた物体正体COM版「望郷編」で語られたはずが、そのままになっている望郷編(COM版) 初出:『COM』(1971年12月号)・『COMコミックス』(1972年1月号) 城之内博士人類の歴史やり直すため、人間植物動物全てクローン賄われた「第二地球」を創りだした。城之内博士の娘「時子」は、戦争から逃れるために4次元航空装置で「羽衣編(COM)」の時代逃げていた。時子正体は実は羽衣編の「おとき」であり、本作は彼女が未来へ戻ってくるところから始まる。時子には放射能のせいで奇形誕生した赤ちゃんがいた。しかし、時子恋心抱いていたジョシュアという男は城之内博士殺し4次元航空装置奪い奇形の赤ちゃんを池に投げ捨て時子連れ本当地球へ旅立つ赤ちゃん生きており、クローン動物から「コム」と呼ばれるうになる本作COM休刊によって、未完のまま中断される放射能障害描いたCOM版「羽衣編」を前提としているため、「羽衣編」改稿に伴い構想新たに関連のない物語としてマンガ少年』版「望郷編」が描かれ、この版は未完のままで長く単行本収録されることがなかった。復刻版でも絵と会話内容一部変えられている。放射能という単語削除され生まれた赤ちゃんであるコムの角は一角獣のようであった復刻版ではメロンのような触覚替えられた。また前後大幅にカットした短縮版が『マンガ少年』に掲載されたこともあるが、そちらの短縮版はまだ一度単行本化書籍収録されことはない。 乱世編(COM版) 初出:『COM』(1973年8月号) 平安時代末期主人公である猟師の「まきじ」は実の妹である「おぶう」と体も心も愛しあう関係であったある日、まきじは山で死にかけていた一匹救った。それはまきじが普段赤坊主」と呼んでいたボスであった。どうやら赤坊主ハンニャよばれる争って負けボスの座を奪われたようである。まきじは瀕死赤坊主手当する。まきじは体の治った赤坊主一緒に京都仕事に行くと、赤坊主をめぐり路上役人衝突。危ういところを名僧である明雲助けられる明雲忠告もあり、まきじは赤坊主を山へ返そうとする。 本作は後の「乱世編」の元となる話であるが、『COM』が再び休刊したことにともない連載中断している。主人公の「まきじ」は後の「マンガ少年」版の弁太の原型であるがほっそりしている。また、まきじとおぶうは兄妹でない設定変わった子犬エピソードは「マンガ少年」版に流用されているが、二匹の名前が変えられており、天狗(我王)に育てられた話になっている望郷編(マンガ少年版) 初出:『マンガ少年』(1976年9月号 - 1978年3月号) 時代宇宙時代。自然が失われ続け地球絶望した主人公ロミ恋人ジョージは、強盗得た金で宇宙不動産会社から小さな惑星エデン17を買い、移住する。しかしそこは地震頻発し荒廃した惑星であった悪徳業者置き去りにされ、ジョージ事故死にロミ残され息子結ばれることで生命を繋ぐ決断をする。しかし近親婚影響女児を得ることができず、ロミ唯一の女性として息子結婚して子供産んで冷凍睡眠繰り返す事となった。やがて小さいながらロミと息子たちコミュニティ築かれていくが、兄弟同士諍いから恐るべき計画持ち上がり、それを聞かされロミ絶望して睡眠装置閉じこもってしまう。彼女を憐れんだ火の鳥は、ロミ夢に呼びかけ異星人との混血すすめた火の鳥働きかけによりムーピーエデン17訪れムーピーとの混血新し種族繁栄していく。ロミ数百年にわたる眠りから目覚めた時、エデンには心優しく素朴な人々の住む、平和な文明育っていた。ようやく心の平安得たロミは、エデン女王として人々慕われ静かに老いていくが、次第地球へ望郷想い募らせコムという少年と共に地球目指す旅に出る。その旅先で、ロミ宇宙パトロール隊員牧村出会う。しかし牧村任務は、地球不法入国ようとする帰還者たちを阻止すること、即ちロミたちを殺すことだった。 本作は『COM』版の「望郷編」(未完)との関連はほとんどなく、唯一被爆した少年コムだけが、ムーピー地球人との混血児という設定再登場している。 手塚本人により何度も描き直されており、雑誌掲載版・朝日ソノラマ版講談社版角川書店版の各単行本では大きく内容異なる。雑誌版では地球到達までのロミの顔は老婆のような状態だったが、朝日ソノラマ版では若く描き直されている。単行本ではフォックス呼ばれるブラック・ジャック似た男がロミを自然が残った所へ連れて行くシーン追加された。また雑誌版ではロミ牧村撃ち殺されるが、単行本では若返り副作用のため死んだことになっているラストシーン牧村ロミのために星の王子さまを読むという場面追加された。ロミジョージの声が最後に聞こえシーン単行本加筆されたもの。また角川版ではロミジョージ出会いシーン冒頭移動し、展開を早くするため宇宙船に他の宇宙人搭乗する場面省き地球に向かう途中立ち寄る星に違うものがあったりするなど内容異なる。また、本作火の鳥シリーズ中で最も手塚による加筆・修正が多い編であり、雑誌掲載版、角川書店版朝日ソノラマ版講談社版では上記以外でも100ページ上の変更がある。特にムーピー人間との混血生まれ場面それぞれ設定異なる。今日では望郷編と云えば、普通はCOMではなくてマンガ少年版のことを指す。 乱世初出:『マンガ少年』(1978年4月号 - 1980年7月号) 平安時代末期1172年平安京北の山に住む木こりの弁太は、恋人おぶうと愛を育んでいた。ある日の皮を売りに都へ行った弁太は役人トラブル起こす高価な拾い、おぶうへとプレゼントする。ところが、それは藤原成親持ち物であった。弁太一家は成親の一味と見なされて焼討遭い、弁太の両親は斬られ、さらにおぶうの父も殺害された。弁太は連れ去られたおぶうを追って都へと出向くが、その先源義経仲間にされてしまう。義経一見したところ美貌英雄だが、その実平家打倒目的のためならば非情な行い平然とやってのける没義道なであった一方おぶうは平清盛侍女となる。悪名高い清盛は、実は世間荒波家中乱暴狼藉板ばさみ苦悩する小心な家長であった。そしてその清盛には、大陸からもたらされ火の鳥隠し持っているという噂があった。 本作源平抗争巻き込まれ二人すれ違い運命追っていき、源平抗争源頼朝義経兄弟相克には、火の鳥争奪が関わっているという筋立て弁慶伝説下敷きとする。「鳳凰編」の我王義経師匠鞍馬天狗として登場している。本作では英雄として名高い義経非情な人間として描かれるが、その行為文献準ずるものもある(例え民家への放火など)。清盛残虐な面も描かれるが、平家一門身内増長に対して逆に叱責したり、また大仏焼き討ちなど自らのやり過ぎ後悔するなど、人間らしい面が描かれる。なお、この乱世編では手塚実の先祖でもある手塚太郎光盛が手塚自画像似せて登場する手塚により何度も描き直されており、雑誌掲載版、角川書店版朝日ソノラマ版講談社版では大きく内容異なる。特筆すべき大きな変更犬と猿エピソード本編途中天狗が死ぬ場面)に存在したが、朝日講談社版ではラスト移動し犬と猿義経清盛転生後という設定になっているその中で犬と猿人間だった頃の思い出義経清盛だった頃)を思い出すという内容追加された。また角川版では犬と猿エピソード冒頭移動され物語序章として扱われている。さらに弁太が義経丸太自慢の顔を潰して殺す場面角川版では藤原泰衡軍の弓矢で死ぬ場面変えられている。この他細かな変更も多い。 生命初出:『マンガ少年』(1980年8月号 - 12月号) 2155年主人公テレビプロデューサー青居は、クローン人間使った殺人番組考案するクローン使えば法律抜け穴をついて合法的な殺人が行え、それを番組にすれば視聴率取れると考えたためである。青居はクローン技術工場があるペルーに向かうが、なんと自分自身大量生産されてしまう。そして日本に連れて帰られ大量の青居は、皮肉なことに自分自身が他のクローンとともに企画した殺人番組標的にされることになった。青居は番組初回駆り出され大量の青居が殺される中で左腕失いながらも追手から逃れた後、逃亡中に出会った少女と生活を始める。 単行本では手塚による修正入っている。まずサイボーグおばあちゃん雑誌掲載版では本当に生きたおばあちゃんであったが、朝日講談社版では見るからロボットの姿へと変更された。またの顔をした女性は、雑誌掲載版では本当に火の鳥の顔をしていたが、単行本版では人間火の鳥中間的な顔つきへと修正されている。エンディングも全く異なり雑誌掲載版では青居はテレビ番組内で殺されるに対して単行本版では青居がクローン人間培養工場爆破するエピソード追加されている。また雑誌版では主人公の青居は最後にはっきりとクローン断定されるのに対して単行本ではクローンではなく失った指から本物の青居であった思えるような描写になっている異形初出:『マンガ少年』(1981年1月号 - 4月号) 戦国の世(室町時代)。主人公左近介は本来は女であったが、幼少の頃より父に男として暴力をもって育てられた。その左近介の父は応仁の乱功績で名をあげた残虐非道の男であり、左近介は父を憎んでいた。ある日左近介の父の鼻に「鼻癌」と思わしき症状現れ苦しんでいたところ、それを治せるという尼「八百比丘尼」が現れた。左近介と父は、まるで老いた左近のような八百比丘尼の姿に驚く。父に恨み抱いていた左近介は、治療阻止するために、寺を訪れ八百比丘尼を殺す。だが、殺害終えた左近介は不思議な力阻まれ、寺から出られなくなる。八百比丘尼治療求め近隣住民たち、さらには人外異形の者たちが次々と寺を訪れ左近介は心ならずも比丘尼身代わりとして治療従事する羽目になるが、そこから恐ろしい因果応報左近介に巡ってくる。 「太陽編」では仏族の攻撃により負傷した霊界の者達を治療することができる人物がいるとして火の鳥本作八百比丘尼思われる女の下へ負傷者誘導する描写がある。火の鳥はこのシーン八百比丘尼のことを「自分犯した罪を贖うために無限の時間あらゆる世界生き物を救うことに費やしている」と説明している。 本作八百比丘尼伝説下敷きにしている。雑誌掲載版と単行本とでは結末大きく加筆がされ、主要登場人物最後に切られるという大事な場面単行本追加されたもの。その他にコマ入れ替えページ組み換えなど細かな修正が多い。雑誌版初期単行本では、治療訪れ異形患者宇宙人火の鳥が他の星の生き物である事と、その理由説明する)だが、後の版では前述の「太陽編」のシーンへと繋げるために、治療される対象妖怪になり、絵も妖怪に近いデザイン改められている。 NHKアニメ版では、唯一ほぼ変更なしにアニメ化されている。 太陽初出:『野性時代』(1986年1月号 - 1988年2月号) 7世紀21世紀2009年)の2つ時代交互に描いた物語西暦663年主人公一人ハリマ百済王族血を引く存在であったが、白村江の戦い敗れ、顔の皮を剥がされ、その上にの顔を被せられた。の皮はハリマの顔に張り付き、本来の皮膚同化して取れなくなってしまった。ハリマ倒れているところを占い師オババ助け逃げるために将軍阿部比羅夫と共に倭(日本)に渡る。ハリマは倭では上宿禰(いぬがみのすくね)と名乗り(ク)族の少女マリモとの出会い経て、やがて壬申の乱巻き込まれてゆく。壬申の乱世俗での権力闘争であると同時に外来宗教である仏教日本土着の神々との霊的な戦いでもあった。 一方21世紀日本「火の鳥」崇拝する宗教団体「光」一族支配されていた。もう一人主人公である坂東スグルは、幼い頃から「光」によって地下街荒廃した環境で生活させられスグルはその中の反「光」団体シャドー」に属したテロリストとして冷酷な人殺し繰り返していたが、ある作戦失敗したことによって「光」のメンバー捕らえられ洗脳するための施設入れられの頭に似た洗脳ヘルメット被せられる生活を送ることになる、そしてかつて任務同い年という理由から殺さなかった少女兵士ヨドミ施設知り合い惹かれ合っていく。 本作ハリマスグルになった夢を見てスグルハリマになった夢を見るというように交互に物語入れ替わる過去未来宗教双方とも火の鳥自身ご神体となっている。 単行本化の際は手塚自身により未来側のストーリー大幅に変更され火の鳥登場したり、猿田が罰を受ける描写などかなりのカットなされている。雑誌掲載版では回想シーン猿田の兄として鉄腕アトムお茶の水博士登場するまた、NHKテレビアニメ版では尺の都合大幅カットされ未来側の物語描かれなかった。 休憩 INTERMISSION 初出:『COM』(1971年11月号) 他の編と異なり手塚自身登場するエッセイ短編漫画。「なぜ火の鳥を描くのか」といったテーマになっている。 二種類存在する一つCOM掲載された『休憩 INTERMISSION 火の鳥 またはなぜ門や柿の木記憶宇宙エネルギー進化と関係あるか』であり、もう一つ1978年マンガ少年11月号に再録された『休憩 INTERMISSION 火の鳥 というタイトルでなくともよいというわけ』である。 後者前者の「再録」という形ではあるが、前者は6ページあるのに対し後者は3ページ削られた上、文章全て書き換えられている。なぜ後半3ページ削除されて、文章全て書き換えられたかは不明であるが、削られた3ページには「火の鳥正体火の鳥とはどういった存在か)」など核心を突く内容描かれていた。 この他手塚以外の作家により作画された連載作品として、アニメ映画火の鳥2772 愛のコスモゾーン』をの内容元にコミカライズした御厨さと美による漫画初出:『マンガ少年』(1980年2月号 - 4月号)がある。詳細について当該項目参照

※この「執筆された作品」の解説は、「火の鳥 (漫画)」の解説の一部です。
「執筆された作品」を含む「火の鳥 (漫画)」の記事については、「火の鳥 (漫画)」の概要を参照ください。

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