トロイ‐の‐もくば【トロイの木馬】
トロイの木馬
別名:トロージャンホース
【英】Trojan Horse
トロイの木馬とは、データの破壊やファイルの破壊など、コンピューターシステムに何らかの悪外を与えるプログラムとしての広義のコンピューターウィルスの中でも、無害なプログラムを装ってユーザー自らに取り込ませ、コンピューターへ侵入するタイプのウィルスのことである。
トロイの木馬は、他のファイルへの寄生活動を行わないという点で、狭義のコンピューターウイルスとは区別される。また、自己増殖活動を行わないという点で、コンピューターワームとも区別されている。
トロイの木馬は多くの場合、フリーソフトやバージョンアップ用ファイルといった有益なユーティリティソフトであるかのように偽装している。これに欺かれたユーザーが招き入れて(ダウンロードして)実行しまうと、その内部からデータ消去やファイルの外部流出、他のコンピュータ-の攻撃などの破壊活動を始める。それがホメロスの叙事詩「イーリアス」に登場する「トロイの木馬」によく似た攻撃手法であることから、これになぞらえて命名された。
攻撃のパターンには、実行された途端に破壊活動を始めるものの他にも、一定期間システムの一部として潜伏した後に活動を始めるものや、あるいはコンピューターに外部からの侵入経路(バックドア)を設けて、他のユーザーが乗っ取るための糸口として機能するもの(バックドア型)などがある。代表的なトロイの木馬としては、Windowsに外部侵入経路を設ける「Back Orifice」などがある。
トロイの木馬を防御するためには、アンチウイルスソフトを用意しておく必要がある。それ以前に、身元の不確かなソフトウェアを実行しないことである。
トロイの木馬
トロイの木馬
トロイの木馬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/05 22:55 UTC 版)
トロイの木馬(トロイのもくば:Trojan Horse)はギリシア神話に登場する装置。トロイアの木馬ともいう。以下はこれに由来する。
- トロイの木馬 (ソフトウェア) - マルウェア(情報セキュリティの観点から問題があるとみなされるコンピュータ・プログラム)の一分類。
- トロイの木馬 (カクテル) - カクテルの一種。
- トロイの木馬 (テレビ番組) - かつて放送されていたテレビ番組。
- 学研が発売していた電子ゲーム。トロイア戦争におけるトロイアの木馬の神話を題材としている。
- トロイの木馬 (2012年の小説) - マーク・ルシノビッチによる2012年発売の小説。
トロイの木馬(どさくさ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 06:19 UTC 版)
これは、コンピューターウイルスのトロイの木馬にたとえたもので、関心をひきやすいミームをおとりとして利用し、本命のミームを、相手に気づかれないように送り込むこと。コンピューターウイルスのトロイの木馬は、安全なソフトウェアに見せかけてコンピューターに入り込む。同じように、有害なミームでも有益なミームに見せかけることができれば、私たちの心へ侵入できる。 魅力的なミームと一束にする方法 まず、性や食べ物、安全など、私たちの注意を引くミームと他のミームを関連づけて一緒に心へ送り込む方法がある。例えば、あるミームを受け入れると自分の性的魅力が高まったり、美味しい食事が食べられたりすると思わせる。 もっともらしいミームと並べる方法 トロイの木馬は、疑わしい考えを、もっともらしい考えと並べる方法もある。例えば、次のようなものである。 「私たちは、日本をよりよい国にしたい」 「そのために、私たちはよりよい政治を望む」 「そのために、日本にはXが必要である」 Xが疑わしいものである場合、その前に受け入れやすいミームを並べることで、最後のXが受け入れられやすくなる。つまり、受け入れやすいミームを疑わしいミームと束にして心へ侵入させる方法である。このように文章を一束にする方法は、神経言語プログラミング(NLP)の「埋め込み」という技法である。 アンカリング これに関連して、NLPのもう一つの技法に「アンカリング(係留)」がある。これは、画像や音などによる感覚を、関係のない考えと結びつけることである。例えば熱狂的な感覚や高揚感を、訴えたい考えと結びつける。あるいは暗い気分や悲壮感を否定したい考えや人物と結びつける。 例えば選挙の候補者同士の討論において、社会の暗い展望を話すときに相手側に身振りをすることで、相手の候補者と暗い気分が投票者の心の中で結びつくのである。 質問を使う セールスマンは、「埋め込み」の技法を使うために、質問を利用する。店内で歩いている客に店員が「何かお探しですか」といった質問をすることで、具体的に何かの商品を買うミームを客の心につくる。また、相手に「何々だと思いませんか」等と質問し、「私もそう思います」といわせることで、相手の心に特定のミームを作ったり、強化することもある。例えば、「この車を乗った男性は女性を惹きつけると思いませんか」、「家族でのドライブにぴったりだと思いませんか」といった質問をして、「そう思います」と言わせる。 セールスマンが説得の最後に「商品を買う」ミームを客の心に作るための「締めくくり」は、三つの種類がある。 直接的な方法 「このシャツは本当にお似合いですので、お買いあげになってはいかがですか」 埋め込み型 「モデルさんがこの店に来て、「このシャツは必須アイテムだ」と言っていました」 もう買うことに決めてしまったとして話を進める。 「シャツは包装しますか?」、「お支払い方法は、いかがなされますか?」 こうした「締めくくり」の方法は、セールスだけでなく、宗教の勧誘にも使われる。 ミラーリング セールスマンの「ミラーリング(写しだし、Mirroring)」という方法もまた、トロイの木馬の一つである。私たちは親密な関係を持った相手の方が、赤の他人よりも心を開いている。ミラーリングは、セールスマンが客との親密な関係を作り出すために、相手の動作を真似するのである。客が足を組めばセールスマンも足を組み、客が首を傾げれば、同じように首を傾げ、客が髪の毛を触れば、自分も髪の毛を触る。これにより、客はセールスマンに親しさを感じ、商品を買いやすくなるのである。 信用を得る 次の手法は、「騙す相手から信用を得ること」である。信用を得る方法には、純粋なふりをする、評判の良い団体の一員であると言う、利他主義を装う等、様々な方法がある。さらに「相手を信用しているふりをする」方法もある。これは、「あなたを信用しています」と相手に思わせ、そのお返しとして自分も信用してもらうという方法である。 例え話で言うと次のようなことである。「あなたに私のお金を預けます」と、相手を信用する。預けたお金を返してもらった後に「私にお金を預けてください」といい、今度はお金を預けてもらい、そのまま返さず持ち去る。このように、相手の信用を得ることで、相手をプログラムすることが可能になるのである。 これら三つの感染ルート(反復、認知的不協和、トロイの木馬)に使われている手法によって私たちは他者に操作される可能性もあるが、それから意識的に逃れることも可能である。
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