侵入経路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/08 06:23 UTC 版)
本種は台湾から東南アジアを原産地とする外来生物である。日本国内には長崎県出島から侵入し、その後各地に分布を拡げたとみられている 本種は江戸時代に来日し、日本の生物を研究したことで知られるツンベルクによって長崎の出島で採集された標本を元に、彼自身が新種記載したものである。ちなみに記載は1783年で、採集は1770年代と考えられる。つまりタイプ産地は日本の長崎である。 原記載には長崎出島では極めて普通、との記述もあった由で、ところがその後、150年にわたって再発見がなかった。それが150年後の1934年頃に長崎市を中心とした県内各地で採集されるようになった。1935年にはその生活史に関する報告がなされている。その状況は石井他編(1950)の『本種は九州長崎地方にのみ産し』という記述に反映されている。 その後次第にその分布域を広げ始め、安永他(1993)では長崎、福岡、佐賀県がその範囲としてあげられている。愛知県では2011年に最初に発見され、2016年の段階では名古屋市の街路樹のハナミズキで多数観察されるようになっている。東京で最初に発見されたのはこれを遡って2008年のことであり、石川他編(2012)の段階ではその分布域は九州、本州の中国地方、近畿地方と、それに愛知県、東京都となっている。他に沖縄と石垣島が?付きとなっており、分布域は更に拡大してゆくだろうとの推測が記されている。 日本本土のものは台湾や東南アジアのものより中国のものに近い。他方、石垣島島でも採集されており、こちらは台湾からの移入によると考えられる。
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