感染の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/06 01:21 UTC 版)
この菌の繁殖は、子嚢胞子の拡散、寄生個体から他個体への子嚢胞子の散布による。重要な要素の一つは同一個体に於いて既存の寄生菌の子嚢胞子が他の部分に広がることで、これを自己感染 autoinfection という。同様に重要とされるのは寄生個体の上に生じた子嚢胞子が直接に他の個体に渡されることで、これを直接感染 direct infection という。雌雄で寄生部位が異なる例など、交尾の際の接触位置が異なることから、直接感染が行われる事を示すと見える。他方、子嚢胞子が他のものを介して他の個体に感染するのを関節感染 indirect infection というが、これも重要なものであることがいくつかの研究で示唆されている。例えばオサムシ類に寄生するラブルベニア属 Laboulbenia に関して周年に渡って調査した例では感染の拡散が最も大きかったのは秋で、これは親子の2世代が共存する時期に当たる。この昆虫は半地下性で、個体間の接触は交尾の時以外はほぼない上に、この時期にはそれはほぼ見られないため、その感染は周囲の物体を介して拡散している可能性が高いと言われている。
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感染の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/12 12:13 UTC 版)
病原体の生体への侵入 生体(いわゆる宿主)内の本来は無菌であるべき部位に病原体(いわゆる寄生体)が侵入する。病原体や宿主によって感染が生じる場所(感染部位)は限られており、感染が起きるためには、病原体が特定の入り口(侵入門戸)から特定の感染経路(侵入経路)を経て、感染部位に充分な数だけ到達する必要がある。例えば、食中毒の原因の一つであるサルモネラ菌は、手から食物などを介して口(=侵入門戸)に入り、そこから消化管(=侵入経路)を通る過程で唾液などに含まれる殺菌成分や食道粘膜の白血球、胃液など、生体の持つさまざまな生体防御機構による攻撃を逃れて、感染部位である腸管のM細胞に到達、その後、粘膜を経由し血流へ入り、全身感染する。 病原体の生体への定着・寄生 宿主はその病原体を排除しようと試みるが、その排除が働かないまたは追いつかなくて定着が持続する。または、宿主が故意に排除せず、宿主と寄生体の共存状態になる。この時点の状態を「寄生」という。宿主と寄生体の関係は宿主=寄生体として成立している。臨床医学的には、この時点を保菌(いずれも英: colonization)と呼んでいる。例えば、常在細菌が生体に寄生した状態は、生体の病原性のある微生物の増殖を阻止するなど、生体にもメリットがある。
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感染の過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 10:24 UTC 版)
T4ファージはlong tail fiber (LTF) が大腸菌の細胞表面に存在するOmpCポリンタンパク質とリポ多糖 (LPS) に結合することで感染する。認識シグナルはLTFを通じて基盤に送られ、これによりshort tail fiber (STF) が不可逆的に大腸菌の細胞表面に結合する。基盤の構造変化と筒状の構造物であるtail sheathの収縮により、尾管の末端にあるGP5が細菌の細胞外膜に穴を開ける。GP5のリゾチームドメインが活性化し、細胞表層のペプチドグリカン層を分解する。残りの膜成分も分解を受けると、頭部に格納されたDNAが尾管を通って大腸菌の細胞内へ侵入する。
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