様々な方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/16 06:50 UTC 版)
クラシック音楽の声楽における腹式呼吸は、時に全く正反対ともいえるような実に様々なものが行われており、 a.胸郭は広げたまま維持するべきである。 b.無駄な緊張を避けるため胸郭は自然な状態が良い。 a.吸気時に側腹部を膨らませるべきである(腹直筋にある程度の緊張を保ち横隔膜を最大限下げることで腹腔の側部や背部が膨らむ。これによりはじめて横隔膜の後部が下がる)。 b.吸気時に下腹部を膨らませるべきである(横隔膜が低く下がるので息が多く入る)。 c.吸気時に上腹部を膨らませるべきである(横隔膜が高い緊張度で張るので、声にも張りが生まれる)。 a.歌い始める前にはしっかりと息を吸うべきである(しっかり吸った状態から「支え」が生まれる)。 b.息は吸うのではなく吐くことから始めるべきであり、吐き終ったあとリラックスすれば自然に入ってくる(意識的に吸うのは体を硬くするので良くない)。 a.呼気の際は腹部を凹ませる。 b.呼気の際は腹部を吸気後の膨らんだ状態に保つ。 といった例があるが、指導者や声楽家によってこのように様々な異なった方法が指導、実践されており、千差万別である(これは、実際に複数の指導者の下で声楽を学ぶと経験することである)。そういった様々な方法のうち、どれが最も優れているのかは、各人の向き不向きの問題もあり、いまだ見解に一致は見られない。声楽の目的は優れた歌唱であり、呼吸法はそのための手段に過ぎず、その手段には様々なものが存在するというのが実情である。
※この「様々な方法」の解説は、「腹式呼吸」の解説の一部です。
「様々な方法」を含む「腹式呼吸」の記事については、「腹式呼吸」の概要を参照ください。
- 様々な方法のページへのリンク