様々な施設と店舗がある街
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 09:19 UTC 版)
「大須 (名古屋市)」の記事における「様々な施設と店舗がある街」の解説
寺町として現在でも大須及び周囲には、大須観音、万松寺、七寺、北野神社、若宮八幡社、栄国寺など多数の寺社仏閣があり、寺社巡りや御朱印集めのスポットとしても人気がある。大須演芸場などもあって高齢者も多く訪れるので、これに向けた名物や中高齢者向け衣料品店などもある。 コメ兵、矢場とん、大須ういろ、青柳ういろうの本店・本社も大須にあり、これらを始めとした中古品売買店、名物の飲食店や通常の飲食店、おみやげ物の店舗も多数ある。 古くには繊維街でもあっただけに、現在でも衣料品の店舗が多く、若者向けの衣料品店や古着屋も多く出店する。 名古屋の喫茶店文化発祥と言われるコンパル、天むすを広めた千寿も大須にあり、これを初めとした喫茶店、カフェなども多数ある。 また、大須の再生には若年者の自営業開始が相次いでいる事も寄与している。他の商店街では店主の高齢化などにより店を閉めたり、品揃えをニーズの変動に合わせられないと、商店街としての魅力などが低下。それが客足を遠のかせ、更なる閉店を招く、という悪循環などでシャッター商店街になることが多々あるが、大須商店街も1990年代後半から2000年頃は店主の高齢化とシャッターを閉めた店が目立つようになり、ここへ電気街としての衰退も合わさって活気を失い、オタク系の店を除けば半ばシャッター商店街と化していた。また再び大須は衰退の危機になり始めていたのである。 その一方で大須で店を持ちたい大須在住ではない若者は多数いた。名古屋の商業中心地である栄、若者文化中心地である矢場町(サカエミナミ)のすぐ近くで、古着店・アメカジがあるなど若い客も少なからずおり、小規模店舗が故に比較的少額の資金で自分の店を初められる大須は魅力的な場所だったのである。しかし他の商店街でもあることだが、ヨソ者、若者に対する警戒心などから、地主・店主・不動産会社の側は貸すことに消極的だった。 このため大須の商店街組合は、シャッターを閉めた店舗と店を持ちたい者を結びつける仕組みを構築。自らが審査者・仲介者などともなり、志とビジネスプランあれば拒まずと具体的かつ積極的な空き店舗対策・開業支援を行った。商店街組合の説得もあって、地主などの側も「ヨソの若者」に店を任せ、それまでの業態を継がず一変することも容認した。その一方で、地元以外資本のチェーン店、消費者金融窓口などの出店は抑制。 これらにより、インポート古着、セレクトショップなど、他ではあまり見ないような店が集中して多様に多数、しかも長年続く店や中高齢者向け店舗と並立してあるという、大須ならではの混沌とした店揃えを構築。また売れなければ商売替えしたり、果物屋がクレープを焼くなど品目の展開を行う店主も居た。この店揃えがそれぞれの店を目当てとした客だけでなく、珍しさと面白さを楽しむ客も呼び込み、更に店を持ちたいという者を引きつけて新しい店が開かれたり、活気や客層に対応した店に変えさせ、それらを話題として客が集まるという、好循環を成している。 この好循環の結果、開店希望が集まりすぎて空き店舗が無い状態が続いたため、アーケード街の近傍にあった民家などが店舗に改装・建替されることも多発。電気街としての衰退を補って余りある活況を成し、商店街としての広がりも増している。アーケード街の外に新規に出来た店は商店街振興組合に加盟していないことも多いが、組合が作成・配布しているマップでは非組合加盟店も記載している。 これらにより、従来やや手薄だった非オタク層の若者や女性の来客も増え、文字通り老若男女が集う商店街となった。この客層の広さと活気から開店希望は変わらず多く、特にスイーツ系飲食店の東海地方初出店も多い。また、こういったヨソの人間を受け入れ支援する体制・仕組みから外国人店主も増えており、店舗の多国籍化・多彩化も進んでいる。 これらもあって店舗の新陳代謝は激しく、1年で7%程度が入れ替わるといわれている(ただし閉店する店も、矢場町・新栄など大須の近くに移転するのが少なくなく、広い客層・活気の中での試行や腕試し、知名度と常連客の獲得という面もあると見られる)。また、こうした経緯から、地元資本ではない全国規模の店はアーケード街には少ないことも、特徴的な商店街としての性格を保たせている。道路整備などにより陸の孤島と化した大須だったが、これが逆に小規模店舗が並び立つ状態と歩いての周遊に適した状態を保存し、現在の盛況を成すことになっている。 かつてはスガキコシステムズ(スガキヤ)の本社も大須にあったが、2010年に丸の内に移転している。逆にバッファローは一時大須から移転していたが、2010年に新社屋が完成したために大須へ再移転している。 そのほかに郵便局や銀行があり、古着屋、アメカジ、格闘技用品店、中華・ブラジルなど各国料理店、飲み屋、家具屋、仏壇屋、ゲームセンター、パチンコ・パチスロ店、銭湯、ライブハウス、韓流ショップ、場外馬券舟券売り場、献血ルームなどがある。ただし、名駅・栄地区で盛んな百貨店、高級ブランド品直売店は無く、キャバクラ等の風俗店やホテルも少ない。 大須近辺には3台のからくり人形時計が存在する。万松寺の「信長」、若宮大通にある「三英傑」、大須観音の駐車場にある「宗春爛漫」である。
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