様々な改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 05:48 UTC 版)
A320-200の登場時に72トンであった最大離陸重量は、その後段階的に引き上げられ、73.5トンや77トン、78トンといった仕様が設定された。離陸重量の増加分は燃料搭載量の増加にあてられ、それに伴い標準航続距離が延長された。エンジンも改良が加えられ、燃費や環境性能の向上が進められた。計算流体力学の技術を用いて空力面の改良も加えられ、翼と胴体をつなぐフェアリングやエンジン・パイロンの形状などが変更された。飛行システムも改良され、継続降下進入 (CDA) 方式や広域航法に対応する機能が追加され、より効率的な運航の実現が図られている。客室についても頭上の手荷物収容スペースが改良され容積効率が改善されたほか、内装の更新により室内空間が拡大された。客室の照明・空調を管理したりメッセージ放送を行ったりする客室乗務員向けの業務システムも導入された。 代替飛行場から離れた経路を飛行可能となるETOPS要件の適用範囲も順次拡大され、2004年3月に欧州航空安全機関(以下、EASA)から、2006年5月には米国連邦航空局(以下、FAA)からA319、A320、A321に対して180分のETOPSが認められた。続いて2006年11月には、A318についてもEASAより180分のETOPSが認められた。 その後もさらなる燃費低減を進め、2009年11月にはウイング・チップ・フェンスに替えて新しい翼端装置を採用することが発表された。この翼端装置は、主翼端が上方に折り曲げられて大型のフィン状をしており「シャークレット」と名付けられた。エアバスは、飛行距離が2,000海里(3,704キロメートル)程度の場合に、シャークレットを装備することで燃料消費を3.5パーセント低減できるとした。 2010年から2011年にかけてシャークレットの開発や試作が進められた。そしてA320の初号機にシャークレットが装着され、2011年11月30日に飛行試験を開始した。シャークレット装備仕様は、2012年11月30日にEASAから最初の型式証明を取得し、翌月21日にエアアジアに初納入された。シャークレットはA318を除くA320ファミリー機に設定され、2014年の納入機からシャークレットが標準仕様となった。
※この「様々な改良」の解説は、「エアバスA320」の解説の一部です。
「様々な改良」を含む「エアバスA320」の記事については、「エアバスA320」の概要を参照ください。
- 様々な改良のページへのリンク