尾上梅幸 (7代目) 尾上梅幸 (7代目)の概要

尾上梅幸 (7代目)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 08:25 UTC 版)

七代目 尾上おのえ 梅幸ばいこう

『絵本太功記』の武智十次郎
屋号 音羽屋
定紋 重ね扇に抱き柏 
生年月日 1915年8月31日
没年月日 (1995-03-24) 1995年3月24日(79歳没)
本名 寺嶋てらじま 誠三せいぞう
襲名歴 1. 四代目尾上丑之助
2. 三代目尾上菊之助
3. 七代目尾上梅幸
俳名 扇舎
別名 藤間勘九郎(舞踊名)
出身地 日本東京府東京市赤坂区
六代目尾上菊五郎(養父)
兄弟 徳大寺伸(実兄)
二代目尾上九朗右衛門(養家)
二代目大川橋蔵(養家)
珠子
七代目尾上菊五郎(長男)
二代目尾上榮之助(次男)

来歴・人物

1947年

赤坂の芸者で、のちに料亭「金林」を経営していた寺田きんの三男として生まれる。父は九州博多出身の実業家という。また一説には、兄の徳大寺伸とともに六代目菊五郎が実父であるともいう。誕生前からの約束で、生後すぐに当時子のいなかった六代目尾上菊五郎の養子となる。のちに養父六代目は愛人(1946年に後妻となる)との間に1男2女をもうけるが、実子同様に育てられたため、本人が養子であることを知ったのは15歳を過ぎてからだという。二代目尾上九朗右衛門二代目大川橋蔵は弟で(ただし2人とは血がつながっていない)、十七代目中村勘三郎六代目清元延寿太夫は義弟、十八代目中村勘三郎七代目清元延寿太夫丹羽貞仁は甥、波乃久里子は姪にあたる。

幼時から六代目の薫陶を受け、その芸系を受継いだ。1921年大正10年)四代目尾上丑之助を名乗って初舞台、1935年(昭和10年)に三代目尾上菊之助を襲名。1948年(昭和23年)に六代目尾上梅幸未亡人のたっての希望で七代目尾上梅幸を襲名。襲名披露興行における『仮名手本忠臣蔵』の大星力弥文部大臣賞を受賞した。1966年(昭和41年)日本芸術院賞受賞[1]1968年(昭和43年)、重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝)をうける[2]1976年(昭和51年)、日本芸術院会員。1987年、勲三等瑞宝章受章[3]1994年(平成6年)、文化功労者

七代目尾上菊五郎は長男。他に長女と次男がおり、次男 誠[4]も1955年(昭和30年)5月に『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の小太郎役で二代目尾上榮之助として歌舞伎の舞台を踏んだが、1979年(昭和54年)2月の『次郎吉懺悔』伊勢屋若旦那六三郎役を最後に廃業している。俳優の徳大寺伸は実兄。孫は女優の寺島しのぶ五代目尾上菊之助。1995年(平成7年)3月24日死去。享年79。

芸風

昭和を代表する女形で、六代目中村歌右衛門と並び称された。古風な面長の美貌を持つ歌右衛門が、時代物を得意とし、重厚な芸風であったのに対し、丸顔でふっくらとした面差し・体つきであった梅幸は、世話物のすっきりとした演技に本領を発揮した。娘役では清楚さが際だち、中年以降の役どころでは母性ややさしさを感じさせた。また、父・六代目菊五郎の薫陶によって若衆役も得意とし、特に貴公子では気品のただよう演技を見せた。立役の代表作に『忠臣蔵』の判官などがある。

当たり役

丸本物

そして無類の貴公子ぶりを謳われた

など。

世話物

を得意とした。

舞踊

など数多くの当たり役がある。

テレビ

著書

脚注

  1. ^ 『朝日新聞』1966年4月7日(東京本社発行)朝刊、14頁。
  2. ^ 人間国宝に七氏『朝日新聞』1968年(昭和43年)3月12日朝刊 12版 14面
  3. ^ 「秋の叙勲に4575人 女性が史上最高の379人」『読売新聞』1987年11月3日朝刊
  4. ^ 昭和25年生まれで兄 菊五郎の8歳年下

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