中村善策とは? わかりやすく解説

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中村善策

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/29 15:26 UTC 版)

中村 善策
(なかむら ぜんさく)
生誕 中村 善作(なかむら ぜんさく)[3]
1901年12月29日[1]
北海道小樽市[1]
死没 (1983-04-27) 1983年4月27日(81歳没)
東京都千代田区[1]
国籍 日本
教育 小樽洋画研究所[1]
川端画学校[1]
出身校 神戸YMCA外国語学校英語科[1]
著名な実績 洋画[3]
受賞 日本芸術院賞
1968年 「張碓のカムイコタン」
[1]勲四等旭日小綬章
1978年
[1]
選出 日展参事(1980年)[1]
一水会運営委員[1]
活動期間 昭和 - 平成時代[2]
影響を受けた
芸術家
安井曽太郎[1]

中村 善策(なかむら ぜんさく、1901年12月29日 - 1983年4月27日[2])は、日本画家

風景画の分野で優れた作品を多く残したことで知られる。本名は中村 善作(なかむら ぜんさく)[3]

生涯

北海道小樽市生まれ[1][4]1916年、西谷海運に入社する一方、小樽洋画研究所に入所して絵画を学ぶ[1][4][5]

1923年には太地社結成に参加する[4]

1924年、上京して川端画学校に通った[1][4][5]。同年、第5回中央美術展に「本所馬洗関枠」他を出品して初入選[4][5]

1925年、第12回二科展に「風景」を出品して初入選し、以後、1936年まで毎年出品した[4][5]。同年、北海道美術協会展(道展)創立会員となる[4]

1931年東京へ転居。

1936年、第23回二科展出品作「白い燈台」「獨航船」が二科展特待受賞[1]

1937年からは一水会会員となり[5]、一水会展に出品した「けむり」で昭和洋画奨励賞を受賞した[4]

1941年、第4回新文展に「豊穣」が無鑑査で初出品[1][5]

1945年から長野県明科町(現・安曇野市)に疎開し、以後4年半余にわたり信州で暮らした[4]

1946年、第8回一水会展に「小樽港」を出品するとともに一水会委員となる[4]。また、第1回日展に「冬閑」を出品し、以後、毎年出品した[4]

1948年には第4回日展に「山湖の秋」を出品し、文部省(当時)により作品が買い上げとなった[4]

1950年東京都新宿区上落合に転居[4]

1961年、第4回日展に「信濃」を出品し、東京国立近代美術館により買い上げとなった[4]

1967年、第10回日展「石狩湾の丘の邑」で文部大臣賞受賞[1][4]。翌1968年には第11回日展出品作「張碓のカムイコタン」で日本芸術院賞を受賞し、日本芸術院により買い上げとなった[1][4][6]

1978年勲四等旭日小綬章を受章[4]

1980年日展参事となる[1]

1983年脳血栓により東京都千代田区の病院で死去した[1]享年81[1]

1988年10月10日、当時美術館が設置されていた小樽市分庁舎の一階部分を改装して「中村善策記念ホール」が開設された[4]

作風

中村の風景画は写実を基にし、明るく開放感にあふれている。「善策張り」といわれるその画風は、荒々しい原始的な自然ではなく、人々の暮らしのなかで見られる人間味にあふれた風景が特徴となっている。

なお、中村の戦前二科展時代の作品は1945年4月の空襲により全て消失している[1]

主な作品

  • 『けむり』(1937年
  • 『海港の秋』(1946年
  • 『秋の原始林と沼』(1966年
  • 『カムイコタン夏日』(1970年

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 東京文化財研究所刊「日本美術年鑑」より:「中村善策」(2015年12月14日)、2018年7月21日閲覧。
  2. ^ a b 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年~平成23年 2 (学術・文芸・芸術篇)』795頁。
  3. ^ a b c 美術人名辞典. "中村善策(読み)なかむら ぜんさく". コトバンク. 2018年7月21日閲覧
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 市立小樽美術館 中村善策記念ホール”. 市立小樽美術館. 2024年5月2日閲覧。
  5. ^ a b c d e f selection2016(後期)国立公園絵画”. 小杉放菴記念日光美術館. 2024年5月2日閲覧。
  6. ^ 『朝日新聞』1969年4月9日(東京本社発行)朝刊、14頁。

参考文献

  • 『「現代物故者事典」総索引 : 昭和元年~平成23年 2 (学術・文芸・芸術篇)』日外アソシエーツ、2012年。

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