富岡多恵子とは? わかりやすく解説

とみおか‐たえこ〔とみをかタヱこ〕【富岡多恵子】

読み方:とみおかたえこ

[1935〜 ]小説家詩人大阪生まれ本姓(すが)。詩集返礼」でH氏賞、「物語の明くる日」で室生犀星詩人賞受賞ののち、小説転じる。「立切れ」で川端康成文学賞受賞。他に「植物祭」「冥途の家族」「ひべるにあ島紀行」など。


富岡多恵子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 09:46 UTC 版)

富岡 多惠子(とみおか たえこ、1935年昭和10年〉7月28日[1] - 2023年令和5年〉4月8日[2])は、日本詩人小説家文芸評論家日本芸術院会員。上方お笑い大賞選考委員。静岡県伊東市在住。 本名は菅多恵子であり[3]現代美術家菅木志雄は夫。

来歴・人物

1935年(昭和10年)大阪府大阪市出身[1]大阪府立桜塚高等学校大阪女子大学文学部英文科卒業[4]

池田満寿夫と同棲していたことがあり、当初は詩人として出発。卒業後は高校教師を務めたが、上京して多くの詩集を出し、『物語の明くる日』(1961年)以降は小説に転じた。多数の小説評論エッセイがある。また映画のシナリオも書いている。 1976年(昭和51年)、坂本龍一作曲によりアルバム「物語のようにふるさとは遠い」を発表している。

フェミニストであり、上野千鶴子小倉千加子との鼎談『男流文学論』を刊行している。また、大阪の芸能への傾倒が大きく、秋田實の評伝の執筆などをしている。

2008年に芸術院会員[1]

2023年4月8日[2]、静岡県伊東市の病院で老衰のため死去[5][6]。87歳没。

受賞歴

著書

  • 『返禮』山河出版社 1957
  • 『カリスマのカシの木 詩集』飯塚書店 1959
  • 『たまる』真珠社 1961
  • 『じえすちーぬ』真珠社 1962
  • 『女友達 詩集』思潮社 1964
  • 『富岡多恵子詩集』思潮社 1967
  • 『ニホン・ニホン人』思潮社 1968 のち集英社文庫
  • 『厭芸術浮世草紙』中央公論社 1970 のち文庫
  • 『青春絶望音頭』文化出版局 (レモン新書)1970 のち角川文庫
  • 『厭芸術反古草紙』思潮社 1970
  • 『行為と芸術 十三人の作家』美術出版社 1970
  • 『丘に向ってひとは並ぶ』中央公論社 1971 のち文庫
  • 『回転木馬はとまらない』読売新聞社 1972 のち中公文庫
  • 『歌・言葉・日本人 歌謡曲、ああ歌謡曲』草思社, 1972
  • 『わたしのオンナ革命』大和書房 1972 のち女性論文庫
  • 『仕かけのある静物』中央公論社 1973 のち文庫
  • 『結婚記念日』新潮社(書下ろし新潮劇場) 1973
  • 『植物祭』中央公論社 1973 のち文庫
  • 『ヒミコと呼ばれる女』新潮社 1974
  • 『イバラの燃える音』吾八ぷれす 1974
  • 『冥途の家族』講談社 1974 のち文庫、文芸文庫
  • 『壷中庵異聞』文藝春秋 1974 のち集英社文庫
  • 『ボーイフレンド物語』講談社 1975 のち文庫
  • 『九つの小さな物語』大和書房 1975
  • 『虚構への道行き 対談集』思潮社 1976
  • 『女子供の反乱』中央公論社 1976 のち文庫
  • 『動物の葬礼』文藝春秋 1976 のち講談社文芸文庫
  • 『言葉の不幸』毎日新聞社 1976
  • 『新選富岡多恵子詩集』思潮社 (新選現代詩文庫) 1977
  • 『当世凡人伝』講談社 1977 のち文庫、文芸文庫
  • 『どこ吹く風』思潮社 1978
  • 『詩よ歌よ、さようなら』冬樹社 1978 のち集英社文庫
  • 『写真の時代』毎日新聞社 1979
  • 『近松浄瑠璃私考』筑摩書房 1979 のち文庫
  • 『さまざまなうた 詩人と詩』文藝春秋 1979 のち文庫
  • 『兎のさかだち』中央公論社 1979 のち文庫
  • 『斑猫』河出書房新社 1979 のち文庫
  • 『芻狗』講談社 1980 のち文芸文庫
  • 『三千世界に梅の花』新潮社 1980
  • 『少女たちの桜通り』(昭和世代女流短編集 5)読売新聞社 1980
  • 『間の山殺し 全戯曲集』作品社 1981
  • 『「英会話」私情』日本ブリタニカ 1981 のち集英社文庫
  • 『砂に風』文藝春秋 1981 のち文庫
  • 『砂時計のように』中央公論社 1981 のち文庫
  • 『遠い空』中央公論社 1982 のち文庫
  • 室生犀星 近代日本詩人選』筑摩書房、1982 のち学芸文庫
  • 『はすかいの空』中央公論社 1983
  • 『波うつ土地』講談社 1983 のち文芸文庫
  • 『うき世かるた』毎日新聞社 1984 のち集英社文庫
  • 『藤の衣に麻の衾』中央公論社 1984
  • 『水獣』新潮社 1985
  • 『表現の風景』講談社 1985 のち文芸文庫
  • 『ひとは魔術師』毎日新聞社 1986
  • 『漫才作者秋田実』筑摩書房 1986 のち平凡社ライブラリー
  • 『西鶴のかたり』(作家の方法)岩波書店 1987
  • 『白光』新潮社 1988
  • 『こういう時代の小説』筑摩書房 1989
  • 『とりかこむ液体』筑摩書房 1989
  • 『逆髪』講談社 1990 のち文芸文庫
  • 『新家族 富岡多恵子自選短篇集』学芸書林 1990
  • 『とはずがたり(古典の旅)』講談社 1990  「「とはずがたり」を旅しよう」講談社文庫
  • 『水上庭園』岩波書店 (シリーズ<物語の誕生>) 1991
  • 『雪の仏の物語』中央公論社 1992
  • 『矩形感覚』朝日新聞社 1993
  • 中勘助の恋』創元社 1993 のち平凡社ライブラリー
  • 『富岡多恵子の発言』全5巻 岩波書店 1995
  • 『大阪センチメンタルジャーニー』集英社 1997
  • 『ひべるにあ島紀行』講談社 1997 のち文芸文庫
  • 富岡多惠子集』全10巻 筑摩書房 1998-99
  • 釋迢空ノート』岩波書店 2000 のち現代文庫
  • 『西鶴の感情』講談社 2004 のち文芸文庫 
  • 『難波ともあれことのよし葦』筑摩書房 2005
  • 『湖の南』新潮社 2007 「湖の南 大津事件異聞」岩波現代文庫 2011.10
  • 『隠者はめぐる』(エッセイ)岩波書店 2009 
  • 『ト書集』ぷねうま舎 2012
  • 『私が書いてきたこと』編集グループSURE シリーズいま、どうやって生きていますか? 第1巻 2014

共編著

翻訳

脚注

  1. ^ a b c 富岡多恵子(トミオカタエコ)とは”. コトバンク. 2017年10月14日閲覧。
  2. ^ a b 富岡多恵子さん死去日は4月8日 遺族が日付を訂正”. 共同通信. 2023年5月8日閲覧。
  3. ^ 富岡多恵子『出身県別 現代人物事典 西日本版』p944 サン・データ・システム 1980年
  4. ^ I-siteなんば2階ライブラリー紹介”. 大阪府立大学. 2017年10月14日閲覧。
  5. ^ 作家・詩人の富岡多恵子さん死去 87歳 小説「波うつ土地」”. 毎日新聞. 2023年4月10日閲覧。
  6. ^ 作家の富岡多恵子さん死去 87歳”. 産経新聞. 2023年4月10日閲覧。



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