装置・兵器・技術
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「学園都市 (とある魔術の禁書目録)」の記事における「装置・兵器・技術」の解説
学園都市製兵器のコードネームに冠される「Hs」は "Hard science"(=自然科学)の略称で、「科学の力によってあらゆる不可思議な闇を薙ぎ払う」という科学万能主義的な意味が込められている。 樹形図の設計者(ツリーダイアグラム) 世界一の演算能力を持つ超高度並列演算処理器(アブソリュートシミュレータ)。例えば空気中の分子1つ1つも完全にトレースすることで、1ヵ月先の完全な天気予報を可能にする(予報ではなく「予言」とまで称される)。それすらも他の演算の空き時間を利用して1ヵ月分まとめてやっているに過ぎない。実際に実験を行う前のシミュレータとして用いられており、使用には統括理事会の許可が必要。 本体は学園都市の人工衛星「おりひめI号」に密かに搭載されていたが、1巻でインデックスの「竜王の殺息」を受け破壊される。その事実は秘匿され、以降の使用申請は全て却下されることになった。その後、8巻で中枢部品の「残骸(レムナント)」を巡り、事件が起こる。 書庫(バンク) 学園都市の総合データベース。学園都市最大の武器である「科学的な叡智」の集積であり、生徒や能力など学園都市に関わる情報の全て(各学校の成績表を含む超能力開発、能力開発部門の薬品や機材を含む学園都市の全研究データ)が登録されている。学校や病院で使われていないところはないと言われるほどに普及しており、ネット上で誰もが検索機能を利用できる。美琴は毎回ハッキングして機密情報を引き出している。 ネット越しで誰もが利用しているが、その「本体」の所在は知られていない。「樹形図の設計者」の時のような損壊を防ぐために、周囲に知られず機器の中に忍び込ませる形で秘匿されており、ハードウェアも定期的に世代交代が行われている。プロセッサスーツ 次世代の「書庫」として用意されていた特殊なスーツ。所在を割り出されないよう、大規模なサーバーシステムには見えないような形で偽装されているが、アネリをフルスペックで常駐させても余りあるほどの莫大な情報処理スペックを有している。駆動モーターや電位伸縮性テープで補強され、1トンの装甲車を吹き飛ばすだけのパワーと、一方通行の能力の一部を再現した「演算型・衝撃拡散性複合素材」による防衛機能を備えており、装着者の危険度に応じて装甲の隙間にあるライトが青・黄・赤に変化する。全身の皮膚表面から電気信号で情報を伝えるため、装着者は下着等の薄着でなくてはならない。 「大熱波」による影響で世代交代が進められたが、「先代」であった総合証券取引所の高速サーバーがスーツの親機を着たA・O・フランキスカに破壊された事で、「書庫」としての機能が移譲される。しかし囮として浜面に着せていたスペアの機能と重複して、正しいネットワーク認証が出来なくなっていた。 学習装置(テスタメント) 知識や技術を電気信号として脳に直接記憶させるための装置。しばしば「洗脳措置」とも表記される。妹達の人格データ形成や、打ち止めへのウイルスデータのインストール・アンインストールなどに使用された。 幻想御手(レベルアッパー) 詳細は「とある科学の超電磁砲#幻想御手」を参照 駆動鎧(パワードスーツ) 身体の外側に着用する事で、使用者の身体機能や動作を補助・強化する機械の総称。いくつかのバージョンや種別があるが、基本的には硬い装甲で全面が覆われ、内部には電力駆動の機械装置が備えられ、非常に高い防護性能と運動性能を有している。巨体や重量の割に鈍重ではなく、生身の10倍以上にも達する並み外れた高速運動が可能な機動力を有しているのも特徴。作業用や防護服、災害救助や治安維持など様々な用途があり、兵器としても運用されている。直立状態からいきなり高機動を出力すると全身の筋肉が肉離れを起こす危険があるため、常に筋肉へと電気的刺激を与えて「準備運動状態」を維持し続けてダメージを防ぐといった身体的プロテクトが複数用意されており、駆動鎧が大きなサイズになっているのはその安全装置が存在するためでもある。また、対電気系能力者の装備として、薬品によって化学性スプリングを収縮させる方式に特化させた物も存在する。 人間とそれほど変わらない物から二回り以上大きい物まで色々なサイズがあるが、人間が着る物には変わりないため、原則的に人間の外観から逸脱し過ぎない人型二足歩行タイプである。また、脳や人体など内側を補強するタイプもあり、作中では「一定の水準を超えた駆動鎧はサイボーグと変わらない(逆も同じ)」と語られている。 なお、学園都市の外部に売り込む際には安全性と機密情報流出防止の為、技術水準を3、4世代ほど落としグレードダウンさせている(エンジニア曰く「外でもギリギリ再現できる程度の劣化品」)。HsPS-15 アビニョンを襲撃した学園都市機甲部隊に配備されている最新型駆動鎧。通称「ラージウェポン」。全長2.5メートルの巨体で、全身に迷彩が施されており、頭部が巨大でドラム缶のような形をしているのが特徴。銃身が異様に太く、シリンダー内で2種類の弾頭を使い分ける事が出来るリボルバー式のショットガンを装備している。一方はたった一つの外殻(ショットシェル)の中にアンチマテリアルの弾丸を数十発詰め込んだ対隔壁用の弾丸で、1発1発が戦車を撃ち抜くほどの破壊力を秘め、近距離から数発撃ち込めば核シェルターの扉であってもこじ開ける。もう一方は人間用の空砲で、莫大な炸薬を使って放たれる衝撃波により、人体を吹き飛ばす。状況に応じて最適な調整を行う新型の自動補助装置が搭載されているが、試作機なためか特定の条件でエラーが出る場合がある。 アニメ版などに登場する駆動鎧は基本的にこの機体のデザインが用いられている。アニメ『超電磁砲』にも先進状況救助隊に配備されている機体として登場しているが、こちらでは何故か外部向けの低性能タイプが使われている。 HsAFH-11 第23学区・制空権保全管制センターより発進する、学園都市最新鋭の無人攻撃ヘリコプター。通称「六枚羽」。高速飛行時の最大速度は時速3000キロメートル(マッハ2.5)。6枚の「羽」は機銃やミサイルなどの武装を施され、それぞれが関節を持つことから人間のような動きで6方向へ攻撃を行うことが可能。規格外の防御や回避も搭載されている。機銃からは、弾丸に特殊な溝を刻み、空気摩擦を利用して2500度まで熱した超耐熱金属弾「摩擦弾頭(フレイムクラッシュ)」を掃射するほか、地上攻撃用ミサイルなども搭載され、砂鉄を噴射するボールを発射、そこに高圧電流を流して20メートル四方を電流エリア化してミサイルを迎撃する機能も備わる。1機で250億円ほどする超高級品である。 HsB-02 学園都市が開発した超音速ステルス爆撃機。全長80メートルでコックピットにしか窓がない。時速7000キロメートル(マッハ8)を超える超音速巡航が可能であり、地対空ミサイルすら振り切り爆撃を完遂して逃げ切るという、従来の空戦の法則をねじふせる超攻高速爆撃戦術を実現している。最高速度を出すと機体の表面温度が1000度近くに達するため、機体全域に巡らせた低凝固点冷却剤のパイプに、燃料の一つとして採用されている液体酸素と液体水素を通す事で冷却作用を増強させている。ただ、燃料を消費すればするほど冷却効果も失われてしまうので補給が重要になる。 下部には「地殻破断(アースブレード)」と呼ばれる対地爆撃兵器を装備している。これは、表面が電気収縮する機体全長の半分ほどの長さの漆黒の大型ブレードの側面から散布した砂鉄が、時速1万キロメートルオーバーの速度によって8000度を超す気体状のブレードを形成して、上空数千メートルから地殻を切り裂き地面を溶岩に変えるというもの。わずか数グラムでアビニョンの四方を溶岩の川に変えており、理論上は3キログラムの砂鉄があればユーラシア大陸を1時間でぶった斬れるという。 輸送機としても使用される。HsB-07 HsB-02を第三次世界大戦以後、さらにバージョンアップした機体。HsF-00と同じく、パイロットは肉体を凍結させて操縦する。 HsF-00 学園都市が開発した超音速戦闘機。HsB-02の基本フレームを利用して開発され、全長約80メートルという巨体ながらマッハ5.7を超えるスピードと、機首を90°横向きにしたまま前進する、独楽のように回転するなどの飛行機の常識を超えた機動力を実現。常人ではその挙動で生じる慣性Gに耐えられないため、パイロットは肉体をマイナス70度で凍結させる事によって肉を固めており、脳の判断能力だけを稼働させて、演算や各種臓器機能は機械が代理し、頭皮の微妙な電流を読み取って操縦する。もともと迎撃専門で開発されているので、装甲表面の摩擦熱をエネルギーとして利用する機構が備えられ、速度を出すほど効率が上がり、最大で90%の燃料を削減できるなど、航続時間の問題は解決されている。主翼の上部にはレーザーユニットを搭載し、ワイヤーで接合したまま剥離する事で多方向から同時に攻撃が可能。 発条包帯(ハードテーピング) 超音波伸縮性の軍用特殊テーピング。いわば「駆動鎧の運動性能部分だけを抜き取って、独立化させたもの」。各種筋肉を補強する事で生身では不可能な身体能力を発揮できるが、駆動鎧に搭載されている安全装置がないという問題点を解決できておらず、肉体への負担が極めて大きいものとなっており、そのせいで警備員の試用試験にも落とされた欠陥品である。 『アストラル・バディ』には「発条包帯・改(ハードテーピングカスタム)」が登場する。 攪乱の羽(チャフシード) 電波攪乱兵器の一種。シャーペンの芯ケースぐらいのサイズの薄い2枚羽の金属膜で、マイクロモーターとフタバガキ科の植物の種子の構造を参考にして空に浮かばせている。ある程度の自律浮遊機能によって、平均的で緊密な配置を維持しつつ、竹とんぼのような動きで空中に静止する。手で払った程度では落とせないが、強い突風に耐えられるほどの性能はない。 演算銃器(スマートウエポン) 引き金の手前に太いマガジンが2本突き刺さった、奇妙なフォルムの大型拳銃。赤外線を使って、標的の材質、厚さ、硬度、距離を正確に計測、破壊に最も適した火薬をその場で調合し、合成樹脂を瞬間的に固めて弾頭を成形する。マニュアル操作なら大抵の死因を作るとされ、太い鉄骨を内側から爆発させて細かい破片にし、鋼鉄の板を撃ち抜くことも、豆腐の中に弾を残す事もできる。 MSR-001 学園都市製の磁力狙撃砲で、電磁石によってスチール製の弾丸を発射するスナイパーライフル。銃身は人間の足首くらいの太さの金属筒に、鋼の箱をゴチャゴチャと取り付けた強力なソレノイドコイルで、使用時はスーツケース大の巨大バッテリーを必要とする。初速は音速よりやや遅い秒速290メートルと、火薬を使う普通の狙撃銃より単純な威力は低い。だが、火薬を使わないぶん反動がなく、それによって超精密で精巧な照準装置を取り付けることも可能となっており、加えて音も出ないので暗殺に向いている。 妨害気流(ウィンドディフェンス) 突風を発生させることで狙撃の狙いを逸らすための装置。理論上は職員室にある喫煙者用の空気清浄機を大型化したもの。複数台使う事で、対象の周囲を風の渦で囲む事もできる。第3世代はクレーン車のような大型の台車に巨大な扇風機に似た機材が取り付けられたもので、乱数を利用してランダムな気流を生む。装置そのものに対する狙撃を防ぐことはできないのが欠点。 HsSSV-01「ドラゴンライダー」 人の体に似せるという条件を排除され、「表側」のありとあらゆる技術を積み込み、全天候・全環境において圧倒的な機動力を確保し、迅速な部隊展開と敵勢力の制圧を目的に作られた正義の味方のためのバイクを含めた駆動鎧。最高時速1050キロメートルという、地上を走る乗り物としては常識外れな速度を誇り、搭乗者にその速度での制御、操作を維持させるために、体の内外からサポートを行うシステムが組み込まれている。本来警備員の新型警邏バイクだったものを第三次世界大戦のために改造を加えたものだが、予想外に戦争が速く終結したため永眠するはずだった。しかし、作り手である丈澤道彦が浜面仕上に託し、彼が装着したことで実戦に投入され、「新入生」の駆動鎧と激戦を繰り広げた。 ハッキング防止用にあえて電子ロックではなく精巧なアナログ錠を採用しており、そのせいかは不明だが浜面にあっさりセキュリティを解除されている。 ダウンウェーバー(Down Waver) 直径500メートル、深さ70メートル前後の巨大な渦潮「海の竜巻(ダウンウェーブ)」を人工的に発生させる兵器。全長1メートル程度の細長い縦長の機材で、起動の際は海面に直径500メートルほどの円状に4つ投下する。生じた「縦穴」は時速2、300キロメートルで船の下に潜り込み、70メートルの高さから急激に船体を沈み込ませるので、船体が重ければ重いほどダメージが増す。 ひこぼしII号 学園都市が保有する3基の「衛星」の1つで、全長5キロメートルに届く巨大構造物。学園都市が気象衛星という建前で打ち上げたスパイ衛星。主な使用目的は学園都市と周辺地域の監視。加えて白色光波を利用した地上攻撃用の大口径光学爆撃兵器が搭載されており、対象を4000度程度の高温で焼き、細胞核破壊効果により急速なガン化を促す。照準範囲は最小で半径5メートルから、最大で半径3キロメートル。連射性能は1時間に1発撃てるかどうかといったところで、大気圏でランダムに屈折するため精度に若干の誤差がある。また、内部の「無重力生体実験室」には天埜郭夜が半ば監禁された状態で滞在して、衛星の管理を行なっている。 軌道上防衛兵站輸送システム(Space Save Supply Shoot System / S5) 学園都市が開発した惑星居住計画用巨大施設。射出時には、直径20メートル以上の巨大リングが数十も一列に並んで砲身を形成する。準安定状態で地表に激突するまで液体を保ち続けるように調整された水に栄養剤を溶かした生命のスープや、過酷な環境に耐えられる植物の種子を詰め込んだ園芸用カーゴ「輸送弾殻(カーゴシェル)」を高速で射出する事ができる。ただし、射出時の初速が時速1500キロメートルとなっているため軍事目的での運用も可能であり、純粋な水を地表に打ち込んだだけでも15キロメートルに及ぶ巨大なクレーターを穿つ爆弾となる。「大飯喰らい」らしく、軍用を名乗っているのは資金を得るための建前で、エンデュミオンの失敗によって再び組み立てられる事になった。 運搬着(パワーリフター) 2本の鋼鉄の腕を持つ3メートル大の作業機械。駆動鎧の民生版のようなもので、装甲に覆われてはおらず、左右2本の有線操縦桿とフットペダルで操縦する。小型の自動車を持ち上げるほどのパワーを持ち、姿勢制御用の脚部でも物をつかむことができる。なお、運用に際して免許所得は不要。 清掃ロボ 学園都市に配備されているゴミ箱状の自走ロボット。道に落ちているゴミを自動的に回収する。 『とある魔術の禁書目録たん』では「清掃ロボット4649」(警備機能付き&シリアルナンバー入り)を7000円で販売していた。 警備ロボ 学園都市に配備されているゴミ箱状の自走ロボット。攻撃を感知すると警報装置が作動して増援を呼ぶ。 多少の段差は乗り越えられるように作られていて、エレベーターなどを赤外線信号で操る事もできるが、無数の鉄杭のような意図的なバリケードを敷かれると侵入できなくなり、ある程度「障害物回避シークエンス」を繰り返した後、「保留・省略」してよそへ行ってしまうという欠点を抱えている。そのため、スキルアウトが設置した「妨害」は、警備員などが週や月に1度の頻度で強制撤去する。 瓶詰工場(マイクロコスモス) 無秩序に増殖を繰り返すミクロな細胞にテロメラーゼを注入することでテロメアをコントロール下に置き、ガン化プロセスの遮断より異質な細胞を後付けで正常な状態に戻して、体のどのような部位であってもガラス容器の中で製造できるという技術。 雲川芹亜が肉体損傷に備えてスペアパーツを複数確保しており、欠損に応じて適宜移植している。 アクロバイク 学園都市製の高性能電動アシスト自転車。電子制御式のサスペンションによる衝撃の緩和と2メートル以上の垂直跳躍能力を持ち、車輪の巨大円盤型ジャイロにより車体が70度以上に傾いても自動で姿勢を制御して自律回復が可能。最高速度は時速50キロメートルを超える。マシンのバランス性能は凄まじく、説明資料を読み込んだだけの素人が難度の高いサイクルアーツを繰り出しても転倒しない。 HsWAV-15 通称「10本脚」。頭に戦車の砲塔をつけた、プログラム制御の無骨な装輪装甲車。完全に戦争仕様の兵器だが、「魔神」僧正には力及ばなかった。 グリフォンドライバー 第三次世界大戦を睨んで動的防御目的で開発された要人警護用の防弾公用車。外見はリムジン風の黒塗りの高級車だが、全高2メートル以上、全長25メートル以上という巨大さを誇る。複合装甲製のボディ、50センチメートル超の防弾ガラス、銀行の大金庫に匹敵する8本のロッドと真空ロックを兼ねた扉、狙撃や対戦車地雷にも対応できるスポンジ封入式のタイヤといった様々な設備を備えている。 木原唯一は研究室として使用する目的でこの車を複数台所有している。 スフィア 災害時用の通信インフラ基地となる、電波塔や広告塔を兼ねる専用機材。本体は蓮の花にも似た直径2メートルほどの金属球で、頂点から撒かれる煙の層へドーム状に情報のウインドウが表示される。内部のコアには非電子式演算回路の一種であるゼーマン効果を利用した光分散式計算プロセッサを使用しているため、電気系の能力者であっても操作できないようになっている。余計なデマや混乱を避けるために無秩序な情報発信はできないように設定されており、フルアクセスするためには「営巣部隊」から避難所の「王」に配布される「鍵」と呼ばれるスティック状の機材が必要になるため、王の意向ひとつで傘下にいる多数の意思決定をも直接左右されてしまう。 問答型思考補助式人工知能(リーディングトート78) 「窓のないビル」に備えられ、アレイスター=クロウリーが自らの「計画」の軌道修正が正しいか否かを証明させるために用意した並列演算機器。アレイスターが導き出した運命予測法が組み込まれている。中枢にはアレイスターが執筆した魔道書の「原典」であるトートタロットが用いられており、「原典」の自己防衛機能を利用した魔術の行使が可能となっている。 システム構築の過程で偶発的に意識体が発生している。「黄金」の時代を案内するホスト役としては「黒猫の魔女」ミナ=メイザースの姿を取り、12月11日にビルに侵入してきた上条をこの姿で導く。アレイスターとの戦いではリリスの尊厳を守ろうとする上条に味方し、魔導書の記述でエイワスの力を吸い取ることで彼を助けた。その後のコロンゾン襲撃時には宇宙へ飛び立つビルから脱出できないためにその足止めを捨て身で行うつもりでいたが、エイワスが気紛れで魔道書「黒猫祭祀秘録」を記したことで巨大演算機器の軛から解放された一冊の本となり、さらにミナ=メイザースとしての肉体を得たことで移動の自由を与えられたことで学園都市へと帰還した。 「書庫」をめぐる騒動ではまず一方通行に接触して情報交換を行い、終局において自らの記述を利用してインデックスの遠隔制御霊装を停止させ、アレイスターへエイワスからの神託と自身の意見を告げその決意を促した。その後は、土御門がエジプトに用意した隠れ家で冥途帰しと共にリリスの肉体の準備を開始、コロンゾンのアエティール・アバターがエジプトを攻撃し出したためイギリスに向かい、アレイスターたちと合流した。アレイスターの死後は、彼女の遺言でリリスの乳母を任されることになる。アネリ(an-E.R.I.) ドラゴンライダーに搭載されていた操縦支援ソフト。浜面に妙に懐いており、彼が女性を相手にしていると機械の制御系を利用して嫉妬しているかのような行動をとる。 その正体は問答型思考補助式人工知能を民生にまでレベルを落として普及させたもので、いわば魔道書の「写本」に相当する物である。「原典」が優秀なためか、プロセッサスーツに搭載されフルスペックを発揮できた時には浜面の想像を超えた圧倒的な性能をみせている。学園都市の全機能停止時は活動できなかったが、都市がアンロックされると共に再起動する。 ブレスオブブレッシング 「営巣部隊」に配備された大型送風機。直径2、30メートルに届く巨大な円筒形で、見た目はシールドマシンに近い。本来は非殺傷の防災研究の名目で開発され、学園都市の研究機関で危険な化学火災が発生した際、風向きを人工的に変える事で危険な煤煙が人口密集地を冒すのを止めるための機材であるが、風速数千キロメートルに達する暴風を発生させ、軽自動車程度は木の葉のように薙ぎ払い、鉄筋コンクリート製の小さな雑居ビルくらいならバラして吹き飛ばしてしまう。複数の輸送ヘリにワイヤーで懸架して運搬される。 極超音速衝撃波圧縮打撃砲(スーパーソニックストライカー/ S.S.S.) アセチレン、酸素、水素の混合気体を爆発させ、小細工された鋼管で指向性を整えて、一方向へマッハ9.8の速度で見えない音の壁を打ち出す兵器。外見は鋼管で出来た盾とガスボンベやエアコンプレッサーを太いチューブやホースで繋いでいるだけだが、凶悪な殺傷能力を有している。内部にチタン合金の研磨剤を入れることでさらに威力を高める。 アレイスターの知識さえあれば最先端の道具は一切必要なく、学園都市外の日曜大工だけで組み上げられるという恐るべき利点があるため、イギリスで戦いに巻き込まれた際にも短時間かつ即興で製作された。 食物連鎖の反逆者(フラワーレジスタンス) クローンや遺伝子操作といった品種改良によって生み出された、ハナカマキリとは似て非なる本当に植物質で作られた昆虫。動物より早く動き、動物より力強く体を動かして、動物を養分とする。電磁波の影響を受けやすく、ある程度はリモートで言う事を聞かせられる仕様になっている。 操縦捕縄(そうじゅうほじょう) ガス管やスチームパイプなど、接近するのが難しい事故現場で鋼管に巻きついて漏出ポイントを安全に塞ぐために作られた、電子制御の蛇型ダクトテープ。しかし、縛る、搾る、殺すと何でもできる性能から、犯罪目的で使用されることもある。 ハンマーヘッドシャーク 警備員の特殊車両として導入された無人追跡車。フガクのスポーツセダンの公務用カスタムで、見た目は空気抵抗を極力避けるために車高を低く抑えたスリムなスポーツカーだが、エンジンは車体後部に搭載され、ボンネットの中は全て複合装甲の塊がぎっちりと詰め込まれている。暴走車やあおり運転対策として、「無人制御で安全に、かつ最速で追い着き、そして確実にぶつけてクラッシュさせる」走る凶器の極みであり、複数で高速無線ネット連携を取れば20トン級の大型トレーラーでも確実に潰してコースアウトさせる「兵器」となる。 NB20 警備員に配備される近距離捕獲銃のネットライフル。網を広げるために使うオモリが急所に当たる事故率が高く回収騒ぎが起きた。 トランスペン 翻訳機能付きのペン型デバイス。ペンの頭のマイクが聞き取った外国語を日本語に通訳し、書類や看板の英文をペン先でなぞれば日本語に翻訳してくれる。スマートフォンと無線接続し、同時通訳する事も可能。学園都市のディスカウントストアならワゴンで投げ売りされる程度の「オモチャ」で、通販教材のおまけについてくる程度の品なので、翻訳に英単語がそのまま出てくる事もある。 オーバーハンディング 学園都市で運用される囚人護送列車。複合装甲の装甲厚は車両というよりシェルターに近く、側面で平均200ミリメートル、一番薄い屋根で平均120ミリメートル、先端部分では800ミリメートルを超え、これ以上増やせば金属製の車輪やレールを痛めてしまう上限まで盛られている。車両は7両編成で、囚人が詰め込まれるのは4、5両目の2車両だけ、1、7両目が巨大なモーターと非常用バッテリーを含む運転・機関車両、2、6両目がガラスレーザー規格のドーム状対空光学兵器と対地攻撃ロケット砲のコンテナで固めた武装車両、3両目が武装看守の待機所になっている。通常のATS管理より手動操作を優先し、空気ブレーキや電磁ブレーキなど複数の安全装置を独自に取り入れている。 列車は乗り物の中で最も待ち伏せされやすいリスクを抱える事から、運転士には一般報酬の他に、たった1本、30分走らせるだけでクルーザーを買える額の追加ボーナスが上積みされる。 「ハンドカフス」に自分の手でケリをつけたい鉄装がATSに細工して脱線させ、第7学区の駅に停車していたデリバリーゴーラウンドと激突する。
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