装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/16 17:10 UTC 版)
「SLM solutions」の記事における「装置概要」の解説
SLM社製品の特徴としては、レーザー光源にファイバーレーザーを採用、400Wクラスレーザーの採用、出力の異なる複数台のレーザーの採用(最大4台)を世界で初めて行ったことなどがあげられる。この背景としては、商業ベースよりも、フラウンホーファー研究機構などと共同で、研究所向けの多くの特殊機を開発・納入してきたことがあげられる。 研究開発用途での試験装置を多く製作してきたSLM Solutionsだが、近年はユーザーの要求を元に開発された、試験造形だけでなく将来的な量産を視野に入れた特殊機構が多く取り入れられている。 研究開発用に向くSLM125、研究開発から試作まで対応するSLM280、そして将来的な量産を視野に入れたSLM500がラインナップとしてそろっている。
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 15:48 UTC 版)
本機は海底に設置されて湾口等を見張る沿岸用水中聴音機であり、その構成は主に、円形に配列された13個の可動線輪型捕音器、音源の方向を測定する聴測器、それらを結ぶ海底電線からなっていた。 聴音方式は円形に配列した各捕音器に音波が到達する際の位相差(時間差)を利用して音源の到来方向を判断する「最大感度方式」を採用しており、500〜2,500ヘルツの周波数範囲で動作し、指向性は5度で兵器自体の雑音および虚聴音がなく、測定法は比較的簡単だったものの音判別はやや困難であり、また2ノット以下の低速潜航潜水艦は聴音は極めて困難だった。設置可能最大深度の異なる1型から3型までの3つの型存在し、各型の最大設置深度は1型:80m、2型:150m、3型:250mとなっていた。 捕音器 捕音器(マイクロフォン)は水中の到来音波を捉えて電気信号に変換する装置であり、研究を始めた当初は捕音器内に設けた油槽により内外圧力を自動的に平衡させるようなものが試作されたが、沈設する際に傾いて油が飛び出すなどの欠点があり成功せず、後に九三式水中聴音機の可動線輪型捕音器の径を縮小して耐水圧強度を増大したものを採用してこれを解決した。九七式水中聴音機ではこの可動線輪型捕音器13個を直径5メートル、高さ3mの架台に直径3mの円形に配列して海底に沈め、各捕音器は架台中央の防水接続筐を介して海底電線と接続された。 海底電線 陸上と捕音器とをつなぐ電線は、各捕音器用導線の配列を適当にして、紙絶縁で相互の誘導と導体損失を減少した鉄線鎧装電線を古河電線株式会社の協力により開発した。この電線は直径70mm、心線数30心、敷設可能電線長は20,000mで、一端は捕音器装備架台の防水接続筐を介して捕音器と接続され、もう一端は陸上へと導かれて屋内接続筐に接続されて捕音器と聴測器とをつないだ。電線の製造は古河、住友、藤倉の各電線会社によって行われ、1939年(昭和14年)~1940年(昭和15年)の間に数百万mにおよぶ電線が製造された。この時に在庫された電線は後に開発された磁気探知機の海底ループに流用されたと言われている。 聴測器 聴測器は目標音源方向の測定に使用される装置であり、主に「整相器」、「増幅器」、「沪波器」の3つの装置から構成されており、正面から見て中央に整相器、左側に増幅器、右側に沪波器が配置され、各装置の概要は以下のようになっていた 整相器 整相機は遅延送電網により各捕音器に与える遅延量を音波到来方向に応じて適当に管制し、それによって音源の方向を決定する装置で、その構成は遅延量を調整する役割を持ち、捕音器の配置をそのまま縮小して刷子を配列した「刷子群」と、各捕音器から電気信号を遅延送電網に伝達する役割をもち、一平面内に導体片と絶縁体を縞状に交互に組合わせて配置した「導電盤」、導電盤を経て送られてきた信号に遅延量を与える役割を持ち、50個の遅延送電網素子を連鎖状に接続して一纏めとした「連鎖型遅延送電網」からなっていた。装置の正面には遅延量の調整に使われる「測定把輪」と音源方向の判定に使用される目盛板が備えられており、測定把輪を回して導電盤上の刷子群を回転させると、それに連動して目盛板の測定指針も回転する為、各捕音器からの電気信号に適切な遅延量が付与されて受聴音が最大感度となった時に指針を読取れば音源の方向を判定する事ができた。 増幅器 捕音器から変成された電気は極めて微弱で、そのまま受聴器に流しても聴測には適さない為、これを増大して聴測に適するようにする装置が増幅器であり、本機の増幅器は「変圧器抵抗結合型三段増幅器」と呼称され、真空管三本使用し、筐体は軽合金製の防湿型筐体で増幅度は95デシベルだった。 濾波器 濾波器は変成された電気の中から任意の周波数帯の電流を濾波する装置で、聴測の邪魔になる背景雑音を低減して音源音色の判別を良好にするため等に使用され、本機では高周波用と低周波用の二種類の濾波器が使用された。 受聴器 本機の受聴器は日本海軍制式のテー式1號受聴器が使われており、これは無線兵器に附属される物と同一の物で、電気定数は直流抵抗2000オーム×2、インピーダンス10000オーム×2、共振周波数は約1000サイクルとなっていた。
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/15 04:10 UTC 版)
本器は発振器から送受波器へ瞬間的に大電流を流す事で水中に超音波を発し、反響音または推進器音等を受振した際に発生する電圧を受振器で増幅して記録器に出力する事で視覚による距離の読取りと探知物体の虚実の判定を行うと共に、附属の受聴器により推進器音等を聴取する事で水中の潜水艦を捜索する物だった。 本器の中枢である記録器は発振器の発振を管制し、モーターで回転する4本の記録ペンにより反響音を記録紙に記録するもので、記録範囲は0~500m、0~1000m、1000~2000mで、記録器の距離転換器を操作して切換えた。この装置は艦橋にある送受波器の操縦装置のすぐ側に装備され、操作員は反響記録を見ながら送受波器を旋回させて記録が最も濃くなる方向を捜索する事で目標の方向を決定した。 発振器は24Vを電源とする電圧2000V、出力200Wの小型高圧発電機により蓄電器に充電し、発振の際に接触器 により瞬間的に大電流を放電し、送受波器の振動板を機械的に駆動させて超音波を発する減衰波方式を採用していた。受振器は送受波器が反響音または推進器音等を受振した際に発生する電圧を高周波3段増幅して整流し、記録紙に印加する装置であり、また高周波2段目から分岐してヘテロダイン検波の後に低周波一段増幅して聴音に供するものでもあった。発振器による誘導の影響を防止するために、発振器と受振器は出来るだけ距離を離した状態で兵員室に装備され、また受振器は振動の少ない場所を選んで取り付ける事とされた。本器の送受波器はAF合金を使用した磁歪式振動子2個から成り、共振周波数は14.5kHzで最大外径は320㎜以内となっていた。 機能や構造が若干異なる数種の派生型が存在し、最初に開発された物を「一型」、これの記録範囲を0〜1,000m、0〜2,500mに変更した物を「一型改ー」、記録器を一型および同改一の回転式から直線式に変更した物を「二型」(24V用)、「三型」(100V用)と呼称した。 軽便探信儀主要目}一型二型三型装備艦種小舟艇周波数(kHz)14.5 探知能力(m)8ktで800 測距精度(m)±50 指向性(度)18 方向精度(度)±4 音波型式減衰波 発振器蓄電器放電式 受信機ヘテロダイン式 指示方式記録式 送波器磁歪式(AF合金) 操縦装置昇降手動式 旋回整流覆電源発振用M-G 受信用操縦用 総重量(kg)約500
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:46 UTC 版)
「ハイパーカミオカンデ」の記事における「装置概要」の解説
岐阜県飛騨市神岡町の地下650mに大空洞を掘削して巨大な水槽を設置し、水槽の壁面に光センサーを取り付けて、水中で発生するチェレンコフ光をとらえる。2015年の検討では高さ54m、幅48m、長さ247.5mの卵形断面形状を持つ巨大水槽2個を設置し、水槽にはスーパーカミオカンデの約20倍の約100万トンの超純水が蓄えられ、水槽の壁面には大型の超高感度光センサーを99,000本取り付ける計画であった。その後計画規模が見直され、2015年の60m×74m26万トンタンク2基案を経て、センサー感度が2倍に向上し半分の水量でも同等の成果が得られるとの事象を踏まえ、2017年の時点では、高さ60m、直径74mの円筒形状を持つ巨大水槽に約26万トンの超純水を蓄え、内水槽の壁面に50cm径の超高感度光センサー40,000本、外水槽の壁面に20cm径の高感度光センサー6,700本を取り付ける計画となっている。
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 15:11 UTC 版)
三式探信儀はドイツ海軍で使用されていたS装置(S-Anlage)を参考にした聴音探信装置で、これは2つの磁歪式振動子よりなる送受波器と二組の映像器と特殊受振器を使用して目標艦船の推進器音より発生する超音波の到来方向をブラウン管上に表示し、さらに任意の時刻に探信を行い目標までの距離を測定するもので、1943年以降に急速に発達した。1944年(昭和19年)に三式探信儀二型が海防艦「千振」に装備実験され、極めて良好な成績であった事から駆逐艦、海防艦、商船などに急速に装備される事となった。用途によって構造が若干異なる数種の派生型が存在し、高速艦艇や空母、戦艦などの大型艦用で昇降式の「一型」、哨戒艦艇用の「二型」、商船用に二型を簡略化した「三型」、潜水艦用の「四型」、軽便探信儀に代わる駆潜艇や哨戒特務艇用の「五型」及び「六型」が存在した。 映像器 本器の作動原理は目標からの反響音を2個の磁歪式振動子よりなる送受波器で受け、それぞれの信号を和動と差動の2種類の接続に分けてブラウン管の上下左右の偏光板に加え、表示された直線状の光点の角度から目標の方向を直接読み取ろうとするものだった。反響音を探知した時にブラウン管に表示される光点は、送受波器が目標に正対すると直立し、少しでも横に向いて傾斜を持つとそれに合せて光点も傾くため、送受波器を旋回させて光点が直立する方向を求める事で目標の精確な方向を判定する事が可能で、さらに光点が立った位置の距離目盛を読取る事で目標までの距離を判定する事ができた。本機は700~800mの範囲では受聴器を使用して推進器音を聴取する事も可能であった為、ブラウン管の映像と併せる事で可視式聴音機としても使用可能であり、視覚と聴覚を併用してより確実に目標を探知する事ができた。この方式は九三式探信儀や軽便式探信儀等の最大感度法の探信儀と比較して捜索幅が遙かに大きく方向精度も良好だった為、捜索探知後の保続探知が格段に容易であった。 水上艦艇に搭載される映像器には艦橋用と水測室用の2つの映像器があり、寸法は高さ約70㎝、幅約30㎝で、内部機構の配置が異なるものの、どちらも機能と形状はほぼ同一であり、装置前面中央にはブラウン管の光点を読取るための長方形の窓がついていた。潜水艦用の四型には機能と形状が異なる探信用と聴音用の2つの映像器があり前者は探信・聴音兼用、後者は聴音用として使用された。探信用映像器の寸法は高さ約120cm、幅約60㎝で、装置前面上部に窓があり、それまでのブラウン管の光点を直接読取る方式から、装置内部の距離目盛盤の前方にある半透明の回転鏡に反射鏡で投影された光点を読取る方式へと変更された。この方式は使用者がどの位置から見ても光点が目盛盤上の特定の位置にあるように見えるので使用者の負担を軽減できる利点があった。聴音用映像器の寸法は高さ・幅ともに約30㎝で装置前面の左斜め下に円形の窓がある。 発振器・送受継電器 発振器は送波器に高周波電力を供給する装置であり、三式探信儀の量産が始まった当初は一般的な真空管式の物が使用されていた。しかし、この装置は構造的に生産性が非常に悪く、また発信用真空管の生産が電波兵器用と競合して極めて不足し、整備に支障をきたす事が予想された。このため鹵獲した英国製探信儀ASDICの高周波発電機を参考として国産化した高周波発電機が日立製作所研究室での研究試作を経て量産された。この高周波発電機は16kcから19kcの可変周波数で、計画力量は2KVAであり、2秒おきに0.12秒の発信をさせた時に13kcで10KW以上の出力を得られ、0.12秒間の周波数降下は150サイクル程度であったため十分実用に供しえると判断された。また、この発電機を使用すれば発振装置が不用となり装置を非常に簡略化できる利点があったため、主に三式探信儀三型(商船用)に相当数使用された。送受波器と発振器および映像器間の電路の切換えを行う装置である送受継電器にはロータリー式の物が使用され、これはトルクモーター、送受切換部、扉開閉器、偏倚電圧短絡部などよりなっていた。 送受波器 送受波器は発振器から高周波電力を供給されて水中に超音波を発すると共に、目標からの反響音を受振して再び高周波電力に変換するもので、それまで九三式探信儀で使われていた水晶式に代わりAF(アルフェロ)合金を使用した共振周波数13~20kcの磁歪式送受波器が採用された。この送受波器は適当な間隔で横並びに配列された2つの角型磁歪式振動子で構成され、送波の場合はこれを同一の位相で使用して約60度程度の方向性を持たせ、受振の場合は個別に使用して受振方向による位相差によりブラウン管上に傾きを持った光点を得る物だった。なお送受波器はキール線上に開口する事による船体強度等に対する配慮からキール線を外して装備された。このため装備位置の反対舷の目標に対する探知能力が甚だしく低下したので、海防艦等の対潜艦艇は1隻につき本機を2組を装備していた。 また本機の特徴の一つに初めて送受波器に整流覆を装備した点がある。これはイギリスから鹵獲したASDICに附属していた物を参考にしたもので、送受波器を厚さ1mm程度の鉄板の流線形覆で包んだ事で、送受波器に直接衝突する水流による雑音が非常に減少し、その効果は鉄板を音波が通過する際の損失を補って余りあるものだった。また直接水流を受けなくなった事で操縦装置を非常に簡略化できるようになり、手動でも操作可能になった。 三式探信儀主要目一型二型三型四型五型六型装備艦種巡洋艦駆逐艦哨戒艦艇商船潜水艦小舟艇小舟艇 周波数(kc)13,14.5 13,16 16 20 16 14.5 探知能力(m)12ktで約2,000 3~5ktで約3,000 12ktで約1,000 測距精度(m)±100 ±50 指向性(度)18,30 30 同左 7 30 18 方向精度(度)±2 ±1 ±2 音波型式非減衰波 発振器真空管式 真空管式または高周波発電機 真空管式 受信機相位計式 指示方式ブラウン管式 送波器磁歪式(AF合金) 操縦装置昇降電動式 固定 電動式または固定 手動式 旋回手動式 電動式 整流覆昇降式 固定 無 電源発振用AC 220V 受信用操縦用AC 440Vまたは220V DC 220V 総重量(kg)約4,500 約1,500 約1,200 約400 約500
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 14:30 UTC 版)
本機の構成は主に、捉えた音波を電気振動に変成する「捕音器」、音源の方位を測定する「電気整相機」、聴音周波数が選択可能な「低周波増幅器」、整相された電気振動を聴く「受聴器」からなっており、聴音方式には最大感度方式を採用していた。 この方式は音源方向の判定に、一定の形式(主に円形)に配列された多数の捕音器に音波が到達する際の時間差を利用するもので、その原理はある捕音器群に音波が到来した時に、音源方向から最も遠い位置にある捕音器に音波が到達する時刻を基準として、他の捕音器に音波が早く到達する分だけ各捕音器の電気信号の伝達を電気的遅延回路によって遅延させ、全ての信号が同時に受聴器に流れて単一の最大音となった時の各捕音器信号の遅延時間の調節量から目標の方向を判定するというものだった。 本機は最初に当時の第2潜水戦隊に配備された後、海軍の主要な潜水艦に装備され、さらに1937年(昭和12年)頃からは対潜用として駆逐艦や駆潜艇にも装備されるようになった。しかし、これらの艦艇は航走中の自己発生雑音の抑制が不十分であった為、しばしば微速または主機停止の上で聴音する事が必要となり、用兵上の要求を十分満足することができず、また補機の振動によって発生した雑音のせいで聴音機がほとんど使用できなくなるという事もあった。 仕様や構造が若干異なる幾つかの派生型があり、「九三式水中聴音機 甲乙 潜水艦用」「同一型 甲乙 潜水艦用」、「同一型改一 甲乙 潜水艦用」、「同二型 甲乙 潜水艦用」、「 同小艦艇用」などが存在した。 捕音器 捕音器(マイクロフォン)は水中の到来音波を捉えて電気信号に変成する装置であり、本機では可動線輪型捕音器を片舷に8個、合計で16個が常時水に接する艦首付近艦底外板に直径3mの円に近い楕円形に装備されていた。この捕音器は1932年(昭和7年)から1933年(昭和8年)頃にドイツより輸入した製品を模倣した物で、その永久磁石には当時国内で最も優秀といわれたKS鋼が使用されていた。磁石鋼についてはその後も感度上昇の為に改良が行われ、東北帝大金属材料研究所と住友金属株式会社の協同を得て1940年(昭和15年)に新KS鋼による磁石の試作に成功した。また振動板の材料は当初、ドイツ製に倣って高級ニッケル青銅を使用していたが日中戦争の進展にともなって不足した為、1941年(昭和16年)1月以降は転換材料としてアルミニウム青銅の研究を開始した。しかし完成の頃になると主成分であるアルミニウムも節約せざるえない情勢となったため、マンガン青銅の試作に着手し1941年(昭和16年)11月に完成して実用化された。 整相機 整相機は電気的遅延回路により各捕音器に与える遅延量を音波到来方向に応じて適当に管制し、それによって音源の方向を決定する装置で、本機では直流モーターのコミュテーターのように導体と絶縁体とを交互に積み重ねたものが使用されていた。この各導体間に捕音器の信号に遅延量を与える為の遅延回路を挿入し、捕音器の配置状況をそのまま縮小したブラシ盤を回転させ、各捕音器の入力が全てアディティブに働いた時に最大出力が得られた。 装置前面には遅延量の調整に使用する調整用把手と音源の方向を読み取るための方向角度目盛盤があり、調整用把手を回せばブラシ盤の回転と連動して目盛盤の指針も回転するため、受聴音が最大となった時に指針が示す方位を読取る事で音源の方向を判定する事ができた。また聴測した音源方向角度は整相機内部に設けられた角度通報用発信装置によって、艦橋および探信室に装備された角度受信機に電気的に通報する事ができた。整相器は甲型に2組、乙型には1組が備えられ、角度受信機の目盛盤も甲型は2つ、乙型は1つとなっていた。 増幅器 増幅器は捕音器から変成された非常に微弱で、そのまま受聴器に流しては聴測には適さない電流を聴測に適するように増幅する装置であり、本器では3本の真空管を使用する抵抗結合型低周波増幅器が使用された。この増幅器の筐体は軽合金製で前面には音量調節用のハンドルがあり、真空管が収められている部分の蓋は交換がしやすいように簡単に着脱できるようになっていた。 濾波器 濾波器は変成された電気の中から任意の周波数帯の電流を濾波する装置で、聴測の邪魔になる背景雑音を低減して音源音色の判別を良好にしたり、聴測の精度を向上させる為に使用され、軽合金製の筐体前面に装備された転換用ハンドルを操作する事で遮断周波数を切換える事ができた。 受聴器 本機で使用されていた受聴器は海軍制式のテー式一號受聴器で、これは無線兵器に附属される物と同一の物であり電気定数は直流抵抗2000オーム×2、インピーダンス10000オーム×2、共振周波数は約1000サイクルとなっていた。 九三式水中聴音機主要目装備艦種大艦哨戒艦艇 捕音器配列捕音器数 16 配列法 楕円 配列直径(m) 3(長軸) 指向性(度) 約5 副最大値(%) 約50 装備場所 舷側外 捕音器型 可動線輪 振動板直径(mm) 145 重量(kg) 18 感度(db) 35 周波数範囲(C/B) 500~2500 耐爆距離(m) 35 聴音装置整相機遅延回路網制御方式 格子状 型 T 素子数 50 全遅延量(μ sec) 2000 L(mH) 80 C(μ) 0.02 M(mH) 6.64 Zo(Ω) 2000 捕音器刷子縮小率 1/15 均整抵抗(hΩ) 2~15.5 角度通報器 あり 増幅器型式 抵抗結合3段 真空管 600×3 増巾度(db) 85~90 沪波器遮断周波数(C/S) (HP)全通 550 700 1200 1700 (LP)全通 700 900 1200 3000 受聴器数可動鉄片×4 電源種別 DC100V 220V(潜) 整流器 沪波器 あり 他装置接続筐 2 切断器 1
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:46 UTC 版)
本機は大型水上艦艇に装備して水中音波の音源方向を測定しようとするものであり、その主要部は、水中音波を捕らえ電気信号に変換する捕音器、各補音器の信号を合成し、音源の方位を測角する整相器、各捕音器が捕らえた音を聞くための受聴器からなっており、方向測定原理は九三式水中聴音機と同じく、電気整相器により各補音器の信号を電気的遅延回路を経て合成し、最大音を求める最大感度方式が用いられていた。
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装置概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 15:40 UTC 版)
本機は水晶の圧電気作用を利用する物で、送受波器より水中に発射した超音波の反響音を受振状態の送受波器で受振する事で物体の在否や性状、方向および距離を知ろうとするものだった。当初は艦内電源が直流の小艦艇用(一型)、交流の小艦艇用(三型)、潜水艦用(四型)の3つに区分されたが、後に送受波器を磁歪式とした五型が整備された。 発受振装置は発振器と呼ばれる高周波電力発生装置を主体にする発振系と、送受波器が受振した信号を増幅、検波して受聴器で聞取る受振系、発振・受振系と送受波器間の電路の接断を行う送受継電器を主体としていた。その作動原理は発振器のハートレー回路により発振・増幅した高周波電力を送受継電器を通じて送受波器に導き、内部の水晶板を振動させて水中に超音波を発し、目標からの反響音を再び送受波器で受振して受振器により4段増幅、ヘテロダイン検波して電気的に可聴音に変え、受聴器により聴知するというものだった。 送受波器は水晶の圧電気作用を利用して高周波電力を超音波に変えて水中に発射するとともに、反射してきた超音波を受振して再び高周波電流に変えるものであり「九三式送波器」と呼ばれる共振周波数17.5kHzの水晶式送受波器が採用された。 これは厚さ5㎜、長さ40㎜、幅20㎜の水晶片140個を並べ、直径310㎜の振動板で挟んだもので、衝撃に対して極めて弱いという欠点があった。そのため水上艦艇では爆雷攻撃前に送受波器を上昇させて艦内に収容し、昇降用の艦底開口部に設けた堰戸弁を閉じることにより爆雷攻撃時に送受波器内の水晶圧電体の破損や剥離などの事故を防止した。 本送受波器で使用されていた水晶原石はその全てをブラジルからの輸入に依存しており、戦争の進展に伴って1942年(昭和17年)には供給が途絶し、1943年(昭和18年)には国内手持ち品のみに頼る状況となって大幅に不足した。このため1944年(昭和19年)から送受波器をAF合金による磁歪式とした改良型が少数製造された。これは水晶式と比べて衝撃による破損や温度変化による能力の変化等がなく、音響出力も水晶式と比較して一桁増加するなどの利点があった。 当初は送受波器に整流覆(ソナードーム)が無く航走時の自艦発生雑音が大きいと言う欠点が指摘されたため、1944年(昭和19年)後半から、開戦後に鹵獲したASDICに附属していた物を参考にした固定式の鉄製整流覆が駆逐艦等に装備された。この結果それまでは12ノット以上では探知不能となっていたのが18ノットまで有効に活用できるようになり、航走中の探知能力が向上した。また、指向性が先鋭すぎて探知後の失探が多いという欠点も指摘されたので予め聴音機で方向を確かめた後に測距を行うように用法が工夫された。 操縦装置は送受波器の昇降・旋回を管制する装置であり、本器では艦底に油圧整動機による操縦装置が付属し水測室から遠隔操作された。その機能は旋回秒時が一分間に29回、昇降秒時10~14秒、開閉秒時10秒と言うもので、この装置は入渠することなく送受波器の換装ができるなどの長所がある一方で、昇降旋回装置の重量容積が極めて大きく、装備にあたって長期の入渠工事を必要とする欠点があった。 九三式探信儀一型操縦装置主要目 機構装置重量:2113.8 kg 電動装置重量:2083.5 kg 装備全重量:3207.3 kg 昇降行程:1m 開閉行程:470 mm 送波器突出量:400mm 指揮装置は探知目標の方向・距離を各電気装置により自動的に視覚指示するもので、主に方向を示す方向指示装置と探知した目標の距離を示す距離指示装置からなっていた。操作者は送受波器を旋回させて目標を捜索しつつ、受聴器で反響音の聴知に努め、反響音が聞こえた時に距離指示器の指針の位置を記録する事で目標の距離を判定した。探知した目標の距離は水測室の距離発信器を操作して艦橋の距離受信器へと送信された。また艦が針路を変更した場合は、艦橋で転舵角発信器を操作して水測室へ転舵角を送信し、伝達された転舵角は方向指示器の転舵指針によって操作者に示された。この方式は反響の探知を聴覚に依存しており至近距離での探知が不明瞭となる欠点があった為、昭和19年頃からは能力向上を目的として、ASDICの記録式距離指示装置を模倣、国産化した記録装置が新たに装備された。これは沃度加里澱粉紙により反響の自動記録を行う装置で、前述の器材と併せて対潜攻撃の対勢判断に利用された。なお各装置の大まかな構成と機能は以下のようになっていた。 方向指示装置:主に探知目標の方向を示した。主方向指示器:水測室に装備され送波器の方向を示す方向指針と転舵角を示す転舵指針を有する。 従方向指示器:艦橋に装備され送受波器の方向を示す。 方向発信器:主方向指示器と従方向指示器に送受波器の方向を伝える。 転舵発信器:艦橋に装備され転舵角を主方向指示器に伝える。 距離指示装置:探知目標の距離を示し、指度3,000mと6,000mの二重目盛りの距離時計式で受聴器で聞き取る反響音と併せて距離の判定に使用された。距離指示器:水測室に装備され、反響と連動してホニックモーターにより起動・停止する指針により探知距離を示し、発振時限調定装置を有した。 距離受信器:艦橋に装備され探知距離を受信する。 距離発信器:水測室に装備され探知距離を艦橋に伝えるセルシン電動機。 電鍵:水測室に装備され発振時隔を切換える。調整・手動・自動・8秒・4秒の切換え装置を持つ。 記録装置:主に記録器と増幅器からなり前者は艦橋に、後者は水測室に装備された。記録器は定速度電動機により、記録紙の繰り出しと記録ペンの駆動を一定速度で行う機構を主体とした物で、反響の自動記録を行い視覚による距離の読取りと探知物体の虚実判定に使用された。記録範囲は1,000mおよび2,500mで距離転換器により切換えられ、記録紙の繰出し速度は尺度1,000mの時の一分間に42mm、尺度2,500mの場合は一分間に16.8mmとなっていた。また記録器表面には敵艦の直上通過の時刻を予測し爆雷投射の指導を合理的に行うための投射指揮盤が附属した。 九三式探信儀主要目一型三型四型五型装備艦種駆逐艦(直流艦) 駆逐艦(交流艦) 潜水艦 駆逐艦哨戒艦艇 周波数(kHz) 17.5 同左 同左 16,19 探知能力(m) 12ktで約1,300 3~5ktで2,500 12ktで約2,000 測距精度(m) ±100 指向性(度) 12 方向精度(度) ±3 音波型式 非減衰波 発振器 真空管式 受信器 ヘテロダイン式 指示方式 読取式 送波器 水晶式 磁歪式 操縦装置 昇降 油圧整動器 旋回 油圧整動器 整流覆 無 電源 発振器 M-G 整流器 M-G 受信用 M-G 整流器 M-G 操縦用 DC100V AC220V DC220V DC100V 総重量(kg)2,000 1,800 2,000
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