受聴器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:46 UTC 版)
捕音器が捕らえた音を集めて聞くための受聴器は海軍制式のT式1号受聴器であり、これは無線兵器に使用されていた物と同じ物で、共振周波数は800~900サイクルとなっていた。 このタンク内装備の思想から研究開発された試作品は、戦艦「比叡」に搭載して実験が行われ、良好な成績が得られたので「零式水中聴音機」として制式化され、主に戦艦や空母等の大型艦艇に装備された。中でも戦艦「大和」と「武蔵」は、バルバス・バウ内に同機を片舷ずつそれぞれ装備し、常に両舷2組をもって哨戒を行い、対潜見張り用として威力を発揮し、魚雷の航走音を聴知してこれを事前に回避するのに役立ったと言われている。また大和では本機を中央、左、右と3基装備していたとも言われており、その聴音室は最前部に近い左舷下甲板の喫水線より少し上部分にあり、防音装置と空調装置を備えていた。なお聴音した音は第1、第2艦橋でも聞く事ができた。同機は水中見張り用としては有効だったが、対潜警戒用としてはほとんど実用価値がないものとされ、さらに優秀な聴音機が求められる事となった。 零式水中聴音機 主要目装備艦種 大 艦 大型商船 捕音器配列 捕音器数 30 配列法 二重楕円 配列直径(m) 4(長軸) 指向性(度) 約3 副最大値(%) 約30 装備場所 舷側 捕 音 器 型 可動線輪 振動板直径(mm) 145 重量(kg) 18 *感度(db) 35 周波数範囲(C/B) 500~2500 *2耐爆距離(m) 35 聴音 装 置 遅 延 回 路 網 制御方式 格子状 型 T 素子数 90 全遅延量(μ sec) 2700 L(mH) 20 C(μ) 006 M(mH) Zo(Ω) 1000 捕音器刷子縮小率 1/13.6 均整抵抗(hΩ) 0.5~7 角度通報器 有り 型式 抵抗結合4段 真空管 6301×1 606×3 増巾度(db) 100 沪 波 器 遮断周波数(C/S) (HP)全通 500 700 1200 1500 (LP)全通 700 900 1500 3000 受聴器数 可動鉄片×4 電源 種別 AC100V 整流器 セレン型 沪波器 有り 他装 置 接続筐 4 切断器 1
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