けり
けり
[助動][(けら)|○|けり|ける|けれ|○]《動詞「く(来)」の連用形に動詞「あり」の付いた「きあり」の音変化から》動詞・助動詞の連用形に付く。
1 過去に起こった事柄が、現在にまで継続してきていることを表す。…てきた。
「昔より言ひけることの韓国(からくに)の辛(から)くもここに別れするかも」〈万・三六九五〉
2 過去に起こった事柄を他から伝え聞いたこととして回想的に表す。…たということだ。…たそうだ。
「坊の傍らに大きなる榎(え)の木のありければ、人、榎の木の僧正とぞ言ひける」〈徒然・四五〉
3 初めてその事実に気がついたことを詠嘆的に表す。…たのだなあ。…たなあ。
「ふるさととなりにし奈良の都にも色はかはらず花は咲きけり」〈古今・春下〉
「夜すでに明けければ、なぎさに赤旗少々ひらめいたり」〈平家・一一〉
[補説] 過去の助動詞「き」に動詞「あり」の付いた「きあり」からとも。過去の助動詞「き」が直接経験をいうのに対し、「けり」は伝聞的過去をいうのが特徴。4は中世以後の用法。未然形の「けら」は、上代に「けらず」「けらく」の形で用いられた。完了の助動詞「つ」に「けり」の付いた「てけり」においては、院政期ごろから「てんげり」の形でも用いられた。
け・り【▽来り】
け・り【▽着り/▽著り/▽服り】
けり【蹴り】
けり【×鳧/▽計里】
水札
計里
鳧
ケリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/25 15:52 UTC 版)
ケリ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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水田でドジョウを捕獲したケリ
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Vanellus cinereus (Blyh, 1842年)[2] |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ケリ(鳧、計里、水札) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Grey-headed lapwing |
ケリ(鳧、計里、水札、学名:Vanellus cinereus)は、チドリ目チドリ科タゲリ属に分類される鳥類の1種である。
分布
モンゴル高原、中国北東部、日本列島で繁殖する。冬には東南アジア、中国南部などに渡る個体も見られる。しかし、日本列島においては留鳥として、生活する個体も見られる。
形態
成鳥
雌雄は同色で[3]、成鳥の全長は34 cm程度である[4]。
成鳥の夏羽は頭部から胸上部が灰青色で、体上面は灰褐色で、体下面は白く、胸上部と体下面の境目には、黒い胸帯が有る。これに対して、冬羽は頭部からの灰青色が、やや褐色を帯びる。
翼は先の方が黒く、基半部は白色と灰褐色で、飛ぶと、これらのコントラストが目立つ。翼の小翼羽付近には爪が有り、爪の大きさや色で、雌雄の見当を付けられる。尾は白色で、黒い帯が入っている。目は赤橙色だが、黄色のアイリングが有る。嘴は短く、黄色で先端が黒い。嘴の付け根には、黄色い肉垂を持つ。足は長くて黄色である。
幼若個体
雛は、淡褐色の綿羽に覆われている。
若鳥は、頭部からの胸部にかけて灰色でやや褐色を帯びており、胸帯は薄い。また目は褐色で、アイリング・肉垂とも小さく目立たない。
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水田を歩くケリ
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正面
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飛ぶ様子
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雛
生態
水田、畑、河原、干潟、草原などに生息する[4]。食性は主に動物食で、昆虫類、ミミズ、カエル、小型の魚類などを捕食する。稀に穀類も食べる。なお、非繁殖期には小群で行動するが、繁殖期を終えても群れをつくらずつがいで生活するものもいる[4]。
繁殖期は3月から7月で、抱卵は3月初旬から中旬に始まり、抱卵・ヒナ養育に、それぞれ約1ヶ月程度かかる。クラッチサイズは4卵で、時には3卵、稀に1卵-5卵が確認される。巣は水田内や畦などの地面に、枯草を敷いて作る。よって農作業による影響を、著しく強く受ける。農作業などによって巣が破壊された場合など、繁殖期中は時にテリトリーを変えるなどして、最大で3回営巣を試みる。
非常に警戒心が強く、テリトリーにトビやカラス、ヒトなどの外敵が近付くと、鳴きながら激しく威嚇し、追い払う。その為、夜でも鳴き声が聞こえてくる場合がある。この甲高い鳴き声が、日本人には「キリッ、キリッ」、「ケリッ」、「ケケッ」などと聞こえるとされ、この鳴き声から「ケリ」という和名が付いたと言われる[5]。
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親と雛
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昆虫を採食中の雛
種の保全状況評価
国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]。また、2007年8月現在において、環境省のレッドリストの指定も行われていない[6]。
ただし、日本の以下の都道府県では、以下のレッドリストの指定を受けている[7]。
- 絶滅寸前または絶滅危惧種(絶滅危惧I類、CRまたはEN) - 福島県、埼玉県、千葉県、高知県
- 危急種(VU) - 青森県
- 準絶滅危惧(NT) - 岩手県、山形県、茨城県、栃木県、神奈川県、富山県、山口県、佐賀県、熊本県
- 注目種 - 宮城県、群馬県、大阪府
類縁種
書き言葉
日本語の「けりをつける」や「けりがつく」の“けり”は、かつて使われた助動詞の“けり”から来た語である。しかし、時に「鳧」の字を当てて「鳧を付ける」と書く場合が見られる。
脚注
出典
- ^ a b “IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2. (Vanellus cinereus)” (英語). IUCN. 2012年1月1日閲覧。
- ^ “Vanellus cinereus (Blyh, 1842)” (英語). ITIS. 2012年4月1日閲覧。
- ^ ひと目でわかる野鳥 (2010)、92頁
- ^ a b c 『山渓ハンディ図鑑7 新版 日本の野鳥』、210-211頁。
- ^ 野鳥の名前 (2008)、144-145頁
- ^ “植物絶滅危惧種情報検索”. 生物多様性情報システム (2007年8月3日). 2012年1月1日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ケリ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年1月1日閲覧。
参考文献
- 『原色ワイド図鑑 鳥』 学習研究社、2002年、197頁。
- 日高敏隆(監修) 樋口広芳・森岡弘之・山岸哲(編)『日本動物大百科 第3巻 鳥類Ⅰ』 平凡社、1996年、85-86頁。
- 中川雄三(監修) 編『ひと目でわかる野鳥』成美堂出版、2010年1月。ISBN 978-4415305325。
- 安部直哉『野鳥の名前』山と溪谷社〈山溪名前図鑑〉、2008年10月1日。 ISBN 978-4635070171。
- 叶内拓哉、阿部直哉、上田秀雄『山渓ハンディ図鑑7 新版 日本の野鳥』山と溪谷社、2014年。 ISBN 978-4-635-07033-1
関連項目
ケリ
「ケリ」の例文・使い方・用例・文例
- ケリーは彼らの注目を一身に集めた
- マークにレポートを返しながらケリー先生は「興味深かったですよ」と言いました
- 私はケリーの共変動理論を勉強している。
- ケリーは良質な英語を見分ける目がある。
- ケリーは報道部を取り仕切っている。
- ケリーは大食漢だ。
- ケリーは体育をサボって家に帰った。
- ケリーはマッチを擦ってパイプへもっていった。
- ケリーはぶっ倒れるまで働いた。
- ケリーはせき払いをして、話し始めた。
- ケリーはその事実を公表した。
- ケリーの一番新しい本が先週出た。
- ケリーの声は、よく通る。
- ケリーがテレビに出るよ。
- ケリーがテレビにでてるよ。
- カラー・コーディネーションに関するケリーの論文に提出された情報は、別の理論を構築するのに有用である。
- ケリをつける
- ケリがつく
- 早くケリをつけたいものだ
- うまくケリをつけてもらいたい
- >> 「ケリ」を含む用語の索引
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