グリモワール
(魔導書 から転送)
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グリモワール(仏: grimoire、仏語発音: [ɡrimwar][1][2])とは、フランス語で魔術の書物を意味し[1]、特にヨーロッパで流布した魔術書を指す。グリモワ、グリモアとも表記される。奥義書、魔導書(魔道書)、魔法書ともいう。類義語に黒本、黒書(black books)がある。
- ^ a b c 『新スタンダード仏和辞典』 大修館書店
- ^ 英語発音 [ɡrɪmwáːr], [ɡrìːmwaər], [ɡrìːmwaː]
『リーダーズ英和辞典第2版』(研究社)と『ジーニアス英和大辞典』(大修館書店)に拠る。 - ^ a b Waite, Authur Edward. The Book of Black Magic. Weiser Books. ISBN 978-0877282075
- ^ 版によっては Euphas, Metahîm, frugativi et appellavi. となっている。[1]参照。
イタリア語版の『大奥義書』には Eloim Essaim, frugatiot ed appallavi と記載されているものがある。Il Grand Grimoire (pdf) pp.65-66 参照。 - ^ 澁澤龍彦の『黒魔術の手帖』では「エロヒムよ、エサイムよ、わが呼び声を聞け」という『黒い牝鶏』の呪文が紹介されている。
- ^ Davies (2009), p. 1.
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- ^ Kieckhefer, Richard. Magic in the Middle Ages. Cambridge University Press, 2000, p. 153.
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- ^ [2]参照。
- ^ Clavicula は「小さな鍵」を意味するが、ここではたんに「鍵」と訳す。今日では『ソロモン王の小さな鍵』と言えば『レメゲトン』の方を指すことが多い。一方、マグレガー・マサース版『ソロモン王の鍵』は後に海賊版の出版者 L・W・デ・ローレンスによって『ソロモンの大いなる鍵』(The Greater Key of Solomon)というタイトルが付けられた。
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- ^ “Sloane MS 3884”. 大英図書館. 2022年6月16日閲覧。 - ハンス・スローンの写本コレクションの3884番に収められている。
- ^ a b c d デイビーズ 2010, p. 66.
- ^ 「ルキダリウス」の表記は以下の文献にみられる:草野, 巧 『図解 魔導書』新紀元社、2011年。ISBN 978-4775308998。
- ^ 英語訳が存在する:Peterson, Joseph H. (2021). Elucidation of Necromancy — Lucidarium Artis Nigromantice, attributed to Peter of Abano: Including a new translation of his Heptameron or Elements of Magic. Ibis Press. ISBN 978-0-89254-199-7
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- ^ Lévi, Eliphas Waite, Arthur Edward訳 (1896). Transcendental magic, its doctrine and ritual. London: G. Redway. pp. 387ff
- ^ Davies (2009), p. 262.
- ^ 日本語版『世界で最も危険な書物 - グリモワールの歴史』p.404では「魔術書としては何の価値もない本だった」と訳されている。原文は no less 'worthy' than their predecessors で、「先行するもの〔それ以前からある魔術文献〕と同じくらいの価値がある」の意、意訳すれば「それまでのものに劣らず、魔術文献たるに十分な出来栄え」となる。
- ^ Davies (2009), p. 268.
- ^ ジョージ・ヘイ 『魔道書ネクロノミコン』 大瀧啓裕訳、学習研究社
魔導書(リング)
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「パーフェクト・ブラッド」の記事における「魔導書(リング)」の解説
先史文明時代からの遺産で、魔法士の血を媒介にして魔法を発動させる「書物ではない魔導書」。
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魔導書(グリモワール)
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「ブラッククローバー」の記事における「魔導書(グリモワール)」の解説
全ての国民が十五歳になったとき持つことを赦される魔法の書籍。年に一度魔導書の授与式が開かれ、集まった者たちの元に適合した魔導書が与えられる。
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魔導書
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人間が魔法を使うのに必要なアイテム。1回の使用で、ひとつ消費する。なお、ルキュはソウルパワーを消費して魔法を使うため、魔導書を必要としない。
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魔導書
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「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」の記事における「魔導書」の解説
ワイズが所持している武器。威力上昇のバフが常時発動する。アニメ版では「ステレゴネリア」という名称が設定された。
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魔導書(リング)
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「パーフェクト・ブラッド」の記事における「魔導書(リング)」の解説
バーサーカー レベル:原書(オリジン) 属性:人 所持者:春川裕樹、トゥーラ 12冊の原書のうちの一冊。「チャイルド・ビッチ」和泉菫の対策用に、リエルがエウプロシュネから勝手に持ち出した魔法原書。「狂戦士」、「人」。 血のように赤いブレスレットの形状だが、一度使用するとブレスレットに込められた魔法の中身そのものが使用者の血に入り込む「侵食型原書」。リエル戦で、裕樹が偶然手に入れたもの。 「人類」を象徴する原書であり、解放すると術者の精神を殺意や破壊欲求で満たし、どんな状況下でも秒単位で肉体を進化・修復し続ける力を持つ。 発動時の肉体硬度は銃弾を弾き飛ばし、心臓を負傷しても僅かな時間で完治させてしまうほど。 「人間の力」を増幅させるのがその力の正体。異常な再生力や進化能力はそれに由来するもので、殺意に呑み込まれる性質は、術者の「殺意」という感情を増幅しているからだという。裕樹曰く、「こいつは『人間』だ」。 再生能力、強化能力が主な能力だが、最も特筆すべきは進化能力である。どんな困難にぶち当たっても、そのたびに立ち上がり成長する「人間」を象徴するかの如く機能を強化し続ける。これは「バーサーカー」の持つ他の能力全てに有効で、傷つくたびに再生力や防御力、傷つけるたびに攻撃力が上昇していく。最終的に「ノア」の鋼鉄でさえ破壊できるようになるが、細胞そのものを燃やし、再生を封じる炎属性に対する耐性だけは一切なく、弱点となっている。 副次効果として、未解放状態でも所持者の身体能力を大幅に引き上げることができる。裕樹曰く、学校では抑えるのに必死らしい。また、攻撃性を持つ魔導書に触れるとその魔導書の限界を超えるまで大量の魔力を流し込んで破壊する。 菫や多田曰く、『儀典』(アーカーシャ)の記述の環に唯一載っていない特別な存在らしい。 原書「ガイア」を倒すために必要な二冊の原書のひとつ。 原書ではあるが、その括りの中では最も潜在魔力が低い原書。実際に祐樹は他の原書憑きからも苦戦し、原書の中では最弱として扱われがち。 グラビティ・ドライブ レベル:原書(オリジン) 属性:空、地複合 所持者:和泉菫、メト、カトリーナ 12冊の原書のうちの一冊。「空」。小さな王制の国が発掘した原書で、これを巡って戦争が勃発、この国を含める二つの国が滅びたいわくつきの魔導書。滅びた小さな国の生き残りの王太女、和泉菫が所持する。 重力系の魔導書全ての元となった原書。自在に重力を操り、「ブラックホール」のように呑み込んだものを押し潰したり、体に纏って身体能力を上昇させたりすることができる。 桁外れの威力を持ち、「バーサーカー」との戦いでは島一つ沈めるほどの被害を出した。 性質上、個人規模で扱う魔導書の中では最強クラスの戦闘能力を持つと思われ、それは持ち主がどのような評価で囁かれているかが証明している。 原書「ガイア」を倒すために必要な二冊の原書のひとつ。 ちなみに、「グラビティ・ドライブ」の潜在魔力量は「バーサーカー」の約二倍。 対エウプロシュネ戦にて、菫の命を捧げた原書解放と魔人化に伴い侵蝕型原書化。菫亡き後はカトリーナが再び侵蝕型原書憑きとして所持する。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に自由な空をもたらすための原書。 ブレスド・レイン レベル:原書(オリジン) 属性:水 所持者:サーニャ、スラーヴァ 12冊の原書のうちの一冊。世界中に雨を降らして回った「濃霧の魔女」スラーヴァが、娘・サーニャに受け継がせた水の魔導書。「祝福の雨」、「雨」。 全く戦闘に役に立たないというわけではないが、一切の攻撃性を持たない稀有な原書。水の浄化作用がある。 水を呼び、天候を操る力を持つ。サーニャ曰く、「霧を呼ぶか、雨を降らせることしかできない」らしい。しかし、ブレスド・レインで呼んだ霧は非常に濃く、視界が悪くなるのは当然として、数分ともたずに肺の中を水で満たすことが出来る密度があるという。 「レストラシオン」などと同じ、生命還元の力を併せ持ち、その雨に打たれるものに活力を与える。 また、自分と同じ生命還元系の魔導書の力を増幅し、無制限に周囲に振りまく力を持つ。この力を利用して「レストラシオン」の治癒効果を増幅し、戦闘で傷ついた裕樹や透華、巻き添えになった森や動物達を瞬く間に完治させた。 現状で判明している七冊の原書の中でもぶっちぎりで一位を取るほどのとんでもない潜在魔力量を誇り、原書一凶悪な効果を持つ「アウトブレイク」の少なくとも二倍、「バーサーカー」と比べても八倍の魔力があるらしい。それはあまりにも広大な魔力圏が証明しており、スラーヴァは一日だけ半径600kmを雨雲で覆ったことがあるらしい。 炎の原書「フリップフロップ」の対となる原書で、ブレスド・レインによる癒しの雨が降る間、その熱を奪いフリップフロップの発動ができなくなる。そのため、アルプの遺跡で術者を人身御供に永久解放し、目覚めた「ガイア」をその命が保つ四ヶ月だけ鎮める役割を持っている。 本来の用途は「アウトブレイク」と共に「星」に生命の誕生をもたらすための原書。 アウトブレイク レベル:原書(オリジン) 属性:不明(病) 所持者:カトリーナ 12冊の原書のうちの一冊。和泉菫が探し求める原書。「感染爆発」、「病」。 アミュレット内で伝説となっている、「一夜にして小さい国の人間だけを滅ぼし尽くした」原書(オリジン)。 発動した瞬間、魔力圏内部に魔力製細菌を撒き散らし、感染したものを動植物関係なく、細胞レベルで肉体の剥離現象を起こし、完全に色素を失い真っ白になるまで対象を破壊し尽くす。 更に、時間と共に進化する特性すらあり、時間が経つにつれ魔力圏も驚くべき速さで増大していく。 ただ敵を殺す為だけに存在する魔導書であり、基本的に使用者を守る為の機能は存在しないが、体に入り込んだ毒物を無効化する効果があるらしい。 魔力圏の中に侵入出来るのは、魔力細菌から常に体を守ることが出来る魔導書を持つ魔法士のみ。 作中では、細菌が入り込んでも常に毒に侵された体を修復治癒出来る「バーサーカー」、細胞を炎に作り変えて細菌が体内に入る前に焼き尽くす「フレイム・ゴースト」、体を斥力で包んで細菌を弾き飛ばすことが出来る「グラビティ・ドライブ」の三種の魔導書の持ち主が進入に成功した。 また、「バーサーカー」と同じ侵食型原書であり、心臓の血液に原書の力が浸透している。 滅ぼされた「小さい国」の生き残りが菫であり、この原書にただならぬ怒りを抱いている。 三巻にて、所持者であるカトリーナが登場。「レストラシオン」との併用で彼女の心臓から「アウトブレイク」を引きずり出すことに成功。現在は、カトリーナの血でできた真紅の指輪となってエノク社の地下に封印されている。 本来の用途は「ブレスド・レイン」と共に「星」に生命の誕生をもたらすための原書。 トール・ハート レベル:原書(オリジン) 属性:空(雷) 所持者:エレイン・ガルシア 12冊の原書のうちの一冊。MTFの魔法士、エレインが所持する原書。形状はチョーカー。「雷神の心臓」、「雷」。 強力な雷の力を持つ原書で、魔力量は「グラビティ・ドライブ」に届かないものの、広い攻撃範囲と効果バリエーションを持つ。 普通に使っても強力なのだが、電流を発生させる能力を上手く操ることで、帯電による着磁を利用して壁を疾走したり、電磁波を生み出して電子レンジのように人間の血液を沸騰させたりと、多岐に渡る応用が存在する。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に風を集めるための原書。 アーカーシャ レベル:原書(オリジン) 属性:刻 所持者:多田源一郎 12冊の原書のうちの一冊。「刻の儀典」、「刻」。 Bランクアミュレットでエノク社社長、多田源一郎が所持する。形状はイヤリング。現在登場している原書の中で唯二、持ち主がパーフェクト・ブラッドではない普通の魔法士。知識を司る刻の原書。 過去・現在・未来の時間を掌握する原書で、時間に関連する能力を複数持つ。ひとつは所有者を刻の中に縛り付け、不老不死にする。ひとつは現在過去未来のすべての時間を見る神の視点を得る。 後者の能力は「本来の未来」を見通すことで、この先何が起きるかという「正史」を予め知覚することができるが、「アーカーシャ」の術者・「アーカーシャ」に予知された未来を知る者・「アーカーシャ」に記述の無い「バーサーカー」・いずれかの3つで消えるはずだった運命を修正された者はその未来を変えることができる。しかし、未来を変えると時間が経つごとにどんどん「正史」とのズレが生じ、意図的な運命改変は不可能になっていく。本編でこの条件に当てはまるのは術者の多田、多田に予知を聞かされている石丸、「バーサーカー」祐樹、死の運命から抜け出しているカトリーナ、そして「ガイア」による「儀典」能力を持つエウプロシュネの5人。ちなみに、その場限りの近い未来を予知して攻撃を回避したり、その都度過去や現在を探って情報を集めることもできる。 術者は「アーカーシャ」本体と思われるゴシック調の黒い衣装を着た少女を知覚し、その少女はエウプロシュネと同じ姿を持つ。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に生まれた文明の歴史を記憶するための原書。 インフィニティ・ソイル レベル:原書(オリジン) 属性:地 所持者:バートランド・マイアング→ナシネス 12冊の原書のうちの一冊。「無限の土」、「土」。 金属で出来た獅子を創り出し、従える力を持つ原書。生み出された獅子はそれぞれが擬似的な命を吹き込まれており、自律行動が可能。加えて体表は金属で出来ているため硬くて重く、それぞれの戦闘能力が高い、なお術者本人が死亡しても動き続ける。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に生まれた生命を育むための原書。 ルルイエ レベル:原書(オリジン) 属性:星 所持者:ナイアル・アトゥール 12冊の原書のうちの一冊。 本来の用途は人の移住する「星」を創るための原書。 ノア レベル:原書(オリジン) 属性:不明(鋼鉄?) 所持者:タナハ 12冊の原書のうちの一冊。 特殊な金属の塊で、その形を自由自在に変形させることができる。 この金属は非常に硬く、薄い膜ですらバーサーカーの一撃を防ぎ得る鉄壁の原書。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に存在する生命に安寧を与えるための原書。 フリップフロップ レベル:原書(オリジン) 属性:火(炎) 所持者:リシャール・アバック 12冊の原書のうちの一冊。「炎」、「ゼロに帰す者」。 アウトブレイクと同じく、超広範囲を殲滅する無差別攻撃型原書。術者を中心として半径数百キロ、1万K(ケルビン)にも及ぶ「灼熱の壁」を作り出す。 実は本編の数年前に、当初「原書を集め、武力的に弱い国に与えて世界のバランスを保つ」思想を持っていた菫に狙われるが、牽制にならないほどのあまりの威力を持つために菫は入手を諦めた。 侵蝕型原書のため取り外し不可能。現在はリシャールがその身体の中に飼い、特殊な拘束血清で抑え込んでいる。 原書本体より、先にエウプロシュネが「ガイア」の能力で使ったために存在が明らかになった。リシャールは祐樹たちが最後の戦いに敗れた時は、人類最期の反抗としてこれを暴走状態の全力で放つことを誓っている。 実は人間による発動が可能なのは一度きりで、その際術者の生命力を含めた全てを魔力に変換し、炎を放つ。性質上、常に発動には全力が強いられ、その瞬間には暴走に近い症状が現れる。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」に文明の始まりの「火」を生み落とすための原書。 リープ・ホール レベル:原書(オリジン) 属性:不明 所持者:ナシネス 12冊の原書のうちの一冊。「転移」。 ナシネスが所持していた原書で、作中で明らかになる最後の一冊。 瞬間移動、ワープの魔導書で、発動するとほぼタイムラグゼロで遠距離への転移が可能。射程距離は存在せず、どれだけ離れた場所へも一瞬で行くことができる。 本来の用途は戦闘のためではなく、「星」の管理を行うための原書。 ガイア レベル:原書(オリジン) 属性:全属性(星) 所持者:エウプロシュネ盟主 12冊の原書の中の一冊だが、他の11冊を遥かに超える力を持つ原書の頂点。「星」。 全ての属性を持ち、原書同士の戦いで荒れ果てた先史文明を海底に沈めたと言われる、究極の原書。 多田によると1年半後、世界はこの原書を持つエウプロシュネ盟主によって滅ぼされるという。 「バーサーカー」を除く全ての原書と魔導書の原点であり、膨大な魔力と共に10の原書の能力をそのまま所持する。現在登場しているのは「ルルイエ」の空間創造、「アーカーシャ」の未来予知「儀典」、「フリップフロップ」による灼熱の炎の壁を作りだす「光の衣」など。 天地創造の魔力を持ち、本来一発しか撃てないフリップフロップを連発し、世界中をインフィニティ・ソイルで埋め尽くし、レムリア全土にブレスド・レインの雨を降らせるなど桁外れというのも馬鹿らしくなるほど膨大な魔力を持つ。 「バーサーカー」ほどの身体能力と、「グラビティ・ドライブ」ほどの重力制御能力があれば、その弱点となりえるらしい。 正体は、高次元に存在する生命。自分か生きている事を知ってもらいたく、人類に10冊の原書をもたらした。 フレイム・ゴースト レベル:上位 属性:火 透華のメインアームで、意志を持つ炎の魔神を呼び出す魔導書(リング)。 雪子の父・天宮宗悟が、錬金術師で魔法士であるパラケルススの魔導書「サラマンダー」を素に創った、意志ある魔導書(リング)。 火属性魔導書の中でも威力・危険度共に高い魔導書であり、未熟な魔法士が使っても制御することは難しく、最悪の場合、暴走して細胞そのものが炎に作り変えられ、自分自身が炎の化物と化した挙句、周囲を自分諸共焼き尽くして死ぬことになる。 但し、天才レベルの魔法士である透華は、細胞そのものが炎になる暴走現象を起こしても我を失わず、逆用することさえ可能となる。 最終決戦では雪子による強化型、第三世代フレイム・ゴーストが登場する。こちらは魔神ではなく、剣を持つ炎の英雄を召喚する。 フレイム・ゴースト レス・ナンバー レベル:上位 属性:火 所持者:東雲透華 第二世代「フレイム・ゴースト」の中でも、ひとつだけ存在するシリアルナンバーの無い特殊な魔導書。 基本性能は通常の「フレイム・ゴースト」と変わらないが、中にはレロージオン・ドゥ・レスプリで投射したリシャールの精神情報が存在する意志ある魔導書。 書き込まれた意志は使用するごとに成長し、術者の精神を真似ていく。 さらに、魔導書「イグニス」や「フリップフロップ」などによる質の高い上位の炎を喰らうことで、その高質の炎を記憶し、再現することができるようになる。 製作者は天宮宗吾とリシャール・アバックの共作。リシャールをして、雪子の「帚星」を見てもなお宗吾の天才性を支持させる一品。 原書以外で、ガイアとの戦闘に耐えうる魔導書のひとつ。 レストラシオン レベル:上位 属性:水 所持者:東雲透華、和泉菫 復元魔法レストラシオン。負傷者の傷を瞬く間に治す力を持ち、魔法の持続中であれば一時的に傷を完治状態にさせることが出来る。 しかし回復力と治癒効果の有無が距離と比例するため、傷の本当の完治まで術者と被術者は出来るだけ近くにいなくてはならない。例として最初、裕樹に対して使用された時、心臓の破壊と右腕の切断を治す為に必要な時間は十日だった。それ以来、任務で傷を負った時は透華と裕樹でお互いに使い合っているらしい。 実は世間にほとんど知られていない魔導書で、その驚異的な復元能力を望む者に狙われないよう、存在を隠匿されている。石丸や透華をして「ある意味原書より恐ろしい」と言わしめた。 術者と被術者が離れられない、という部分から、ある意味役得な魔導書。実際裕樹も喜んでいる。 「アウトブレイク事件」において、透華たちが使用していたレストラシオンはカトリーナと共に菫に持ち去られているので、四巻以降に透華たちが使っているレストラシオンは別のストックである。 風神 レベル:下位 属性:空 所持者:春川裕樹、他 初心者用魔導書。風を操る力を力を持った魔導書で、副作用が存在しない。 一応魔導書ではあるが、戦闘に参加しようと思うと、全く役に立たない玩具レベルの威力しか持たないので、個人用の護身具くらいの使い道しかない。 天宮グループの日本支部、つまり雪子が開発した魔導書の一つである。 雷神 レベル:下位 属性:不明(恐らく空) 所持者:エウプロシュネ構成員他 初心者用魔導書。電気を発生させる力を持った魔導書(リング)だが、風神と同じく威力不足で魔法士戦闘では役に立たない。但し、副作用は存在しない。 レロージオン・ドゥ・レスプリ 所持者:リエル ピーピング・キャット レベル:不明 属性:土、水 所持者:和泉菫、石丸悟朗 「のぞき猫」とも呼ばれる情報収集用魔導書。発動させると黒猫が出現し、黒猫が見たもの、聞いたものを余すことなく術者に伝える。 菫が所持しているものは現在、カトリーナの監視用に解放したまま彼女のそばに置いてきている。 本来ならば情報収集用なのだが、実は黒猫そのものも戦闘能力を持ち、その実力は中級魔導書を自由に扱える魔法士数人を相手に圧倒できるほど。 菫が作ったオリジナルの魔導書だが、雪子からしてみると設備さえあればいつでも作れるらしい。 物語中盤にて、雪子が同様の効果のものを新しく制作、石丸に与える。ただし、猫の色は黒ではなく白。東雲透華が言うには製造者本人の精神の状態をあらわすらしい。 チャッター・ボックス 鎌鼬 レベル:中位 属性:空 所持者:エウプロシュネ構成員、マクレガー他 空属性の中位魔導書。 風を操る能力は「風神」と同じだが、こちらは威力が上がり、より高次の戦闘を可能にしている。魔法士犯罪者の間ではポピュラーな装備品。 日本語の名前が付いている通り、天宮雪子が生み出した魔導書のひとつ。しかし、平和のために創られたこの魔導書は逆に人を傷つけるために使われるようになり、それが雪子に深い影を落としている。 ブラックホール レベル:上位 属性:地・空複合 所持者:リエル リエルが戦闘で使用する、重力系上位魔導書。 人間の頭ほどの大きさの黒球が出現し、使用者の意志に応じて浮遊する。この黒球は一種のブラックホールであり、中に飲み込んだものを跡形もなく消滅させる。 使用者の力量に応じて複数の黒球を操ったり、速度や精度も上がるようである。 極めて凶悪な上位魔導書であるが、原書であり、自分の親とも言える「グラビティ・ドライブ」とは最悪レベルの相性で、手も足も出ない。 クレイワーク レベル:上位 属性:地 所持者:石丸悟郎 Aランクアミュレット、石丸悟郎が持つ上位魔導書。彼の主な使用魔導書である。 能力は物質を自由に操ることであり、土や岩はもちろん、コンクリートやガラス、金属など形ある物でさえあれば、その種類や大きさを問わず、自由な形に変えることができる。 主にこの能力で蛇を創り出し、それを操ることで攻撃をしかけるが、戦いが終わったあと、周囲の破損物などに対して使用することで元の形に直す、などの使い方もある。 能力の本質は、対象物に対して命令を送ることにあり、すでに他の魔法士の魔力に侵されている物質に対して能力を行使する場合は、魔力同士のぶつかり合いに勝つことが条件になるようだ。 ヘルメス・サイズ レベル:呪われた魔導書 属性:? 所持者:アウレリウス→タオ 賢人アウレリウスが所持する鎌型の魔導書。「死神の鎌」。 原書「ノア」の鋼鉄から削り出されて造られた魔導書であり、術者の意思によってそのサイズを自由に変える。 「ノア」の特性と武器としての特性を併せ持つ非常に優秀な魔導書で、自分の親であるはずの「ノア」の防壁さえ切り裂く。 原書以外で、ガイアとの戦闘に耐えうる魔導書のひとつ。 ジャック・ザ・リッパー 所持者:少尉(本名アズサ) 光陰 レベル:呪われた魔導書 属性:刻 所持者:多田源一郎 Bランクアミュレット、多田源一郎のメインアームである魔導書。 ほとんどの魔導書がアクセサリーな中そうではない形状をしている、作品世界でも珍しい戦闘用魔導書。「光」「陰」の二振りの日本刀のセット。 中世、原書憑きを殺すために造られた魔導書で、刀そのものが時の流れから断絶しており、そのために解放中は折れる曲がるなどの形状変化が一切発生せず、どれほど固いものでも簡単に切ることが可能。 現代ですら原理が解明不可能な「刻」魔法魔導書のひとつ。 ノーム レベル:精霊 属性:地 所持者:セルゲイ→タオ パラケルススが創った中世の精霊魔導書(フェアリアル・リング)。先史文明から存在する魔導書には敵わないが、上位魔導書を凌ぐ威力を持つ。 意志ある魔導書で、トンガリ帽子を被り足先の尖った長靴を履いた、土色のコビトの姿をしている。コビトは独立した行動を取り、無数の土の槍を作り出して攻撃する。 イグニス レベル:古代 属性:火 所持者:タオ、東雲透華 先史文明から原書と共に飛び散った遺産のひとつ、古代魔導書。「炎」。 純粋な炎の力を持ち、火山のマグマを地表に誘導爆破させるほどの熱量を持つ。 これも例外なく、タオの幻覚魔法を成立させるためにある魔導書だが、通常の攻撃手段としても十分すぎるほど強力なため、これのみの使用も多い。 対エウプロシュネ戦において、「光の衣」を耐えきるためにタオのものは砕け散るが、その後リシャールが透華に別のストックを手渡している。 カエルム レベル:古代 属性:空 所持者:タオ イグニスと同じく、先史文明から存在する古代魔導書の一冊。「空間」。 詳しい効果は不明だが、彼の幻覚魔法を完成させるために使われる。多田の予想では、他の魔導書で作り出した光や温度差を増幅させ、蜃気楼を見せているらしい。 リトル・フォグ エレクトロ・マグナ リフレクト・ミラー ベルスーズ 所持者:タオ タオが持つ七つの魔導書たちの一部。それぞれに固有の能力があるが、基本的には彼の戦法である幻覚魔法を成立させるためにある。ただし、このうち「エレクトロ・マグナ」と「リフレクト・ミラー」は全く使われなかったため、効果が一切不明。 帚星 レベル:願いの魔導書 属性:地・空・火複合 所持者:東雲透華 菫の「グラビティ・ドライブ」を参考に、雪子が開発した「上位魔導書を超える魔導書」。しかし、実際には「最高峰の力を持つ上位魔導書」として明確なランク付けが成されている。開発コードXX。 三巻にて完成。「透華のためだけの魔導書」として、雪子から透華に贈られたが、あまりにも強力すぎる魔力を持つために、エノク本社の許可がないと持ち出し・使用ができない。 「グラビティ・ドライブ」と同じく重力を操る魔導書(リング)。 発動した際には七つの隕石(メテオライト)が出現し、燃え盛りながら使用者の意志通りに浮遊する。メテオライトは強力な攻撃手段であり、極めて高速かつ正確な飛行が可能。 同時に、このメテオライトは重力制御能力の発生源となり、対象がメテオライトに近くなればなるほど、重力制御の影響を強く与えることができる。また、浮遊能力と同じく、重力そのものの制御もかなり精密に行うことができる。性質上、「帚星」魔力圏内では、同じ重力系魔導書から発せられる重力は中和されて極めて弱い力しか出せなくなる。 性質上、メテオライトの材料が無い空中、水中、水上での発動が不可能な弱点を持つ。 「グラビティ・ドライブ」の天敵と成り得る魔導書。 透華は「フレイム・ゴースト」とは違う愛着をこの魔導書に見せており、戦闘中によく話しかけたり、雪子を帚星の「母」としてお願いをしたりと、雪子の「娘」のような扱いをしている。後に、この魔導書の種別を「願いの魔導書(エスペラントリング)」と名付けている。 原書以外で、ガイアとの戦闘に耐えうる魔導書のひとつ。 修羅 レベル:願いの魔導書 属性:不明 所持者:石丸悟郎 裕樹の「バーサーカー」を参考に、雪子が開発した「上位魔導書を超える魔導書」。開発コードXY。 この魔導書には、常に肉体の細胞を書き換え続けるという暴走の最終段階を制御する技術が必要となり、「フレイム・ゴースト」でそれを可能としている透華ならば使いこなすことが出来るという前提で、開発が進められていた。 三巻にて完成。しかし透華ではなく、「石丸のためだけの魔導書」として、雪子から石丸に贈られた。 元になった「バーサーカー」と同じく非常に強力だが危険な魔導書とされ、石丸は雪子から五分以上の使用を禁止されていた。その威力は、原書「インフィニティ・ソイル」で創られた金属の獅子五体をほぼひとりで倒すほど。多田の協力もあってこそだが、解放前に「30秒も必要ない」と言っている事から、魔導書と雪子に対する信頼のほどが伺える。実は、力そのものは解放状態の「バーサーカー」よりも強い。 儀典の記述にない「バーサーカー」が元になったからか、「修羅」自身も「アーカーシャ」の記述の中には存在しなかった。アーカーシャ曰く、「やさしいほうきぼしの、こわいおとうと」。 原書以外で、ガイアとの戦闘に耐えうる魔導書のひとつ。 ウィンディルネ レベル:精霊 属性:水 所持者:桐谷小羽 水属性の精霊魔導書(フェアリアルリング)。 エア・ブラスト レベル:上位 属性:風 所持者:マクレガー
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