アイドル 女性アイドル史

アイドル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 05:15 UTC 版)

女性アイドル史

「アイドル」以前

1950年代から1960年代にかけて日活青春映画などに出演していた吉永小百合美空ひばりなどが活躍していた時代であり、またそのひばりに江利チエミらを加えた「三人娘」や伊東ゆかり中尾ミエ園まりからなる「スパーク三人娘」、ザ・ピーナッツなどが現在のアイドル的なポジションで活動していた。

1970年代

1970年代には量産される女性タレントを多少の揶揄の意味を込めて「かわい子ちゃん歌手」と呼ぶ風潮があったとのことである[20]山口百恵森昌子桜田淳子(花の中三トリオ)、南沙織天地真理小柳ルミ子岡崎友紀麻丘めぐみ浅田美代子伊藤咲子アグネス・チャン岩崎宏美太田裕美、木ノ内みどり、高田みづえ大場久美子石野真子といったソロアイドル歌手が多く台頭。またピンク・レディーキャンディーズは、対照的な形で70年代末のアイドルシーンを牽引した。

1980年代

1980年代に入り、松田聖子小泉今日子中森明菜ら若年層に向けたポップスを主とする歌手が活躍を始め、「アイドル」の呼称が市民権を得るようになった[21][22]。1980年の時点では松田のレコード売上は新人部門4位で、ニューミュージック勢が優勢であったが[22]、1982年に小泉と中森がデビューし、女性アイドルの黄金時代となった[23]

1980年代後半から、後藤久美子小川範子坂上香織喜多嶋舞宮沢りえらローティーンの子役やモデルらが美少女ブーム[24]を牽引した。

1990年代

90年代に入るとアイドル人気が下火となり、音楽番組も次々と打ち切られる状況になる。 その状況の中で観月ありさ宮沢りえ牧瀬里穂の3人が「3M」という名前で呼ばれ人気を得た。グループではCoCoRibbon東京パフォーマンスドールSUPER MONKEY'SC.C.ガールズMi-KeMelodyといったアイドルが活躍。

90年代半ばには、小室哲哉がプロデュースしたソロアイドル歌手である安室奈美恵華原朋美が登場して互いに競争し、鈴木亜美浜崎あゆみらが台頭。一方、グループアイドルではSPEEDモーニング娘。が大成功を収めた。

2000年代

2005年には秋元康がプロデュースを行うAKB48が結成され、2007年の紅白歌合戦に中川翔子リア・ディゾンと共に「アキバ系アイドル」枠で出場した[25][26]2007年にはPerfumeがブレイクし、音楽面から人気を獲得した。

AKB48グループは、AKB48劇場に基づいて総選挙握手会といったシステムを導入し、2000年代後半から2010年代前半にかけて東京・名古屋大阪福岡など拠点のアイドルグループを作ってそれを全国的に繋げるというユニークな形で成功した。K-POPでは、KARAや少女時代が日本でも人気になった。

2010年代

2010年代に入ると、「アイドルを名乗るタレントの数が日本の芸能史上最大」[27]という状況になり、「アイドル戦国時代」と呼ばれるようになった[28][29]ソニーミュージックが手掛け、秋元康がプロデュースする乃木坂46欅坂46日向坂46ら坂道シリーズのブレイク、スターダストプロモーション所属のももいろクローバーZの女性グループ初となる国立競技場ライブ開催[30]など、多数のグループが次々と活躍した。EXILEが所属するLDHからデビューしたE-girls(アイドルはなくダンス&ボーカルグループに分類されることが多い)や、Perfumeが成功したアミューズからは「アイドルとメタルの融合」をテーマに結成されたBABYMETALなどもブレイクした。

2010年から始まった、女性アイドルの大規模フェスTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)の規模も、200組以上もの出演者が参加するまでになっている[31]。さらには、新潟Negicco宮城Dorothy Little Happy愛媛ひめキュンフルーツ缶福岡LinQなど、ローカルアイドル(ロコドル)と呼ばれる、地域に密着したアイドルも相次いで全国デビュー[27][28]。中には福岡のRev. from DVLに所属していた橋本環奈のように、個人で全国区の人気を集めたケースもある。日本ご当地アイドル活性協会代表の金子正男[32][33]によると東京拠点のアイドル500組を除いた全国46道府県のアイドルは、2017年6月17日現在で942組存在する[34][35] [36][37][38]

2010年代終盤では、新たにでんぱ組.incBiSHなどがコンサート・ライブでの成果を見せたが、従来のコンセプトを抜け出せない量産型アイドルが増えており、ほとんどが小規模のライブや握手会などのいわゆる接触イベントといったマイナーアイドルの活動方式に従うので、大衆的にアピールするのが難しい状況である。実力派アイドルの空席を韓流アイドルが日本に進出し、需要を満たしているのではないかという見方もある。さらに日本と韓国、台湾の女性タレントがグループを組んだ韓流アイドルグループIZ*ONE宮脇咲良HKT48)らも参加した。

2020年代

2020年は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によりアイドルの収入源であるライブ公演やグッズ販売が困難となり、大きな支障をきたしている。この問題はアイドルだけでなく芸能界全体にも関係するが特に握手会などで利益を出していたアイドルは打撃が大きい。

男性アイドルと同様にAKB48グループ坂道シリーズハロー!プロジェクトももいろクローバーZPerfumeといった既に人気のあるグループを除いた場合、アイドルたちの活躍はほとんどテレビでは見られない。

韓国JYPエンターテイメントと日本のソニーミュージックによる共同ガールズグループプロジェクトであるNizi ProjectからNiziUが2020年12月2日にデビュー。オーディション番組から人気を集めており、注目されている。また、TWICEをはじめとするK-POPアイドルも人気を得ている。




  1. ^ アイドル(あいどる)とは”. デジタル大辞泉の解説. コトバンク. 2015年6月7日閲覧。
  2. ^ a b c アイドルとは何か”. 産経デジタル. 2016年1月26日閲覧。
    アイドル特集【総論】改めての素朴な疑問「アイドルとは何か?」”. ダ・ヴィンチニュース. 2016年1月26日閲覧。
  3. ^ ザ・ビートルズ1962年〜1966年ザ・ビートルズ1967年〜1970年(東芝EMIアナログ盤)付録:石坂敬一による論文より
  4. ^ 『YOUNGヤング』・1964年4月号より。
  5. ^ 映画の中のみでなら、1938年松竹映画・『愛染かつら』で使用された例がある。またフランス映画の『アイドルを探せ』が1964年に日本でも公開された。
  6. ^ 日本初のアイドルがファンと72年ぶりの再会「生きていてよかった」”. スポーツ報知. 2018年1月24日閲覧。
  7. ^ 『幻の近代アイドル史』(2014年刊・笹山敬輔/著、ISBN 4779170141
  8. ^ 絶頂期のビートルズの来日(1966年)などを受けたザ・スパイダースザ・タイガースザ・テンプターズなど。
  9. ^ 『別冊キネマ旬報』・1968年10月号より。
  10. ^ 「J-POPを殺したのはソニー」 知られざる音楽業界のタブー(1/2ページ) 産経新聞大阪本社2013年7月15日
  11. ^ 安西信一『ももクロの美学 〈わけのわからなさ〉の秘密』廣済堂出版、2013年4月13日。
  12. ^ アイドルと景気の意外な相関関係を徹底検証 Webマガジン 月刊チャージャー 2005年12月号”. 月刊チャージャー. 2013年3月9日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年5月13日閲覧。
  13. ^ タイガース アルバム2021年2月4日閲覧
  14. ^ タイガースVSワイルドワンズ2021年2月4日閲覧
  15. ^ 1970年代 人気男性アイドル/年代流行
  16. ^ 別冊ザテレビジョン『ザ・ベストテン ~蘇る!80’sポップスHITヒストリー~』(角川インタラクティブ・メディア)p.92 - 93
  17. ^ ザ・ノンフィクション 舟木一夫はタイムマシン〜いつまでも「高校三年生」〜
  18. ^ 博多どんたく 前夜祭整理券を配布 観光桟敷席4年ぶり復活 西日本新聞、2017年04月20日
  19. ^ 『女三人乱れ咲き!氷川きよし追っかけツアー殺人事件』テレビドラマデータベース
  20. ^ 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス)p40
  21. ^ 『アイドル工学』・P.69より。
  22. ^ a b 「アイドル考現学」『TVガイド』2月6日号、東京ニュース通信社、1981年、20-21頁
  23. ^ “Pop 'idol' phenomenon fades into dispersion - The Japan Times”. ジャパンタイムズ (ジャパンタイムズ). (2009年8月25日). http://www.japantimes.co.jp/news/2009/08/25/news/pop-idol-phenomenon-fades-into-dispersion/ 2013年5月13日閲覧。 
  24. ^ 1980年代後半の「美少女ブーム」を牽引した美少女たち 10選:後藤久美子・小川範子・坂上香織・宮沢りえ・観月ありさ・桜井幸子・一色紗英ほか ミドルエッジ、2016年4月3日
  25. ^ “紅白にアキバ枠しょこたんら出場 - 芸能ニュース nikkansports.com”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2007年11月25日). http://www.nikkansports.com/entertainment/p-et-tp0-20071125-287476.html 2013年5月13日閲覧。 
  26. ^ “紅白曲順が決定 注目の“アキバ枠”は米米CLUBと激突! ニュース-ORICON STYLE-”. オリコンニュース (オリコン). (2007年12月27日). http://contents.oricon.co.jp/news/movie/50813/full/ 2013年5月13日閲覧。 
  27. ^ a b “ポストAKBはどうなる? アイドル戦国時代の行方 今を読む:文化 Biz活 ジョブサーチ YOMIURI ONLINE(読売新聞)”. YOMIURI ONLINE (読売新聞). (2012年10月9日). オリジナルの2013年5月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130515011833/http://www.yomiuri.co.jp/job/biz/columnculture/20121009-OYT8T00206.htm 2018年9月27日閲覧。 [リンク切れ]
  28. ^ a b “【12年ヒット分析】新旧グループから地方アイドルまで~“アイドル戦国時代”さらに激化 (AKB48) ニュース-ORICON STYLE-”. オリコン (オリコン). (2012年12月9日). http://www.oricon.co.jp/news/music/2019492/full/ 2013年4月23日閲覧。 
  29. ^ Gザテレビジョン編集部ブログ Gザテレビジョンは来週月曜日、24日発売です!”. ザテレビジョン (2010年5月19日). 2013年3月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2013年4月23日閲覧。
  30. ^ ももクロ、国立で宣言「笑顔を届けることにゴールはない」”. ナタリー. 2014年3月17日閲覧。
  31. ^ アイドル223組1480人が参加 『TIF』史上最多8万1378人動員”. オリコン. 2018年1月6日閲覧。
  32. ^ テレビ東京番組製作スタッフ、元角川映画プロデューサー、現在は一般社団法人ストリートダンス協会広報委員長も兼任鈴木敦子 (2015年10月26日). “人模様:地方アイドルで地域活性化 金子正男さん”. 毎日新聞のニュース・情報サイト. 毎日新聞社. 2016年4月26日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年4月26日閲覧。
  33. ^ 一般社団法人ストリートダンス協会団体概要 2016年5月1日閲覧
  34. ^ ご当地アイドル、なんと1000組 LCCなどでブーム再燃 仕掛け人の仕事とは?THE PAGE、2017年6月26日
  35. ^ HITS ONE powered by Billboard JAPAN 1月11日番組後記”. HITS ONE powered by Billboard JAPAN 番組の放送後記ブログ (2017年1月11日). 2017年1月16日閲覧。
  36. ^ 薬局・農業・書道…2016年注目ご当地アイドルは個性派”. 日本経済新聞. 2016年1月1日閲覧。
  37. ^ ご当地アイドル」疾走、発信力に行政も注目”. 東洋経済オンライン. p. 4. 2015年9月25日閲覧。
  38. ^ 地方創生の鍵を握るのは地方アイドル”. 夕刊. 毎日新聞. 2015年10月26日閲覧。[リンク切れ]
  39. ^ 80年代のBON JOVIヒストリーをご紹介 BON JOVI FRIENDSHIP - ボンジョヴィファンサイト
  40. ^ MBSラジオ「ヤングタウン」を担当した放送作家でアイドル評論家。1952年生まれ、2003年10月死去
  41. ^ [1]


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