演歌師とは? わかりやすく解説

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えんか‐し【演歌師/艶歌師】

読み方:えんかし

明治後期から昭和初めごろまで、盛り場街頭でバイオリン・アコーディオンなどを弾きながら流行歌歌い、その歌詞の本を売った楽士


演歌師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/06 04:47 UTC 版)

演歌師(えんかし)は、明治末期ないし大正から昭和にかけての日本において、演歌を歌うことを職業とした芸人[1][2]

概説

もともとは、おもに大道を流し歩いて歌の歌詞を書き付けた歌本を販売するのが一般的であったが[1][2]、後には座敷芸、寄席芸として歌を披露することも行なわれた。伴奏楽器としてはおもにヴァイオリンアコーディオンが用いられ、自分で楽器を演奏しながら歌う形態が一般的であった[1]第二次世界大戦後になると、流しの異称、ないし、一形態として了解されるようになり、伴奏楽器もギターが用いられることが多くなった。

おもな演歌師

  • 添田唖蝉坊(1872年 - 1944年)
  • 塩原秩峰(1880年 - 1937年)
  • 東一声(1886年 - 1950年)
  • 神長瞭月(1888年 - 1976年)- 演歌にヴァイオリンを最初に用いた[3]
  • 宮島郁芳(1894年 - 1972年) - 代表作に「金色夜叉」「馬賊の歌」など[4]
  • 鳥取春陽(1900年 - 1932年)
  • 石田一松(1902年 - 1956年)
  • 添田知道(1902年 - 1980年)- 添田唖蝉坊の長男、芸名は「添田さつき」。
  • 桜井敏雄(1909年 - 1996年)-「最後の演歌師」と称された[5][6][7]
  • 岡大介(1978年 - )- カンカラ三線を使う。

継承の取り組み

なぎら健壱は、晩年の桜井敏雄の教えを受け、レパートリーの継承に取り組んでいる。ただし、演歌師の演奏形態や風俗などの復元の意図は示していない。

打楽器奏者の土取利行は、三味線伴奏により、添田父子作品の継承に取り組んでいる[8]

声優の片岡一郎は、活動弁士などの芸とともに、ヴァイオリン演歌の継承にも取り組んでいる。

関連項目

出典・脚注

  1. ^ a b c デジタル大辞泉『演歌師』 - コトバンク
  2. ^ a b 図書室だより:第3回 テーマ「書生節 演歌師たちの世界」”. 日本伝統音楽研究センター. 2014年1月26日閲覧。
  3. ^ 時雨音羽編著『増補版 日本歌謡集 明治・大正・昭和の流行歌』現代教養文庫、1971年 p.21
  4. ^ 宮島 郁芳 : じんぶつデータ&資料一覧 | 柏崎市WEBミュージアムデータベース”. 柏崎市WEBミュージアム. 柏崎市. 2022年10月13日閲覧。
  5. ^ “[遺された言葉]桜井敏雄さん あたしじゃなくちゃ歌えない歌を、歌い続けたい”. 読売新聞・夕刊: p. 9. (1996年4月6日)  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  6. ^ “世相を語るバイオリン演歌 芸術祭賞受賞の桜井敏雄さん”. 朝日新聞・東京朝刊・東京. (1989年12月2日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  7. ^ “桜井敏雄氏死去”. 朝日新聞・朝刊: p. 31. (1996年2月27日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  8. ^ “土曜訪問 魂なき世に刻む使命 希代の演歌師を伝え歌う 土取利行さん(パーカッショニスト)”. 東京新聞. (2013年11月9日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2013110902000224.html 2014年1月26日閲覧。 

演歌師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 00:41 UTC 版)

石田一松」の記事における「演歌師」の解説

上京して町工場入り低賃金で働く工員らの不平工場長訴えて解雇されるその後法政大学予科入学授業料を稼ぐため1920年演歌の大先輩添田唖蝉坊らの東京倶楽部入り演歌師となる。テキヤの乾分(子分)となり、中学時代に少し習ったバイオリン片手毎夜東京中の縁日をまわり暗闇の中、書生節歌い自ら編集した流行歌の歌本を10倍の値段売って生計立てた全ての資金を稼ぐにはこの危険な商売しかなく、大学予科3年本学3年卒業まで計約6年これを続けたヤクザ殴られ殴り、瞼の縁が常に紫色腫れていた。代表作インテリ時事小唄のんき節』はこの時代1923年頃の作とされる卒業1930年、『酋長の娘』を作詞・作曲1931年には藤波笑声名で『噫中村大尉』を歌いいずれも大ヒットした。当時国産レコード会社続々創立され時代、『酋長の娘』は1929年創立されポリドール最初ヒットであった。 なおそのバイオリンなぎら健壱有しているという。 他のヒット曲に『時事小唄』、『のんきな父さん』、『いやぢゃありませんか』、『春の名残り』、『男の恨み』などがある。 1932年吉本トップスターであった柳家金語楼推輓吉本興業東京吉本専属となり、浅草万成座で初舞台一時弁護士目指していたと言われインテリ時事小唄法学士”の看板掲げて高座上がり洋服姿でバイオリン片手に『のんき節』で売り出し人気博した浅草劇場ではトリ務めた。『のんき節』は添田唖蝉坊作ったものだが、石田自作加え替え歌にして庶民側から社会風刺した。「~凡て内密取引きするのが闇取引き御座います帝国議会闇取引き秘密会議と申しますハハのんきだね~」などと当時軍部政治権力社会矛盾辛辣に批判権力抵抗する演歌師の姿勢そのまま昭和寄席持ち込んだともいうべき芸で当局には睨まれ、しばしば出演停止命じられたが庶民からは圧倒的人気博した1938年には、吉本興業朝日新聞共同結成した戦時演芸派遣慰問団「わらわし隊」にも参加日中戦争時の中国大陸派遣され兵士慰問した。また若い頃から政治志向強く町会議員選挙にも出ている(当落不明)。また舞台テレビ、ラジオのほか、吉本東宝共同製作した1945年の映画東京五人男」(主演古川ロッパ横山エンタツ花菱アチャコ柳家権太楼など)にも出演するなど幅広く活動した

※この「演歌師」の解説は、「石田一松」の解説の一部です。
「演歌師」を含む「石田一松」の記事については、「石田一松」の概要を参照ください。

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