新潟市 行政区・市街地構成

新潟市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/27 00:03 UTC 版)

行政区・市街地構成

行政区

新潟市の行政区

新潟市は現在、8区の行政区で構成される。市役所をはじめとする市政の中枢機能は中央区に置かれている。なお、各区にはイメージカラーが設定されている[6]。色の選考は、区民アンケートや専門家のアドバイスを参考にして、市民の代表と区長による「イメージカラー調整会議」で決定し、2007年(平成19年)9月26日に発表された。

コード 区名 イメージカラー 人口
(人)
面積
(km²)
人口密度
(人/km²)
15101-7 北区 ネイチャーグリーン 70,268 107.61 652.99
15102-5 東区 アクアブルー 129,870 38.63 3,361.89
15103-3 中央区 ウォーターフロントブルー 177,744 37.78 4,704.71
15104-1 江南区 スプリンググリーン 67,172 75.42 890.64
15105-0 秋葉区 フローラルグリーン 72,930 95.38 764.63
15106-8 南区 ブリーズブルー 41,779 100.91 414.02
15107-6 西区 サンセットオレンジ 157,903 93.88 1,681.97
15108-4 西蒲区 ハーベストイエロー 51,951 176.58 294.21

中心市街地

赤線は新潟駅、万代、古町を結ぶ都心軸
江戸時代からの市街地 古町
新潟市の市街地
近代以降の市街地 万代

「都心」と位置付けられる地域は中央区にあり、信濃川両岸に跨って所在する[市 1]。新潟駅周辺から万代を経て古町に至る「都心軸」沿線は市によって「にいがた2 km」という愛称がつけられ、2021年2月現在、都市再生緊急整備地域指定に向けた準備が進められている[7]

古町を中心とする左岸側(新潟島)は1655年(明暦元年)の移転[8] 以来の新潟の業務・物販・飲食などの複合的中心地である。古町通本町通西堀通などは商業施設、商店街などが集まる地区で、花街の時代から続く歓楽街もある(古町花街を参照)。一方、白山公園周辺には市役所や新潟県民会館りゅーとぴあなどの公共施設・文化施設が立ち並ぶ。新潟島地区は古くからの市街地であり、かつ大規模空襲を受けておらず戦災復興都市計画が行われなかった(ただし新潟大火により建物は多くが焼失)ことからモータリゼーションへの対応が難しく、新潟大学新潟県庁の郊外移転、新潟島自体の人口減少(1965年の約13万人から2005年の約6万人に半減[9])、信濃川右岸側の宅地開発などによる市全体の人口分布変化の影響もあり、商業機能を万代や郊外など他の地域に譲っている。

右岸側の万代は、前述の古町・本町と新潟駅万代口のほぼ中間点に位置する地区である。大正末期の大河津分水路通水によって狭まった信濃川の流路跡が埋立地として開発された地区で、1929年(昭和4年)に萬代橋が現在の3代目橋梁に架け替えられたのを端緒に都市開発がはじまり、戦後から本格的に開発が進められた。1970年代前半から新潟交通の路線バスの運行拠点跡の再開発事業の一環で、隣接する八千代地内に跨って大型商業施設の集中する商業エリアである「万代シテイ」と「万代シテイバスセンター」が整備され、主に若年層向けの商業地になっている。

新潟駅南口から鳥屋野潟周辺にかけての地域(笹出線紫鳥線弁天線、バイパス沿線)は、新潟バイパスが開通した1970年代から都市開発が本格化した。新潟駅周辺のうち、北側の万代口周辺は1958年の新潟駅移転後から開発が一気に進み、1964年新潟国体までの間に急速に市街地化し、東大通を中心にオフィスビルが立ち並んでいたが、南口には当初駅舎に出入口すら設けられていなかった。1982年上越新幹線開通に合わせ南口が開設されたのを前後してプラーカ新潟の開業など急速に市街地化が進み、商業拠点となった。2000年代になると2002年のワールドカップに合わせて新潟市道弁天線新潟スタジアム(ビッグスワン)が整備され、その後イオンモール新潟南江南区)、新潟県立野球場などが相次いで開業した。

古町から新潟駅万代口までの都心軸は柾谷小路萬代橋通りに沿っており、これらを繋ぐルートで、基幹バスの「萬代橋ライン」が走るが、前述のように新潟駅を境に南北の市街地が別々に発展してきた経緯があるため若年人口の多い駅南側まで直通することが困難となっている。このため、新潟駅の連続立体交差事業とバス網や基幹道路の再編が行われている。

なお、副都心については正式な指定はされていないが、「新潟島」側を都心、右岸側(旧沼垂町側)を副都心と呼ぶことがある。また近年では新潟県庁や国の合同庁舎を中心とする新光町・美咲町地区に行政、業務機能が集積しており、こちらを副都心と呼ぶこともある。

中央区と郊外とは、都市高速に準ずる設備を持つ無料のバイパス網で繋がれており、インターチェンジ近くを中心に郊外型商業拠点が多数存在する。

柳都大橋上流側歩道から見た、新潟市の中心市街地。右側が古町。左側が万代

市域全般

自然堤防に沿って帯状に形成される集落(奥)と砂丘地(手前左)(西蒲区

市域全般においては、干拓・乾田化が開始される前の内陸部は湿地が大半を占めており、可住地が限定されていたこともあって、市域各地の在郷町や集落は、砂丘周辺や河川の自然堤防に沿うように発展した。しかし干拓・乾田化で内陸部の排水が進捗したことによって、湿田や小規模潟湖の埋め立てが進み、後背湿地も市街地化に充てられるようになったことなどから、各地で宅地の造成が行われ、北区の早通駅周辺などベッドタウンとなるような地域において住宅団地ニュータウンも建設された。

これらの経緯から、市域に占める可住地の範囲は他の地方都市と比較して広くなっており、その面積は北海道別海町に次いで2位となっている[10]。また新潟市は、住宅地が郊外に分散しているため、一箇所への人口集中はそれほど見られない。

郊外部は農地が多く、海岸沿いの砂丘地帯は畑が多いが、前述の経緯から内陸部は水田が中心となっている(農地構成については新潟市の経済#農業を参照)。

白根(南区)の定期市。4・9のつく日に開催され、元禄年間から続くと言われる[市 2]。同様の六斎市は周辺地域にも多く残っている。
近世は在郷町として、近代以降は石油や鉄道のまちとして発展した新津(秋葉区

郊外には河川舟運の拠点となった在郷町に由来する古くからの町場が多く分布し[市 3]、現在でも多くの地域で定期市(六斎市)が開かれている[11]ことや、県内他地域と同様に商店街に雁木または片持ち式のアーケードが多く形成されている点が特筆される。

新潟市内の地域は 新潟市都市計画基本方針 において都心、地域拠点、生活拠点、近隣拠点、機能別拠点などに分けて指定されている[市 4]。地域拠点は、中央区と東区を除く行政区に各一ヶ所ずつ指定、生活拠点は各行政区に複数ヶ所指定されている。中央区、東区、西区を除く地域拠点と生活拠点は、2005年(平成17年)の平成の大合併において編入した市町村の中心地である。

行政区 都心 地域拠点 生活拠点 近隣拠点 機能別拠点
北区 --- 葛塚 松浜 新崎早通 新潟医療福祉大学新潟東港
東区 --- --- 山の下・河渡木戸大形石山 --- 新潟西港新潟空港
中央区 古町・白山、万代新潟駅周辺 --- --- --- 新光町美咲町鳥屋野潟南部
江南区 --- 亀田 大江山横越両川曽野木 --- 新潟中央卸売市場
秋葉区 --- 新津 荻川小須戸 --- ---
南区 --- 白根 味方月潟 --- ---
西区 --- 小針寺尾 坂井輪内野黒埼 赤塚 流通センター
西蒲区 --- 曽根旗屋中之口和納 岩室温泉

隣接する自治体

新潟県
(海上を隔てて隣接)



注釈

  1. ^ 他の4港(函館,神奈川(横浜),兵庫(神戸),長崎)とは異なり、新潟港は、米・英・仏・蘭・露の5ヶ国が希望する港としての条件を満たしておらず単独での運用は難しかったため、佐渡・夷港(現:両津港)と合わせて運用する条件の下で「開港5港」の一つとなった。すなわち、信濃川河口にある新潟港は当時は水深が浅く大型外国船が入港できないこと、また、他の4港のように湾の中や内海に位置しないため荒天時の入港が困難なことなどから、大型外国船に対しては佐渡・夷港で荷や人員を小型船に移し替える、また、荒天時は佐渡・両津湾に停泊し天候回復後に新潟港に入港することとした。[参考] にいがた経済新聞社「新潟港は開港150周年 現代にまで続く新潟における開港の意味とは」港別みなと文化アーカイブス - 新潟港明治期における新潟開港場、新潟県編『新潟県史 資料編 12 近世七 幕末編』1984年 399頁。
  2. ^ 2019年現在。
  3. ^ 新潟市、新発田市、聖籠町の2市1町から構成される水道事業団体。受水団体として、前述の3自治体に明和工業を加えた計4団体が参画している。
  4. ^ 新潟県が50%、流域市町村が50%を出資する公益財団法人。
  5. ^ 新潟市と聖籠町の1市1町から構成される。
  6. ^ 新潟市と阿賀野市の2市から構成される。

出典

  1. ^ 新潟市HP 政令指定都市のあゆみ
  2. ^ file-49 マンガ王国・新潟”. 新潟文化物語. 2024年4月9日閲覧。
  3. ^ 新潟県歴史委員会2010
  4. ^ 角川地名15
  5. ^ 統計でみる市区町村のすがた2021” (XLS). 総務省統計局. 2022年4月4日閲覧。
  6. ^ 8区のイメージカラー(新潟市政策企画部シティプロモーション推進課)
  7. ^ 選ばれる都市 新潟市~ウイズコロナ・ポストコロナ時代のまちづくり~”. 新潟市 (2021年2月). 2021年2月27日閲覧。
  8. ^ 新潟市通2
  9. ^ 資料1 中心市街地関連データ集”. 平成21年度新潟市まちなか再生本部中間報告書. 新潟市. 2021年2月27日閲覧。
  10. ^ 統計でみる市区町村のすがた2018 B 自然環境 - 統計局
  11. ^ 岡村治「新潟県における定期市場網の地域的差異 ー市掛行動の分析を通してー」『人文地理』第41巻、1989年、216-236頁、doi:10.4200/jjhg1948.41.216 
  12. ^ a b c d e あゆみ
  13. ^ 新潟がゴーストタウンになった日。知事が命じた「原爆疎開」 | ハフポスト
  14. ^ 新潟県庁:新潟県の構造改革特区・地域再生:新潟県の特区・地域再生計画
  15. ^ 平成24年度地方公共団体の主要財政指標一覧、総務省。
  16. ^ 新潟市議会 平成17年 9月定例会本会議 -09月16日-03号
  17. ^ 平成26年度末 新潟県汚水処理人口普及率 - 新潟県(2015年9月17日更新)2016年1月23日閲覧
  18. ^ 「消化ガス」利用 発電施設が稼働 - 新潟日報(2013年1月29日付Web版)同年2月2日閲覧
  19. ^ 京都市:「京都市・新潟市 観光・文化交流宣言」調印について
  20. ^ 『わたしのまちが「日本一」事典 市町村でくらべて新発見』PHP研究所28頁
  21. ^ 平成18年度データ、新潟市総務部「新潟市の市民経済計算」より
  22. ^ a b 平成29年新潟県観光入込客統計 p.42”. 新潟県. 2019年1月11日閲覧。
  23. ^ 南区観光パンフレット - ウェイバックマシン(2019年1月11日アーカイブ分) - 新潟市南区観光協会
  24. ^ 新潟音芸、p.987
  25. ^ 新潟1998、p.70
  26. ^ a b 新潟1998、p.69
  27. ^ a b c 新潟1998、p.68
  28. ^ 伝統芸能情報 北関東・新潟地域連携軸
  29. ^ a b 新潟音芸、p.149
  30. ^ 新潟音芸、p.188
  31. ^ a b 新潟音芸、p.101
  32. ^ 藤村、p.150
  33. ^ a b c 新潟音芸、p.381
  34. ^ 新潟音芸、p.411
  35. ^ 新潟音芸、p.413
  36. ^ 新潟音芸、p.423
  37. ^ a b 新潟音芸、p.415
  38. ^ 新潟音芸、p.419
  39. ^ 新潟音芸、p.45
  40. ^ a b 新潟音芸、p.759
  41. ^ 「新潟市に名誉市民制」『日本経済新聞』昭和25年12月1日3面






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