のっぺとは? わかりやすく解説

のっぺ

方言共通語使用例または説明
のっぺ祝い料理一つ里芋こんにゃく油揚げ、つぶし豆、人参などを短冊状に切ったものを醤油味少な目の汁で煮たもの、くず粉でとろみをつけるが、里芋だけでとろみを出す場合もある。

のっぺ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/04 05:06 UTC 版)

新潟市の「のっぺ」の一例
新潟市内であっても、地域や家庭毎に様々なバリエーションが存在する

のっぺ は新潟の郷土料理のひとつ[1]農山漁村の郷土料理百選に選定されている。

概要

短冊もしくは小さく角切りにしたサトイモを主とし、鶏肉ニンジンゴボウ油揚げ、加熱したイクラホタテガイの干し貝柱椎茸銀杏レンコン蒲鉾等を加えた煮物である。地域や家庭あるいは個人の好みにより使用される具材の種類や、暖かいままであるか常温や冷やした状態で食されるかなど、多様な組み合わせが存在する。また、具材の切り方によって祝儀、不祝儀に出される煮物になる。サトイモによって「とろみ」が自然につくため、片栗粉やデンプンは必須ではない。イクラは加熱せず生のまま添えられる場合もあり、またイクラを加熱したものをとと豆(「とと(魚魚)」は魚の幼児語である)と呼ぶ地域もある。

主に正月冠婚葬祭の場で各家庭で食べられてきたが、近年では時期を問わずに食べられる傾向がある[2]ほか、郷土料理店や居酒屋や惣菜店でも提供している場合がある[1]

地域

いわゆる家庭料理であるため、地域や家庭により食材や食材の切り方が大きく異なる。新発田市周辺ではこにもんこにもの[3]と呼ばれる。新発田市周辺では具材の数が特に多く、同市の紫雲寺地域(旧紫雲寺町域)では13種、菅谷地区では15種にのぼる[4]

村上市では大海(だいかい)と呼ばれ、根菜が多く用いられる[5]上越市糸魚川市ではこくしょと呼ばれ、片栗粉でとろみがつけられる[5]

また、「のっぺい汁」「ぬっぺい汁」など名称の類似した料理が全国に分布する[6]が、新潟の「のっぺ」は汁物ではなく煮物である[7]

新潟と同様に里芋のみで「とろみ」をつける煮物の形態をとるものとしては、奈良県春日大社周辺でふるまわれる「のっぺ」が挙げられる[4]

脚注

  1. ^ a b 高橋洋子「新潟の「のっぺ」 : 郷土料理の現状と今後」『日本調理科学会誌』第36巻第1号、日本調理科学会、2003年2月、76-79頁、doi:10.11402/cookeryscience1995.36.1_76ISSN 13411535NAID 110001171539 
  2. ^ 歌城純子, 玉木民子「新潟県の郷土料理について」『新潟青陵女子短期大学研究報告』第18巻第18号、1988年2月、45-56頁、doi:10.32147/00001777ISSN 0386-5630 
  3. ^ 食とみどりの新発田っ子通信 第29号” (PDF). 新発田市 (2017年7月). 2020年6月16日閲覧。
  4. ^ a b “のっぺの謎”. ふうど (株式会社タカヨシ) 43. (2019). https://www.takayoshi.co.jp/dcms_media/other/fudo43.pdf. 
  5. ^ a b 伝えたい味。新潟の郷土料理「のっぺ」”. 自遊人. 2021年12月18日閲覧。
  6. ^ 本間伸夫, 立山千草「全国"のっぺ"考」『新潟の生活文化 : 新潟県生活文化研究会誌』第22巻、新潟県生活文化研究会、2016年3月、11-15頁、ISSN 1345-966XNAID 120006585158 
  7. ^ うちの郷土料理:のっぺ 新潟県”. 農林水産省. 2021年12月18日閲覧。

関連項目

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