くず粉とは? わかりやすく解説

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くず‐こ【葛粉】

読み方:くずこ

クズ根から精製したでんぷん葛あんなどに使う。奈良県吉野地方名産

葛粉の画像

葛粉

(くず粉 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 14:11 UTC 版)

葛粉(くずこ)は、本来はマメ科のつる性多年草秋の七草の一つであるクズの根から得られるデンプンを精製して作られる食用粉である。しかし、葛粉と称して一般に売られているものは他の原料(ジャガイモサツマイモコーンスターチなど)のデンプンを混入したものが多い。

概要

貝原益軒の菜譜や、大蔵永常の製葛録に記されている通り、元々は救荒食糧として認知されていた。冷めにくく、冷えると固まる性質を利用して、和菓子洋菓子の生地や料理とろみつけの材料などの用途に用いられる。葛粉は薬効を持ち、体を温め血行をよくするため、風邪引き(葛根湯)や胃腸不良の時の民間治療薬として古くから利用されてきた。有効成分としてイソフラボンが含まれている。

デンプン質が根に集まる冬が採集の適期で[1]、掘り出して泥を落とした根を繊維状に粉砕し、真水で洗い、その絞り汁をためてデンプンを沈殿させる。アク抜きと沈殿を数回繰り返し、不純物を取り除き、最終的に良質なデンプン部分だけを取り出し日陰干しで乾燥させて製品とする。良質の葛粉を作るには、単純作業だが手間ひまと根気が必要とされる。

石川県の宝達葛、宮城県白石葛奈良県の吉野葛、静岡県の掛川葛、三重県の伊勢葛、福井県の若狭葛、福岡県の秋月葛(久助葛)などが有名である。

本葛粉

混じり気のない葛粉100%のものを本葛(ほんくず)と呼び、なめらかで口当たりが良いが、本来多少の苦味を伴う。本葛は生産量が少なく高価であるため、前述したように葛粉と称して一般に売られているものはジャガイモサツマイモ(甘藷澱粉)、コーンスターチ(トウモロコシの澱粉)などのデンプンを混入したものが多い。業界では[要追加記述]、「業務用並葛」とは甘藷澱粉100%の物を言う。西日本、特に産地の多い近畿や九州では本葛粉が比較的手に入りやすい。

生産の現状

本葛粉の生産はクズの根を掘り出す人の高齢化と天然資源の減少によって、現在、国内で出回る本葛粉にしめる中国製の割合が高まっている。台湾産のクズはタイワンクズ (Pueraria montana)、中国産のクズはシナノクズ(P. lobata var. chinensis)であり、日本産のヤマトクズとは植物学的には同種類ではない。中国産の寒根葛(葛)の根のポストハーベスト農薬または残留農薬の危険性が問題になっている。[要出典]薬用面からは同じとみなしてよい(ただし、中国では、畑での葛根の栽培が盛んな為、天然物とは区別が必要)[2][リンク切れ]

利用

食材として葛湯胡麻豆腐和菓子、各種料理に利用される。

脚注

出典

関連項目

外部リンク


くず粉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 15:11 UTC 版)

久助」の記事における「くず粉」の解説

和菓子職人和食料理人の間で言う久助とは、本葛粉のことである。江戸時代1819年文政2年)に筑前国秋月藩職人久助が、選別法、精製法研究して作り出した純白本葛粉上質のため、藩主黒田長韶献上され賞賛を受け、江戸幕府への献上品ともなったこのため江戸市中名声博し久助葛呼ばれた。やがて略して久助呼ばれるようになり、現在も本葛粉のことを業界用語久助呼んでいる。

※この「くず粉」の解説は、「久助」の解説の一部です。
「くず粉」を含む「久助」の記事については、「久助」の概要を参照ください。

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