ざんりゅう‐のうやく〔ザンリウ‐〕【残留農薬】
残留農薬(ざんりゅうのうやく)(residual agricultural chemicals)
農作物の生産過程で害虫の駆除や生長を調節する目的で使われる薬剤が残ったもの。食品衛生法によって野菜や果物ごとに基準値が定められ、基準を超えると食料品の回収命令を受ける。
厚生労働省は、これまで加工食品として扱われ、残留農薬の検査対象ではなかった冷凍野菜について、生鮮野菜と同じ基準を今年3月から適用した。検疫所での検査の結果、中国産の冷凍ホウレンソウに基準値を大幅に上回る農薬が残っていることが分かった。
また、農林水産省は、スーパーなどの店頭に並んでいる野菜について、残留農薬の検査体制を強化した。すると、埼玉県のスーパーで販売されていた中国産の冷凍ホウレンソウから残留農薬が検出されたという。
いずれのケースでも、有機リン系の殺虫剤として使われているクロルピリホスが残留していた。直ちに健康に影響することはないものの、食品衛生法上の基準を超えている。
輸入食品の残留農薬問題が相次ぐ中、7月31日、国会で改正食品衛生法が成立した。この法律によると、検査で違反が見つかった個別の食品だけでなく、特定の国や地域の食品を包括的に輸入禁止にするという厳しい措置を取ることが可能になる。
(2002.07.23更新)
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