ヒトの健康
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 08:38 UTC 版)
脂肪族アルコールは比較的無害な物質であり、ラットの経口の半数致死量は、ヘキサノールの3.1 g/kgからオクタデカノールの6-8 g/kgの範囲である。体重50kgのヒトに対しては、この値は100g以上に相当する。急性反復曝露試験では、脂肪族アルコールの吸入、経口摂取、皮膚曝露は、低レベルの毒性を示した。脂肪族アルコールの揮発性は非常に低く、真の致死濃度は標準蒸気圧以上である。長鎖(C12-C16)の脂肪族アルコールは短鎖(< C12)のものよりも健康影響が少ない。短鎖の脂肪族アルコールは、長鎖のものは持たない眼への刺激性があると考えられている。脂肪族アルコールは、皮膚への刺激性は持たない。 脂肪族アルコールの反復曝露は低レベルの毒性を示し、ある種の物質は、接触による局所刺激や軽度の肝臓への影響を持つ(直鎖のアルコールの方が若干この影響が強い)。吸入や経口摂取では、中枢神経系への影響は見られない。1-ヘキサノールと1-オクタノールの反復大量投与試験では、中枢神経系の減退や呼吸困難を示した。末梢神経障害は見られなかった。ラットでは、経口の無有害作用量は、200から1000 mg/kg/日の範囲である。脂肪族アルコールが発がん性、変異原性、生殖毒性、不妊性であるという証拠はない。脂肪族アルコールは、体に入った時には効率的に除去され、蓄積される可能性は少ない。
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