日本のタクシー 利用方法

日本のタクシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 03:38 UTC 版)

利用方法

客待ちをするタクシー(仙台駅前)

空港百貨店観光地繁華街病院などにはタクシー乗り場が設けられており[注 2]、順番に並んで乗車する(東京駅などでは「先着順にお乗り下さい」と記されている、乗り場誘導係員も基本的にそれを遵守している)。タクシー車両を選ぶのは基本的に客の自由であり、最近では車両や後述の支払方法の多様化により、ワゴンタクシーの希望や現金以外での支払い(チケットやカード、電子マネーやQRコード決済等)を希望すると、順番の変更が受け入れられる場合がある[注 3]。一部のビルや病院などには、タクシーセンターが選定した優良ランク事業者の乗務員、タクシーセンター発行の優良証を持つ乗務員が入構出来る優良乗り場(東京都の場合、東京駅丸の内側や渋谷駅西口など)や特定事業者だけが入構可能な専用の乗り場がある。特定事業者の専用のタクシー乗り場の中には、入構するタクシー事業者がその施設所有者へ施設使用料を支払い構内権を購入している場合がある。また、特定事業者の専用の乗り場の場合でもその事業者の車両が待機していない時に客が乗り場に来た場合や客の呼び出しで迎えに来た場合は他の事業者の車両が入構することがある。

東京都内においては、新丸の内ビルディング東京スカイツリータウンに「EVHVタクシー乗り場」が存在し、ここには電気自動車ハイブリッドカーのみが待機できる。但し、前者は21:00〜翌9:00と日祭日は通常のタクシーも待機可能で、後者は待機車両が無い場合は通常のタクシーも入庫が可能となる。利用者は他の待機場同様、先頭から順番に乗車することが基本であるが、予約又は無線配車の場合はその限りではない。

走行中のタクシーが空車表示で走行中の場合は停めて乗車することができる。それ以外の表示の場合は通過。

また、主要都市の市街地では、フロントガラスから見えるように「空車」のプレートをダッシュボードに掲げて、あるいは実空車表示器に「空車」を表示して走っている(流し)タクシーに対して手をあげたら停車するので乗車すればよい。夜間の場合はプレートが見づらいことから、プレートの代わりに車上の社名表示灯が点灯しているか否かで区別できる地域もある。以前はタクシーメーターから出た腕に赤地に白文字の空車表示板が取り付けられており、実車時にこの腕を倒していたことから、運賃計算のことを「メーターを倒す」と表現した。最近はほとんどの車両で電光式の「空車」「迎車」「予約車」「賃走」「割増」「支払」「回送」などの表示がされており、プレート式や幕式の表示は減って来ている。ただし、表示器で表示できないものを表示するためや、表示器の故障時に使用する目的でプレートを車載する車両もある。

営業所・専用コールセンターに電話をすることで呼び出す、もしくは近年においてはスマートフォンタブレット端末用のタクシー呼出アプリ(一部のタクシー会社で採用)を用いて、迎えに来てもらうこともできるが、その場合は迎車料金がかかる(無料の場合もある)。地方においては、過疎化やモータリーゼーションの進行もあり、流し営業では利益を見込めないため、ほとんどが呼び出しまたはタクシー乗り場での乗車という地域も多い(しかし、走行しているタクシーが空車であった場合、手を上げれば乗り込めることは都市部と変わらない)。

タクシーは自動で後方左側のドアを開ける場合が多いので、客は自分で開ける必要はない。後方左側以外のドアは自動では開かないので客が開ける(ただし、タクシー乗り場によっては左回りの一方通行になっている関係で後方右側から乗り降りする場合もある)。なお、自動ドアのタクシーは、世界には無い(日本のタクシー仕様車が輸出されている香港の一部で見られる程度である)。

タクシーに乗り込んだら行き先を告げる。走り出すときに乗務員が運賃メーターをスタートさせることにより料金が発生する。ただし、電話などで呼び出し迎車で進行してきた場合、基本料金分のメーターが作動しているか迎車料金がかかる。いずれの場合も、一定の走行距離又は乗車時間(但し途中でタクシーを待たせて車から離れても時間メーターがカウントされる)、もしくはその双方で運賃料金が表示される。目的地につくと乗務員が運賃メーターを止めるので、そのときに表示された金額に従って料金を払う。基本となるメーターの他に、料金ユニットといわれる支払額を示すメーターがついており、これに従って運賃料金を精算する。これは、遠距離割引や障害者割引(割引を受ける場合は障害者手帳の顔写真面の提示が必要)、迎車料金、予約料金等の、通常のメーター以外の割引や加算分を示すものである。契約として、あらかじめ定められた定額運賃によるものもある(羽田空港定額運賃・成田空港定額運賃)。この場合、メーターによる運賃の収受ではなく、あらかじめ決められた運賃を支払えばよい。なお、有料道路を利用した場合の通行料や、観光で利用するなどの際に有料駐車場を使用したときの駐車料金は、乗客が負担するものなので、メーター額のほかに支払わねばならない。

精算方法としては、現金の他、チケット(タクシー会社発行のもの、クレジットカード会社発行のものなどがあり、利用限度額や使用期限が定められていることもある)、クーポン(偽造防止で新規発行は廃止、すでに発行された分であれば使用可能である場合はある)、クレジットカード、デビットカード、交通系ICカードSuica等) / ID / QUICPayの非接触ICカード決済、PayPayほかのバーコード・QRコード決済などがある。現金以外の場合は、使えるタクシー(事業者)が限られているので、乗車時によく確認する必要がある。

降りるときもまた左後方のドアが自動で開く。客が降りるとドアが閉まるので客は閉める必要はない。ただし、これは乗務員が客の動作や周囲の交通状況を確認し操作するものであり、一般的な意味での自動ドアとは違う。近年では、負圧式(エンジンの吸気の力)や空気式(圧縮空気を利用)、電動式で強く腕力を要しないものも増えてきた。また、降車時に客がドアを閉めると、ワイヤー式やてこを利用したレバー式の場合、乗務員側のレバーも連動して動くため、乗務員の腕や足等がレバーに挟まれる場合もあるので、ドアの開閉は乗務員に任せるべきである。但し、助手席に乗る場合旅客自ら開閉することが必要でその事は普通の車と変わらない。後方右側のドアは乗り逃げ防止のためと旅客がドアを勝手に開閉させることで起こりうる事故を未然に防ぐ意味でチャイルドロックが掛けられていることが多い。


注釈

  1. ^ (有償運送) 自家用自動車(事業用自動車以外の自動車をいう。以下同じ。)は、次に掲げる場合を除き、有償で運送の用に供してはならない。
  2. ^ それらに加えて規模の大きい都市においては、大きい幹線道路の左端にタクシーの乗り場専用レーンが設けられている場合もある。
  3. ^ 地域によっては申し出さえすれば、(条件が許す限りではあるが)順番の変更が受け入れられる場合もある。誘導係員がいない場合は、先頭から順に使えるか確認していって使用できる車まで移動する方が(トラブルを避ける意味でも)望ましい。
  4. ^ 都内の大手タクシー会社では、グループに自動車教習所や提携教習所があり、ここで二種免許取得のための教習が可能。
  5. ^ 「この期間を終える前に退職した場合、取得費用を返還しなければならない」という書面契約を行う場合がある。
  6. ^ 1970年代に個人タクシーで用いられたマークII(X10系まで)やスカイライン(C10・C110・C210系)などでは、下級グレードを中心に後部座席のヘッドレストを装備していない車種が多かったため、基準を満たすためにメーカー・ディーラーでヘッドレストの後付けが行われていたと推測される。
  7. ^ プリウス(20系:185/65R15、30系・50系:195/65R15)、ノア・ヴォクシー・エスクァイアおよびセレナ(195/65R15)、ノート(185/65R15、ただしE13系は標準だがE12系以前はオプションホイールまたは社外ホイール装着時)等の例がある。
  8. ^ 京成グループに所属するが、車体や行灯にはK'SEI GROUPロゴを掲出していない(公式サイトには明記)。
  9. ^ ウォルト・ディズニー・カンパニーとの関係により京成グループ統一行灯を使用せずK'SEI GROUPロゴの掲示もしていない。また、その関係で京成タクシーホールディングス傘下ではない(が共同配車体制は敷かれている)。
  10. ^ 京成グループであるが、独立性が高くK'SEI GROUPロゴは用いていない。
  11. ^ 京成グループであるがタクシーの車体にはK'SEI GROUPロゴを使用していない。

出典

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  3. ^ a b 齊藤俊彦 『くるまたちの社会史』中央公論社〈中公新書〉、1997年、119-120頁。ISBN 4-12-101346-8 
  4. ^ バス、タクシーのガソリン使用全面禁止(昭和16年8月21日 朝日新聞)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p81
  5. ^ ガソリン券の闇取引根絶措置(昭和15年9月21日 朝日新聞)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p81 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
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  7. ^ 代用燃料車への改装願いが殺到(昭和16年9月3日 東京日日新聞)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p82
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