かくさ‐しゃかい〔‐シヤクワイ〕【格差社会】
格差社会
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格差社会(かくさしゃかい、英: Social polarization)とは、収入や財産などの要因により人間社会の構成員に階層化が生じ、その階層間の遷移が困難な状態になっている社会を意味する語[1]。マスメディアによる造語であり、経済学などの学術的な専門用語ではないが[2]、その後のバブル崩壊と平成不況、さらに「失われた20年」の世相の中で広く使われるようになり、2006年には新語・流行語大賞の上位にランクインした。一種のブームとなったこの言葉は、「恋愛格差」など多数の派生語の親ともなった。
注釈
- ^ 企業経営者が、人件費削減と雇用調整要員(いつでも解雇できる要員)確保のために、新規採用を抑制するとともに、正社員より安い賃金体系のアルバイト・パートタイマー・契約社員・派遣社員などの非正社員の採用を進めていったとされる。
- ^ 等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調整した所得)の中央値の半分に満たない世帯員の割合を算出したもの。
そして新基準は、OECDの基準に合わせて、従来の調査での「非消費支出」に「自動車税・軽自動車税・自動車重量税」、「企業年金・個人年金等の掛金」及び「親族や知人などへの仕送り額」を加えて貧困率を算出している。“2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況 用語の説明”. 厚生労働省. 2022年11月23日閲覧。
出典
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格差社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:39 UTC 版)
まなせゆうなとの合体技。セカンドロープにもたれかかった相手の顔をそれぞれ両サイドから走り込み胸で挟む。
※この「格差社会」の解説は、「ウナギ・サヤカ」の解説の一部です。
「格差社会」を含む「ウナギ・サヤカ」の記事については、「ウナギ・サヤカ」の概要を参照ください。
格差社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 04:46 UTC 版)
国の所得格差を表すジニ指数によると、米国や中国、マレーシアとほぼ同程度の47.0の値で、ラテンアメリカの中では比較的に貧富の差の激しくない国である(国の所得格差順リスト)。しかし、歴史的に建国以来、格差問題に喘いでいる。カルロス・スリムという世界一の億万長者[要出典]を産んだ国ではあるが、一方メキシコシティにおける世帯平均月収(手取り)は約4万円となっている。 「メキシコにおける貧困(英語版)」も参照
※この「格差社会」の解説は、「メキシコ」の解説の一部です。
「格差社会」を含む「メキシコ」の記事については、「メキシコ」の概要を参照ください。
格差社会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 17:28 UTC 版)
うなぎひまわりとの合体技。セカンドロープにもたれかかった相手の顔をそれぞれ両サイドから走り込み胸で挟む。
※この「格差社会」の解説は、「まなせゆうな」の解説の一部です。
「格差社会」を含む「まなせゆうな」の記事については、「まなせゆうな」の概要を参照ください。
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