格差の変動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:01 UTC 版)
こうして「じゃない方芸人」が活躍するにつれ、コンビ内の格差が変動する例もある。 オードリーは、当初は独特なキャラクターと外見である春日俊彰が前面に出ており、代表的なギャグの1つ「トゥース!」が2009年(平成21年)の新語・流行語大賞にノミネートされるほどだった。しかし後には若林が極度の人見知りといったキャラクターや、演技力やトーク力の評価により単独での司会やコマーシャル出演をこなし、複数の雑誌のエッセイ連載も執筆している。その結果、「若林がオードリーの顔となりつつある」「春日の方が『じゃない方』?」「春日とどちらが『じゃない方』かわからない」との声が挙がっている。一方の春日も近年ではスポーツ関係の仕事やボディビルダーとしての活動を通して、肉体派タレントと言ったイメージが定着している。 さらにはフットボールアワーやピースのように、当初は個性の強い岩尾望や綾部が前面に出ており、後藤輝基や又吉の方が「じゃない方」と呼ばれていたが、後にはその後藤が『アメトーーク!』や『ロンドンハーツ』(テレビ朝日)でツッコミの技量を評価され、司会業でも才能を発揮、又吉も2015年(平成27年)に自著書『火花』で芥川賞を受賞した結果、2017年(平成29年)以降には逆に岩尾や綾部の方がgooランキングや『アメトーーク!』で「じゃない方芸人」と見なされるといった完全に格差が逆転してしまったケースすら存在する。 麒麟はコンビ格差が二転している。当初、漫才の冒頭で「麒麟です」と挨拶する際の川島明の低音ボイスが人気を博し、田村裕より川島の方が仕事が多かったが2007年(平成19年)に田村の自伝『ホームレス中学生』が社会現象と呼べるほどの人気を得たことで突如として田村が「時の人」となり、川島が「じゃない方芸人」と呼ばれる格差が生まれた。しかし田村は『ホームレス中学生』以後に作家活動を継続することはなく、ブーム収束後は露出の機会が激減。印税を恩返しに使い果たしてしまい、一時はアルバイトをするまでに金銭的に苦しんだ。一方で元々コンビのネタ作りを担当していた川島は大喜利や文学、コメンテーターといった知的な才能が認められ始め、後の地位を築くに至っている。2017年時点では川島の方がピンでの活躍が多くコンビ格差が逆転しており、gooランキングでは田村の方が「じゃない方芸人」と見なされている。一転して「じゃない方」になった田村もバスケットボール関係の仕事で、川島とは違った方面での活路を見出している。なお、『ホームレス中学生』がヒットしている際の格差は凄まじかったようで、川島・田村双方とも2019年現在も当時の格差を回顧している。 中には天津のように、当初は単独でも売れていた木村が後に本来の詩吟界から背を向けられ、「じゃない方」と呼ばれていた向の方が元々好きだった漫画やアニメ関係の副業で成功するといった、対照的な道を進んでいるコンビもある。 極端な例として、当初は中島知子の方が注目度が大きかったが、後に中島は体調不良での休養や諸々のスキャンダルでイメージダウンに繋がりコンビを解散後、松嶋尚美が女優業や著作業で人気を得るに至っているオセロや、先にレイザーラモンHGが『ハードゲイ』でブレークしたものの、『あるあるネタ』でレイザーラモンRGが遅れてピン芸を確立させ、コンビ格差が逆転したレイザーラモンといったコンビもある。
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