黒孩子
別名:ヘイハイヅ、黑孩子、黒子、黑子、超生人蜻頀
英語:Heihaizi
中国の一人っ子政策(計画生育政策)の下で2人目以降の子供として産まれたため、出生届けが出されておらず、戸籍も住民票も持たない子供のこと。法的には、黒孩子は国民として認められず、「存在しない」のと同じだといわれることもある。
中国の一人っ子政策では、2人目以降の子供を産むことは「超生」と呼ばれる違法行為であり、罰金や社会保障上の待遇低下などの罰則がある。黒孩子は、その罰則を逃れるために親が出生届けを出さないことで生まれた。
2010年に中国国家統計局が行った調査では、全人口の約1%にあたる1300万人の無戸籍者が確認され、その多くが黒孩子に相当すると見られている。しかし、この調査は無戸籍者のいる家庭の協力によって行われたので、実際の人数はさらに多いのではないかと推測されている。
黒孩子は、安価な労働力として中国の経済成長を支えてきたともいわれるが、多くの弊害が社会問題化している。例えば、黒孩子は戸籍を持たないため、教育や医療などを受けることができず、職に就くことも困難である。また、黒孩子が置かれた環境は一般的に劣悪であり、人身売買や労働酷使などの人権侵害を受けてきたといわれている。
黒孩子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/24 02:20 UTC 版)
黒孩子(黑孩子, 拼音: , ヘイハイツ、ヘイハイズ)または黒戸(黑户, 拼音: , ヘイフー)(英: Black children, ブラックチルドレン)とは、中華人民共和国において、一人っ子政策に反して生まれたために戸籍を持つことができない子供のことである[1]。俗称として闇っ子(やみっこ)という表現があり、一部報道ではこの表現が用いられることもある[2]。
- ^ 福島, 香織 (2007年1月29日). “【北京春秋】闇の子供悲し”. 産経新聞. オリジナルの2007年9月27日時点におけるアーカイブ。 2020年10月26日閲覧。
- ^ “「一人っ子政策」廃止の中国 戸籍ない「闇っ子」対策強化へ”. NEWSポストセブン. (2015年12月5日) 2020年10月26日閲覧。
- ^ 若林敬子、橋本堯、佐治俊彦「ディスカッション(シンポジウム 中国の近代化と人間)」『東西南北』第1997巻、和光大学総合文化研究所、1997年3月、83-87頁、CRID 1050001338313837312。
- ^ Rebecca, Davis (2015年11月5日). “中国1300万人の無戸籍児、一人っ子政策の「負の遺産」”. AFP通信: p. 2 2020年10月26日閲覧。
- ^ Uncovering Children in Marginalization: Explaining Unregistered Children in China ワシントン大学2005年 p3に、1982年、1990年、2000年の人口数と黒孩子数が記載されている。それによると、1990年は11億3000万の人口に対して850万(0.76%)、2000年は12億4000万の人口に対して約800万(0.97%)という推計がなされている。
- ^ “2 アジアの主な国・地域における少子化対策の動向”. 平成17年版 少子化社会白書. 内閣府. 2020年10月26日閲覧。
- ^ “【土・日曜日に書く】上海支局長・河崎真澄 一人っ子政策の犠牲者たち”. 産経新聞: p. 1. (2010年12月19日). オリジナルの2010年12月21日時点におけるアーカイブ。 2020年10月26日閲覧。
- ^ “中国、無戸籍者1300万人に戸籍を付与へ”. ロイター通信. (2015年12月10日) 2020年10月26日閲覧。
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