底辺への競争
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底辺への競争(ていへんへのきょうそう、英: Race to the bottom)とは、国家が外国企業の誘致や産業育成のため、減税、労働基準・環境基準の緩和などを競うことで、労働環境や自然環境、社会福祉などが最低水準へと向かうこと。自由貿易やグローバリゼーションの問題点として指摘されている。
- 1 底辺への競争とは
- 2 底辺への競争の概要
- 3 概要
- 4 理論
- 5 外部リンク
底辺への競争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 21:59 UTC 版)
「TPP協定交渉時の資料・交渉時に議論された影響」の記事における「底辺への競争」の解説
バーニー・サンダース米上院議員はNAFTAなど過去に米国が締結した自由貿易協定(FTA)の結果おこったことを分析し、TPPに強く反対する。TPPに加盟すればベトナムやマレーシアなど労働法が国際基準から大きく離れた国々と米国が競争する事態となる。もし競争となれば、企業側は低賃金・長時間労働など劣悪な労働環境で労働者を働かせて搾取できるようなそれらの国々に生産拠点を移すだろう。雇用がオフショアされない場合では、それらの国々と競争するために企業が人件費などを削らざるをえなくなる。結果として賃金が低下していく。それらの国々と競争することは自由貿易ではなく底辺への競争であるとサンダースは述べる。 サンダー・レヴィン米下院議員は「ベトナムの法は国際的労働法基準とのコンプライアンスからはずれている。もし独立した労働組合をつくろうとすれば囚人となってしまう。」と指摘。対するバラク・オバマはTPPによってアジア諸国の労働者の労働環境が良くなるとし、ベトナムの労働者が独立した労働組合を結成できるようになると主張した。だが2015年5月時点でさえベトナム労働法と国際労働法基準には大きな隔たりがある。TPP発効初日から突然ベトナム労働法が修正されて国際基準にまで引き上がるとは考えにくい。レヴィンは、ベトナム政府やマレーシア政府がそれらの労働法を国際基準まで引き上げるという根拠は無いと述べる 。 エリザベス・ウォーレン上院議員は2015年5月にレポートを発表しTPPの問題点を指摘した。そのレポートによれば米国が過去に締結した自由貿易協定には、労働法について協定の内容と現実に大きな隔たりがあった。ペルーやコロンビアなどと結んだ協定では、労働組合への暴力を減らすためにバラク・オバマが2011年にコロンビアとアクションプランを採用した。だが現実はその4年後に約100名もの労働組合員が殺され約1300人もの組合員が死の脅迫をうけていた。 「底辺への競争」も参照
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