所得税(しょとくぜい)
所得税は、国の歳入のうち5分の1を占め、法人税や消費税など国税の中でも最も比重が高いものである。1年間のすべての所得から、あらかじめ定められた所得控除を差し引いた残りの金額を課税所得と言う。所得税は、個人の所得の中でも、この課税所得に税率を適用する。
所得金額は、給与所得や事業所得などその性質によって10種類に分類されている。それぞれの所得について、収入や必要経費の範囲、そして課税所得の計算方法が詳しく決められている。
所得控除は、個人的な事情を考慮して税負担を調整するという役割を担っている。例えば、医療費を支払ったときには、その負担を軽くするために医療費控除が認められている。また、配偶者や扶養家族がいる場合には、それぞれ配偶者控除や扶養控除が認められ、税の負担を軽くする。
また、条件さえ合えば、一旦納めた税金の一部が戻ってくるという還付制度もある。この場合は、納税者による手続きが必要となる。
所得税は、所得が多くなるにつれて段階的に税率が高くなる超過累進課税方式を採用している。これは、納税者がそれぞれの支払能力に応じて公平に税を負担すると同時に、行政サービスなどを通して行われる所得の再分配という効果がある。
納税は、原則として確定申告によって行うこととなっているが、サラリーマンの場合は毎月の給与やボーナスから源泉徴収される。
(2000.05.17更新)
所得税
所得税
所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/22 01:41 UTC 版)
所得税(しょとくぜい)とは、担税力の源泉を、所得、消費及び資産と区分した場合に、所得に対して課される租税のこと。所得税は広義の所得税と、狭義の所得税に分類できる。
注釈
- ^ 日本においては2020年度以降、消費税が所得税を上回り、最大の税収となっている。
出典
- ^ 田中康夫. “再び「日本の消費税制は欠陥税制」”. 日刊ゲンダイ にっぽん改国. 新党日本. 2010年8月8日閲覧。
- ^ a b c 栗林隆、2009、「個人所得に対する望ましい課税」、『CUC View & Vision』27号、千葉商科大学、ISSN 1342-0542
- ^ 八田達夫『ミクロ経済学II 効率化と格差是正』東洋経済新報社プログレッシブ経済学シリーズ、ISBN:978-4-492-81300-3、p468
- ^ 2010年9月 日本における貧困議論の現状と展望 山上俊彦
- ^ 三和総合研究所編 『30語でわかる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2000年、204頁。
- ^ 谷口勢津夫『租税基本講義』第2版168 - 170ページ
- ^ a b [1]
- ^ 谷口170ページ
- ^ 知原 信良「米国における税制改革の問題 -フラット・タックスを中心に-」財務省財務総合政策研究所ディカッションペーパー2003年12月 Archived 2011年5月23日, at the Wayback Machine.
- ^ a b c 各国の税制 日本都市センター、2018年4月24日閲覧。
- ^ イタリアで所得税の前払い 物価手当、手直しも『朝日新聞』1976年(昭和51年)11月12日朝刊、13版、7面
- ^ OECD Economic Surveys: Japan 2021 (Report). OECD. (2019). doi:10.1787/6b749602-en.
- ^ “滝田洋一(日本経済新聞)@yoichitakita 日本経済新聞編集委員、テレビ東京ワールドビジネスサテライト(WBS)解説キャスター”. Twitter. 2021年9月26日閲覧。
- ^ No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁
- ^ NO.2240 申告分離課税制度(国税庁)
- ^ No.2220 総合課税制度国税庁
- ^ 個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁
- ^ “創設所得税法概説”. 国税庁 (1998年6月30日). 2011年8月12日閲覧。
- ^ 租税及び印紙収入決算額調一覧 財務省
所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 10:45 UTC 版)
所得税では、総合課税される総所得金額、山林所得金額、退職所得金額に下記金額の基礎控除が適用される(所得税法第86条)。 2005年(平成17年)から2019年(令和元年)まで 38万円 2020年(令和2年)以後 合計所得金額が2400万円以下:48万円 合計所得金額が2400万円超から2450万円以下:32万円 合計所得金額が2450万円超から2500万円以下:16万円 合計所得金額が2500万円超:0円 この基礎控除が存在する理由は、個人の所得のうち、本人の最低限度の生活を維持するのに必要な部分は担税力を持たないと考えられることにある。 本人が扶養家族の最低限度の生活を維持するのに必要な所得もやはり担税力を持たないと考えられるため、本人に扶養家族がある場合、本人の所得金額に配偶者控除(又は配偶者特別控除)、扶養控除が適用される。また、障害者、寡婦・一人親家庭、勤労学生は、生活に追加的経費が必要であることから、これらの者の所得金額には、基礎控除に加えて、障害者控除、寡婦控除(ひとり親控除)、勤労学生控除を適用する。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 00:06 UTC 版)
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 23:36 UTC 版)
竹中平蔵は「通常、普通の人が払う所得税は税率10%以下である。所得税全体で普通の人が占める比率は、イギリスで15%、ドイツ・、アメリカで30-40%であるが、日本は80%にもなる。つまり、ほとんどの人は税金を払っていない。高額所得者だけが高い税率を課せられ、所得税が空洞化している。普通の人にも所得税を払ってもらわないと税は成り立たないが、政治家はそう言えないから、なんでもかんでも消費税と言っているわけである。この欠陥をどう補えるかが非常に重要なポイントになる」と指摘している。 しかし、この考え方は高額所得者(富裕層)への現在の所得税の累進課税制度と税の再配分機能による格差是正の役割を否定するもので、日本での所得累進課税の最高税率が1974年に75%(8000万円以上)であったものが、1999年に37%(1800万円以上)まで下げられ、現在は2015年から45%(4000万円以上)に戻されているが、この間高額所得者(富裕層)は十分に優遇されてきた。そして所得税や法人税などの減収分が消費税増税で穴埋めされてきたという事実 があり、植草一秀などの有識者も以前からそれを指摘 している。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 17:17 UTC 版)
「大統領令13936号」の記事における「所得税」の解説
米国政府と香港政府との間の交換協定により実施される船舶の国際運航からの所得に対する税の相互免除に関する協定の終了を通知。 本大統領令を受けて2020年8月19日に国務省は香港との間の船舶の国際運航からの所得に対する税の相互免除に関する協定の終了の通知をしたことを発表した。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 09:59 UTC 版)
所得税については、このような選択肢がある。税額を比較し、有利な方を確定申告の際に選択することが出来る。 申告分離課税もしくは確定申告不要所得税は15.315%である。 配当は既に源泉徴収されていて、確定申告を行わない場合や、確定申告の際に申告しないことを選択した場合はこの税率で徴収される。上場株式により損失が発生した場合は、過去3年分と損失通算することが出来るが、そのためには確定申告で申告が必要。扶養に入っている場合や配偶者控除を受ける場合は、申告しなければ扶養控除や配偶者控除の判定の際の合計所得金額に含まれないので、あえて配当控除や損失通算を受けず、源泉徴収のままにしておいた方が税額が安くなる場合もある。 総合課税所得税は総合課税の累進課税であるが、配当控除が適用されるため、課税される所得金額次第で、総合課税を選択した方が税率が低くなる。その際は、金融機関で源泉徴収されている場合でも、確定申告により、税額を調整(還付など)することが出来る。ただし確定申告で配当所得を申告することになるため、合計所得金額に算入される。配当控除の金額の計算式はかなり複雑であり、詳細は国税庁のタックスアンサーを参照。ここでは、課税総所得金額などが1000万円以下だけ記載する。 配当控除で控除される税額 剰余金の配当等に係る配当所得 - 10% 証券投資信託の収益の分配金に係る配当所得 - 5% 特定外貨建等証券投資信託以外の外貨建等証券投資信託の収益の分配に係る配当所得 - 2.5% (外国税額控除もあることに注意) 配当控除が10%の場合 695万円超900万円以下の区分の税率は23%のため、元々の課税される所得金額がこの区分に該当している場合は、ここから上積みされる総合課税の配当所得の税率は23%なので、総合課税の方が税率が低い。 900万円超1800万円以下の区分の税率は33%のため、元々の課税される所得金額がこの区分に該当している場合は、総合課税の方が税率が高い。 配当控除が5%の場合 195万円超330万円以下の区分の税率は10%のため、元々の課税される所得金額がこの区分に該当している場合は、総合課税の方が税率が低い。 330万円超695万円以下の区分の税率は20%のため、元々の課税される所得金額がこの区分に該当している場合は、総合課税と申告分離課税は税率が同じなため、手続きの簡単な申告分離課税を選んだ方が良い。 なお、課税される所得金額というのは、各種控除(基礎控除や給与所得控除など)を引いた後の金額なので、手取り給与額よりも小さな金額である。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 16:08 UTC 版)
居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする(所得税法22条)。基本的には、各種所得につき損益通算・1/2課税・損失の繰越控除を適用して課税標準を求める。これに所得控除等を適用した額を課税所得金額といい、税率を乗じることによって税額を算出する。所得税法上の課税標準の外に租税特別措置法上の課税標準がある。 所得税上よく用いられる課税標準には次のものがある。 総所得金額 a = 損益通算後の(事業所得 + 不動産所得 + 給与所得 + 利子所得 + 配当所得 + 総合短期譲渡所得 + 雑所得) b = 損益通算後の(総合長期譲渡所得 + 一時所得) × 1/2 総所得金額 = (a + b) - 損失の繰越控除 合計所得金額 合計所得金額 = 損失の繰越控除前の(総所得金額 + 土地建物等の譲渡所得(特別控除前) + 上場株式等の配当所得等 + 株式等の譲渡所得等 + 先物取引に係る雑所得等 + 退職所得 + 山林所得) 総所得金額等 総所得金額等(課税標準の合計額) = 合計所得金額 - 損失の繰越控除
※この「所得税」の解説は、「課税標準」の解説の一部です。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 13:41 UTC 版)
「所得税は思い切って1兆円とか2兆円の減税をしなくてはならない。このままでは日本人の特性である勤労意欲が次第にうせていく。減税の中心は、住宅ローンの支払いとか、教育費にカネのかかる中堅所得者層。税率を引き下げるとともに、現在14段階ある累進区分の緩和を考えなければならない。法人税の引き下げの必要性も痛感しています。大蔵省と経団連の間で、税率水準をめぐって、高すぎるとかそうでもないとか論争しているが、わが国の法人税が先進諸国の中で最も高いことは間違いない。2兆円規模の減税を検討しなければならないと思っています」と発言。 「サラリーマンは所得が100パーセント捕そくされ、まじめに税金を納めると損をするというクロヨンの問題がある。すべてが正しいと思わないが、(国民が)いろんな不公平感を抱いているのは事実だ。不公平感を払拭することにも今度の税制改革で力点を置くべきだ」と発言。
※この「所得税」の解説は、「野田毅」の解説の一部です。
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所得税
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 09:04 UTC 版)
最適課税の別の有り様は所得税の決定であって、それは逆進、均一、もしくは累進にすることができるものである。
※この「所得税」の解説は、「最適課税」の解説の一部です。
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所得税
出典:『Wiktionary』 (2021/06/16 13:38 UTC 版)
名詞
発音(?)
- しょ↗とく↘ぜー
上位語
翻訳
- アラビア語: ضريبة الدخل (ar) (Dariibat al-dakhl) 女性
- 英語: income tax (en)
- オランダ語: inkomstenbelasting (nl)
- ギリシア語: Φόρος εισοδήματος (el)
- スコットランド・ゲール語: cìs air teachd-a-steach (gd) 女性
- スロヴェニア語: davek 男性, dohodnina 女性
- タイ語: ภาษีรายได้ (th) (paa-sĕe-rai-dai)
- タミル語: வரி (ta) (vari) (வருமான வரி, varumaana vari)
- 朝鮮語: 소득세 (ko) (sodeukse) (所得稅 (ko))
- テルグ語: ఆదాయపుపన్ను (te) (aadaayapu pannu)
- ドイツ語: Einkommensteuer (de) 女性
- フィンランド語: tulovero (fi)
- フランス語: impôt sur le revenu (fr) 男性
- ベトナム語: thuế thu nhập (vi)
- ヘブライ語: מס הכנסה (mas hakhnasah) 男性
- ペルシア語: مالیات (māliyāt)
- ポーランド語: podatek dochodowy (pl) 男性
- ポルトガル語: imposto de renda (pt) 男性
- マラヤーラム語: ആദായ നികുതി (aadaaya nikuthi)
- ロシア語: подоходный налог (ru) (podoxódnyj nalóg) 男性
「所得税」の例文・使い方・用例・文例
- 所得税は所得に従って累進的になっている
- 所得税は収入に比例して増える
- 所得税
- 所得税の確定申告書を提出する際には、給与所得の源泉徴収票を添付して下さい。
- 現金給与総額とは、所得税、社会保険料、組合費等を差し引く以前の給与総額のことです。
- 株式を売却した場合、譲渡所得税が課せられる。
- 退職所得税の率は退職者の勤続年数によって異なる。
- 旅費交通費は、所得税法では非課税所得として見なされる。
- 所得税の確定申告
- 所得税率と繰延税金には違いがある。
- 現在の法人所得税
- 所得税申告の準備
- 野党は所得税減税法案を提出した。
- 日本では、通常所得税は月給から天引きされる。
- 税務署は所得税の脱税に目をひからせています。
- 所得税は控除額を上回るいかなる所得にもかかる。
- 資産家は高額の所得税を納めなければならない。
- 私達は収入に応じて所得税を払う。
- 給与が増えるに比例して、所得税率もあがっていく。
- 所得税法の抜け道を考える.
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