格式と伝統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:07 UTC 版)
くらやみ祭りは古来から続く格式と伝統を垣間みる事のできる、国府祭を起源とする例大祭である。大國魂神社は東京都区部にある主要な神社仏閣(多くは徳川家康の江戸開府後に建立または移築された)より遥かに古い歴史と格式を持ち、例大祭は時代の変革とともに変貌を遂げつつも、今も古式に則った行事が厳粛に行われている。 祭りが暗闇に行われる理由は、貴いものを見る事は許されないという古来から存在する儀礼に起因し、神聖な御霊が神社から神輿に移り御旅所に渡御するのは人目に触れる事のない暗闇でなければならないという神事の伝統がそのまま現代まで引き継がれているためである。 徳川幕府(江戸時代)期には現在の様な神幸の形になった様で、神輿渡御は午後11時ごろ開始され、翌日午前3時〜4時頃に神社に戻ったというが、1959年(昭和34年)に午後4時渡御開始、翌日午前4時に還御開始と改められた。その後、2003年(平成15年)に午後6時渡御開始となるなど、時代背景に応じて柔軟に変化している。 かつては例大祭期間中における東京競馬場(府中競馬場)でのレースについて、JRAは警察などの要望もあり警備上の重複による混乱を避けて自粛していたが、前述のように2003年より渡御開始が午後6時に変更となりレース時間と重ならなくなったため、以降は開催されるようになっている。 山車で行われる府中囃子(目黒流と船橋流)は、府中の「郷土芸能」となっている。また当祭は2010年(平成22年)、「武蔵府中(むさしふちゅう)のくらやみ祭(まつり)」として東京都の無形民俗文化財(風俗慣習)に指定されている。
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