格標識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 11:47 UTC 版)
格を表す標識が存在するが、これらは以下のように支配先の名詞句次第で形が変化する。 基本形a〈斜格〉ehele〈人称位格/方向格〉imta〈与格/受益者格(英語版)〉u〈位格 (特定の限られた文脈で)〉va〈原因格〉imi〈与格/受益者格〉代名詞とFormera- ehele- imta- #間接所有を参照 va- imi- 代名詞所有格 所有格 所有格 目的格 目的格 名詞と人名era-i ehele-i imta-i u va-i imi 単数始めが n-a ehele-i imta-i u va-i imi 始めが in-a- ehele- imta- uwu va- imi その他era-i ehele-i imta-i u va-i imi 複数era-i ehele-i imta-i u va-i imi 前方照応有生era-n ehele-n imta-n uwu-n va-n 無生era-n ehele-n imta-n uwu-n va-ñ 表の通り、格標識の後に所有代名詞接尾辞をとるものと目的格代名詞(あるいは他動的)接尾辞をとるものの2種類が存在し、後者は本来は動詞に由来するものであった可能性がある。所有代名詞接尾辞をとるものとしてa を Et yip̃al aan...(グロス: 3sg.aor 物語る 彼(女); 訳:「彼(女)は物語った」)に続く形として示したのが以下の例であり、ehele、imta、u も同様のパターンである。 era-m̃〈あなたについて〉 era-i Lui〈ルイについて〉 a nelcau uwu-n〈彼のカヌー[1艘]について〉 a-ntaketha enaa〈あの女 (< intaketha) について〉 era-i kuri enaa〈あの犬について〉 erai- elcau uwu-n〈彼のカヌー[数艘]について〉 era-n〈それについて〉 一方、目的格代名詞(あるいは他動的)接尾辞をとるものとして va を Ek atapnes añak(グロス: 1sg.aor 閉める 私; 訳:「私は扉を閉めた」)に続く形で示した例は以下の通りであり、imi も同様のパターンである。 va-c〈あなたのせいで〉 va-i Lui〈ルイのせいで〉 va-i nelcau uwu-n〈彼のカヌー[1艘]のせいで〉 va-ntaketha enaa〈あの女のせいで〉 va-i kuri enaa〈あの犬のせいで〉 va-i elcau uwu-n〈彼のカヌー[数艘]のせいで〉 va-ñ〈そのせいで〉 前方照応(英: Anaphoric)は既に言及された対象に同じ文中で再び触れる際に用いられるが、その対象が有生(以下の例では tiapolo〈悪魔〉)か無生(以下の例では nworen〈場所〉)かで形が異なる。 Is amen a tiapolo is ithii, eris ika va-n Nagaarien. グロス: 3sg.pst 留まる s 悪魔 3sg.pst 一 3pl.pst 呼ぶ goal-彼を ナガーリエン 訳:「そこには悪魔がいて、彼はナガーリエンと呼ばれていた。」 ...a-nworen is ithii, eris ika va-ñ Inm̃anjap̃itac. グロス: loc-場所 3sg.pst 一 3pl.pst 呼ぶ goal-tr インムウァンジャブウィタグ 訳:「…インムウァンジャブウィタグと呼ばれた場所へ」
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