ちょう‐にん〔チヤウ‐〕【町人】
読み方:ちょうにん
江戸時代、都市に住んだ商・工業者の総称。狭義には家持ち・地主をいい、店(たな)借り・地借りは含まれない。中世までは身分として明確には成立していなかったが、近世初期の兵農分離政策により、士・農階層と区別して固定化された。身分的には下位におかれたが、両替商・札差などの金融業者は富を蓄積して領主の経済を動かし、また、町人文化の担い手ともなった。
まち‐にん【町人】
町人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/25 15:40 UTC 版)
町人(ちょうにん)は、江戸時代に城下町など大きな都市に住んでいた職人、商人の総称である。または当時の都市在住の庶民階級の総称であり、昔ながらの農地に住む庶民階級の百姓や都市在住の武士階級と区別して用いられた。
略歴・概要
16世紀後期から17世紀前期に、社会的分業に基く身分制度(武士・百姓・町人)が成立した。各大名は楽市・楽座政策を行い、免税特権や営業の自由の承認などによって商工業者を城下町に誘致した。このことにより職業的に農業との分離が促進され、より専門性が高まった。
優れた技術力と豊富な資金量は武士を圧倒する面も見せ、独自の都市文化(町人文化)の形成発展に寄与した。
町人は特に家屋敷を所有する家持層で表通りに店を構えるブルジョワ階級である旦那衆から、裏通りの裏店層の下層町人まで階級的落差があり、富裕町人は町政や公事にも参加し、町年寄を選ぶ選挙権や被選挙権を持つなど社会的身分や公的権利・義務を持っていた。
また富裕町人としての社会的役割のひとつに、賃貸しの長屋を持ち、わずかな店賃で店子に貸す慣習があった。そして大家を雇い、店子からの家賃の取立てや諸事の面倒など長屋の管理運営(差配)を任せ、その対価として店賃の免除などの優遇をした。
都市には富裕・下層町人のほか没落した都市下層民をはじめとする様々な階層の人間が居住しており、落語などに出てくる八つぁん・熊さんなどは借家人であるため町人にはあたらない[1]。徳川幕府の定義としては地主家主、最低でも居宅を自己所有している者のみ、後期はこれに大家(差配。上記のとおり家主代理であり居宅は家主から無料で貸与されている)までを加えて町人と呼んだが、いずれにしても町方人口の1割に満たず、江戸の庶民の圧倒的多数はこれに属していない。したがって、現代の視点、時代劇などでは厳密な制度上の用語とは別に、借家人も町人と呼ぶ場合もある。
戦後の実証主義的歴史研究においては町人・職人・商人など近世の社会集団に関する研究が進展する。1975年には中井信彦『町人』小学館「日本の歴史」において体系的な町人論が展開され、1980年代以降には中世史分野における網野善彦や桜井英治らの商職人研究とも相互に関係して、吉田伸之、塚田孝らの都市史研究の進捗に伴い町人研究が進展した。
女性
町女房(まちにょうぼう)は、江戸時代の都市(町方)、町人の家(町家)に住む女性の総称である[2]。
町方とは、村方・山方・浦方に対する「都市性」、武家・社寺に対する「民間性」、遊里に対する「現世性」を意味する語であり[3]、町女房とはつまり、江戸時代の都市の民間に住む一般女性を指す[2][3]。山岸荷葉の小説『町女房』(1906年)は、江戸時代の都市生活の延長線上にある明治時代の都市女性を描いたものである[4]。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
町人
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天風の名なしっ子(あまかぜのななしっこ) / さよ 声:谷井あすか 言葉が不自由で身寄りのない少女。行き倒れの主人公に自分のおにぎりをあたえる。天原の遊廓「天風」で下働きをしており、読み書きができず名前も伝えられないため「天風の名なしっ子」と呼ばれる。主人公に文字を教わった場合、「さよ」という本名を伝えられるようになる。もともと頭が良かったようで、主人公に文字を教わってからは弦庵も驚くほどに知識を身に着けていく。 舞風(まいかぜ) 声:児玉孝子 天風で一番の花魁。不幸な境遇にあっても気高い性格。身寄りのない名なしっ子に自分の力で生きるための仕事を与え、あえて厳しい態度で接しているが、本当は愛情深く見守っており、彼女の名前を知った際には大喜びする。 団八(だんぱち) 声:小上裕通 天風の用心棒で、雑事を担当している男。名なしっ子のよき理解者であり、事情通。愛刀は二刀構えの「金毘羅伐折羅(くびらばさら)」。 奈美・ファンバステン(なみ ファンバステン) 声:沢城みゆき 天風で人気のある金髪の花魁。その色香で男たちを意のままに動かし、青門組の半左衛門や不良同心の保野と通じて悪事に加担している。愛刀は脇構えの薙刀「蒼蓮華(そうれんか)」。 弦庵(げんあん) 声:伊丸岡篤 町外れで暮らしている町医者で、貧しい人々を治療し、支払いも余裕ができるまでの後払いを容認しているため、町民たちの絶大な人気と信頼を得ている。命を簡単に奪う侍を嫌っているが、その裏では大勢の患者を救うためにもっとも必要なのは「金」と断じ、それを得るために素魔の原料となる花を栽培し、青門組に流している。もともとは麻酔の原料だったが、素魔を買う「金持ち」の犠牲を容認し、貧しい人々を救うために自身を無理に納得させてきた。郷四郎も尊敬していたが、その実情を知ると「背負うべき大義に押し潰された愚か者」と非難する。弦庵自身もかなりの葛藤を抱えていたようであり、さよルート、奉行所ルートではともに無抵抗のまま郷四郎に殺害される。 千代(ちよ) 声:浜野ゆうき 弦庵の診療所で助手を担当している女性。面倒見がよい。 その正体は隠密「おぼろ」。天原祭りが終わると夜の町に現れ、主人公に襲いかかる。愛刀は忍者構えの「浮雲小太刀(うきぐものこだち)」。 九三郎(くさぶろう) 声:津川悟 薬売りの男。商売とは無関係なことに首を突っ込む性分。主人公のことを「旦那」と呼ぶ。 その正体は隠密。おぼろと同じく、夜に現れて主人公を抹殺しようとする。愛刀は忍者構えの「桜旋風(さくらつむじ)」。なお、殺害しても九三郎は無所属ルートの最終日に発生するイベントに登場する。 紅屋 角兵衛(べにや かくべえ) 声:吉野貴宏 天原でも有数の大商人。さよルートでは、さよを養子として引き取ろうとする。その正体は幕府の密偵で、無所属ルートでは主人公に天原の要人暗殺を依頼する。 堂島(どうじま) 声:伊丸岡篤 天原で唯一店を構える鍛冶屋。夜道を歩くのが日課。町人信頼度が低いときには主人公に襲い掛かる。また、彼の鍛冶屋で金を払わなかった場合でも襲われる(その際に「有り金を渡すから許して」を選択すると、驚いて迷う素振りを見せるが結局襲われる)。武器は二刀構えの鍛冶道具「此知ト重一(これともとしげかず)」。前作の鍛冶屋、堂島軍二と瓜ふたつだが、関係は不明。 黒生 鉄生(くろふ てっしょう) 声:秋元羊介 天原にある道場の師範。前作の黒生鉄心とよく似た風貌で、愛刀も前作で鉄心が所持する上段構えの「大黒生(おおくろなま)」。
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「町人」の例文・使い方・用例・文例
- 雇人の分際として何を言うか(あるいは、町人の分際で絹を着るとは、一書生の分際として天下の事に口を出すな、などに相当するは)
- 素町人だ
- 町人風情
- 町人根性
- 昔は町人を擯斥したものだ
- 町人ながらも腕に覚えのある彼はそんなおどし文句にはびくともしなかった
- 素町人の分際として武士に向かって好くもそんなことを言う
- (武士は武士、町人は町人)人は皆それぞれやり口がある
- 江戸時代,税金免除の代償として江戸市中の町人に課した賦役
- 江戸時代に大坂の町人に課した公役という費用
- 町人が着用する略式の袴
- 身分がいやしいただの町人
- 主に町人の経済生活を描いた浮世草子
- 町人の妻
- 江戸時代の町人
- 江戸時代の町人の家
- 江戸時代の町人の居住地
- 江戸時代,江戸市中を横行した町人出の侠客
- 絵合わせという,江戸町人の遊び
町人と同じ種類の言葉
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