京王自動車とは? わかりやすく解説

京王自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/16 13:53 UTC 版)

京王グループ > 京王電鉄 > 京王自動車
京王自動車株式会社
Keio Jidousha Co.,Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
206-0011
東京都多摩市関戸2-37-3[1]
せいせきさくらゲート4・5階
設立 1949年2月21日[1]
業種 陸運業
法人番号 1013401005755
事業内容 タクシーハイヤー事業
貸切バス特定バス事業ほか[1]
代表者 代表取締役 鳥居寛昭
資本金 1億円[1]
純利益
  • 2,100万円
(2024年3月期)[2]
純資産
  • 50億4,400万円
(2024年3月31日現在)[2]
総資産
  • 77億9,000万円
(2024年3月31日現在)[2]
従業員数 1,730人(2021年3月現在)[1]
決算期 3月31日
主要株主 京王電鉄 100%
外部リンク https://www.keiotaxi.co.jp/
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京王自動車のタクシー(日産・セドリック)

京王自動車株式会社(けいおうじどうしゃ)は、京王グループに属するタクシーハイヤー事業を運営する企業である。本社は東京都多摩市関戸2-37-3に所在し[1]、京王自動車営業所の跡地に京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター別館として建設された「せいせきさくらゲート」に入居する。

京王自動車バスサービス株式会社貸切バス特定バス事業も行っており、日本バス協会傘下の東京バス協会会員となっている[3]。バス営業所は京王バス南・南大沢営業所の敷地に隣接する[1]

タクシー事業では、東京23区から西多摩まで東京西部の広範囲にわたり営業区域を持つ[1]。かつては神奈川県内にも広く展開していたが、川崎市横浜市横須賀市からは撤退し、現在は京王電鉄京王相模原線)の運行エリアでもある相模原市に営業区域を有している[1]

概要

大手私鉄系のタクシー協同組合「東京私鉄自動車協同組合(私鉄協、現・私鉄協同無線センター)」に加盟し、長らく私鉄協の無線配車を使用してきたが、2020年2月より東京23区武蔵野市三鷹市内(都内特別区武三地区)のタクシー営業所では、東京四社営業委員会に加盟している京成グループ帝都自動車交通と業務提携を開始し、帝都自動車交通による無線配車に切り替えた[4][5][6]

旧・日産サニー京王販売株式会社の運営母体でもあった。

事業内容

  • タクシー事業 - タクシー・ハイヤー
  • バス事業 - 貸切バス・特定バス
  • 自動車関連事業
    • 車両運行管理 - 運転手派遣・車両管理・運行計画作成
    • 自動車整備販売・車両リース・損害保険代理
  • 不動産事業 - 商業ビル賃貸

ポイントサービス

「京王自動車個人会員」制度を設け、独自のポイントサービスを行っている[7]

京王パスポートクラブの発行するクレジットカードの利用、記名PASMOと京王パスポートカード(現金専用カード含む)を紐付ける「京王PAS×PASポイントサービス」の利用により、個人会員ポイントと「京王パスポートポイント」の双方でポイントサービスを受けることも可能である[4]

また、京王グループの株主優待制度で、タクシー運賃の割引、マイカー車検・点検整備の工賃割引サービスが受けられる[8]

沿革

京王自動車成立まで

事業拡大と統合

  • 1956年(昭和31年)~1977年(昭和52年)- この間に複数のタクシー会社を買収して事業規模を拡大[9]
    • 1966年(昭和41年)3月31日 - 関東バスより以下の2社を買収。
      • 関東交通株式会社(→新京王タクシー株式会社→京王自動車へ統合)[10]
      • 関東タクシー株式会社(→第二新京王タクシー株式会社→京王自動車へ統合)[10]
    • 時期不明 - 経営合理化のため、傘下の各社を京王自動車株式会社、多摩京王自動車株式会社、神奈川京王自動車株式会社、熱海京王自動車株式会社の4社へ統合[9]
  • 1994年平成6年)- 熱海京王自動車株式会社を売却[9]第一交通産業グループの「熱海第一交通」となる。
  • 1997年(平成9年)4月1日 - 京王自動車が、多摩京王自動車・神奈川京王自動車・京王ビル管理株式会社を吸収合併[10]
  • 2006年(平成18年)4月26日 - 警視庁と東京都の協力による防犯サービス「タクシーこども110番」に参加[10][12]
  • 2012年(平成24年)3月31日 - 氷川営業所(西多摩郡奥多摩町)を閉鎖。
  • 2013年(平成25年)9月26日 - 妊産婦を対象としたサービス「はぴママサポートタクシー」[13]を運行開始[10]
  • 2015年(平成27年)
  • 2016年(平成28年) - 京王自動車を母体とする「京王自動車グループ」として9社へ会社分割、車両運行業務を地域子会社へ分社化[9]
  • 2017年(平成29年)8月31日 - 「はぴママサポートタクシー」の累計登録件数が3万件を突破[17]
  • 2019年令和元年)3月29日 - 京王自動車京浜(横浜・川崎営業所)を日本交通横浜へ譲渡。横浜市・川崎市から撤退。
  • 2020年(令和2年)
    • 2月1日 - 多摩地域と相模原市で運賃改定、初乗り距離短縮運賃を導入(初乗り1.2km500円)[4]
    • 2月23日 - 都内23区・武蔵野・三鷹エリアにおける私鉄協による無線配車が終了[5]
    • 2月24日 - 都内23区・武蔵野・三鷹エリアにおいて帝都自動車交通との提携により帝都無線に加入して無線配車を開始[4][5][6]
  • 2022年(令和4年)
    • 8月1日 - タクシー・ハイヤーの地域子会社6社を京王自動車へ吸収合併する公告を発表[18]
    • 10月3日 - 京王自動車が、タクシー・ハイヤーの地域子会社6社を吸収合併。京王自動車グループの子会社はバス事業の子会社(京王自動車バスサービス)のみとなる。

タクシー営業区域

会社組織

タクシー・ハイヤー

本社はいずれも、東京都多摩市関戸2丁目37番地3に所在(京王自動車株式会社と同一)

  • 京王自動車城南(法人番号:3012401031256)
  • 京王自動車城西(法人番号:4012401031255)
  • 京王自動車調布(法人番号:2012401031257)
  • 京王自動車多摩北(法人番号:1012401031258)
    • 府中営業所
    • 昭島営業所
  • 京王自動車多摩南(法人番号:9012401031259)
    • 多摩中央営業所 - 多摩市南野
    • 町田営業所
  • 京王自動車多摩西(法人番号:7012401031260)

京王自動車バスサービス

京王自動車バスサービス株式会社として、貸切バス・特定バスを運行する。

  • 本社:東京都多摩市関戸2-37-3(京王自動車株式会社と同一)[19]
  • 法人番号:5012401031262[19]
  • バス営業所 - 八王子市南大沢5-26-2[1]
京王バス南大沢営業所に隣接する。八王子ナンバーの地域である。
南多摩尾根幹線道路沿いの「多摩境通り北」バス停留所[21]付近に位置する。神奈川中央交通多摩営業所が近くにあり、同営業所が運行する橋76系統(橋本駅北口 - 神奈中多摩車庫)が当該バス停に停車する。多摩ナンバーの地域である。このため、同社のバスには多摩ナンバーで登録されている車両も存在する。

車両整備業務

  • 恵比寿サービスセンター(渋谷区
  • 吉祥寺工場(三鷹市下連雀)- 吉祥寺営業所に併設
  • 八王子工場(八王子市明神町

車両

タクシー

タクシーは、日産自動車トヨタ自動車の車両を導入している。旧・日産サニー京王販売株式会社の運営母体であった関係で、日産自動車製の日産・セドリックを主に導入してきたが、トヨタ・クラウンコンフォートトヨタ・クラウンセダンも多数導入されている。かつては営業所により導入される車両のメーカーが異なっていた。

そのほか、ハイブリッドタクシーとしてトヨタ・プリウスJPN TAXI、ワゴンタクシーとしてミニバンタイプのトヨタ・エスクァイアユニバーサルデザインタクシーとして車椅子対応の日産・NV200バネットのタクシー仕様を導入している。以前存在した氷川営業所には日産・セレナハイルーフも在籍した。

トヨタ・エスクァイア京王プラザホテル西新宿)の常駐車両のため一般乗車不可、ホテル利用者のみ乗車可能。

タクシー車両のボディカラーは黒色と、京王電鉄のCIカラーに合わせたアイボリー地に京王レッド・京王ブルーの2色ストライプの「京王電鉄カラー」の車両が存在する。ユニバーサルデザインタクシーの車両は、白色ベースに黄色の水玉模様の専用塗装となっている。

行灯は一部車種と都内武三地区のものを除き私鉄協仕様のものを使用する。2020年2月の帝都自動車交通との業務提携に伴い、都内武三地区の営業所の車両は、行灯が私鉄協から帝都自動車交通のものへ交換され、京王電鉄カラーの車両も黒へ塗色変更される。

バス

バスは、日野自動車の車両を導入している[22]。過去にはいすゞ自動車ガーラミオ(初代LR)など、他メーカーの車両を導入していた時期もあった。バスには2桁数字の社番が付与され、車両を代替した場合は社番も置き換えられる。

大型バスは日野・セレガ(2代目)セレガRで、セレガはハイデッカーサロンバス、ハイデッカーショート、セレガRは車椅子用リフト付きバスが在籍する[22]2018年には日野・セレガ(ハイデッカー)の車椅子用リフト付きバスが導入された。

中型バスは日野・メルファ日野・レインボーII、小型バスは日野・リエッセマイクロバス日野・リエッセIIが在籍する[22]

2017年のモデルチェンジに対応し、中型車はレインボー(2代目KR)、マイクロバスはリエッセII(2代目B60・B70系)も導入された。いずれも京王グループでは初の導入となり、京王電鉄バスグループより先に納入された。2019年からはポンチョ(2DG-HX9JLCE)が導入され、リエッセの経年車を置き換えている。

ボディカラーは、京王電鉄バスグループの高速バス車両に合わせているが、「KEIO」ロゴの直後の文字が「Highway Express」ではなく「Shuttle Express」となっている[22]冠婚葬祭にも対応できるよう帯色を青とグレーに変えた車両も在籍する[22]

このほか、メルファやリエッセIIには、京王バスの昔のワンロマカラーを模した柄のセピア色基調の車両もある。また送迎バス専用車両には、委託元の企業や施設などに合わせた各種専用カラーの車両も存在する[23]

ボートレース多摩川シャトルバス専用車

多磨霊園駅府中本町駅を発着する多摩川競艇場(ボートレース多摩川)の無料シャトルバス[24]には専用の中型車が使用され、マスコットキャラクターカワセミ「ウェイキー」、萌えキャラの「静波まつり」[25]イラストラッピングされている。

多摩テック無料送迎バス専用車

かつては多摩テック無料送迎バスを運行しており、京王自動車が閉園まで担当した。無料送迎バスは、1997年に多摩テック内に天然温泉「クア・ガーデン」がオープンしたことから運行開始され、多摩動物公園駅と「クア・ガーデン」を結んでいた。

運行開始時は京王帝都電鉄(現:京王バス多摩営業所)が担当し、専用カラーの日野・リエッセ(K69703号車、KC-RX4JFAA、1997年式)が用意された[26]。のち京王自動車へ移管され、専用カラーのリエッセ(京王自動車58号車)が使用された。京王バスのリエッセと車両・カラーリングは異なる。

その他

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 会社情報”. 京王自動車株式会社. 2020年5月30日閲覧。
  2. ^ a b c 京王自動車株式会社 第105期決算公告
  3. ^ 事業者一覧 一般社団法人東京バス協会 東京の貸切バス
  4. ^ a b c d 京王タクシーが変わります! | 加盟店ニュース | 京王パスポートクラブ”. www.keio-passport.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
  5. ^ a b c 東京私鉄自動車協同組合の共同配車事業の終了に関するおしらせ 京王自動車 - 2019年9月17日
  6. ^ a b タクシー業務提携に係る協定書の締結について 京王自動車 - 2019年9月17日
  7. ^ 個人会員のご案内|タクシー|京王自動車株式会社”. www.keiotaxi.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
  8. ^ 株主優待制度|京王グループ”. www.keio.co.jp. 2020年5月30日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h 京王自動車(株) マイナビ2024、2023年4月9日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g 2019年京王ハンドブック データ集:年表”. 京王グループ (2019年8月). 2020年5月30日閲覧。
  11. ^ a b 『京王帝都 沿線たより』第1号1面、京王帝都電鉄、昭和30年(1955年)5月1日発行。
  12. ^ CSR活動(タクシーこども110番)”. 一般社団法人 東京ハイヤー・タクシー協会. 2020年5月30日閲覧。
  13. ^ はぴママサポートタクシー”. 京王自動車株式会社. 2020年5月30日閲覧。
  14. ^ a b 横須賀地区タクシー事業の譲渡に関するお知らせ 京王自動車 - 2015年6月9日 (PDF)
  15. ^ 小学生向けのタクシーサービス「はぴチルサポートタクシー」の受け付けを開始しました。”. 京王自動車株式会社 (2015年7月16日). 2020年5月30日閲覧。
  16. ^ PASMO Suica など交通系ICカードでのお支払が可能になりました!”. 京王自動車株式会社 (2015年12月10日). 2020年5月30日閲覧。
  17. ^ はぴママサポートタクシーの累計登録件数が30,000件を突破しました!”. 京王自動車株式会社 (2017年8月31日). 2020年5月30日閲覧。
  18. ^ 会社合併のお知らせ(合併公告) 京王自動車株式会社、2022年8月1日
  19. ^ a b 京王自動車バスサービス株式会社の情報 法人番号公表サイト、国税庁
  20. ^ 京王自動車バスサービス株式会社多摩境営業所”. goo地図. 2022年5月5日閲覧。
  21. ^ 「多摩境通り北」の時刻表/バス乗換案内/路線図/地図”. NAVITIME. 2020年5月30日閲覧。
  22. ^ a b c d e 貸切バス 京王自動車公式サイト
  23. ^ 特定バス 京王自動車公式サイト
  24. ^ 交通ガイド”. ボートレース多摩川オフィシャル. 2020年5月30日閲覧。
  25. ^ 静波まつりプロフィール”. ボートレース多摩川オフィシャル. 2020年5月30日閲覧。
  26. ^ バスジャパン ニューハンドブックシリーズ 27 京王電鉄 京王バス 西東京バス』pp.44-45、BJエディターズ/星雲社、1999年4月1日。ISBN 4-7952-7783-4
  27. ^ 京王自動車工業株式会社

参考文献

関連項目

外部リンク


京王自動車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 17:46 UTC 版)

東京私鉄自動車協同組合」の記事における「京王自動車」の解説

無線配車都内武三地区営業区域を持つ、京王自動車城西および京王自動車城南営業所吉祥寺営業所杉並営業所目黒営業所)のみ私鉄協無線センター配車していた。それ以外多摩地区神奈川県内営業所については自社無線センターによる配車のため、私鉄協離脱後も変更はない。京王自動車京浜については後述

※この「京王自動車」の解説は、「東京私鉄自動車協同組合」の解説の一部です。
「京王自動車」を含む「東京私鉄自動車協同組合」の記事については、「東京私鉄自動車協同組合」の概要を参照ください。

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