宮城県
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/17 14:36 UTC 版)
経済・産業
2018年度(平成30年度)の県内総生産は9兆2560億円である[35]。同年度の県民所得は6兆8191億円であり、一人当たり県民所得は294.5万円である。
第一次産業は、デフレーションによる農産物の価格低迷、水産物の水揚げ高の変動や重油価格の高騰により不況感がある。第二次産業は、工場の統廃合や業界再編の時期が過ぎ、収益性が上がってきている。第三次産業は、ほかの七大都市圏を擁する都道府県と同様に、仙台都心部で仙台経済圏を対象とした広域ビジネスを展開する高級消費財を扱う業種、各地域の大型ロードサイドショップが好調なのに対し、商圏が半径数百m程度の最寄品を販売する小規模商店は苦境に立っている。
第一次産業
総生産額は1525億円、県内総生産に占める割合は1.6%(2018年)である[36]。
農業については、平野部では米(ササニシキ、ひとめぼれなど)が主であるが、南部の沿岸地域では海洋性気候のため温暖であり、奥羽山脈・阿武隈高地(亘理丘陵)に雪雲が遮られて冬季の晴天率が高いことを利用し、イチゴなどのハウス栽培もおこなわれ、松島丘陵(特に利府町)では梨の栽培が盛んである。鳴子町や蔵王町などの高冷地ではブルーベリーの栽培も行われている。高級和牛牛肉である仙台牛の産地となっており畜産業が盛んである[37]。少量ではあるが日本で唯一、木綿の栽培が行われている[38]。
漁業については、全国有数の水揚げ高を有する漁港がある。松島湾や三陸海岸の入り江では、カキ・ホタテ・ホヤなどの養殖漁業も盛ん。仙台市の沖合い2キロメートル辺りでは海苔の養殖も行われている。県内の主要港は、遠洋漁業(マグロ、以前はクジラも)の基地としても機能しているため、自然と海外との交流をしており、外国人船員も多く立ち寄る。また、かつおを追って北上してくる高知県の船員や、さんまを追って南下してくる北海道の船員も多く立ち寄っており、仙台駅、仙台空港に並ぶ、宮城県の第3の玄関口となっている。東日本大震災後は仙台湾の海底の変化により、ガザミの生息数が急増し2015年には全国1位の漁獲量となっている[39]。以下に、2002年(平成14年)の貝類・海藻類を除く海での漁獲高による全国順位などを示す。
第二次産業
総生産額は2兆4177億円、県内総生産に占める割合は25.4パーセント(2018年)である[36]。食料品は水産加工品など、電気機械はICなどの電子機械等が主である。石油石炭製品の工場は仙台港周辺に集中立地している。石巻市と岩沼市に大規模な日本製紙の工場がある。
第三次産業
総生産額は6兆9323億円、県内総生産に占める割合は72.9パーセント(2018年)[36]。サービス業、卸売小売業共に仙台市を拠点としている。
仙台経済圏の成立により、物販面では、高額商品やファッション性の高い買回品・専門品の販売地として一番町と仙台駅前が求心力を強め、その商圏が仙台経済圏の周辺都市圏にまで広がりを見せている。
娯楽・レジャー面では、仙台市都心部や仙台都市圏が供給する文化・スポーツイベントなどの求心力が、仙台経済圏に及んでいる。ただし、県内の小規模市町村のみならず仙台市内も含め、最寄品の販売を中心としてきた地元商店街は、郊外型大規模小売店、ロードサイドショップ、スーパーセンターに、価格競争や駐車場などのサービスで敗北して衰退している。
規模の大小があるが、周辺地域から集客する能力のある商業拠点に以下のようなものがある。宮城県内の各地域の商業事情だが、集客力は仙台都市圏が優勢でその他の都市の商業基盤は沈下傾向にある。
- 仙台市中心部
- 主要幹線道路にはロードサイドショップや大規模郊外店が集積し、中心部商店街の地盤沈下が危ぶまれたが、高速バスの発達などにより、宮城県内はもとより、山形県や福島県などからも集客が進み、特に一番町ではブランド街化が進んでいる。また、人口の約1パーセント(約1万人)が外国人居住者であるが、大学・専門学校等の教員や学生が多く、ほかの大都市圏のような飲食店や小売業などにおける存在感は希薄である。ただ、韓国料理や東南アジアの料理などにおいて少しずつその存在感は増してきている。
- 仙台北部
- 仙台市泉区を東西に貫く七北田川の北岸に泉中央駅、南岸に八乙女駅があり、これらが一体となって仙台の北の副都心を形成しているが、七北田川沿いの平地が元々少ない上、市街地指定の土地も少なく、大規模店が進出できる土地が残されていない。泉中央は、もともと車でアクセスするロードサイド店型の店舗形態が優勢であったが、狭い土地であるために渋滞が激しく、ロードサイド店型の出店形式が合わない地区に変化した。このあおりで、ダイエー仙台泉店は広大な駐車場を持ちながらも業績が悪化して閉店に追い込まれた。一方、泉中央には、地下鉄のターミナル駅の泉中央駅があるため徒歩移動している人が比較的多いこと、低層であるがオフィスビルが集中していること、ベガルタ仙台のホームスタジアムである仙台スタジアムがあり、試合前後に2万人近い観客が集中すること、などにより飲み屋街も形成されて都市機能の集積が進み、イトーヨーカ堂などの駅前立地型の大規模店は生き残っている。このような泉中央の副都心化により、「泉中央の郊外」といえる商業地が形成されている。それは、国道4号バイパスの内側にある泉中央に対し、バイパス沿いまたは外側にある富谷市や泉区松陵地区の幹線道路沿いのロードサイドショップ群であり、富谷市には、シネマコンプレックスなどを併設した郊外大規模店も進出した。なお、泉中央とその郊外という小都市圏の形成によって、仙台市都心部と泉中央を結ぶ旧国道4号(県道仙台泉線)沿いのロードサイドショップは集客力を大きく減らし、閉店したり業績悪化に見舞われ、現在はマンションへの建て替え傾向が強い。また、富谷市の更に北に隣接する大和町に、日系ブラジル人の増加がやや見られるが、商業にインパクトを与えるほどにはなっていない。
- 仙台北東部
- 仙台 - 松島の間には、国道4号バイパス沿いに仙台市が設定したグリーンベルト地区(稲作地保全地区)と、流通・工業地指定された卸町・扇町・六丁の目があり、住宅建設や商業(車関係以外)がほとんどできない広大な地域が南北に横たわっている。このような自然障壁ならぬ条例障壁によって、仙台都市圏北東部は、仙台市都心部から見て、商業・住宅の「飛び地」となっている。都心と「飛び地」および松島方面とを結ぶ道路には、一般道の国道45号・利府街道・産業道路、および、高速道路の三陸道などがあり、並走している。その内、仙台 - 松島間を最短で結ぶ利府街道は、旧来から都市機能が集積している仙台市宮城野区北東部 - 多賀城 - 塩竈のバイパス機能を持ち、三陸道・仙台北部道路・仙台東部道路などの高速道の結節点としての機能や、宮城スタジアムを中心とした大規模集客施設の玄関となって地位が上がった。また、利府町の丘陵地が開発されて仙台のベッドタウンとなり、人口が増加して商業の集積が進んだ。利府街道沿いは、市街地化が制限された農地に指定されているため、沿道をロードサイド店舗が埋める形ではなく、市街地指定の利府町中心部に大規模店やロードサイド店などが集中立地している。なお、近年、工業・流通地区指定が解除され始めた仙台港後背地(宮城野区北東部 - 多賀城市 : 産業道路沿い)の大規模区画にも次々と郊外大規模小売店が出店しており、国道45号沿いとともに「飛び地」内で三つ巴の過当競争状態になりつつある。
- 仙台南部
- 仙台都心部の南には長町副都心があるが、副都心指定されていないものの都心に近接する北の北仙台地区と同様に、マンション地区となっている。距離的には北仙台と長町が都心と同じ位置にあるが、歴史的な経緯や旧国道4号の走行の違い、背景人口の違いによって発展が異なった。また、国道286号バイパス沿いの市街化調整区域を市街化区域に変更するようになり、隣接する長町 - 長町南が副都心指定された。同じ副都心指定の泉中央のような業務機能の集積は少ないが、長町は商業中心の1つとして機能し、北仙台とは異なった道を歩んでいる。近年の動きとして、長町駅東側の再開発「あすと長町」によって長町の副都心としての機能充実が期待されるのと同時に、仙台空港線の駅前開発が活発化してきている。特に、杜せきのした駅前には「イオンモール名取」が開業し、泉中央の同心円状の小都市圏とは異なって、鉄道・自動車交通をインフラとした長細いレールサイド・ロードサイド商業圏に収斂しつつある。
- 塩竈市
- 仙台市の外港として発展した塩竈の中心市街地は、以前は「飛び地」の中心であったが、車でのショッピングが便利な利府町、多賀城市、仙台港後背地にある郊外大規模小売店などにおされ気味である。ただし、中心市街地には安くて美味しいと評判の寿司店が多く、松島観光の客のみならず、仙台など広域から集客している。
- 大崎市
- 2006年(平成18年)3月に、古川市とその周辺の6町が合併して、大崎市が発足した。県北部の中心都市として、古川駅周辺の中心部商店街が存在しているが、商圏が広域であるため、国道4号バイパス沿いなどのロードサイド店の方に勢いがある。古川地区は仙台都市圏以外で人口の増加が見られる県内では数少ない地域の一つであり、商業機能の面では石巻都市圏を凌ぐ勢いの時期もあった。ただ、仙台方面への新幹線や高速バスでの通勤通学者や買い物客も多く、特に中心商店街の再活性化が課題である。また市域南東部の鹿島台商圏は1997年(平成9年)に開店したロックタウン鹿島台が中心となり、やや広域を対象としたチェーン店では古川・鹿島台の市内2ヶ所に開店させた事例が目立つ。しかしながら2006年(平成18年)発行の宮城県「消費購買動向調査報告書」によると、旧鹿島台町は商圏の基準を満たさず、商圏中心都市の座を降りることとなった。なお鹿島台・松山地域においては仙台方面への東北本線での通勤通学者や買い物客も多い。
- 佐沼(登米市)
- 周辺は人口密度が希薄な地帯であるが、飲食店の集積率が高く、一通りの買い回り品は揃う。そのため、登米市の中心市街地として市内および岩手県南からの客も集める。ただし、ロードサイド店が限定的であるため、近年の三陸自動車道の延伸後は買い物客の圏外流出(石巻や仙台)が顕著となり、同時に旧市街地の集客力も低下している。
- 築館(栗原市)
- 国道4号沿いのロードサイドショップが優位。古川への依存傾向がある。
- 気仙沼市
- 港地区の旧市街地と、気仙沼市立病院(旧:公立気仙沼総合病院)を中心とした新市街地とがある。岩手県三陸南部の諸都市とともに独自の商圏を形成している。域外の依存する商圏は、一関市(岩手県南西部)と仙台市。
- 石巻市
- 県東部の中心都市として、宮城県内では仙台市以外で唯一のデパートが立地する中心部商店街がある。ただし、バイパス沿道のロードサイドショップの方が優勢である。工業の業績改善傾向による消費意欲の増大や、三陸自動車道の整備による商圏の広域化のため、大規模小売店の集積傾向が強くなり、買い物客の域外流出傾向から流入傾向に変化しつつある。特に石巻河南インターチェンジ周辺は近年急速な発展を続けており、県内では仙台周辺地域に次ぐ商業機能を持つ。また、猫島として有名な田代島や石ノ森萬画館などの多くの観光施設を有する。
- 大河原町
- 消費購買動向調査(平成20年)によると、大河原町の商業は一次商圏に村田町・大河原町・蔵王町・川崎町・角田市・白石市、二次商圏に柴田町・丸森町、三次商圏に七ヶ宿町を擁し、仙南圏の全市町に影響を及ぼす地域型商圏を維持していることが明かになった。前回調査(平成17年)と比較すると、商圏範囲は変動がなく2市7町をそのまま継続。商圏人口は常住人口の減少で192,879人から188,313人に減少。吸引人口は蔵王町・白石市・村田町・柴田町・丸森町・角田市・大河原町からの吸引率が上昇して64,960人から74,807人に増加。買回品の地元購買率は65.0パーセントから67.8パーセントに上昇している。このことから、大河原町の商業は仙南圏での勢力を拡大して拠点性を強めていると考えられる。大河原は仙南圏を管轄する国や県の出先機関が多い役所の町で、中心街の本町・中町および大河原駅前は商店街になっている。しかし現在、中心街の商業活動は低落し、商業地としての活況は大規模店や中規模店が建並ぶ国道4号および県道亘理大河原川崎線沿道の新市街へ完全移動している。主な大型店としては、県道亘理大河原川崎線沿道に映画館とボウリング場を併設した仙南圏最大の大型店フォルテ(核店舗 ヨークベニマル)、国道4号沿道に全棟独立タイプの さくらショッピングセンター(核店舗 ケーヨーデイツー、みやぎ生協)があり、その他にも家電量販店など買回性の強い店舗が多数立地している。これらの店舗は、東端のフォルテと西端の さくらショッピングセンターを結ぶ4キロメートル区間に集中し、ロードサイドショップが連なる国道4号沿道は仙南圏で随一の商業ゾーンになっている。この商業ゾーンの特徴の一つに、飲食店の多さを挙げることができる。消費購買動向調査によると、村田町民の63.8パーセント、蔵王町民の63.4パーセント、角田市民の40.6パーセントが大河原町内で「家族連れ外食」を楽しんでいるという。しかし、大河原町自体の買回品購買は仙台市・名取市に流出する傾向があり、両市の三次商圏に組み込まれている。なお、フォルテ周辺には仙南芸術文化センター・町総合体育館・仙南広域消防本部・大河原警察署・みやぎ県南中核病院があり、商業以外の面でも仙南圏の拠点ゾーンとなっている。平成19年商業統計調査による大河原町の年間小売販売額は3,949,889万円。それを大河原町の人口23,444人(平成19年10月推計人口)で除した「1人当たりの年間小売販売額」は168万円で、県平均の108万円を大きく上回って突出している。
- 白石市
- 消費購買動向調査(平成20年)によると、白石市の商業は一次商圏に七ヶ宿町・白石市、三次商圏に蔵王町を擁し、小規模な地区型商圏を維持していることが明かになった。前回調査(平成17年)に比べて商圏範囲は1市3町から1市2町に減少。商圏人口は72,888人から54,012人に減少。吸引人口は25,179人から17,591人に減少。買回品の地元購買率も50.7パーセントから38.5パーセントに低下して、商勢力は大きく縮小している。その要因として、丸森町の商圏離脱、大河原町と名取市への流出率増加、商圏範囲の常住人口減少がある。休日を中心に福島ナンバーの自動車がかなりみられる。伊達市・桑折町・国見町には大型商業施設、郊外型店舗が集積している地区が存在しないこと、福島市より距離が近いことなどから流入していることが考えられる。みやぎ生協白石店では福島県在住者に対して組合員(メンバー)加入を呼び掛けており、マルホンカウボーイにおいても大震災から復興を宮城県民とともに福島県民にも呼びかけた掲示物を掲げていた。白石は江戸期の城下町から発展した小都市で、中心街の東北本線白石駅前通は長年にわたって仙南圏の最高路線価を保持し、中町から長町にかけては仙南圏で唯一のアーケード商店街になっている。このように白石の中心街は仙南圏で最も繁華な商業地だった面影を随所に残しているが、今は仙南圏をカバーする商業拠点を大河原町に譲り渡しているのが実情である。現在、白石市の商業地は中心街から1.5キロメートルほど離れた大平森合地区の国道4号沿道に移動している。主な大型店としては、国道4号沿道にアムザショッピングタウン(核店舗 マルホンカウボーイ・ケーヨーデイツー)・セラビ(核店舗 みやぎ生協・ジャスト)があり、国道4号と中心商店街の中間には片倉ショッピングセンター(核店舗 ヨークベニマル)が出店している。国道4号沿道はアムザとセラビを核に800mにわたって郊外型店舗が連続する商業ゾーンだが、2007年(平成19年)にはアムザに入居していたベスト電器が閉店。白石市は角田市とともに家電量販店のない市となった。市内唯一の家電量販店の閉店は市民にとって少なからず衝撃で、「市民が選んだ平成19年10大ニュース」の3位にランクインしている。同じく2007年(平成19年)、アーケード商店街に立地して中心街の核店舗となっていたスーパーのヤオチュウ本店も閉店している。七ヶ宿町と蔵王町を商圏に取込み、その商圏の中心市に位置付けられている白石市だが、家電、スポーツ用品など買回品の購買を大河原町などに流出させ、大河原町の一次商圏および仙台市・名取市の三次商圏に組込まれている。平成19年度に国が実施した商業統計調査による白石市の年間小売販売額は3,597,800万円。それを白石市の人口39,492人(平成19年10月推計人口)で除した「1人当たりの年間小売販売額」は91万円で、県平均の108万円を下回っている。
- 柴田町
- 消費購買動向調査(平成20年)によると、柴田町の商業は一次商圏に柴田町、三次商圏に村田町・角田市を擁しているが、前回調査(平成17年)に比べて商圏範囲は1市4町から1市2町に減少。商圏人口は122,911人から83,995人に減少。吸引人口は25,963人から15,570人に減少。買回品の地元購買率も44.6パーセントから32.5パーセントに低下して商勢力は大きく縮小している。その要因には、大河原町と蔵王町の商圏離脱、名取市と大河原町への流出率増加、商圏範囲の常住人口減少がある。なお、同調査の結果報告書は、商圏中心市区町村であるための要件(買回品の地元購買率が30パーセント以上の市区町村で、一次商圏又は二次商圏に該当する市区町村を一つ以上有するもの)を満たしていないとして、柴田町を商圏中心町から外している。柴田町の船岡は江戸期に小さな城下町(要害)であったが、1939年(昭和14年)に海軍火薬廠が設置されて急速に人口を増やした新しい町でもある。銀座通、船岡駅前通が中心街に相当するが、概して中心商店街の形成が未成熟のまま商業の郊外化時代に突入した観がある。1980年(昭和55年)、開通したばかりの国道4号沿道に 当時としては超大型のショッピングセンター サンコア(現在は イオン)がオープン。サンコアの開店で仙南圏の商圏は激変し、商業拠点は白石市から柴田町へ移った。しかし1994年(平成6年)、サンコアの2倍規模で大河原町にフォルテがオープンすると、今度は柴田町から大河原町に商業拠点が移動し始めた。主な大型店にサンコア(核店舗 ジャスコ)、柴田東ショッピングセンター(核店舗 マックスバリュ、ホーマック)、柴田ショッピングプラザ(核店舗 ヨークベニマル)があるが、立地場所が飛び飛びで集中性に欠けている。さらに2009年(平成21年)10月、サンコアが倒産して すべての専門店が閉店。キーテナントだったジャスコが施設全体を使用し営業するようになった。このような中、柴田町で最も商業ゾーンらしい景観を呈しているのは、イオンを核とする国道4号沿道の1.5キロメートル区間であるが、家電・紳士服などの専門店は立地しておらず、買回品の購買は大河原町などへの流出がみられ、大河原町、名取市、仙台市の二次商圏に組込まれている。平成19年商業統計調査による柴田町の年間小売販売額は3,430,161万円。それを柴田町の人口39,809人(平成19年10月推計人口)で除した「1人当たりの年間小売販売額」は86万円で、県平均の108万円を下回っている。
- 角田市
- 消費購買動向調査(平成20年)によると、角田市の商業は一次商圏に丸森町、二次商圏に角田市を擁しているが、買回品の地元購買率が29.5パーセントと低率なため、同調査の結果報告書は角田市を商圏中心市から外している。前回調査(平成17年)と比較すると、商圏範囲は変動がなく1市1町をそのまま継続。商圏人口は50,677人から48,945人に減少。吸引人口は17,570人から14,619人に減少。買回品の地元購買率も34.5パーセントから29.5パーセントに低下して商勢力を縮小している。その要因として、名取市、大河原町への流出率増加および商圏範囲の常住人口減少がある。角田は江戸期の小さな城下町(要害)から発展した小都市で、中心街の本町・仲町・天神町・田町などの商店街は、狭いながらも歩道が整備され、街路灯が設置され、仙南圏では白石に次ぐ第二の商業地であった昔を景観の中に残している。しかし現在、中心街の集客力は凋落し、商業地としての活況は郊外型店舗が並ぶ国道113号沿道の新市街へ移動している。主な大型店に角田ショッピングセンター(核店舗 ヨークベニマル・コメリ)などがあり、集客力の強い角田ショッピングセンターが立地する国道113号沿道は、1キロメートルにわたって郊外型店舗が並ぶ商業ゾーンになっている。しかし、家電、パソコン、家具、インテリア用品、スポーツ用品、レジャー用品などの文化品を扱う店舗が乏しく、買回品の購買は大河原町などへ流出し、大河原町の一次商圏、名取市の二次商圏、仙台市および柴田町の三次商圏に組み込まれている。また、角田市の特徴に「家族づれ外食」の地元支持率の低さがある。大河原町民の69.2パーセントが大河原町内、白石市民の40.9パーセントが白石市内、柴田町民の27.4パーセントが柴田町内を「家族づれ外食」の場にしているが、角田市内を「家族連れ外食」の場にする角田市民は16.5パーセントに過ぎない[要出典]。角田市には自動車用部品製造のケーヒンなどが立地し工業出荷額は仙南圏で最高である。平成19年商業統計調査による角田市の年間小売販売額は2,473,111万円。それを角田市の人口32,968人(平成19年10月推計人口)で除した「1人当たりの年間小売販売額」は75万円で、県平均の108万円を下回っている。
指定金融機関
|
|
|
注釈
出典
- ^ a b c d e “宮城県の地勢・気候・コラム”(仙台管区気象台)2019年7月20日閲覧。
- ^ a b c d 『宮城県の地名』15頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典4 宮城県』24頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典4 宮城県』25-26頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典4 宮城県』31-33頁。
- ^ 『宮城県の地名』20頁。
- ^ a b “みやぎの産業(農業)”(宮城県)2019年7月20日閲覧。
- ^ a b 『日本地名大百科』 小学館、1996年、1114-1115頁。
- ^ “みやぎの産業(水産業)”(宮城県)2019年7月20日閲覧。
- ^ “宮城の伝統的工芸品一覧”(宮城県)2019年7月20日閲覧。
- ^ “宮城県の位置・気候”(宮城県)2019年7月20日閲覧。
- ^ 『仙台市史』特別編1(自然)497-498頁。
- ^ “日本の条約湿地”(環境省)2019年7月21日閲覧。
- ^ 北海道・東北地方の東西南北端点と重心の経度緯度(国土交通省国土地理院)
- ^ 14 全国、都道府県の人口重心(平成7年・12年)(独立行政法人統計センター)
- ^ a b “気象警報・注意報や天気予報の発表区域 -宮城県 (PDF)”. 気象庁 (2016年10月10日). 2018年9月20日閲覧。
- ^ “震度情報や緊急地震速報で用いる区域の名称”. 気象庁 (2016年10月13日). 2018年9月20日閲覧。
- ^ “宮城県地域区分図”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “気仙沼地方振興事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “東部地方振興事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “東部地方振興事務所登米地域事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “北部地方振興事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “北部地方振興事務所栗原地域事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “仙台地方振興事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ “大河原地方振興事務所”(宮城県)2019年7月25日閲覧。
- ^ 協議会の概要(仙台都市圏広域行政推進協議会)
- ^ 黒川地域行政事務組合
- ^ 亘理地区行政事務組合
- ^ 塩釜地区広域行政連絡協議会
- ^ 亘理名取地区広域行政連絡協議会
- ^ 漁業を巡る国際情勢(外務省)
- ^ 平成17年国勢調査1次結果(宮城県)
- ^ 平成27年国勢調査人口等基本集計結果(確定値)(宮城県)
- ^ 今泉隆雄「宮城の夜明け」33-35ページ(渡辺信夫・今泉隆雄・大石直正・難波信雄『宮城県の歴史』山川出版社 1999年3月)
- ^ 平成20年度 宮城県民経済計算(確報)
- ^ a b c 平成30年度 宮城県民経済計算年報(概要版)-みやぎの経済のすがた 2018- 令和2年12月宮城県震災復興・企画部統計課 - 2021年1月2日閲覧。
- ^ 仙台牛・仙台黒毛和牛について - 宮城県公式ウェブサイト
- ^ <震災7年半>実れ 復興の綿花(上)生産者/前例なき栽培に挑む - 河北新報
- ^ 宮城:ワタリガニ、震災契機に漁獲激増 新たな名物に - 毎日新聞
- ^ 都道府県別1km当たり渋滞損失額 Archived 2007年2月7日, at the Wayback Machine.
- ^ 宮城県の渋滞3Dマップ Archived 2007年2月11日, at the Wayback Machine.[リンク切れ]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 名誉県民・県民栄誉賞・知事表彰 - 宮城県、2019年7月28日閲覧。
- ^ 宮城県県民栄誉賞規則 (PDF) - 宮城県、2019年7月28日閲覧。
固有名詞の分類
- 宮城県のページへのリンク