宮城県仙台市
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指定年月日:2002年(平成14年)3月29日 事業期間:2001年度 - 2005年度の5年間 主な事業者:仙台市交通局・宮城交通 1999年(平成11年)7月に市は「アクセス30分構想」を策定した。「アクセス30分構想」は、市街化区域内から仙台市都心部へ30分以内で到達出来るように交通体系を整備する構想であり、時間軸でのコンパクトシティを目指したものである。この構想のうち、バス交通に関わる施策を実現するためにオムニバスタウンの指定を受けた。同事業では、市民向けの施策と共に観光客向けの施策も行われた。 仙台都市圏ではこの時期、1998年(平成10年)8月に仙台市が地下鉄東西線計画の具体的なルート案を公表し、2000年(平成12年)3月にJR仙石線の地下化開業および東西線のルート正式決定、2003年(平成15年)9月に東西線事業認可、同年10月にSuicaの導入、2004年(平成16年)3月にJR仙石線・小鶴新田駅開業など鉄道の整備も進んだ。また、オムニバスタウン事業期間中に建設されたり議論されていた仙台空港鉄道仙台空港線、JR東北本線・太子堂駅、JR仙山線・東北福祉大前駅が、2007年(平成19年)3月18日に開業に至っている。 郊外↔都心 指定前から仙台市地下鉄南北線でバスから鉄道への乗り継ぎ促進策が導入されていたが、これをJR線にも広げる施策が採られ、渋滞による経済的損失が高い国道45号や仙台西道路と並走するJR線の駅前広場や接続道路の整備が行われた(東西方向)。南北方向は、地下鉄と並走しながらも経済的損失がなお高く、上記の一般的施策とパークアンドライドやキスアンドライドが推進された。郊外↔都心の時間短縮は諸所で達成されたが、地下鉄とバスがともに市営であるため実現できた乗継割引が、JRとバスでは運営主体が異なるため乗り換えで運賃増となり、経済的インセンティブが働かなかった。また、モータリゼーション、および、職場や物販の郊外化が進んでいるため、バスの利用者の顕著な増加は見られなかった。なお、新規に整備対象となった駅前広場は以下の9箇所である。JR仙台駅(東口) JR仙石線:陸前原ノ町駅・小鶴新田駅・陸前高砂駅 JR東北本線:南仙台駅(西口・東口)・岩切駅 JR仙山線:陸前落合駅 仙台市地下鉄南北線:泉中央駅 都心部 2002年(平成14年)2月、都心部にゾーン料金制の「100円パッ区」が導入されたことにより、都心部のバス利用者が年々増加している。その理由として、都心↔郊外を行き交うバスが都心部に集中しているため本数が充分あること、実質的な初乗り料金値下げであったこと、仙台駅や都心の地下鉄駅で降りてから目的地までの移動にタクシーを使うより安いこと、都心部で自転車を利用する者には放置自転車取締り強化があったことなどが挙げられ、時間短縮よりも経済的インセンティブが働いて公共交通利用が推進された。 観光客向け 1999年(平成11年)から運行している仙台市観光シティループバス「るーぷる仙台」の利便性向上のため、特別号の運行および増車を行い、また、臨時便でもバスロケーションシステム「どこバス仙台」で検索できるよう改善した。さらに2004年(平成16年)からは、仙台都市圏の交通機関横断的な周遊券「仙台まるごとパス」の発券も開始した。
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