ローマ法王庁とは? わかりやすく解説

ローマ教皇庁

(ローマ法王庁 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 15:16 UTC 版)

教皇庁紋章

ローマ教皇庁(ローマきょうこうちょう、ラテン語: Curia Romana)は、使徒ペトロに由来するとされる使徒継承教会の首長としての地位の継承者として存続するカトリック教会聖座使徒座)の(統治)機関のこと(Can. 360 CIC 1983)。また、ローマ教皇の下に全世界のカトリック教会を統率する組織であり、国際法上の主権実体として外交使節の派遣や大使館の設置も行う(バチカン市国基本法第二条)。現在の所在地はローマバチカンであり、バチカン市国という世界最小の主権国家の中に置かれている。

かつて教皇は世俗の領主のように自らの領地(教皇領)を持っており、事実上国家と同様に独立した行政権を領地内で行使していたが、19世紀末のイタリア統一運動の中で失っている。ラテラノ条約によって成立したバチカンは、聖座が支配する国際法上の主権国家であるが、かつての教皇領のような世俗的支配を行う領地ではなく、国民は教会関係者のみである。

なお、14世紀のいわゆる「アヴィニョン捕囚」の時代、教皇庁は南フランスのアヴィニョンに遷座された(アヴィニョン教皇庁)。

日本語の呼称について

日本において教皇庁の呼び方として「教皇庁」と「法王庁」が混用されてきた。

日本のカトリック教会の中央団体であるカトリック中央協議会では、1981年ヨハネ・パウロ2世の来日時に、それまで混用されてきた「教皇」と「法王」の呼び方を統一しようと、世俗的な君主を思わせる「王」の字が入る「法王」でなく、「教皇」という呼び方への統一を定めた。教会や歴史関係では、それ以前にも「教皇」の方が多く用いられていたようである。

その後、カトリック中央協議会は、マスメディア等の一般に「教皇」の名称を使用するよう呼びかけてきた。カトリック中央協議会は、東京大使館においても「法王庁」から「教皇庁」への名称の変更を行おうとしたが、日本政府から「日本における各国公館の名称変更はクーデターなどによる国名変更時など特別な場合以外認められない」との理由からほとんど即答に近い形で却下され、「ローマ法王庁大使館」の名称が残ったとしている[1]。このため日本のカトリック教会が「教皇」という名称に統一している現在においても、マスメディアでは日本の外交界における公式名称である「ローマ法王庁」が用いられることが多いとしている[1]

2018年には、山内康一立憲民主党衆議院議員)が衆議院予算委員会において「教皇」に変更するべきではないかと質問を行っている。これを受けて外務省はバチカンとローマ法王庁大使館に問い合わせを行ったが、いずれも変更を求めていないという回答を得ている。河野太郎外務大臣グルジアからジョージアへ変更を行った事例のように、変更の要求があった場合にはしっかりと対応していくと答弁している[2]

2019年11月23日に教皇フランシスコが日本を訪問することを受け、政府は11月20日に「教皇」への呼称変更を発表した[3][4]

マスメディアの呼称

NHKでは、「ローマ法王」「法王」が慣用的に使われ、一般に定着しているとして原則的には「法王」の呼称を用いるとしていた[5]が、日本のカトリック関係者を中心に「教皇」と呼ばれていること、2019年11月22日の教皇フランシスコの訪日にあわせて日本政府が「教皇」に呼称変更したことを踏まえ、「ローマ教皇」の呼称に変更した[6]。また、読売新聞朝日新聞毎日新聞産経新聞日本経済新聞といった主要紙、共同通信時事通信も「ローマ教皇」の呼称に表記を変更した[7][8]

組織概要

2023年7月現在の教皇庁組織は以下のような構成になっている[9]

  • 財務機関
    • 財務評議会
    • 財務事務局
    • 使徒座管財局英語版
    • 監査室
    • 機密保持委員会
    • 投資監査院
  • 弁護士
    • 教皇庁弁護士名簿
    • 聖座弁護団
  • 関連機関

脚注

注釈

  1. ^ 国務省というとアメリカに見られるように外務省のイメージが強いが、バチカンでは日本の内閣府相当である。ただし外務省相当の職務も担当している。
  2. ^ 大司教が任命される場合もあるが、程なく枢機卿にあげられる。

出典

関連項目

外部リンク


ローマ法王庁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 03:31 UTC 版)

重機甲乙女 豆だけど」の記事における「ローマ法王庁」の解説

神聖同盟中核をなす。キリスト教総本山。ローマ法王庁の枢機卿軍人軍服は、第二次世界大戦期のイタリア・ファシスト党の国防義勇軍MVSN)の軍服準じたデザインリアーリオ 神聖同盟総司令官代理で、爵位枢機卿。左頬の傷跡特徴ペロンⅠ世の甥だが庶子との噂もある。愛国心野心強く前線各軍指令を出すのみならず、自ら前線に出ることも厭わないが、ゆくゆくはイタリア統一しその指導者になる」という野望持っている。また女好き一面もあり、バルバラ曰くジョヴァンニ同類」。 メリッサとは同じ志を持つ者として、また一人女性として好意持ち生涯伴侶とすべく彼女に告白し、彼女の唇を奪ったところ、逆に彼女を怒らせて鉄拳浴びてしまい、それでも度々彼女に連絡取り付けるが、その度様々な物資要求され結果としてパトロンになっているオスマン空軍によるローマ空襲指揮系統大打撃受けた後、グレオに代わって二代目総司令官として全軍指揮している。 オルシーニ リアーリオ補佐役で神聖同盟主力ローマ第一親衛軍を率い寡黙な軍人ペロンⅠ世 ローマ法王ボルジア家出身オスマン帝国によるイタリア侵攻際し、「異教徒撲滅」を掲げて周辺諸国参戦呼びかけ神聖同盟結成させた。 元々田舎出身司教で、法王になって権力得てからは、信仰心を煽って民衆から御布施まき上げ親族枢機卿の位に引き上げ周囲に就かせ、さらにはグレオを差し置いて自ら総司令官気取り神聖同盟指揮しようとするなど、その自己中心的言動から、貴族たちから俗物」「田舎出自成り上がり者」と陰口たたかれているオスマン空軍によるローマ空襲自身に危険が迫ってくると、それまで楽観的な考えから一転、己の保身のためにリアーリオから空軍指揮権取り上げて法王庁護りに就かせたり、いざと言う時の逃げ道」を確保しようとするなど、自己中心的言動拍車かかっている。 ドーリア 法王庁海軍提督ジェノヴァの有力貴族だが、元々は地中海暴れまわった海賊一族の出。戦時は海の傭兵平時海賊血の気の多い性格で、いつ裏切ってもおかしくないことで有名。 法王庁の命によりガルマ軍を航路輸送する際にオスマン海軍潜水艦により艦隊被害を受け、ローマで入渠していたが、戦況不利になったことで神聖同盟から離脱しジェノヴァ防衛のために帰国しようとした所でジョヴァンニからヴェネツィア・アドリア海でのオスマン軍補給断絶提案を受け活動再開するグレオ・メディチ 神聖同盟初代総司令官ペロンⅠ世のわがままに付き合いながらも神聖同盟指揮していたが、ローマ空襲の後総司令官の座をリアーリオ譲り自身ペロンⅠ世お守りをすることとなった苦労人

※この「ローマ法王庁」の解説は、「重機甲乙女 豆だけど」の解説の一部です。
「ローマ法王庁」を含む「重機甲乙女 豆だけど」の記事については、「重機甲乙女 豆だけど」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ローマ法王庁」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「ローマ法王庁」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ローマ法王庁」の関連用語

ローマ法王庁のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ローマ法王庁のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのローマ教皇庁 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの重機甲乙女 豆だけど (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS