はいたてき‐けいざいすいいき〔‐ケイザイスイヰキ〕【排他的経済水域】
排他的経済水域
沿岸国の領海基線から200海里(約370km)までの海域(領海部分を除く)であって、この海域における生物資源、海底資源の採取や管理等に関して、当該沿岸国の主権的権利が及ぶとされる海域。排他的経済水域
【排他的経済水域】(はいたてきけいざいすいいき)
ある国家が漁業、採掘その他の産業に関する権利を独占でき、また資源や海洋汚染に関して管理責任を要求される海域。
原則として、領土の境界線から200海里(約370km)までがその国の排他的経済水域となる。
領土から400海里(約740km)以内に他国の領土が存在する場合は、両者の中間点から内側をその国の、外側を相手国の排他的経済水域とする。
漁業および海底資源の採掘による経済効果は国家経済にとって無視できないものがあり、また国家の外交的権威にも関わってくるため、海洋国家においては単なる領土以上に重要な意味を持ってくる。
護岸工事を行わなければ水没するほど小さな離れ小島など、それ自体では領土として全く意味をなさない土地でさえ、その周辺海域を排他的経済水域とする事で大きな利益を確保でき、もし水没したり他国に奪われれば国内の漁業などに深刻なダメージを与える事となる。
このため、近年では領土として扱いの曖昧だった島々について、歴史的経緯から複数の国家が領有権を主張し紛争に至るケースが増えてきている。
関連:第一列島線 フォークランド紛争
排他的経済水域
【英】: exclusive economic zone
略語: EEZ
排他的経済水域は、領海の外側に領海の基線から測って 200 海里までの距離内に設定される水域である。 沿岸国は、排他的経済水域において、(1) 上部水域、海底およびその下の生物・非生物資源の探査、開発、保存および管理のための主権的権利、並びにこの水域の経済的な探査と開発のための他の活動に関する主権的権利、(2) 人工島、設備および構築物の設置と利用、海洋の科学的調査並びに海洋環境の保護と保全について条約で定める管轄権、(3) 条約に定める他の権利、を行使する。他方、すべての国は、航行と上空飛行の自由、海底電線・パイプライン敷設の自由、並びにこれらの自由に関連する他の国際的に適法な海洋使用の自由を享受し、また、排他的経済水域の制度と抵触しないかぎり、公海に関する国際法の規則もこの水域に適用される。沿岸国は、この水域における生物資源の保存と最適利用を促進する。そのため、沿岸国は、この水域の生物資源の漁獲可能量を決定し、自国がこれに達する漁獲能力を有しない場合には、余剰分について他国に漁獲を認めなければならない。漁獲を行う他国民は、沿岸国が定める保存措置その他の条件を遵守しなければならない。沿岸国は、この水域の資源にかかわる法令の遵守を確保するために必要な措置をとることができる。なお、この水域の海底資源に関する沿岸国の権利は、大陸棚に関連して規定されている。 |

排他的経済水域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 13:08 UTC 版)
排他的経済水域(はいたてきけいざいすいいき、英: Exclusive Economic Zone; EEZ、仏: Zone économique exclusive, ZEE、独: Ausschließliche Wirtschaftszone, AWZ)とは、海洋法に関する国際連合条約に基づいて設定される、天然資源及び自然エネルギーに関する「主権的権利」、並びに人工島・施設の設置、環境保護・保全、海洋科学調査に関する「管轄権」が及ぶ水域のことを示す。
- ^ 東シナ海における資源開発に関する我が国の法的立場_外務省
- ^ 「ミャンマーとバングラデシュの領海問題 国際海洋法裁判所「大陸棚の境界は中間線を基本」、FNNニュース、2012年3月15日
- ^ “南シナ海、中国の主張認めず=「九段線」に法的根拠なし-初の司法判断・仲裁裁判所”. 時事通信 (2016年7月13日). 2016年7月13日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “南シナ海問題 仲裁裁判、フィリピンのねらい”. 時事ドットコムニュース (NHK). (2016年7月11日). オリジナルの2016年7月12日時点におけるアーカイブ。 2016年7月14日閲覧。
- ^ "all of the high-tide features in the Spratly Islands (including, for example, Itu Aba, Thitu, West York Island, Spratly Island, North-East Cay, South-West Cay) are legally “rocks” that do not generate an exclusive economic zone or continental shelf." : page 10
“THE SOUTH CHINA SEA ARBITRATION”. The Hague Justice Portal (2016年7月12日). 2016年7月14日閲覧。 - ^ Sea Around Us – Fisheries, Ecosystems and Biodiversity, Sea Around Us 2017年4月1日閲覧。
排他的経済水域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 06:04 UTC 版)
「海洋法に関する国際連合条約」の記事における「排他的経済水域」の解説
第5部(第55条〜第75条)は「排他的経済水域」である。排他的経済水域の制度は本条約によって新たに創設されたものであり、沿岸国は自国の領海に接続する水域で、領海基線から200カイリまでの水域を排他的経済水域として宣言することができる(第55条、第57条)。排他的経済水域において沿岸国は、「海底の上部水域並びに海底及びその下の天然資源の探査、開発、保存及び管理のために主権的権利」と「排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のためのその他の活動に関する主権的権利」を有する(第56条第1項)。ここで言う主権的権利とは、国家である以上主権に付随して認められる権利のことであるが、主権そのものとは異なる。つまり、排他的経済水域に対して国家が有する主権的権利とは、天然資源の探査、開発、保存、管理などといった経済的目的にのみ限定された権利のことであり(第56条)、領域主権ほど排他的な権利ではない。そのため排他的経済水域における沿岸国の「排他性」は、その名称にもかかわらず極めて制限されたものとも言える。条約に定められた目的以外のための利用に関しては基本的に公海としての地位を有し、外国船舶や外国航空機は他国の排他的経済水域において上記のような排他的経済水域において認められる沿岸国の主権的権利を侵害しない限り航行・上空飛行の自由を有する(第58条第1項)。沿岸国には自国の排他的経済水域における生物資源の保存・最適利用促進の義務が課され、その水域における漁獲可能量と自国の漁獲能力を決定したうえ余剰分については他国に漁獲を認めなければならない(第61条第1項、第62条第1項・第2項)。
※この「排他的経済水域」の解説は、「海洋法に関する国際連合条約」の解説の一部です。
「排他的経済水域」を含む「海洋法に関する国際連合条約」の記事については、「海洋法に関する国際連合条約」の概要を参照ください。
「排他的経済水域」の例文・使い方・用例・文例
- 200カイリ漁業水域という,排他的経済水域
- 6月18日,日本と中国は,中国の排他的経済水域で沈没した不審船を引き揚げることで最終的に合意に達した。
- 掘削される海域は日本と中国の排他的経済水域(EEZ)の間のいわゆる(日中)中間線の日本側にある。
- 研究者約50人のチームが1953年から現在までの科学文献を再調査し,日本の排他的経済水域に生息する海洋生物種をデータベース化した。
- 東京大学の加藤泰(やす)浩(ひろ)教授が率いる研究チームは先日,日本の排他的経済水域内でレアアースの大鉱床を発見した。
- 日本の排他的経済水域内でレアアースの大鉱床が発見されたことでこうした状況が変わるかもしれない。
- メタンハイドレートが日本の排他的経済水域内に埋まっているのを発見
- 明治大学,北見工業大学,東京大学の研究者のチームが,日本海とオホーツク海の日本の排他的経済水域内の海底に埋まっているメタンハイドレートを発見した。
排他的経済水域と同じ種類の言葉
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