おき‐の‐とりしま【沖ノ鳥島】
沖ノ鳥島(おきのとりしま)(Okinotori Island)
東京から1740km離れた日本最南端の無人島である。東京都小笠原村に属し、国土交通省が管理している。サンゴ礁の上に浮かび、北小島と東小島の2島から構成される。満潮時には島の一部が海上にわずか10cmほど露出するのみで、波の侵食による水没が懸念されている。
1987年より護岸工事が進められ、周りは頑強なコンクリートと防波ブロックにより防護される。特に水没の危険性が高い東小島については、島の上部がさらにチタンで覆われている。
島の危険を脅かすのは波だけではない。国連海洋法条約によれば、「人間の居住または独自の経済生活を維持することができない岩は排他的経済水域または大陸棚を有しない」という規定があり、中国がこれにより沖ノ鳥島を「岩」として主張しているのである。
万が一沈んでしまった場合、あるいは「岩」となった場合、約40万平方キロメートルにも及ぶ排他的経済水域 (EEZ) が失われることになる。島の周囲には鉱物資源が埋蔵している可能性もあり、中国への対応など今後の行方が注目される。
(2004.12.11掲載)
沖ノ鳥島
読み方:オキノトリシマ(okinotorishima)
別名 ダグラス・リーフ(Douglas Reef)、沖鳥島(オキノトリシマ)
位置・形状 硫黄列島の南西700km、日本最南端:北緯20度25分13秒、東経136度4分20秒。長径4.8km、南北1.7kmの東西に細長い環礁
沖ノ鳥島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/21 06:41 UTC 版)
沖ノ鳥島(おきのとりしま)は、太平洋(フィリピン海)上に位置する小笠原諸島に属する孤立島[4]。東京都小笠原村に属する[4]。日本の領土としてもっとも南に位置しており、日本最南端の島(サンゴ礁)である[4]。地名表記は東京都小笠原村沖ノ鳥島。日本は島であると主張しているが[5]、これを認めない国もある(#地位に関する論争を参照)。
注釈
出典
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沖ノ鳥島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 15:58 UTC 版)
サンフランシスコ講和条約においては沖ノ鳥島の存在が明記されているため、締結国と日本の間に問題は存在しない。日韓基本条約はサンフランシスコ講和条約の関係規定を想起し条約を締結することに決定と規定されているが、韓国政府は2009年(平成21年)以降沖ノ鳥島を岩だと主張している。
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