武装探偵社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:38 UTC 版)
「文豪ストレイドッグス」の記事における「武装探偵社」の解説
中島敦(なかじま あつし) 声 - 上村祐翔、Lynn(幼少期) / 演 - 鳥越裕貴 本作の主人公。右側に髪が一房垂れているのが特徴の18歳の少年。 誕生日:5月5日。身長170センチメートル・体重55キログラム。血液型:AB型。好きな物は茶漬け・猫・カメレオン・ヨコハマ。嫌いな物は自分自身・昔いた孤児院。 「探偵社・西のへたれ」と呼ばれるほど気の弱い男だが心優しく、いざというときには自らを犠牲にしてでも他人を守ろうとする大胆な行動をとることもある。 孤児院を追放され飢餓状態でヨコハマを徘徊していたところ、鶴見川に飛び込んでいた太宰を助けたことで自分が孤児院を追い出された理由や自身の異能を知り、武装探偵社に勤めることになる。入社直後は自分に自信が持てず悲観的だったが、数々の経験を経て成長していく。 孤児院では職員から虐待されており、そのことがトラウマになっている。孤児院で自分の存在を否定され続けたことから、逆に存在意義のない人間はいないと考えており、自分と境遇が似ている鏡花に親身に接し、敵であるモンゴメリに対しても幸せに過ごせる方法が浮かばなかったことを悔いていた。なお憎んでいた孤児院の院長(演 - 南圭介)が巻き込まれた交通事故の調査で、彼の真意を理解した時は涙を流した。 フィッツジェラルド曰く、「本」を探す時に必要な"道標(タイガービートル)"である。そのため組合から多額の懸賞金(七十億円)をかけられ、身柄をポートマフィアから狙われていた。 当初は異能による変身が始まってから人間の姿に戻って目を覚ますまでの自身の記憶・意識が無かったため、太宰達と出会うまでは、自分が孤児院を追い出された理由や「虎」の正体や自分が異能者であることに気づいていなかった。 孤児院を追い出されてからは、ホームレスとして無一文での生活を続けていたため、お金に対する執着が強い面が見られる。その後、探偵社の寮にて、太宰に良いように言いくるめられ鏡花と同棲を始める。 三社戦争が始まると太宰と行動を共にするが、太宰と別れた直後ナオミや春野と合流した際にQの異能を受け、駆けつけた太宰に救われる。その後街でフィッツジェラルドと遭遇する。しかし突然姿を現した鏡花に連れられて逃走するが、港で追いつかれ捕まり、白鯨内で、「横浜焼却作戦」を聞き焦燥に駆られるも再会したモンゴメリと心を通わせ、彼女の助けで脱出、街に落ちる途中でトウェインに撃ち抜かれて意識を失うも心の中で虎に感謝の言葉を述べた事で虎に助けられ、太宰にQの人形を届けることに成功した。 そして再度白鯨に乗り込み、その墜落を阻止すべく芥川と共に、フィッツジェラルドに戦いを挑み勝利する。 ドストエフスキーの武装探偵社とポートマフィアを潰し合わせる計画が明らかになると、ポートマフィアと争うなという福沢の指示を守ろうと、マフィアとの対決を避けドストエフスキー本人を倒す為に国木田と奔走する。ドストエフスキーの潜窟に芥川と共に侵入し、いがみ合いながらもプシュキンを追う。その途中でゴンチャロフに行く手を遮られるが、芥川と新たな合体技を繰り出し捕縛に成功した。その後芥川から6か月後に再戦を宣言され、受ける条件に「6か月の間一人も殺さない」ことを承諾させた。 武装探偵社が《天人五衰》によって犯罪組織の汚名を着せられた後は鏡花と共に行動。新生組合のフィッツジェラルドに協力を要請し、ミッチェルを与謝野の異能で治療することと引き替えに、「神の目」で小栗を捜索し監禁されていた彼を救出。小栗から聞いた「裏頁」に希望を見出し、太宰と結託した安吾、彼に保護されたモンゴメリの協力の元天空カジノへ潜入し、「頁」の在処を知る総支配人シグマの捕縛を試みる。《猟犬》の燁子との戦闘の末に落下してきたシグマを一度は受け止めたものの、突如現れたホーソーンの血弾を受け、結局は彼を落下させてしまった。シグマの手を掴んだ際に彼の異能によって「頁」の在処、更に《天人五衰》の首魁である「神威」が、探偵社の面々を暗殺しようとしていることを知って焦るが、乱歩によって救出された探偵社員と再会を果たした。その後乱歩の指示で、《猟犬》の隊長である福地と乱歩を密航させる手伝いをするが、「神威」の正体に気付いた乱歩が福地の斬撃を受けてポオの小説内に退避せざるを得なくなり、福地と対峙することになる。自身を尾行していた芥川と共に対策を考えたが、唯一の勝機を『時渡り』で潰されて敗北、芥川が犠牲となる。芥川の尽力で逃走に成功し、情報を持ち帰る事はできた。ポオの異能で創られた探偵社空間で社員と合流し、乱歩の指示の下《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦の実行を試みる。空港内でブラム・ストーカーと文を探す中《猟犬》の燁子と遭遇するも、立原が残した映像を見せることで攻撃の手を止めさせ、協力を取り付けようとする。月下獣(げっかじゅう) 非常に大柄な白虎に変身する異能。その体は銃弾すら通らないほど頑丈になる上に、動きが非常に俊敏になり、身体の一部を失っても猛スピードで復元される。また、その爪には異能自体を裂く効果がある。ただし完全に変身すると自身で制御できなくなる。 入社後は福沢の異能により、体の一部分だけを変化させ能力の一部を引き出し、肉体の強化と身体能力の向上や治癒能力を自分の意志で使用するなど制御が可能になった。 能力名は上記の短編小説『山月記』から。 太宰治(だざい おさむ) 声 - 宮野真守 / 演 - 多和田任益(初演〜序)、田淵累生(DEAD APPLE以降) 笑顔を絶やさず、掴みどころのない22歳の男性。 誕生日:6月19日。身長181センチメートル・体重67キログラム。血液型:AB型。好きな物は自殺・美女・酒・蟹・味の素。嫌いな物は犬と中原中也。常に羽織っている砂色のコートと体全体に包帯を巻いているのがトレードマーク。国木田には「包帯無駄遣い装置」、「迷惑噴霧器」、「唐変木」などと呼ばれている。 とてもマイペースな性格だが、頭がキレる上に身のこなしもいいなど実力は高い。前職は「探偵社の七不思議」と言われており、最初に当てた人が貰えるという懸賞金は70万にまで膨れ上がっていた。 自殺嗜癖(マニア)で、事ある毎にあらゆる手段で自殺しようとするが、毎回必ず失敗して結局死ぬことが出来ずにいる。死ぬまでに苦しむのは嫌がり、最近は美女との心中を望んでいる。樋口を誘ったこともあるが、国木田にすっ飛ばされている。 二年前に購入した『完全自殺読本』という稀覯本を付箋をびっしりつけるほど愛読しており、書いている自殺方法を試すこともある。しかし実は、本の内容は暗記してしまっているらしい。 探偵社に入社する前はポートマフィアの史上最年少幹部で芥川の上司兼教育係だった。その当時は18歳・身長174センチメートル・体重54キログラム・好きなタイプ:何も訊かない女性・座右の銘:清く明るく元気な自殺、死は生の一部(18歳)。マフィアでは中也の相棒であり、中也と共に『汚濁』を使い、一晩で敵のアジトを壊滅させてから「双黒」と呼ばれていた。しかし友人の織田作之助が「ミミック」のジイドとの戦闘で死亡したのをきっかけにマフィアを抜け、2年間地下に潜り、武装探偵社に入社した。なお、ポートマフィアでは太宰が抜けた後の幹部の席は今も空席のままになっている。 三社戦争では、自身の経歴を生かしてポートマフィアや特務課と交渉し、福沢と鴎外の密会や鏡花の免責および釈放を実現させた。 ドストエフスキーに対抗するために敦と芥川を「新双黒」にしたいと思っている。福沢が襲われた事件の首謀者がドストエフスキーであることにいち早く気付き、彼と接触するも狙撃され治療を余儀なくされた。しかしフィッツジェラルドと坂口安吾に協力を要請し、潜窟とは別の場所で指示を出していた彼を逮捕することに成功した。 しかしその後、小栗虫太郎の「完全犯罪」が解除されたため、自らのマフィア時代の犯罪の証拠が復活したことにより《猟犬》の一人・条野に逮捕される。だが本当はドストエフスキーと対面する為にわざと捕まっており、事件発生前には芥川を呼び出して敦を尾行するよう依頼するなど手を打っていた。そして欧州の異能刑務所「ムルソー」で、同じく収容されたドストエフスキーと互いの連絡手段を知る為に心理戦を繰り広げ、心拍数等の生体情報を利用して安吾に指示を出し敦たちを動かす。 ゴーゴリによるドストエフスキーとの脱獄レースに応じ、シグマを「武器」として指名し行動を共にする。人間失格(にんげんしっかく) 直接触れたありとあらゆる異能を無効化する異能。発動した異能はもちろんのこと、異能者に接触することで発動自体を封じられる。本人の意思とは無関係に常時発動している模様。自身に利のある異能すら打ち消してしまうのが欠点で、与謝野の治癒を受ける場合は、心臓は動いているが脳に血が及んでいないため人間失格が発動しないという、高度な技術が必要である。 能力名はキャラクターと同名の文豪、太宰治の中編小説から。 国木田独歩(くにきだどっぽ) 声 - 細谷佳正 / 演 - 輝馬 銀縁眼鏡をかけ、長く伸びた後ろ髪を一つに結わえた髪型をしていて、スーツスタイルで身を包む22歳の男性。 誕生日:8月30日。身長189センチメートル・体重78キログラム。血液型:A型。好きな物は手帳と魚釣りと鰹のたたき。嫌いな物は予定外と権威。 表紙に「理想」と書かれた手帳を常に持ちながら予定を立てて行動しており、予定外の事態に遭遇すると激怒する。手帳には、結婚を含めた今後のあらゆる予定・計画だけでなく、「理想の女性像」についても書かれている。 冗談の通じない杓子定規な性格で、マイペースな太宰に神経をかき乱されることが多く、度々彼の冗談に騙される。敦に対しても厳しく接するが、鏡花の救出に向かう敦を激励したり、戦争終結後には一言褒めるなど、内心ではきちんと評価している。 探偵社員達のまとめ役のような存在。異能自体は戦闘特化ではない汎用型だが社長から学んだ体術に優れ、襲撃してきた黒蜥蜴の部隊を軽く投げ飛ばしている。 三社戦争では谷崎と行動を共にして、スタインベックとラヴクラフトに捕まったナオミと春野を救い出した。ラヴクラフトの能力に追い詰められるが、谷崎の能力によって脱出する。 武装探偵社で働く前は、学校で数学教師を務めていた。 過去に《蒼王》による連続爆破事件の捜査に携わった際、独自の調査で《蒼王》のアジトのビルを突き止め警察に報告するも、軍・警察・公安が合同で捜査していたために指揮系統が混乱し、さらには警察の動向を察知した《蒼王》が爆弾を抱えてビルに立て籠り、その結果、いち早く現場に駆けつけた5人の捜査員が、追い詰められた《蒼王》の自爆に巻き込まれる形で亡くなった。国木田は、結果的に捜査員を死なせてしまったことへの責任感から、《蒼王》の自爆行為によって父親を亡くした六蔵を情報屋として雇う傍ら、亡くなった彼の父に代わって世話をしていた。 ドストエフスキーの策略により福沢が倒れた後は福沢の名代として社員を指揮する。しかしウイルス型異能の持ち主を敦と共に追った際に、ドストエフスキーが偽情報で無関係な男を異能者に仕立てた為、やむを得ず彼の弟を撃ったり目の前で兄を守ろうとする妹に自爆されたりして、精神的に追い詰められてしまう。しかし乱歩の叱咤や花袋が残したメッセージを受け取ったことで再び生気を取り戻す。ドストエフスキーの逮捕後、前述の男の妹を爆死させた容疑で逮捕・拘留されるも小栗虫太郎の協力もあり、釈放される。 《天人五衰》及び《猟犬》との戦闘では、犯人に仕立て上げられた後逃亡を図るも条野と末広に追いつかれる。一度はマフィアのヘリで逃れるが、異能でヘリに乗り移ろうとした末広を巻き込む形でヘリから飛び降り手榴弾を爆破させた。末広を盾にしたことで致命傷を免れたものの両手を失い、そのまま軍警に捕縛される。監禁され寝返るよう取引を持ちかけられていたが、乱歩とポオによって救出されて与謝野の治療を受けられる事になり、回復後は逃亡を続ける谷崎と賢治の捜索を任される。ポオの異能による探偵社空間で社員と合流後は、乱歩の指示の下《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦の実行を試みる。独歩吟客(どっぽぎんかく) 手帳の頁を消費することで、書き込まれたものを具現化・実体化する異能。但し、実体化できるのは、サイズが手帳の面積より小さく(国木田自身が手帳より小さいと認識しているもの)、かつ国木田自身が一度肉眼で視認して形状・機能を理解したものに限られる。発動には文字を書く必要があるので、手を失ったときには使えなくなった。 切り離した手帳の頁からでも具現化でき、かなり離れた場所でなおかつ他人の意思による発動でも具現化できる。また事前に手帳に字を書いておき、敵に開かせ具現化させる罠のような使い方もできる。 能力名はキャラクターと同名の文豪、国木田独歩の筆名の一つから。 江戸川乱歩(えどがわ らんぽ) 声 - 神谷浩史 / 演 - 長江崚行 小柄で常に笑みを浮かべ、ハンチング帽に茶色のスーツをだらしなく着崩した26歳の男性。 誕生日:10月21日。身長168センチメートル・体重57キログラム。血液型:O型。好きな物は合理的思考、幻想怪奇。甘いものが好きなのか駄菓子を頻繁に食べている。嫌いな物は常識、無駄な知識。 刑事に面と向かって「警察は不要」という旨の発言をするなど、傲岸不遜で子供っぽいところもあるが、下記の異能(実際は異能ではない)から探偵社では一目置かれた存在である。過去の一件から福沢を慕っており、彼に褒められるためならば自身の意見をあっさり曲げて協力するほど。 推理能力に優れる一方で一般常識は欠如しており、電車の乗り方も知らない。ただ、地下競売であっさり2000万を費やすポオには呆れていた。また、敦の同行した殺人事件では死体に対して頭を下げるなど、最低限の常識は持ち合わせている。事件を推理する過程で被害者や犯人の心情も見抜いており、又、与謝野を探偵社に勧誘する際にも自信にあふれた言葉が結果として彼女を慰めている等、優れた推理力や自信に裏打ちされているとは言え、情のある言動をする。一方で現実主義な所もあり、敦が芥川に捕まった際には彼の問題として論理的に考えて助けに行くのに否定的だった(仲間想いな性格のため敦が探偵社に入って日が浅かった事が原因だと思われる)。 一見しただけで、事件から人の過去まで見抜くことが出来る推理力を持つ。太宰曰く、「異能者すら超えた超越者」「探偵社最強の男」。福沢の過去も見抜き、福沢に「本物だ」と言わしめたほど。探偵社設立の際は、困難とされた夏目漱石の居場所を福沢の依頼により特定している。敗戦後は与謝野をマフィアに入れようとする鷗外と福沢が戦っている内に彼女を施設から逃がし、探偵社に勧誘した。 三社戦争でのポオとの推理遊戯(ゲエム)において、「超推理」が異能ではないことを気付いていることが発覚したものの「今更格好がつかない」としてそのまま異能者として振る舞っている。 ドストエフスキーの策略により福沢が命の危機にさらされたときは相当に取り乱したが、福沢の命を救う為に、その頭脳をフル活用しかつて無いほど真剣に現状分析や作戦立案を行う。それでもドストエフスキーが何重にも巧妙な罠を張っていることが分かると、福沢の指示に反してポートマフィアと戦うことを決断し参加するかどうかの選択を社員の面々に迫った。そして、中原中也の前に現れ、彼を足止めする為にポオが書いた小説に自分と共に彼を引き込んだ。ドストエフスキー逮捕後は国木田の冤罪証明の為、また自身がドストエフスキーの偽資料を見破れなかった結果死んだ少女の為に小栗虫太郎の捜索に乗り出している。地下競売で競り落とした小説を探すポオと共に、小栗虫太郎が偽装した死体の落下事件に出くわすが小栗虫太郎が実は生きていること、更に小栗虫太郎が本当は病を抱えた友人の自殺を手伝っただけで手を下してはいないことを見抜き、彼に自首と特務課への就職を勧めた。だがその直後小栗虫太郎が《天人五衰》に拉致されその時の警告を聞き、探偵社が「天人五衰」の犯罪阻止の依頼を受けようとするのに反対し、一人別行動をとる。調査の中で傷を負った種田長官を見つけ「本」の情報を聞くが、その「本」によって長官を襲った犯人にされ、逃走しようとするも軍警に発見されてしまう。しかし、初動捜査の混乱を突いて無事に逃走してポオと合流し、黒幕による探偵社の個別排除計画を乗っ取り、監視を受ける仲間たちを順次救出する。そして福沢からの指示で福地に接触し協力を乞い、各国大使が乗る客船で一緒に港まで逃げ込もうとする。しかし、福沢を信じて「超推理」を使っていなかった事が仇となり、船内で敦に請われて推理した際に福地こそが《天人五衰》の首魁「神威」であると確信。瞬時に自分が犯人を知った事を察知され攻撃を受けるが、ポオの小説内に緊急避難して間一髪難を逃れ、後を敦に託した。敦が戻るとポオの異能による探偵社空間に社員を集め、《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦を指示する。超推理(ちょうすいり) 事件の情報を聞き、福沢からもらった眼鏡をかけるだけで事件の真相を解明する。 実際は単に推理力が人一倍優れているだけであり、異能ではない。彼がこれを異能だと信じ込んでいたのは、自分が特異ではないと思いこみ、世間と自分との間にある齟齬に押し潰されそうだった彼を救うべく「お前のそれは異能だ」と述べた福沢の言葉からである。 彼だけ能力名が名前の元である文豪の著作物に因んでいない。 谷崎潤一郎(たにざき じゅんいちろう) 声 - 豊永利行 / 演 - 桑野晃輔 少し大きなTシャツと垂れ目が特徴的な、18歳で元学生の少年。 誕生日:7月24日。身長174センチメートル・体重59キログラム。血液型:A型。好きな物は鱧、中華料理、猫。嫌いな物は地震。 探偵社では張り込みや依頼の聞き取りなど手下のような役割を担う。探偵社・東のへたれ。 常に妹のナオミと共に行動している。彼女が撃たれた時や行方不明になった時は狼狽し行動が大胆になるなど、妹への思いは人一倍強い。 異能の特性から潜入や隠密の能力に長け、敦が白鯨に乗り込む際は小型飛行機の操縦も担当した。また披露する機会は少ないが後述の通り暗殺にも高い適性を持つ。 ウイルス型異能の性質を知ったポートマフィアに包囲された時は1人残って彼らの説得に当たり、異能を駆使して黒蜥蜴の3人を翻弄して鷗外の暗殺を図る。紅葉に阻止され斬られそうになるが、鏡花に助けられた。その後ポートマフィアとの戦いに参加することを決め、与謝野や賢治と共に再度ポートマフィアの潜窟に突入する。 探偵社が《天人五衰》によって犯罪組織の汚名を着せられたあとは、国木田らと逃走を図るも、末広と条野に補足される。その後、末広を道連れに自爆した国木田に真相の究明を託された。与謝野や賢治と共にマフィアに保護された後、猟犬の追跡から逃れる為、探偵社の再建を誓って二人と別れる。マフィアが用意した廃村に賢治と共に隠れていたが、鷗外から探偵社と合流するように連絡を受け、ポオの異能による探偵社空間で社員と再会した。細雪(ささめゆき) 辺りに雪を降らせ、その空間内をスクリーンのようにして幻影を投影したり、風景や自分自身に背景を上書きなどもすることが出来る異能。直接的な攻撃力は皆無だが相当な実力者でもその幻像を見破ることは難しく、広津は「恐ろしく暗殺に向いている」と評している。 能力名はキャラクターと同名の文豪、谷崎潤一郎の長編小説から。 宮沢賢治(みやざわ けんじ) 声 - 花倉洸幸 / 演 - 堀之内仁 幼い外見に麦わら帽子、農作業着を着込んだ14歳の少年。 誕生日:8月27日。身長158センチメートル・体重53キログラム。血液型:O型。好きな物は音楽、天ぷら蕎麦、サイダー。嫌いな物は貧困。 「イーハトーヴォ村」という電気も電話もない村で牛を飼って生活していたが、社長に勧誘されて探偵社に来た。村は物々交換で成り立っていたため、金銭の概念がまだよく理解できていない。 裏表のない明るい天然な性格で人気がある。マフィアとの全面抗争に参加するかどうかを決める時にも、社員の皆が参加するなら自分も皆を助けるとの思いで参加することに決めていた。 探偵社での成績は優秀だが、捜査の方法はかなり独特で、上記の性格による「牛でも人でも、村でも都会でも、素直に気持ちを話せば、通じ合えるものです」という信条と後記の異能による怪力によって半ば強引に事件を解決するため、国木田に「参考にならない」と言われている。「牛が逆らったら手近なもので殴る」という家訓が関係していると思われる。 探偵社が犯罪組織に仕立て上げられた後も、逃亡する中で皆に握り飯を食べさせたり励ましたりと仲間思いな行動を取る。国木田らと共に一度はマフィアのヘリに乗り込むが鐵腸の刀に貫かれてしまう。その後、与謝野と谷崎、黒蜥蜴と逃走しようとする際にも再度《猟犬》の刀に刺され重傷を負った。与謝野の異能で回復した後は、探偵社の再建を誓って二人と別れる。マフィアが用意した廃村に谷崎と共に隠れていたが、鷗外から探偵社と合流するように連絡を受け、ポオの異能による探偵社空間で社員と再会した。 乱歩の指示で空港で吸血種化した警備員に囲まれたブラムと文を助け出すが、そこにやって来た鐵腸と交戦する。雨ニモマケズ(あめニモマケズ) 怪力と頑丈さを得る異能。自動車を片手で握り軽く投げたり、鉄パイプによる殴打はおろか、無数の銃弾や異能で強化された中也の鉄拳を受けても平然としているなど打撃攻撃がほとんど通らない。中也は「(探偵社の)鬼札」と評した他、猟犬の鐵腸も「凄まじい」と感想を述べている。 ただし空腹のときにしか発動せず、満腹になったら寝てしまうという弱点も存在する。 能力名はキャラクターと同名の文豪、宮沢賢治の詩から。 与謝野晶子(よさの あきこ) 声 - 嶋村侑 / 演 - 今村美歩 ボブカットに大きな蝶の髪飾りを着けて、ハイカラな服装に身を包んだ25歳の女性。勝ち気な性格でSっ気がある。 誕生日:12月7日。身長166センチメートル・体重52キログラム。血液型:O型。好きな物は花、和菓子、うなぎ、酒。嫌いな物は男尊女卑、弱い男。 武装探偵社では能力を活かして医務を担当しているが、彼女に治療されることを探偵たちは恐れている。 女性を蔑視する者や死を軽く考える者を嫌悪しており、そういった人間を見ると発言が凶暴になったり激昂したりする。 14年前の大戦末期、和菓子屋の店番だったところを鷗外に徴用され、国防軍第356歩兵師団軍医委託生として基地空母「燕騎士」で働いていた。そのとき治療のお礼に髪飾りを贈られたのをきっかけに、ある上等兵と仲を深め、「天使」と呼ばれ可愛がられていたが、戦況が悪くなるにつれその上等兵は心を病み、与謝野を「死の天使」と評した後、自殺してしまう。その後基地を沈めようと船底に爆薬を仕掛けて逮捕された。戦後は施設に隔離され続け、さらに3年後、森によって助けられる。その後、与謝野を『三刻構想』の要と考える森と、それに反対する福沢が戦いをしていた時、乱歩に助け出されて探偵社員となった。 三社戦争の時は、探偵社の隠れ家を訪ねてきた中也と対峙する。その後は組合のポオが仕掛けてきた推理遊戯に乱歩と共に臨んだ。福沢が倒れた後、ポートマフィアとの戦いに参加することを表明しポートマフィアの潜窟に突入する。 探偵社が濡れ衣を着せられマフィアに保護された後、鷗外が社員移籍の話を切り出すと鷗外の目的は自分と見抜き、彼に食ってかかる。フィッツジェラルドとの取引に応じ敦・鏡花と再会してミッチェルを治療したが、猟犬に追いつかれ、黒蜥蜴の3人と逃走する。追っ手の猟犬にかつて慕っていた上等兵の遺品を見せられ動揺しつつも共に自爆しようとするが、追っ手や爆弾は偽物であり、猟犬として正体を明かした立原に拳銃を突き付けられる。しかし殺されずに拘束され、護送中に乱歩によって救出された。ポオの異能による探偵社空間で社員と合流後は、乱歩の指示の下《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦の実行を試みる。君死給勿(きみしにたもうことなかれ) 異能の中でも珍しい治癒能力で、自他を問わず外傷を跡形もなく完全に治療できる。ただし瀕死の人間にしか使えず、瀕死に至っていない怪我人を治癒する時は鉈などで解体するなどして一度瀕死の状態にしなければならないため、探偵社内からは怖れられている。なお本人も楽しんで解体している節があり、それも探偵社員から恐れられる理由だと考えられる。 能力名はキャラクターと同名の文豪、与謝野晶子の詩から。 谷崎ナオミ(たにざき ナオミ) 声 - 小見川千明 / 演-齋藤明里 谷崎の妹。常にセーラー服を着用している。ブラコン丸出しで、兄に抱きついていることが多いが、実際に血縁関係があるのかは不明。しかし「本当に血縁関係があるのか?」「そんな感じで兄妹の二人暮らしとか大丈夫か?」などの質問はしないことが探偵社での暗黙の了解となっている。 異能を持たず、武装探偵社では事務員を務めている。しかし、頭の回転は速く機転も利き、春野には「異能があれば兄より優秀な探偵になれる」と言われる。 名前は谷崎潤一郎の『痴人の愛』の登場人物から。 福沢諭吉(ふくざわ ゆきち) 声 - 小山力也 / 演 - 和泉宗兵 武探偵社社長である45歳の和装の男性。 誕生日:1月10日。身長:186センチメートル・体重:71キログラム。血液型:B型。好きな物は猫、牛鍋、酒、平等。嫌いな物は封建制度。 武道の達人で、元政府最強の暗殺剣士。かつては用心棒をしており、日本刀を使用していた。ついた二つ名は「孤剣士『銀狼』」。複数のマフィアや戦闘系の異能者でも単騎で圧勝してしまい、生身で強化兵士の音速の抜刀にも対応する。素手でもかなりの腕前で、弟子の国木田は一本も取れたことがないという。過去に夏目漱石に言われて闇医者だった鴎外の警護をしたことがあり、それ以来彼とは何度も対立してきたが、偶に共闘した時は敵無しであったらしい。 かなりの猫好きで、猫に煮干しを与える姿が描かれたり、鴎外に「相変わらず猫と喋っているので?」と言われるほど。ただし大概逃げられている様子。また子供にもそれなりに甘く鏡花が探偵社に入るのをあっさりと許した。 社員思いの性格で、敦がマフィアに誘拐されたときは、本業を中止してでも彼を救出するよう命じた。 三社戦争が佳境に入ると敦の提案を受け入れ、ポートマフィア首領の森鷗外と密会する。自分の命を犠牲にヨコハマを救おうとした鏡花の心意気を認め、彼女の異能を制御可能にして護送機から脱出させた。 ドストエフスキーの策略の一環で、ホーソーンに襲撃されのプシュキンのウイルス型の異能を埋め込まれてしまう。苦しみながらも、探偵社がポートマフィアとは戦わず街の均衡と平和を守ることを願うが、探偵社とマフィアが組織戦を始めたことを知り、これ以上の死人を出さないようにする為、鷗外との一対一の決闘に臨んだが、漱石と花袋の乱入により決着とはならず、再び共同戦線を組むこととなりプシュキンが潜伏するアジトへと急行した。 武装探偵社が《天人五衰》によって犯罪組織の汚名を着せられた後、鴎外に「探偵社員1名のポートマフィアへの移籍(但し与謝野は除いてくれと福沢は懇願、しかし鴎外は賢治、谷崎、与謝野にこの話をした際にはそのことは言わなかった)」を条件に探偵社への助力を要請、直後に逮捕された。その後、乱歩とポオによって救出され、「事件をぶち壊せ」と命令し、《猟犬》と手を結ぶ為に乱歩を福地の元へ交渉に向かわせる。福地との交渉が決裂すると、ポオの異能による探偵社空間に社員を集め、乱歩による《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦を指示する。 猟犬隊長の福地と幼馴染であるらしく、彼を『源一朗』と呼んでいる。また福地を「この世で最も信用が置ける男」として信じているが、このことが後に乱歩にとって仇となった。人上人不造(ひとのうえにひとをつくらず) 異能の出力を調整し制御を可能にする制御能力。自分の部下にのみ発動する。そのため部下ができる以前は自分が異能者ということに気づいていなかった。 能力名は同名の啓蒙思想家・教育者、福沢諭吉の著書『学問のすゝめ』の一節から。 泉鏡花(いずみ きょうか) 声 - 諸星すみれ / 演 - 桑江咲菜 和服姿の小柄で無表情がちな、14歳の美少女。黒髪を白い花の付いた髪飾りで2つに結っている。 誕生日:11月4日。身長148センチメートル・体重40キログラム。血液型:B型。 好きな物は兎、豆腐、紫陽花、おばけ。嫌いな物は犬、雷、蝿。 孤児だったところをポートマフィアに拾われ、芥川の指示に従い殺人に手を染める。半年で35人を殺害しており、警察に逮捕されれば死罪は確実であると言われていた。しかし、根っからの悪人というわけではない。 芥川との戦闘後、気絶した敦を救出した後に、警察の追跡を逃れるため、対外的には福沢の孫という扱いで武装探偵社入りし、敦の部屋に同居していたが、入社試験は受けておらず、武装探偵社の正式な社員とは見なされていなかった。 三社戦争で紅葉が彼女を連れ戻すために白昼堂々彼女と敦を襲撃してきたが、組合メンバーが介入してきた際に逃走する。その後、フィッツジェラルドと遭遇していた敦を連れ一度は逃走するも、途中で遭遇した警官を襲って重傷を負わせる。再びフィッツジェラルドに遭遇するが今度は逃げられず敦を白鯨に攫われた後、警察に逮捕された。 しかし飛行機で護送中に制御出来なくなった白鯨に遭遇し、自らが乗った飛行機を白鯨に体当たりさせて横浜の街を救う。この行為によって、武装探偵社の入社試験に合格したとみなされ、福沢の能力によって夜叉白雪の制御に成功し生還を果たした(35人殺しなどの罪は特務課による司法取引によって免責されている)。 ポートマフィア時代は芥川の指示に従っていたものの、紅葉からかなりの寵愛を受けていた。 舌が肥えており、武装探偵社で尋問された時には老舗の名店・橘堂(空想上の店)の湯豆腐を所望した。また、自分自身も料理上手である。 両親を「夜叉白雪」で殺したとされていたが、実は異能特務課所属だった両親が敵の能力者に襲撃された時、母(声 - 中村千絵)が夫(声 - 遊佐浩二)を敵の異能により殺させられた後に鏡花を守るために「夜叉白雪」を譲渡して自分自身を殺させていた。 武装探偵社とポートマフィアの潰し合いが始まると、鴎外の暗殺を試みた谷崎を救出した。そしてマフィアで得た知識が活かせるならとポートマフィアとの戦いに参加することを決意。芥川と対決した。 《天人五衰》によって武装探偵社が犯罪者の汚名を着せられた際、猟犬から逃亡した国木田達とは別行動をとり、単身敦の救出へ向かう。敦を助け出した後は彼と共に行動し、フィッツジェラルドへの接触、小栗の救出を行う。小栗から聞いた「裏頁」に希望を見出し、敦と共にモンゴメリの能力を使って天空カジノへ潜入する。「裏頁」の存在が判明した後は、敦と共にシグマの捕獲を試みる。捕獲はならなかったが、乱歩に救出された探偵社員と無事に再会した。乱歩の指示の下、《大指令》受け渡し阻止及びブラム・ストーカー殺害作戦の実行を試みる。 実在の泉鏡花は男性だが、本作では女性として登場している。夜叉白雪(やしゃしらゆき) 仕込み杖を持った白い甲冑武者姿の女性「夜叉白雪」を召喚する異能。瞬時に列車の壁をコマ切れにするなど、非常に高い戦闘能力を持つ。また自由に非物質化することが可能なため、物理攻撃の効果は薄い。 元は彼女の異能ではなく、彼女の母親から死の寸前に彼女に譲渡された異能。探偵社入社以前は鏡花だけでは操作出来ず、彼女が所持している携帯電話から聞こえる指示にのみ従っていた。これは譲渡の期間や状況が不完全だったために「携帯電話からの声にのみ反応する」状態になってしまっていたため。 能力名はキャラクターと同名の文豪、泉鏡花の著書『夜叉ケ池』と、同著に登場する龍神・白雪姫から。 春野綺羅子(はるの きらこ) 声 - 美名 武装探偵社で事務員を努める女性。他の武装探偵社メンバーに比べて登場は遅く、初登場は第6巻。猫好きで「ミィちゃん」と名付けた猫を溺愛している。おっとりした性格で、組合の異能者に避難先を襲撃された時も葡萄酒やヘアアイロンの心配をし、ナオミを呆れさせた。 アニメ版では社長秘書という設定になっており、敦の入社試験の段階で登場している。 名前は谷崎潤一郎の『痴人の愛』の登場人物から。 田山花袋(たやま かたい) 声 - 鈴村健一 元武装探偵社社員でぼさぼさの髪に無精ひげ、丸眼鏡をかけた男。一人称は「儂(わし)」で時代がかった口調で喋る。 普段は「芳子(よしこ)」と呼ぶ自室の布団の中に閉じこもっており、国木田から「引籠り」と罵倒されることも。生来の出不精で社員時代は事務所に布団を敷いて生活し、新人が田山に気付かず外から鍵を掛けてしまい、1週間事務所に閉じ込められた際にも早々に脱出可能だったにも関わらず、出前を利用して食いつないでいたほど。探偵社にいつ入り、いつ抜けたのかは不明であるが国木田とは十年来の付き合いである。探偵社員でなくなっても犯罪者は嫌っている。 女性と面と向かって話すのが苦手であり、どうしても話さなければいけない場面でも明後日の方向を向いて話しかけることが多い。私服姿の銀に片想いをし、その素性の調査を探偵社に依頼した。尚、芥川のことを「兄上殿」と呼んでいるが本人には「誰が兄上殿だ殺すぞ」と言われた。 死の家の鼠の潜窟を特定する際、不意をつかれ死の家の鼠の頭目ドストエフスキーに射殺されたかと思われたが、夏目漱石の協力により生還し、死の家の鼠の潜窟を特定した。探偵社が嵌められた後は現役社員でなかった為か自宅で監視を受けていたが、画面にポオの異能小説が表示された携帯が部屋に投げ込まれたことで小説世界に吸い込まれ、脱出に成功する。蒲団(ふとん) 視界内にある電子機器を触れることなく、常人の数十倍の速さで操ることが出来る異能。国木田曰く「軍の電脳戦部隊にも匹敵する」。ただし花袋自身の心が一番安らいでいる時にしか発動することができない。 能力名はキャラクター名と同名の文豪、田山花袋の中編小説から。
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武装探偵社(ぶそうたんていしゃ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 07:38 UTC 版)
「文豪ストレイドッグス」の記事における「武装探偵社(ぶそうたんていしゃ)」の解説
軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団で、昼と夜の世界を取り仕切る薄暮の武装集団。その知名度は孤児院住まいだった敦が知っているほど。
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