ポートマフィア
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「文豪ストレイドッグス」の記事における「ポートマフィア」の解説
芥川龍之介(あくたがわ りゅうのすけ) 声 - 小野賢章 / 演 - 橋本祥平 無表情で黒い外套を纏う20歳のポートマフィアの構成員の青年。 誕生日:3月1日。身長172センチメートル・体重50キログラム。血液型:A型。好きな物は書畫骨董・茶・無花果。嫌いな物は盆栽・犬・風呂・蚕豆・蜜柑。 首領直轄の遊撃隊所属である武闘派組織「黒蜥蜴」を指揮する権限を持ち、マフィアの命により敦を生け捕りにしようとする。異能力を用い躊躇なく殺人を実行し、証拠隠滅のためには時限式の爆弾で一般人を巻き込むなど冷酷非情な性格。また、独断で命令に反する行動を取った部下に対しても、一切の反論を許さず平手打ち等の罰を与える。しかし一方で目の前で部下が窮地に陥った際には、自らの異能で援護することも少なくない。また拉致された自分を樋口が単身救いに来た時には彼女をねぎらっている。 貧民街の浮浪児だったが、ポートマフィアの下部組織の構成員に仲間を殺され、単身で復讐に向かった際、太宰の勧誘を受け部下となる太宰の部下だった時に彼に認められなかったことに執拗にこだわっており、彼に目をかけられている敦に嫉妬のような感情を抱いていたが、三社戦争の終盤の敦との共闘を経て、ようやく太宰から強くなったと認められた。 太宰の部下だったころの「教育」は非常に厳格であり、太宰は芥川に対し「飲み込みが悪い」「役に立たない」などの言葉を向けている。しかしこれは芥川の独断専行で行動する癖や頑固な性格から将来を危惧したもので、その才能については「遠からずマフィア最強の異能力者になる」と高く評価している。周囲には隠しているが、肺を患っており長くは生きられないと宣告されている。 三社戦争においてはホーソーンとミッチェルを単身で撃破し、敦と組んでフィッツジェラルドに勝利する。ゴンチャロフとの戦いにおいても敦と共闘し、戦闘後、敦から再戦の条件として6ヶ月間、1人も殺さないことを条件に出され受け入れた。 「《天人五衰》事件」の2日前に太宰から呼び出され、近く逮捕される自分に代わる「目」になるよう頼まれて、敦を尾行していた。敦と福地、乱歩が密航の為に乗り込んだ客船に潜り込んでおり、乱歩が出した発煙筒の煙を目撃すると、機関室を破壊して船を停止させる。敦と共に福地を倒そうとするが失敗し、敦を逃したものの首を斬られて絶命。遺体はブラム・ストーカーによって吸血鬼の眷属にされ、ポートマフィアに多大な被害をもたらす元凶になってしまった。条野と福地との戦闘では空間断絶により条野の逃走を阻止し彼を吸血種にした。羅生門(らしょうもん) 外套を不定形かつ何でも喰らう「黒獣」に変身させ操る異能。黒獣は空間を含むあらゆる物を喰らい、切り裂くことが出来る。 敵を攻撃する「矛」としてだけでなく、銃等の攻撃から身を守る「盾」としても利用することができる。さらに芥川自身の成長により、持ち上げられる重さと操れる長さが強化されている。 また芥川は、格子状に変形させた「黒獣」で敵を切り裂く「羅生門・顎(らしょうもん・あぎと)」や、「黒獣」を伸縮自在の「黒い『手』」に変形させて攻撃する「羅生門・叢(らしょうもん・むらくも)」、自らの体の外筋を黒布に担わせる「羅生門・天魔纏鎧(らしょうもん・てんまてんがい)」等、相手の動きに合わせて様々なパターンの攻撃を繰り出す。 能力名はキャラクターと同名の文豪、芥川龍之介の短編小説から。 樋口一葉(ひぐち いちよう) 声 - 瀬戸麻沙美 / 演 - 平田裕香 芥川の後輩。パンツスーツを着こなす美女。芥川が重傷で敵対組織に拉致された時には単身で救出に向かうなど、芥川に対する忠誠度は高い。また、芥川の妹である銀に自分のことを「お義姉さん」と呼ばせようとするなど、彼に対して強い恋愛感情を抱いていることが示唆されている。彼と共に首領直轄の遊撃隊に所属、武闘派組織「黒蜥蜴」を指揮する権限を持つ。 戦闘の際には拳銃で交戦するなど異能らしい異能を見せていない。だが異能を所持しているかどうかは不明であり、特番雑誌の紹介欄では[なし]ではなく、[???]と、文豪ストレイドッグス公式ガイドブック『深化録』には「異能力も卓越した戦闘術も持たないが…」という記述がある。 芥川のように部下を畏怖させるだけの異能を持っていないことに内心忸怩たる想いを抱いている。武装探偵社のことは「ポートマフィアの力で簡単に潰せる零細企業」と見下している。 《天人五衰》事件において、吸血種となった芥川に噛みつかれ眷属となり、銀と広津に攻撃してしまう。 同居している妹がいる。 中原中也(なかはら ちゅうや) 声 - 谷山紀章 / 演 - 植田圭輔 ポートマフィア幹部で22歳の男性。常に黒い帽子を被っており、性格は好戦的。マフィア時代の太宰の元相棒。 誕生日:4月29日。身長160センチメートル・体重60キログラム。血液型:B型。好きな物は帽子と喧嘩、酒、音楽。酒については高級ワインを嗜むが、酔い潰れている姿も同時に描かれており、酒は余り強くない様子である。部下想いな性格で、部下が殺された際にはその相手に激しい怒りを見せることもある。 幼少期の記憶が存在しない。蘭堂は政府の秘密施設に隔離されていた旨を匂わせる発言をしているが詳細は不明。また、蘭堂の同僚だったと思われる謎の人物が「我が弟」と呼んでいるが、血縁関係は不明である。マフィアに入る前は白瀬(声 - 水中雅章 / 演 - 伊崎龍次郎)や柚杏(声 - 三村ゆうな)といった少年少女と、未成年のみの互助組織『羊』を構成していたが、圧倒的な戦闘能力や「荒覇吐」についてマフィアの太宰と共同調査をしていたことから不信感を抱かれ、最終的に彼等と決別してポートマフィアに入った。その際、蘭堂の遺品である帽子を貰った。 太宰とはマフィア時代に「双黒」として活動した相棒だが、当時から嫌いなものに太宰を挙げているほどの太宰嫌いで、彼に対して常に喧嘩腰だが毎回良い様にからかわれている。 背は小さいがマフィアきっての体術使いで、一人で探偵社を粉砕するのに十分と言われるほど戦闘能力は高い。 ポートマフィアに潜入した太宰を追い詰めるも、彼の仕掛けた嫌がらせの一環で結果的に太宰を見逃したばかりか、内股歩きのお嬢様口調という恥ずかしい姿を晒すこととなった。三社戦争では一時的に太宰と共闘し、スタインベック・ラヴクラフトの「組合(ギルド)」コンビを撃退した。 ウイルス型異能を埋め込まれた首領の鷗外を助ける為、裏で操る黒幕がいることを理解しながらも探偵社との対決姿勢を露わにする。探偵社の面々が潜窟に突入したという報告を受けて潜窟に向かうが、乱歩に行く手を阻まれ彼の挑発に乗り、ポオが書いた小説に乱歩と共に引き込まれる。なお犯人が分からず登場人物全員を殴り倒した模様。 《天人五衰》事件では、条野と鐵腸に追い詰められた国木田達の前に救援で現れた。しかし後に吸血種化した状態でムルソーに侵入し、警備兵を次々と殺害してドストエフスキーの元に現れた。汚れつちまつた悲しみに(よごれっちまったかなしみに) 触れたものの重力のベクトルと強さを操ることが出来る。それを利用して自身がどこにでも立てるほか、触れた相手の重力を自在に操って自由を奪うことも出来る。 「汚濁(おぢょく)」形態では完全に異能を解放した状態になり、時間が経つにつれて体中が黒く染まっていくのが特徴。戦車ですら素手で砕いたり、重力子を集約することで強力な重力弾を発射することができるなど、非常に強力な異能となる。しかし一切の理性を失くし死ぬまで暴走し続けるという代償がある禁じ手。なお、太宰の異能力で「汚濁」形態は解除できる。 能力名はキャラクターと同名の文豪、中原中也の詩から。 尾崎紅葉(おざき こうよう) 声 - 小清水亜美 / 演 - 夢月せら 着物を着ており、容姿、言葉遣いは遊女のようなポートマフィア幹部の女性。26歳。 誕生日:1月10日。身長171センチメートル・体重62キログラム。血液型:A型。好きな物は泉鏡花、金ぷら、漬物。嫌いな物は希望、愛。 ポートマフィア時代の鏡花の姉貴分で彼女を溺愛しており、自身も鏡花と同じように裏社会から逃げ出そうとした過去があり、彼女の想いにも理解を示している。鏡花がマフィアを抜けた後も、下記の輸送車襲撃や、鏡花を狙撃しようとした部下を止める等、彼女に対する想いは変わっていない様子。 敦と鏡花を襲撃するが、そこに介入してきた組合メンバーに部隊を壊滅させられる。その後は、行方不明になった鏡花を太宰が探すことと引き換えに探偵社内で幽閉されていたが、探偵社とポートマフィアの密会の招待状を鷗外に渡させるために太宰に追い出された。自身の過去から先代首領のことは恨んでいるが、鴎外が首領となった今のマフィアは気に入っている模様。 鏡花が探偵社に入社した後、政府の輸送車を襲撃して彼女の両親の死の真相を記録した書類を盗み出し、入社祝いとして敦達に届けた。 ドストエフスキーの策略により武装探偵社とポートマフィアの全面戦争が起こった際には、福沢を救う為に鷗外を暗殺しようとした谷崎を始末しようとするが、鏡花に谷崎を救い出された。 泉鏡花同様、実在の人物は男性だが、本作では女性として登場している。金色夜叉(こんじきやしゃ) 鏡花と同じ、甲冑武者姿の女性を使役する異能だがこちらは自分の意思で操作できる。 能力名はキャラクターと同名の文豪、尾崎紅葉の未完小説から。 梶井基次郎(かじい もとじろう) 声 - 羽多野渉 / 演 - 正木航平 ポートマフィア構成員の28歳の男性。誕生日:2月17日・身長180センチメートル・体重63キログラム・血液型:B型。好きな物は檸檬、爆弾、科学、オペラ、酒。嫌いな物は表通り、ジャズ。茶色の髪と黒グラスのゴーグル、襟にバッジを止めた袖がボロボロの白衣を羽織った派手な出で立ちをしている。隠密主義であるマフィアの構成員にしては珍しく指名手配犯として名の知られた爆弾魔。 自分自身を囮とした爆弾の大量投下や、大量の爆弾を所持し爆発させながら歩き続ける「檸檬花道」などの大規模破壊を得意とする。反面身体能力は低いのか、爆弾が通じなかったとはいえ女性である与謝野に敗北し「組合」にもあっさり捕まっている。 電車を襲撃した際、その場にいた与謝野を追い詰めるが、その際自らの「死」に対する探究心とそれに基づく実験談を彼女に話したことで怒りを買い、自らの異能で復活した与謝野によって殴り飛ばされた上で爆弾の解除法を喋らされるために「治療」された。 三社戦争では、自らの異能を利用して「組合」の前線基地である豪華客船の爆破に成功している。 武装探偵社がポートマフィアの本拠地を襲撃した際には、自らの異能を生かし、全身に檸檬爆弾を巻き付け、武装探偵社のメンバーに向かって爆弾を爆破させながら近づいていくという「檸檬花道」という技を披露し、武装探偵社メンバーの侵入を防いだ。檸檬爆弾(レモネード) レモン形の爆弾を具現化する異能と思われていたが、実際はレモン形爆弾による爆発のダメージを受けない能力(なぜなら檸檬は美しき紡錘形だから)。 爆弾は全て彼の手作りであり、爆薬成分が一切検知されない特別製である。そのため裏ではその製作方法を解明しようと高値で取引されている。 能力名はキャラクターと同名の文豪、梶井基次郎の短編小説『檸檬』から。 夢野久作(ゆめの きゅうさく) 声 - 工藤晴香 / 演 - 倉知あゆか 「Q」と呼ばれる13歳の人物。性別不詳。黒と白の2色の髪に小さい帽子を載せているのが特徴。誕生日:1月4日・身長146センチメートル・体重38キログラム・血液型:AB型。好きな物は自分、混沌、黒砂糖。嫌いな物は自分、平和、社会、病院。 人間を玩具のように考え、敵味方かまわず精神を操作して相手を破壊するため、太宰によって封印され、座敷牢に閉じ込められていた。しかし、三社戦争を勝ち抜くために、戦闘終了まで無関係な人間に介入しないことを条件に鷗外によって解放された。 組合の襲撃から逃れてきたナオミと春野の前に現れ、彼女達に能力を発動して駅で待っていた敦を追い詰めるも、太宰が駆けつけたため撤退する。さらに組合のラヴクラフトに対して能力を発動したが、まともな感情がないラヴクラフトにより返り討ちにあって拘束され、「横浜焼却作戦」に利用された。囚われている時に自身の異能に対する感情を吐露して涙を見せる。その後、太宰と中也に救出された。ドグラ・マグラ 異能力の中でも最も忌み嫌われると言われている精神操作系の異能。自分を傷つけた相手を呪う。呪われた者には手形の痣が浮き上がり、Qが持っている人形を破壊すると呪いが発動する。呪われた人物は幻覚に精神を冒され狂乱し、目から血を流しながら周囲の人物に襲いかかるようになる。しかし、まともな感情を持たないラヴクラフトには効かなかった。 呪いを解くには太宰がQの人形に対して「人間失格」を発動するしかない。 能力名はキャラクターと同名の文豪、夢野久作の小説作品から。 森鴎外(もり おうがい) 声 - 宮本充 / 演 - 窪寺昭(黒の時代〜三社鼎立)、根本正勝(太宰、中也、十五歳以降) 元医師でポートマフィア首領の40歳男性。外見は髪をオールバックにした冴えない中年男性だが、時として相手に恐怖心を抱かせる表情をする時がある。 常に冷静沈着で、その時点の状況における最適解を導きだすことが出来る人物ではあるが、12歳以下の幼女が好きなロリコンでエリスを溺愛している(本人曰くエリスは「妻」とのこと)。メスで暴漢を倒すなど、戦闘力も非常に高い。 昔は闇医者を営んでおり、患者から聞いた話を元に黒社会の情報屋としても活動していた。その頃、夏目漱石に言われて自身の警護に来た福沢と出会っている。病床の中で朝令暮改の命令を下し続ける前首領(声 - 五王四郎)を「合理的ではない」として自らの手で殺めた過去を持つ。また、「異能開業許可証」を得るために異能犯罪組織「ミミック」の密入国を裏で手助けし、さらに織田作之助を「ミミックの指揮官に、唯一対抗できる異能力者」として衝突させるために織田作が養っていた子供達の情報をミミックにリークするなど、織田の死と太宰がマフィアを抜ける間接的な原因を作った。 14年前の大戦末期、基地空母燕騎士で国防軍第356歩兵師団一等軍医副として働いており、与謝野はそのときの部下である。大戦後、施設に隔離されていた与謝野を見つけ、彼女が「三刻構想」の重要な最適解であるゆえにもう一度仲間に引き入れようとするも、福沢と対立する。 三社戦争では、モンゴメリが街中で作り出した異空間の中で偶然敦と出会い、彼に助言を与えた。その後は情報や構成員を巧みに配置し、探偵社や「組合(ギルド)」を翻弄した。また、そのさなかに太宰にマフィア幹部へ戻らないかと樋口を通じて伝えた。敦の発案による探偵社との密会の後、中也を太宰の元へ向かわせ久作奪還の援護をさせたり、白鯨に突入した敦に指示を出す太宰に芥川が白鯨に乱入したことを暗に告げたりした。 エリスとの買い物中にホーソーンの襲撃を受け間一髪で逃れるものの、直後に警官に変装したドストエフスキーに刺されたためプシュキンのウイルス型の異能を埋め込まれてしまう。現状以上の死者が出るのを防ぐ為に福沢を一対一での決闘に誘った。《天人五衰》に探偵社が嵌められた際は福沢に社員の救援を懇願され、社員の異能者の一人をマフィアに移籍させる代わりに救援を承諾した。探偵社が嵌められていることに気付いており、谷崎と賢治を潜ませた廃村に自ら連絡係として赴いたり、立原が「猟犬」と知った上で二重間諜として福地を倒すように命令したりする。ヰタ・セクスアリス 鴎外に同行する幼女、エリスを作り出す能力。 能力名はキャラクターと同名の文豪、森鴎外の小説作品から。 エリス 声 - 雨宮天 / 演 - 大渕野々花 前述の鴎外の異能によって作られた、鴎外と共に過ごす金髪の可愛らしい幼女。鴎外のことを「リンタロウ」と呼ぶ。 鴎外のことを中年と揶揄するなど彼のことを嫌っているが、その性格は鴎外により設定されており当人は不満を漏らしたことがある。 注射器を無尽蔵に作り出して相手に手裏剣の要領で投げつけさせたり、巨大な注射器で相手を打撃する、鴎外を掴んで空中に浮く、ドストエフスキーを俊敏な動きで追跡しようとするなど、見た目からはかけ離れた戦闘能力を持っている。 福沢に斬られ消滅するものの、探偵社とマフィアがプシュキンを捕らえる際には既に復活していたため、能力としてのインターバルは短い模様。 名前は森鴎外の小説『舞姫』の登場人物から。 織田作之助(おだ さくのすけ) 声 - 諏訪部順一、上村祐翔(幼少期) / 演 - 谷口賢志 23歳のマフィアの最下級構成員で、安吾と共にマフィア時代の太宰の友人。故人。身長185センチメートル・体重77キログラム・好きな物:カレー・嫌いな食べ物:肩の凝る食事会の食事・好きなタイプ:機転の利く女性・自分が思う長所と短所:長所は特になし、短所は友人に比べて才能がないところ。 太宰や安吾などの親しい相手からは「織田作」と呼ばれる。 かつては暗殺者として殺しをしていたが、夏目の小説を読み、夏目にそうすべきだと言われてから小説家を志すようになり、その夢のために人を殺さないことを信条とし、竜頭抗争で親を亡くした孤児たちを個人的に養っていた。そのため「絶対に人を殺さないマフィア」と言われるようになり、変わり者扱いされていた。 元来の戦闘能力は非常に高く、「ミミック」との抗争時には凄まじい活躍を見せ、援護のない状況下でありながら、単身で相手を全滅させている。 4年前に起こった「ミミック」との戦闘で死亡し、太宰がマフィアを抜ける直接的な原因となった。天衣無縫(てんいむほう) 予知能力で、自分の身に起こる5秒以上6秒未満の未来を観測する。これにより、死角からの奇襲を未然に回避することが出来るが、未来に起こる危機を察知した時、すでに罠に嵌まっている場合は回避できないという欠点を持つ。 能力名はキャラクターと同名の文豪、織田作之助の短編小説から。 A(エース) 声 - 小野大輔 ポートマフィア幹部で燕尾服を着たツリ目の男。元々はマフィアの賭博場を荒らし回った賭博師で、多額の上納金を払って現在の地位を手に入れた。そのため三社戦争の際には真っ先に避難壕に逃げ出すなどマフィアへの忠誠心は薄く、マフィアのことを用心棒程度にしか思っていないと紅葉は評している。 ポートマフィアへの謀反を計画しており、その一環としてドストエフスキーを勧誘しようとして捕らえ、イカサマをしかけたハイ&ローで対決するも返り討ちに遭う。 そしてその原因がドストエフスキーの異能によって彼の意識の中に閉じ込められたためと思い込み、そこから意識を消し、現実世界に戻るために自殺した。これは彼や彼を捕らえた協力者から得た情報を元に行った行為であり、そうすることで現実世界に戻れるとA自身は考えていたが、実際はドストエフスキーが自ら流した偽情報であり、本当に自らの命を自分で絶つことになった。宝石王の乱心(ほうせきおうのらんしん) 自ら進んでAの持つ首輪を身につけた者(Aは彼らを奴隷のように扱い、「部下」と呼んでいた)の寿命を同価値の宝石に変換する異能。 カルマ 声 - 入野自由 ポートマフィア下級構成員でAの「部下」。ついてない人生だとぼやく少年。Aの自殺死体を見てドストエフスキーの底知れない恐ろしさを感じた。最期は口封じの為ドストエフスキーの「本当の異能」で殺害された。 蘭堂 (らんどう) 声 - 内田夕夜 / 演 - 細貝圭 ポートマフィア構成員の長髪の男性。常に寒がっており、耳当てにコート、厚手のブーツと冬の装いである。その正体は異国からの諜報員であり、本名はアルチュール・ランボー。目的は日本政府が発見し秘密裏に研究していた高エネルギー生命体についての調査だったが、施設で研究資料を入手した際、共に調査に当たっていたヴェルレエヌの裏切りに遭い、更に爆発に巻き込まれて記憶を一部喪失した。森鷗外によって殺されたポートマフィアの前首領を摺鉢街に出現させて混乱を招いていたが、自分に辿り着いた太宰と中也との戦闘で敗死した。遺品の帽子をマフィアに加入した中也が受け取っている。また安居の報告書には中原中也とヴェルレーヌが欧州で戦うという旨も記載されている。イリュミナシオン 亜空間を作ることで相手を拘束したり自身を防御したりすることができる。またその亜空間の中に死体を取り入れ異能生命体化して自由に使役することが可能。展開出来る亜空間の範囲は広大で、「七人の超越者」級の強力な異能者であることが言及されている。 能力名はキャラクターと同名のフランスの文豪、アルチュール・ランボーの散文詩集から。 ポール・ヴェルレエヌ 演 - 佐々木喜英 小説版である『文豪ストレイドッグス STORM BRINGER』に登場。ポートマフィア幹部の金髪で長身の男性。本来は仏国からランボーと共に派遣された諜報員であり、暗殺王と称された人物。ランボーと共に日本政府が秘密裏に研究していた高エネルギー生命体の調査、および研究資料の入手にあたっていた。しかし、高エネルギー生命体の処遇をめぐってランボーと対立し裏切るに至った。その高エネルギー生命体こそが中原中也であった。裏切った後は中也の奪還の機会を虎視眈々と伺い、中也がポートマフィアに加入して間もなく、彼を襲撃し、彼の仲間のマフィア達を殺害した。中也の退路を断ち、自分の味方につかせるべく、その後は中也と関係が深かった者たちを殺害しながら彼を追う。しかし、中也を救援するべく現れたポートマフィアの構成員、そして中也と、彼の護衛についていたアダム・フランケンシュタイン(演 - 磯野大)の反撃を受ける。敗北後、異能力が暴走し巨大な怪物となって街を襲うべく進行するが、中也の「汚濁」によって倒され死亡した。だが、ランボーの異能力によって復活し、ポートマフィアに囚われ、地下に幽閉される。そこで泉鏡花や銀に暗殺術を教え込み、やがては五大幹部の1人になるまでに昇進した。能力 : 不明 触れたものの重力のベクトルと強さを操れる能力。中也の能力とほぼ同一であり、「汚濁」同様に決められた文言で異能を暴走させることが可能である。ヴェルレエヌ自身はこの能力を「獣性」と呼んでいた。 黒蜥蜴 広津柳浪(ひろつ りゅうろう) 声 - 斧アツシ / 演 - 加藤ひろたか 武闘派組織「黒蜥蜴」百人長。黒いコートに色の薄いストールを巻き、片眼鏡を身に着けている50歳の男性。誕生日:7月15日・身長178センチメートル・体重66キログラム・血液型:A型・好きな物は煙草。嫌いな物は社会。先代首領のころからの古株。 ポートマフィアの傘下である武闘派組織「黒蜥蜴」の百人長と呼ばれる地位にいる。 芥川・樋口の指揮に従っているが、自身や芥川のような異能を持たない樋口に内心では敬意を払っていなかった。しかし、彼女が単身で芥川の身柄奪還に向かった際にはその意気を評価し、彼女を援護している。 三組織異能力戦争では、太宰に協力していた。また、探偵社とマフィアとの潰し合いでは、マフィアの説得に残った谷崎を捕らえて間諜にしようとするも、彼の異能に翻弄され逃げられてしまう。 《天人五衰》との戦いでは、フィッツジェラルドとの取引に向かおうとする探偵社の護衛を命令されたが、突如軍警が現れた為一旦マフィアの秘密通路に逃げ込む。しかし地上で再び猟犬の一人と遭遇し、彼と対峙した与謝野を立原・銀と共に守るも、三人を逃すために立ち向かい負傷。実際は立原が猟犬の剣を操っており、彼が手心を加えていた為、派手な出血の割に負傷は軽く済んだ。病室に訪れた立原の疑問に対して彼をマフィアの中のマフィアと称したが、彼が探偵社がテロリストだと考えている事を知ると自分達より重症だと述べ、銀と共に探偵社がテロリストではないと伝えた。これが立原が頁の効力を解く一端となった。樋口と銀が吸血種になるとその場から立原を逃がす。落椿(おちつばき) 指先で触れたものを斥力によって弾き飛ばすことが出来る異能。威力は、敵に触れて異能を発動し、即死させるほど。能力名はキャラクターと同名の文豪、広津柳浪の小説作品から。 立原道造(たちはら みちぞう) 声 - 林勇 武闘派組織「黒蜥蜴」十人長。茶髪と鼻の頭に貼った絆創膏が特徴の19歳の青年。粗野な口調。戦闘時は二丁の拳銃を用いている。誕生日:7月30日・身長176センチメートル・体重62キログラム・血液型A型・すきなもの:鉛筆、ヒアシンス・嫌いなもの:過去、大倉燁子の無茶ぶり。 実は《猟犬》に所属する潜入捜査官。与謝野の軍医委託生時代に仲の良かった上等兵の弟で、優秀な兄と比較されるのが嫌でわざとギャングになった。ある日、「ヤバい」連中の金庫を盗もうとして捕まり、命を奪わない代わりに下働きをするように命じられた。これをきっかけに「猟犬」に加入。兄を「殺した」与謝野に近づく為、前潜入捜査官だった坂口が抜けた後、元軍医士官として軍事機密を幾つも知る危険な男である森を監視する潜入捜査官に志願した。 探偵社がポートマフィアに保護された後は、鷗外の命令で広津や銀と共に彼等を護衛する。フィッツジェラルドとの取引現場で部隊に襲撃され探偵社の面々が別れた後は、与謝野を短艇の所まで案内したが、追ってきた《猟犬》の一人を道連れに与謝野が自爆しようとした所で正体を現し、彼女に拳銃を突き付けたものの殺すことは出来なかった。それ以降自身の行動に疑問を抱く様になる。 復帰後、大倉と共に天空カジノを訪れ、敦や鏡花を探す中で、異能により隠し金庫と硬貨に偽装された爆弾を発見する。《猟犬》を始末しようとするシグマによって鼻先で硬貨爆弾を爆破され、それは異能で防いだものの、更に無人航空機で轢き殺されそうになり、シグマの放送によってカジノの客からも攻撃を受ける。内部で敦が自分たちの無実を主張する映像を発見するも、「世界中すべての警察が探偵社を陥れた真犯人の証拠を信じない」という『頁』の改変でそれを破棄する。しかし広津や銀を見舞った際に彼らにかけられた言葉を思い出した為か、それとも彼が警察であると同時にマフィアだからか改変の効果が破れ、探偵社は犯人ではなく真犯人の存在を確信し、政府を説得しようと行動を起こす。鷗外の作戦の下、記録素子と偽って位置情報発信機を渡すことで福地がブラム・ストーカーに指示する現場を押さえ、更に自身の異能を活かして福地を追い詰めるが、雨御前の能力によって刺されたところに両目を斬られ、ブラム・ストーカーに噛まれた。真冬のかたみ 兄と同じく金属を操作する異能力。敵の刃物を奪う、金属の人形を動かす、金庫の鍵を瞬時に開ける、爆弾の破片を目の前で止めるなど幅広く応用が利く。しかし、潜入用に弱い強化手術しか受けていないため、《猟犬》の中では身体強度は低く、航空機並みに巨大な物体は止められない。 能力名はキャラクターと同名の詩人、立原道造の詩から。 銀(ぎん) 声 - 夏川椎菜 / 演 - 紺野彩夏(BEAST) 武闘派組織「黒蜥蜴」十人長であり芥川の妹。長い黒髪を後ろで無造作に束ね、口元をマスクで隠し、かなりの無口なため一見では分からないが、素顔を見た花袋が「黒髪の撫子」と絶賛するほどの美貌とかわいい声を持つ女性である。同業者でも気配を感じさせない俊敏な動きと、袖に隠し持つ小太刀を使って戦闘を行う。 《天人五衰》との戦いではフィッツジェラルドとの取引に向かい、《猟犬》の一人に追われることになった与謝野を立原と共に守ろうとするが、自らの持つ小太刀を操られて自分自身を刺してしまう。だが、立原の手心によって軽傷で済んだ。マフィアに戻った後、吸血種となった樋口に噛みつかれてしまう。 名前は芥川龍之介の短編小説『おぎん』の主人公から。
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ポートマフィア
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ヨコハマの港を縄張りにするマフィア。傘下の団体企業は数十を超え、町の至る場所に根を張るとされる。
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