カルマ
「カルマ」とは・「カルマ」の意味
「カルマ」とは、業・業報・応報・行為・造作・所作・宿命のことを意味するサンスクリット語表現である。サンスクリット語とは別名梵字(ぼんじ)で、古代インドで使われていた言葉だ。サンスクリット語は、「神仏を一字で現す文字」といわれ、仏教の経典や哲学の書籍などで使われている。空海が遣唐使として唐(現在の中国)に渡ったときにサンスクリット語で書かれた密教を学び、後に日本に伝承した言葉でもある。「カルマ」とは、自分が行った行動・態度は自分に帰ってくるという意味である。一般的に、「カルマ」という言葉は悪い行いのみが影響を及ぼすという意味にとらえがちだが、実は善悪を問わないニュートラルな言葉である。さらに、「カルマ」は現在進行形で、常にそれぞれの人に積み上げられているものだ。つまり、善行を重ねれば明るく良い結果が生まれ、悪事を繰り返せば同様の壊滅的結果が生じるという意味がある。
ちなみに、「カルマ」は必ずしも人の行動・態度から生じるのではなく、思考や欲望、性癖も関係している。それは、行動の根幹は精神と直結し、心の内は行動に現れるためだ。
「カルマ」は、スピリチュアルの世界、いわゆる魂の世界を解釈する際にも使われる。スピリチュアルの世界でのカルマは、自分自身の行動・態度・思考が自分に帰って来るだけではなく、前世の悪事・善行も今世に影響を与えるという考えだ。
「カルマ」は神秘的な要素を持った言葉なので、占いの世界で使われることも多い。一般的には、今世のカルマ、および前世のカルマを知り、さらに自分自身を成長させる方法を指南するという占いが主流となっている。
「カルマ」は、ヒップホップミュージシャンの名前でもある。正式な名前は呂布カルマ(りょふカルマ)で、名古屋芸術大学卒、名古屋在住のラッパーだ。呂布カルマは、テレビ朝日で2015年から2020年まで放送されていた『フリースタイルダンジョン』のラップバトルで、2代目・3代目モンスターになったという経歴がある。ちなみに、モンスターとは番組内で強豪ラッパーという意味で使われていた。
「カルマ」の類義語には、因果応報、自業自得・自業自縛・善因善果・悪因悪果・勧善懲悪・天罰・煩悩 ・火宅・エゴイズムなどがある。
「カルマ」の語源・由来
「カルマ」は、サンスクリット語で業・行為という意味がある「karman」が語源である。「カルマ」の熟語・言い回し
「カルマ」の熟語・言い回しには、アルマ=カルマ、前世のカルマ、カルマを背負う、バッドカルマがある。アルマ=カルマとは
アルマ=カルマとは、アニメ『D.Gray-man』に登場するキャラクター名である。アルマ=カルマは、元々「セカンドエクソシスト」と呼ばれる人造使徒であった。しかし、ユウという人造使徒に破壊されたアルマ=カルマは、脳を別の器に移植して新たなる生命体となった。
前世のカルマとは
前世のカルマとは、前世での行動や経験、体験が今世のカルマとしてよみがえるという意味の言葉だ。具体的には、前世の悪事や善行、トラウマなどが今世の生命体に影響を与えるという意味がある。
カルマを背負うとは
カルマを背負うとは、前世、今世の善行や悪行を背負った上で自分自身が存在しているという意味がある。スピリチュアルの世界や占いで使われることが多い言葉だ。
バッドカルマとは
バッドカルマとは、悪い行動・態度に対する報いという意味がある。バッドカルマを日本語で表現すると、天罰・天誅・罰が当たる・身から出た錆などが該当する。
「カルマ」の使い方・例文
「カルマ」の使い方・例文は、「私は占い師からカルマが深いタイプといわれた」、「彼の人生は前世のカルマによって定められている」、「カルマは自分自身の行いや行動によって創り上げるものだ」、「私の母はカルマから逃れられずに苦しんでいる」、「彼女の行動や態度はカルマが深いので、いずれ破綻してしまうだろう」などがある。その他には、「私たちは誰もがカルマを背負って生きている」、「誰もが改心すれば未来のカルマを変えることができる」、「根拠もなく人を見下している彼はカルマが深い」、「バッドカルマを破壊し、新たなる自分に生まれ変わるつもりだ」、「カルマを背負う人には特徴がある」などが挙げられる。
カルマ
「カルマ」の基本的な意味
カルマの基本的な意味は、「業(ごう)」だ。わかりやすさを重視して、「行為」や「行い」という意味で使用されることもある。良い行いをすると良い結果がもたらされ、悪い行いをすれば悪い結果が降りかかるという、インド哲学の考え方に基づいた言葉がカルマである。そして、インド哲学から発展した仏教にも、カルマの考え方は存在する。仏教におけるカルマには、前世の行いが、現世に影響しているという意味合いも含まれる。「業」は、行為を意味する言葉として、四文字熟語「自業自得」にも使用されている。そして、自業自得は、悪い行いをした報いは、自分で受けるという意味だ。そのため、業と同義のカルマも、悪行が自分に返って来る考え方であると誤解されることがある。しかし、カルマの対象となる行いには、善悪の区別はない。そして、何らかの行為に対する、当然の結果としてもたらされるのがカルマであるという解釈で、意味合いが「宿命」になることもある。
現代では、スピリチュアルな要素のひとつとして、カルマが取り入れられることも珍しくない。スピリチュアルにおけるカルマは、人に良い行いをさせたり、ポジティブな考えを持たせたりすることが目的であることが多い。また、他者に嫉妬したり、欲深かったりするなどの悪い性質が、悪い結果に繋がるという、戒めとして取り入れられることもある。
「カルマ」の語源・由来
「カルマ」は、「業」や「行為」を意味するサンスクリット語「karman」をカタカナで表記したものである。「karman」は紀元前の時代からインドに存在した考え方であり、仏教と共に日本に伝来し、カルマとして定着した。「カルマ(BUMP OF CHICKENの曲)」とは
「カルマ」は、日本のロックバンドBUMP OF CHICKENを代表する楽曲のひとつである。歌詞には、「人は生まれた時から奪い合い、何らかの業を背負う」「人が誰かと対峙した時、相手に自分の業が映し出される」といった意味合いが込められている。「カルマ(YouTuber)」とは
YouTuberの「カルマ」は、CMに出演したり、本を発売したりするなど、手広く活躍する人物である。親の離婚をきっかけに転校し、転校先の学校でいじめの被害に遭ったり、非行に走ったりするなど、壮絶な生い立ちをしている。そして、2016年から配信活動を始めた。当初は2人組で活動していたが、2018年からは1人での活動となっている。2020年からは理由を明かさないまま活動を休止していたが、現在はavexを所属事務所として活動を継続している。また、2019年に公開した動画内で、弟が俳優であることを公表した。「カルマ」を含むその他の用語の解説
カルマパーマとは
「カルマパーマ」は、前髪を分けたような見た目となるパーマである。「カルマ」は、韓国語で「分け目」を意味する。「業」や「行為」を意味する「カルマ」と読み方は同じであるが、意味は違う。そして、韓国人俳優やk-popアイドルが流行らせたパーマであるため、カルマパーマと呼ばれる。
呂布000カルマとは
「呂布000カルマ」は、ラッパーである呂布カルマの別名義である。読み方は「りょふせんかるま」であり、呂布という単位が千あるという意味となっている。名前の「カルマ」の部分は、格好良いという理由で付けられていて、「業」や「宿命」といった言葉本来の意味はない。
「カルマ」の使い方・例文
「カルマ」は、自らの業を指すために使用する。例文にすると、「最近は良いことが続くが、何かのカルマだろうか」「私は、将来の幸運のために、日ごろから良いカルマを溜めるようにしている」となる。そして、「彼には数多くの試練が訪れるが、前世からいったいどれほどのカルマを背負っているのだろうか」のように、現世より前の業を指すこともある。また、自らの行いは結果として返って来るという、考え方そのものを指すために、カルマを使用することも可能だ。その場合は、「彼女は、カルマについて熱心に説明している」「良い行いをしたにも関わらず、災難ばかりが降りかかるので、私はカルマを信じなくなった」という風に使用する。
カルマ
カルマ【(梵)karman】
読み方:かるま
業(ごう)。
カルマ
カルマ
カルマ
業
(カルマ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/19 07:52 UTC 版)
業(ごう)、業報(ごうほう)、業力(ごうりき)、応報(おほう)、[要出典]カルマ(梵: कर्मन् karman[注釈 1])に由来し、行為、所作、意志による身心の活動、意志による身心の生活を意味する語[2]。原義においては単なる行為(action)という意味であり、「良い」「悪い」といった色はなく、暗いニュアンスもない[3]。
注釈
- ^ 原語の karman は、サンスクリットの動詞語根「クリ」(√kṛ)、為す) より派生した[1]。羯磨(かつま)と音写する[2]。
- ^ 原始仏典である阿含経典(二カーヤ)において、ウパニシャッドは言及すらされておらず、まったく存在していなかったと考えるからである[要出典]。登場するヴェーダも三つまでである[要出典]。
- ^ ただし、業因には、煩悩などの「業を起こさせる原因」という意味もあり、因業には「因と業」すなわち「主因と助縁」という意味もある[2]。
- ^ 業とその苦である報いのことを業苦という場合もある[2]。
- ^ 非善非悪の無記業は業果を引く力がない[2]。
- ^ 経量部や大乗仏教では、身・語を動初(どうほつ)する思(意志)の種子(しゅうじ)のことを指して業道という場合もある[2]。
出典
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- ^ 大田 2013. 位置No.1165/2698
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