朝令暮改
朝令暮改とは、朝令暮改の意味
朝令暮改とは、上の人が下の人に出す命令や方針が頻繁に変わってしまうという意味のこと。英語ではinconsistent(矛盾する、気まぐれな)に近い。訓読では「あしたにれいしてくれにあらたむ」と読む。「朝礼」は朝に出した命令で、「暮改」は夜に変更するというということ。語源は「漢書」という歴史書にある、文帝への家臣からの意見書から。その内容は農民が日々の労働に苦しんでいる様子に加え上からの命令が一定せず振り回される様子を訴えたもの。「朝令而暮改」に由来する。朝令暮改の類義語や反対語
朝令暮改の類義語は「二転三転」。「朝改暮変」や「朝令夕改」も同じように使える。「二転三転」は、上からの命令に対してだけでなく「事態が二転三転する」などより広く使える。やり始めたことが続かないという意味では「三日坊主」もあるが、これは本人だけの性質を指して使われる。反対語は「首尾一貫」や「初志貫徹」で、どちらも肯定的なニュアンスで使われる。朝令暮改の例文、使い方
朝令暮改は、上の立場の人間の命令や下の者に下す方針を形容するのが一般的な使い方である。会社の上司や政府、役人など上の立場の者のいい加減さに批判的なニュアンスを含めることが多い。また、上のせいで迷惑を被る下の立場の者の感じる苦労や、そのように現場を混乱させる上の立場の人間への呆れもしばしば含まれる。例文としては「社長の言うことは朝令暮改でころころ変わるので部下が困る」「部長は朝令暮改だから部下は命令を真に受けてはいけない」など。朝令暮改
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/15 01:24 UTC 版)
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朝令暮改(ちょうれいぼかい、朝令夕改とも言う、中国語:朝令暮改、朝令而暮改、朝令夕改)とは、法令等がすぐに変更されて一定しないこと。朝改暮変ともいわれる。清時代の王念孫『讀書雜志』漢書四では『漢紀』で「朝令而暮改、改、本作得、言急徴暴賦、朝出令而暮已得、非謂其朝令而暮改也[1]」と「令」を「得」とするのが正しいとするなど表記は各説ある[2]。
由来
朝令而暮改
朝令而暮改(中国語: 朝令而暮改; 拼音: zhāo lìng ér mù gǎi)は『漢書』にある。
漢書
『漢書』24巻食貨志 第4上に記述される前漢時代に鼂錯が文帝に出した奏上文「勤苦如此、尚復被水旱之災、急政暴賦、賦斂不時、朝令而暮當具」[3](なお「朝令而暮當具」は近年の版本によるもので元は「朝令而暮改」である[4])がある。これは農民は一年中休みなく働かなければならない中、弔問などでの行き来や災害に見舞われる事もあり、臨時の租税も性急に催促されている実情がある中で、朝に法令が出たかと思えば、夕方にはそれをすぐ改める……というあり様を伝え、政策が変更し続け一定せずにあてにならないような事態を戒めた。
古文観止
清時代の呉楚材・呉調侯による『古文観止[5]』6巻漢文鼂錯『論貴粟疏[6]』に「勤苦如此、尚復被水旱之災、急政暴虐、賦斂不時、朝令而暮改、當具有者半賈」と『漢書』の引用がされている。
朝令夕改
朝令夕改(中国語: 朝令夕改; 拼音: zhāo lìng xī gǎi)は以下に由来する。
授馬総検校刑部尚書天平軍節度使制
唐時代の元稹の『授馬総検校刑部尚書天平軍節度使制』に「有迎新送故之困、朝令夕改之煩、自非有為而為」とある[7]。
資治通鑑
『資治通鑑』242巻[8] 唐紀58 穆宗長慶二年に「又凡用兵、挙動皆自禁中授以方略、朝令夕改、不知所従、不度可否、惟督令速戦」とある。
用法
日本では朝令暮改、中華人民共和国の『人民日報』などでは朝令夕改[7][9]として使用される。
注
- ^ 『漢語大詞典』 朝令暮改 《論貴粟疏》﹕“朝令而暮改” “朝令而暮當具”﹖』
- ^ 故事成語で見る中国史 朝令暮改
- ^
班固. 漢書/卷024上. - ウィキソース.1923年1月1日出版本を底本とする
- ^ 《論貴粟疏》﹕“朝令而暮改” “朝令而暮當具”﹖』
- ^
呉楚材 呉調侯. 古文觀止. - ウィキソース.
- ^
鼂錯. 論貴粟疏. - ウィキソース.
- ^ a b 中国語の落とし穴--022 閑話休提 一心一意
- ^
司馬光. 資治通鑑/卷242. - ウィキソース.
- ^ 「朝○夕○」?「朝○暮○」? 故事ことわざあれこれ(11)上野先生と歩こう 中国語遊歩道 『中国のことばと文化Ⅱ』 (PDF)
関連項目
「朝令暮改」の例文・使い方・用例・文例
朝令暮改と同じ種類の言葉
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