企業の社会的責任 ISOの制定

企業の社会的責任

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/30 16:44 UTC 版)

ISOの制定

国際連合国際標準化機構(ISO)では、上述の多様性を前提として国際的なガイドラインが策定されている。

社会的責任に関する国際規格は、規格番号 ISO 26000 として 2010年11月に発行された[10]。他の管理規格(ISO 9001ISO 14001 など)のように要求をするものではなく、あくまでガイドである。

2001年4月、ISOの理事会においてCSR規格の可能性を決議した。翌年から消費者政策委員会(COPOLCO)内で検討がなされ、CSRの規格化は望ましく、ISO 9000系及びISO 14000系を基にして規格化が可能だという見解を取りまとめた調査報告書が提出された。2002年9月、これを受けた技術管理評議会(Technical Management Board. TMB)内で規格化に関して作業が始まるが、多岐に渡るため難航した。審査登録制度(認証)を伴わないガイダンス用の規格案として提出され、世界自然保護基金の異論も添付された。ISOでは、社会的責任を負うのは企業および組織だけではないという議論を経て、2003年2月からは社会的責任[注 10]の呼称で策定が続けられていた[11]

社会的責任の中核主題及び課題として、組織統治[注 11]・人権[注 12]・労働慣行[注 13]・環境[注 14]・公正な事業慣行[注 15]・消費者課題[注 16]・コミュニティ参画及び開発[注 17]の7つが挙げられており、いわゆる社会貢献活動(寄付ボランティア活動など)は含まれていない。


注釈

  1. ^ CSRは法令遵守そのものや企業倫理PR活動CI活動とは峻別される。
  2. ^ : consumer social responsibility
  3. ^ : citizen social responsibility
  4. ^ : social responsibility、略称:SR
  5. ^ いわゆる寄付フィランソロピーメセナと誤解・誤訳されることもある。これらはステークホルダーとの協業や共同参画を欠いている。実際、多くの大企業では、これら3つを担当していた部署が、そのままCSRを冠する部署になったケースが多い。
  6. ^ 「二重の利を取り、甘き毒を喰ひ、自死するやうなこと多かるべし」「実の商人は、先も立、我も立つことを思うなり」
  7. ^ 「多くをむさぼると紛糾のもととなる」「不心得の一族は協議し、処分せよ」(宗竺遺書)
  8. ^ 「職務に由り自己の利益を図るべからず」「名誉を害し、信用を傷付くるの挙動あるべからず」「廉恥を重んじ、貪汚(どんお)の所為あるべからず」「我営業は信用を重じ、確実を旨とし、以て一家の鞏固隆盛を期す」
  9. ^ 「三方(売り手・買い手・世間)よし」
  10. ^ : social responsibility、略称:SR。
  11. ^ : organizational governance
  12. ^ : human rights
  13. ^ : labour practices
  14. ^ : the environment
  15. ^ : fair operating practices
  16. ^ : consumer issues
  17. ^ : community involvement and development

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