サプライチェーン
英語:supply chain
サプライチェーンとは、サプライチェーンの意味
サプライチェーン(supply chain)とは、商品が消費者に届くまでの「原料調達」に始まり「製造」「在庫管理」「物流」「販売」等を通じて消費者の手元に届くまでの一連の流れのこと。供給(supply)を鎖(chain)に見立て、ひと続きの連続した流れとして捉える考え方。「供給連鎖」ともいう。簡単にいえば、サプライチェーンは「製品が消費者に届くまでの全過程」のことである。企業の違いは無視される。原料調達はもちろん商品の企画発案までサプライチェーンに含まれる。
サプライチェーンは「川上産業」「川中産業」「川下産業」に分かれる
サプライチェーンは全体の流れの位置づけに応じて「川上産業」「川中産業」「川下産業」に大別される。サプライチェーンの過程において製造者に近い所に位置している産業を「川上産業」という。消費者に近い所に位置する産業を「川下産業」という。どちら寄りでもない、川上産業と川下産業の中間に位置する産業を「川中産業」という。
たとえば、スマートフォンの製造・販売のサプライチェーンでは、半導体メーカーやガラスメーカーなどが川上産業である。部品を組み立て、スマートフォンを生産する企業は川中産業。スマートフォンを販売する小売店は川下産業に該当する。
サプライチェーンマネジメント(SCM)とは
サプライチェーンマネジメント(Supply Chain Management)は、商品の生産から販売に至るまでの一連の流れをコンピュータシステムを用いて管理することである。サプライチェーンマネジメントの目的は、物流の効率化を図ることにある。サプライチェーンマネジメントでは、製造部門や物流部門、販売部門など1つ1つの部門をネットワークで接続し、原材料の仕入れ状況や問屋の在庫状況、店舗における売れ行き状況などを一元管理する。問屋の在庫が減ってきたら生産ラインを増やすといったことや、店舗在庫がなくなったらその日のうちに問屋から店舗へ商品を流通させるといったことが容易になる。
サプライチェーン
サプライチェーン(英: supply chain)とは、製造業において、商品の製造から販売まで全ての工程をひとつの連続したシステムとして捉える考え方のこと、および、そのような考え方のもとで捉えられた、一個のシステムとしての一連の工程のことです。「供給連鎖」と訳されることもあります。
サプライチェーンは、「サプライチェーンマネジメント」(SCM)と呼ばれる経営システムの根幹をなす概念です。商品が消費者の手に届くまでの間には、製造・物流・販売といった過程があり、たいていの場合これらの過程はそれぞれ別個の事業者・事業部門が担うため、需要や消費動向に応じた増産・減産といった柔軟な対応が困難になりがちです。サプライチェーンマネジメントは、そのように各工程の間にどうしても生じがちな情報の分断を無くし、最適な生産規模を維持する、という狙いがあります。
サプライチェーンに組み込まれる対象となる過程は、それこそ商品の企画・デザインの段階に始まり、材料の調達、部品の製造、組み立て、さらに、物流、販売まで含まれます。消費者の注文を受けてから商品を完成させる「受注生産」方式は、サプライチェーンが充分に機能していてこそ成り立つ方式といえます。あらかじめ完成品を生産して在庫を抱える管理方式なら、サプライチェーンを度外視しても成立します。とはいえ、今日では生産に関わる企業活動は多かれ少なかれサプライチェーン(およびサプライチェーンマネジメント)の考え方に基づいた生産管理を行っています。
サプライチェーンと同様、製造業では「バリューチェーン」というキーワードも用いられます。バリューチェーンは、製造や販売といった過程が段階を経るごとに商品の価値(バリュー)が付加されていく、という考え方であり、その価値を分析して業務改善に活かす手法です。バリューチェーンにおける「価値」とは、競合製品に勝る(競争優位性となり得る)強みです。消費者の手元に届くまでに加わってゆく付加価値のうち、どの部分が強く、あるいは弱いのかを、分析することで、業務の改善が期待できます。
「チェーン」繋がりでいうと「ブロックチェーン」というキーワードもあります。ブロックチェーンは、いわゆる「暗号通貨」(仮想通貨・暗号資産)の基幹技術として知られる、暗号理論に基づいた分散型ネットワークのことであり、「サプライチェーン」や「バリューチェーン」とは畑違いの概念です。しかしながら、サプライチェーンマネジメントにブロックチェーンの技術を導入して業務改善を図る試みなども行われており、その意味ではまるで無関係というわけでもありません。
サプライチェーン・マネジメント
(サプライチェーン から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/09 00:38 UTC 版)
サプライ・チェーン・マネジメント(英: supply chain management、SCM)、供給連鎖管理(きょうきゅうれんさかんり)とは、物流システムをある1つの企業の内部に限定することなく、複数の企業間で統合的な物流システムを構築し、経営の成果を高めるためのマネジメント手法である。なお、この場合の「複数の企業間」とは旧来の親会社・子会社のような企業グループ内での関係に留まらず、対等な企業間で構築される物流システムもサプライ・チェーン・マネジメントと呼ばれる[1]。しかし、実際には企業間の取引は対等であると限らず、現実と理論との乖離があり、その隙間(gap)分析が重要になる。また、サプライチェーンが顧客に届くまでの複数企業間の流れであるのに対して、バリュー・チェーンは一企業内の業務の流れを指す。
- ^ 拓海広志『ビジュアルでわかる船と海運のはなし(改訂増補版)』、成山堂書店、2007年、181ページ
- ^ 石川和幸 『なぜ日本の製造業は儲からないのか』 東洋経済新報社、2009年、104頁。ISBN 978-4-492-76182-3。
- ^ 英: purchase-sales-inventory
- ^ 英: plan
- ^ 英: source
- ^ 英: make
- ^ 英: deliver
- ^ 英: return
- ^ 英: transportation
- ^ 英: distribution
- ^ Cooper, M.C., Lambert, D.M., & Pagh, J. (1997) Supply Chain Management: More Than a New Name for Logistics. The International Journal of Logistics Management Vol 8を出版
- ^ 英: customer relationship management
- ^ 英: customer service managemen
- ^ 英: Demand management
- ^ 英: Order fulfillment
- ^ 英: Manufacturing flow management
- ^ 英: Supplier relationship management
- ^ 英: Product development and commercialization
- ^ 英: Returns management
- 1 サプライチェーン・マネジメントとは
- 2 サプライチェーン・マネジメントの概要
- 3 プロセス
- 4 SCMソフトウェア、SCMサービスを提供する企業
- 5 外部リンク
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