家族計画とは? わかりやすく解説

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かぞく‐けいかく〔‐ケイクワク〕【家族計画】


家族計画

夫婦出生力(623-1)はその再生産行動 1いかんである。夫婦は、計画者 2、すなわち出生児ならびに出生間隔(612-1*)を調節しようと努力する夫婦と、非計画者 3、すなわちそのような努力をしない夫婦とに分けられる。家族計画 4は、希望子供数 5超えないように努力を表す家族規模制限 4よりも広い意味を持つ。出生抑制(または産児制限産児調節) 6あるいは出生調節 6結婚している者の活動限られない


家族計画

【英】:Family Planning

カップルまたは個人が、避妊通して自発的に子どもをいつ、何人産むのか計画すること。また、単に産児制限といった意味だけではなく出産間隔時期調節することである。望まない妊娠による人工妊娠中絶若年もしくは高齢での妊娠度重なる妊娠出産などは、母子健康に影響を及ぼすが、出産間隔時期には、母子身体的な問題だけでなく、家族構成育児環境周囲理解といった、精神的社会的経済的な問題反映される
家族計画推進には、母子の健康確保福祉の向上が基本条件であり、出産年齢への配慮女性教育機会保障避妊法選択の自由乳幼児死亡削減、子どもの育成環境への配慮などが重要となる。有効に家族計画プログラム実行されている国では近代的避妊法利用増加しているが、開発途上国においては貧困男女性差別によって、女性避妊法実行することができないために妊娠に至るといったアンメットニーズ問題となっている。リプロダクティブヘルス・ライツ視点からも、家族計画は重要である。
池上清子

家族計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 05:16 UTC 版)

複合経口避妊薬。1960年から利用できるようになった「ピル」は、数十年以上、家族計画における道具的役割を担ってきた。
家族計画の方法

家族計画(かぞくけいかく、英語:family planning)は、家庭毎の、いつ・どれだけ子供を持つかという計画をいう。

概説

1950年代以降、アジアを中心に食糧不足や資源不足、貧困や経済開発の遅れが生じたが、その原因に人口の急激な増加が指摘されるようになった[1]。所得水準が低い国々では、子供が家計の収入には欠かせない存在であり、社会保障制度も整っていないため、親が子供に対して老後の生活の世話をしてくれることを期待して、出生率が高くなる傾向にある[2]

発展途上国人口爆発が起きると、農業生産は上がらず、一人当たりの所得水準は低くなり、貧困から抜け出せない状態に陥る[2]。そこで総合的な人口政策として、家族計画の導入が図られるようになった。

しかし多くの発展途上国では、出生率の数値目標を達成するための頭ごなしの人口政策がとられたため、人々の反発を買い、具体的な成果を上げることができなかった[1]。また、諸問題の根源がすべて人口増加にあるわけではなく、富の再分配の不平等や社会福祉政策の不備が、結果として人口増加につながっていると指摘されるようになった[1]。これは人口減少の場合においても、同様の議論がある。

1994年に、エジプトカイロで開かれた国際人口開発会議では、統計優先の国家人口政策というマクロの視点から、個々の健康や生活というミクロの視点へ重点を移すべきとされた[1]

各国の政策

日本

戦中は産めよ殖やせよが唱えられたが、戦後は人口爆発への懸念から、産児制限が唱えられるようになった。その結果戦後10年ほどで合計特殊出生率が4を超えていたものが2を下回るところまで急落した。

1958年度の『厚生白書』では家族計画は単なる子減らしではなく、

われわれが健康にして文化的な生活を営むためには、自らの手で家族設計すなわち適当な家族構成を考えて行くことが必要となるが、家族計画とは、このような自主的計画的な家族設計のことをいうのである。

としている[3]。即ち産児制限の中で、各家庭が自主的、計画的に行う側面を強調している。

その後しばらくは合計特殊出生率が2付近のまま推移していたが1970年代以降は緩やかに下落していき、1989年のいわゆる「1.57ショック」以降はそれまでとは逆に少子化が問題視されるようになった。

中国

中華人民共和国では、1979年から一人っ子政策を導入して、強制的な人口抑制が図られた[4]。しかし、男女比の不均衡、無戸籍児の増加、将来の急激な少子高齢化が、新たな問題となっている[2]

インド

インドでは1970年代に出生率の数値目標を定めた強制的な人口抑止政策がとられたが人々の反発を買い、中止され、家族計画を中心とする政策に移行した[1][4]

脚注

  1. ^ a b c d e 『アジア環境白書2000/01』東洋経済新報社、2000年、278頁。 
  2. ^ a b c 伊藤彰芳『みんなのセンター教科書 地理B 改訂版』旺文社、2015年、219頁。 
  3. ^ 厚生白書(昭和33年度版)”. 厚生労働省. 2012年3月7日閲覧。
  4. ^ a b 伊藤彰芳『みんなのセンター教科書 地理B 改訂版』旺文社、2015年、218頁。 

関連項目

外部リンク


家族計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 15:52 UTC 版)

リー・クアンユー」の記事における「家族計画」の解説

1960年代後期には、シンガポール増大する人口が、発展中の経済負担をかける可能性があるとして、「子供2人まで」という家族計画を推奨するキャンペーン展開し子供のいる夫婦からは不妊手術受けられるように主張する声が多く上がった。 ほかにも、大卒女性出産推奨するなどの優生思想に基づく選別的な教育制度実践した回顧録では「多民族社会では、ある民族知能指数 (IQ) が他よりも低いというベルカーブ英語版仮説動かしがたい現実だったからです」と主張している。

※この「家族計画」の解説は、「リー・クアンユー」の解説の一部です。
「家族計画」を含む「リー・クアンユー」の記事については、「リー・クアンユー」の概要を参照ください。

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